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カンフー・パンダのトレーニング日記

ウェイトトレーニングのログ。新しく発売されたサプリメントを使っての人体実験、中国武術などの格闘技関係の話。

シラット(ガン・ディスアーム)

2014-05-12 10:23:45 | 武術
 シラットという、東南アジアを中心に伝承されているけれども、その発祥は実は中東だったという武術の練習に参加してきました。初めて練習に参加したのは、一年半くらい前だと思うので、今回で六回目くらいでしょうか。
 
 シラットに興味を持ったのは、武器術、特に武器を持っている相手に対して素手で対応する方法を知りたかったからです。武器を持った相手と対するときは、こちらは相手よりも長い武器を持つというのがまずは鉄則なんです。ナイフを持った相手に対する場合であれば、モップとかバットとか椅子とかになります。ただし、いつでも武器として使用できるものが身の回りにあるとは限らないので、素手で対応せざるを得なくなった場合にどうするのかに関して知っておきたかったのが一つ。もう一つは、武器を持った場合と素手の場合とで、身体操作が変わるようであってはややこしくて仕方がないので、そのあたりを実感しておきたかったと言うことがあります。
 
 余談ですが、八極拳や太極拳は槍の操作方法をそのまま素手の身体操作に適用したものだとよく言われているので、それならばたとえば小八極を、棒、あるいはスティックを持った状態で演武できるのかと言うことでやってみたんですが、意外と難しかったというか、どう使って良いか分からなかったです。しっかりとした指導者について学んだ方が良いみたいです。

 さて今回は、参加者全員が何らかの武術・格闘技の経験者であると言うことから、複雑で高度な技やコンビネーションを教わった訳なんですが、その中に、ガン・ディスアームの技法が含まれていました。ディスアームと言えば武装解除という意味なんですが、この場合は、拳銃を突きつけられた場合に対応し、相手の拳銃を奪い取るための一連の手法のことです。

 ガン・ディスアームがよく分からない人のために動画を用意しておきました。



 
 ガン・ディスアームは今回初体験だったんですが、いろいろな気づきがあって、非常に有益でした。まず、当たり前ですが自衛隊経験者は銃の扱いが上手いです。
 
 ディスアームするに当たっては、引き金を引かれても被弾しないように、自分に向けられている銃口をそらす必要がある訳なんですが、銃口をそらすために必要な時間と、相手が引き金を引くまでに必要な時間を考えると、おもちゃの拳銃と分かっていても、その緊張は半端ではありません。0.3秒以内でディスアームできれば、相手は反応できないようですが…。相手に察知されてしまうことのないように、準備動作なしで動く必要がある訳なんですが、伝統的な武術に含まれる技法が大いに役に立ちそうです。実際に、伝統的な技術(膝の抜き)を使う場合と使わない場合で試してみたんですけど、体感ですが初速がかなり変わるのと、相手の体勢が大きく崩れているような気がします。
 
 あと、中国武術などで、段階が進むと非常な低架で練習することがあるんですが、なぜ低架で練習するのかの理由の一つが分かったような気がしました。初めて蟷螂拳を習ったときに、そんなに低い姿勢で練習しなくて良いと言われて、えっ、そうなのと思ってたんですが、やっぱり低架での練習は必要だと思います。
 
 とは言いつつ、やはり疑問も色々と感じるようになりました。ナイフを持って殺傷しようとする相手は、少なくともナイフが届く位置まで接近する必要があるので、こちらにも反撃のチャンスがある訳なんですが、拳銃であれば、こちらの手が届かないところ、反撃のしようのないところに身を置いたままで引き金を引くことも可能なわけです。映画などでは、危機に陥った主人公に反撃させるために、必要以上に接近する訳なんですが、実践だと3メートル以内には近づかないと思います。後ろ向きにして跪かせてステップが使えないようにしてから接近するわけです。もちろん、この体勢からでもディスアームする手法はあるのかもしれませんが…。
 
 

両刀掌底拳

2014-05-09 08:09:36 | 武術
 検索してみたのですが画像や動画はも見つけられませんでした。両手の掌底をボディに打ち込む技です。両刀となっていますが、腕刀を使うわけではありません。掌底拳となっていますが、拳ではなく掌底を使います。よく分からないネーミングです。
 
 関西第五工業高等学校の空手部主将だった森上真吾の得意技なんですが、両掌で同時にボディ打ったら、顔面のガードはどうするだよとか思ったのを覚えています。
 
 両手で同時に攻撃するのは、かなり危険な技にはなるんですが、同時にディフェンスもなくなる訳なので、使うのに躊躇する技でもあります。にもかかわらず、両手で同時に攻撃する技はいろいろ伝承されていて、たとえば双按や双峰貫耳(太極拳)、虎撲(八極拳)、双撞掌(八卦掌)、双堤双打から秀女引針(蟷螂拳)など…。形意拳は良く知らないんですが、馬形拳も同じと考えて良いんでしょうか?。あとは菩薩拳(灘新陰流)というのもありました。


(参考)
両刀掌底拳(2)

震脚と伸張反射、それらを利用した後ろ回し蹴り

2014-05-07 12:22:45 | 武術
(今日の武術)
 震脚
 後ろ回し蹴り
 

(解説)
 震脚(しんきゃく)というのは、中国武術の用語で、脚で地面を激しく踏みつける動作のことです。日本武道では踏鳴(ふみなり)といいます。
 
 中国武術にはいろいろな種類があって、震脚を用いない門派(=流派)もあるんですが、どうしたわけか、震脚が中国武術に不可欠なものであるかのような認識をしている中国武術愛好家が多いような気がしないではないです。あるいは、震脚が練習できる門派を好んで練習したりとか…。このあたりは、蟷螂手が好きなので、蟷螂手を使った技法が頻出する套路の練習が好きだという人がいたりするのと、同じような心境なのかもしれません。震脚をすると、いかにも中国武術っぽいとか、演武の際に大きな音が出てギャラリーを脅かしたり出来るからでしょうか?。
 
 なぜ震脚を行うかについては、様々な意見があるようですし、個人的な考えもあります。ここ半年ほどは、震脚を行わない楊式太極拳や八卦掌を練習していてたんですが、思い出したように、5年ぶりくらいで八極小架を練習したところ、同時並行で伸張反射の使い方を試行錯誤していたこともあって、瞬間的に片足立ちになって沈墜するあたり、伸張反射を使うための基礎訓練の意味もあったんだなと思い当たった次第です。「薄氷を踏む」という言い方は、どうもぴんと来ないので好きではなくて、「膝を抜く」の方がイメージしやすいと思うんですが、「膝を抜く」は指導者によっては少し違う意味で使っていると思われる場合もあるので、そのあたりが理解できていないと、初学者は混乱する場合があるかもしれません。


 突然、後ろ回し蹴りの話になるんですが、軸足を中心にした回転運動だと思ってはいたんですが、伸張反射を使った前後運動だとも考えられるし、そののように身体操作した方が早いという説明を受けて、一気に視界が開けたというか、目からうろこが落ちたというか、腑に落ちました。
 
 西洋的な運動理論だと、脊柱を中心とした回転による遠心力で威力を発揮するような身体操作になってるんですが、東洋的な伝統武術は、両手で紙を破るような、二枚の下敷きを重ねて、それを前後にずらすような身体操作を求められます。もう一つは、軸足をスライドさせながらの前蹴りや回し蹴りが出来るなら、軸足をスライドさせながらの後ろ回し蹴りも出来るだろう。出来るはずだということですね。脊柱を中心にした回転運動だと、どうしてもモーメントアームが大きくなりますから、そのあたりが非常に有利だと思います。
 
 とは言いつつ、実際に自分の身体で再現できるようになるまでには、それなりの時間がかかりました。この動きが身体に馴染むというか染みこむまでには、まだまだ時間がかかりそうです。サンドバッグを相手にして、いきなり後ろ回し蹴りというのは出来るようになりましたが、後ろ回し蹴りはモーションが大きいので、当てるためにはそれなりの段取りが必要になります。たとえば、左ローを何度か当てておいて、左ローがスカったように見せかけて右後ろ回しに持っていくとか、あるいは左前蹴りを捌かせておいて右後ろ回し蹴りとかです。個人的には、左前蹴りを捌かれたら、そのまま左後ろ蹴りに持っていく方が得意なんですが…。
 
 なので、後ろ回し蹴りが単発で蹴れるようになったら、コンビネーションの中でどうやって伸張反射が使えるのかを練習することになると思うんですが、まだそこまで行けてません。また、そのうちに…。

身長差20cmの対決

2014-03-21 21:19:53 | 武術
 事情はよく分からないままに、対戦することになりました。事情がよく分からないというところで怒られそうですが…。
 
 相手は、長身で、20cmくらい身長差があるんじゃないでしょうか。10cmくらいの身長差らば、ボクシングでやり合ったことがあるんですが、とにかく怖いです。当然ですが、相手の方がリーチがあるので、いかに相手の制空権の外にいるか、いかに相手の間合いをかいくぐって懐に入るかなんですが、20cm差があると、何やってもアカンのとちゃうかくらいに思えてしまいます。
 
 対戦してすぐに、相手の右脚が動くのが見えました。頭の中ではストッピングと思ったんですが、実際の動きは右のローキックで、通常なら間に合わないと思うんです、間に合って脛でカットできました。
 
 相手がひるんだ様子が見られたので、ジグザグステップを使いながら踏み込んで、ワンツーを打ち込みました。当てるためではなくて距離を測るためのワンツーです。20cm差がある相手とはやったたことがなかったので…。
 
 手応えはあったので、そのまま左にステップして、圏捶をアゴに向けて打ち込みました。フックといえばフックなんですけど、肘を締めたままの、空手でいえば振り打ち、最近の言葉で言えばロシアン・フックです。こちらも、手首の返しが甘くて、手の甲が当たってしまったので、当たった瞬間に、中指骨は折れたかもと思うくらいの衝撃がありました。
 
 
 そんな夢を見ました。

中国武術を英語で読む

2014-03-21 12:16:46 | 武術
 中国武術を学ぶ際には、漢字を通して意味を探ることが多かったりする訳なんですが、これを英語を通して学ぶとどうなるんだろうと思った訳ではないですが、貴重な英語の文献を見つけました。
 
 中国武術では、勁と呼ばれる特殊な力の使い方をするんですが、中国武術を習うようになったら、勁と力とを明確に区別しないといけないといわれたりします。その後は禅問答的な解説が続いたりするんですが、勁の英訳はenergiesだそうです。残念ながら力の方の英訳は見つからなかったんですけど、powerなんでしょうか?。
 
 さて、勁にはいくつかあるんですが、中国武術で重要視されているのは、聴勁、化勁、発勁で、これらがどう英訳されているのかが気になるところなんですが、なんとlistening、Neutralizing、Issuingでした。文字通り訳してるだけのような気がします。特に聴勁をlisteningと訳すのは、聴勁の意味を正しく伝えていないような気がします。
 
 擠勁がpressing、按勁がpushingになってるんですけど、これもなんか違うような…。というか、相撲の寄り切りと押し出しの違いみたいに感じられるんですが…。ちなみに寄り切りはforcing out、押し出しはpushing out、つり出しだとlifting outになります。
 
 靠勁はBumpingだそうです。昔のディスコを思い出しそうです。

武術の併修について

2014-02-18 11:13:52 | 武術
 年に四回くらいなんですが、出稽古というか、普段、練習しているのではない武術を習いにいってたりします。たぶん、四回目だと思うので、去年の今頃、初めて練習に参加したんですが、それほど違和感なくこなせてしまえたりしました。グース・ネックだけは未だに苦手ですが…。
 
 伝統的な武術には型稽古があるんですが、一度や二度、見たくらいではもちろん、しっかり練習したとしても、なかなか理解できなかったりする部分があったりします。昔々は門外不出の秘伝だったりした訳で、技術を盗まれないように、わざと動作を省略したり、方向を変えていたりしてある訳で、そうした部分は口頭で説明を受けることになります。口伝とか口訣とか言われるところです。要は、師匠から弟子に、直接伝えられる訳です。
 
 で、複数の武術を併修すると、隠してある部分が微妙に違うので、まさしくミッシング・リングがぴったりとはまってしまうかのように、分かってしまう部分があったりします。
 
 蟷螂拳と芦原空手は、ほぼ同時期に練習していたんですけど、なかなか、良い勉強になりました。

ルーツを探る(太極拳)

2013-05-02 13:48:03 | 武術
 タイトルを見ると、『太極拳のルーツを探る』と読めないことはないですが、太極拳は少林寺で武術を修めた張三豊が、武当山に入って修行し、道教の陰陽五行思想や呼吸法を取り入れて編み出したという話ではなくて、あくまでもカンフー・パンダが練習している太極拳の話です。
 
 太極拳練習を始めたのは、結構、昔のことだったんですが、当時は太極拳と言えば簡化太極拳(二十四式)に触れるのが精一杯でした。その後、楊式八十五式の練習をする機会があったんですが、途中で挫折してしまいました。太極拳の練習を始める前から空手を練習していたので、健康体操としての側面ではなく、武術としての太極拳を学びたかったんですが、当時はどのように使うのかが全く分からなくて、興味を失ってしまったからです。八十八の動作が多すぎて覚えられなかったというのもありますが、野馬分髪と斜飛勢はどう違うのか?、という用法以前の問題にも明確にに答えてくれない指導者が当たり前にいた時代でした。
 
 さて、実際に太極拳を練習している人でも知らない人が多いみたいなんですが、太極拳には色々な門派(流派)があり、カンフー・パンダが練習しているのは、陳式の老架というものです。昨年からは気功太極拳も始めました。太極拳は、ゆったりと動くものだと思っている人が多いんですが、カンフー・パンダが練習している陳式老架はそれほどゆっくりではないです。もちろん、空手の型の演武よりはずっとゆっくりなんですが、太極拳と聞いて一般の人がイメージするであろう動きよりはずっと速いです。一部、豪猛な動きもあります。実際に、気功太極拳を学び始めたころは、あまりのゆっくりさについて行けませんでした。太極拳を学ぶ人の中には、ゆっくり動くから運動量も少ないだろうといって始める人もいるらしいんですが、常に身体のどこかは動いているし、ゆっくりだとは感じられないし、先生の動きについていくのがやっとだと言う人がいるのと反対ですね。


 一応、歴史的な定説をまとめておくと、陳長興(1771~1853)が伝えていたのが陳式の老架で、現在は、陳小旺、陳正雷、王西安、朱天才の四天王が伝承しています。実際には、陳照奎(1927~1981、陳発科の子)が改良を加えた老架の新架と呼ぶべきものらしいですが…。で、陳長興から楊露禅(1799~1871)が教えを受けて独自の進化を遂げたものが楊式太極拳です。楊露禅から楊班候(1837~1892)を経て、呉全佑(1834~1902)、その養子である呉鑑泉(1870~1942)に伝えられ、呉式太極拳が創始されました。


(陳式太極拳老架、陳小旺)


(楊式太極拳)


 一方、陳長興とほぼ同時代に陳有本、陳有恒がいて、こちらが陳式の小架で、現在では陳沛林、陳沛山、陳沛菊が継承しています。陳有本の甥である陳清萍(1795~1868)から教えを受けたのが武禹襄(1812~1880)で、後に独自に進化させたものが武式太極拳です。更に、武式太極拳を学んだ孫禄堂(1861~1932)が、それまでに学んでいた形意拳、八卦掌と融合させて創始したものが孫式太極拳ということになります。


(陳式太極拳小架)


(孫式太極拳)


 つまり、陳式の老架から派生したものが楊式太極拳であり、陳式の小架から派生したものが武式太極拳であり、孫式太極拳であるということになる訳です。
 
 最近では、各太極拳の動画を見ることが容易になっていますが、陳小旺の太極拳も、北京で多く伝承されている陳発科(1888~1957、陳長興の曾孫)の太極拳も、カンフー・パンダの習ったものとは風格が全く異なっています。演武速度の違いはあるものの、陳式太極拳よりも楊式太極拳に似ているような気がしていました。
 
 中国武術の場合、弟子の習熟度に合わせて套路(型)の内容がどんどん高度に、複雑になっていくのが普通ですし、カンフー・パンダの学んだものは初学者用の套路なんだろうと思っていました。ところが最近になって、西安で伝承されている太極拳は、カンフー・パンダの学んだものとよく似ていると言うことを知ることが出来ました。加えて、陳式老架が現在のようにゆっくりと演武されるようになったのは、陳発科以降であるとの話も…。確かに、カンフー・パンダの太極拳は、陳発科の父(陳長興の孫)である陳延熙の系統なので、現在の演武より快速であっても不思議はないです。陳発科は、北京に出て初めて陳式太極拳の演武を行った人として知られていますが、陳式太極拳の神髄を知られないためにも、わざと複雑で高級な套路を、ゆっくりと演武したのかもしれません。ちなみに、洪均生(1907-1996)を教えていただいたので調べてみると動画がありました。残念ながら、杜毓沢の動画は見つけることが出来ませんでしたが…。



(陳式太極拳老架、洪均生)


 陳式太極拳は、老架から新架へと進化してきたわけですが、意外と、陳式太極拳の古流がそのまま楊式太極拳の中に残されているのではないかと思ったりしています。余談ですが、山西省買洪洞県では、陳家溝ではすでに失伝している108勢長拳が洪洞通背拳として今も伝承されているとか…。

 洪洞と聞いて浮かぶのが崆峒派なんですが、関連はあるんでしょうか?。崆峒派は、名前だけは知ってるんですが、その内容は一切知らないので…。巻上公一のファンではありますが…。

左圏捶による外天への攻めに対する反撃

2013-04-12 15:24:04 | 武術
 『左圏捶による外転への攻撃に対する反撃』を考えてたんですけど、ないですねぇ。『右圏捶による内転への攻撃に対する反撃』だと、
 
・右野馬分髪
・閃通背
・雲手
・左下勢独立

 楊式ではないですけど、
 
・抱頭推山
・海中抱月

も、抱頭推山を換手からの双按、海中抱月を換手して擠と考えることが出来ます。

 一方、敵の右腕を引き回して、大きく崩してからの反撃と言うことで考えると、
 
・単鞭
・高探馬
・左野馬分髪

 になる訳です。例によって楊式ではありませんが、
 
・金剛碓捶
・当頭砲

 も同様だと思われます。
 

 で、敵の左圏捶に対する反撃なんですが、

・左野馬分髪
・右下勢独立
・白鶴亮翅

 くらいですか。敵の左腕を引き回して崩してからとなれば、
 
・右野馬分髪

 が使えますけど…。
 
 陳式だと、看板技の
 
・懶紮衣
・抱虎帰山
・換手して肘底看捶
 
 くらいですか。伝統武術の場合、利き手である右側を前にして構えることが多いので、右手側が外門になって、敵の攻撃に晒されるはずなので、敵の攻撃のあらゆるバリエーションに対抗できるようになっているべきだと思うんですが、なぜかシンプルにまとめられているような気がします。このあたりは、もっと練習しないと分からないのかもしれません。
 

(参考)
右圏捶による内天への攻めに対する反撃(1)
右圏捶による内天への攻めに対する反撃(2)


 

右圏捶による内天への攻めに対する反撃(2)

2013-04-08 12:36:22 | 武術
 太極拳が太極拳として独自の地位を保持している理由は、太極拳が他の武術とは異なる技術体系を有しているからに他なりません。具体的には、空手のように、敵の攻撃を防御して反撃すると言うことではなく。敵の攻撃を受けて十分に崩した後に反撃するところが特徴な訳です。もちろん、どんな武術にも攻撃に対する「防御」「崩し」「反撃」がある訳なんですが、太極拳は「崩し」の部分を重視する訳です。
 
 別にシリーズ化するつもりは全くなかったんですが、「右圏捶による内天への攻めに対する反撃(1)」を書いたあとで、「左圏捶による外天への攻めに対する反撃」くらいは自身のメモのために書いておこうと考えたりはしました。が、その前に、「右圏捶による内天への攻めに対する反撃」で不足している部分があるように感じたので補足します。「左圏捶による外天への攻めに対する反撃」は、暇が出来たら書くかもしれません。
 
 
 太極拳は、円を描いて演武する訳なんですが、ではその円の中心がどこにあるのかを意識して演武している人がどれくらいいるのだろうかと疑問に思ったりすることがありました。野馬分髪を例に取ると、両手を広げる動作の時は中丹田を中心とした動きになります。ちなみに丹田と言えば臍下丹田を指すことが多いですが、中丹田は胸の中央、乳頭の中央あたりにあります。一方、抱球するときの中心は、前手の手首付近、もう少し具体的には敵の腕と接触しているところが中心になります。「右圏捶による内天への攻めに対する反撃(1)」紹介した技法は、敵の右腕の下をすり抜けるものが多く、敵の右腕と接触しているこちらの左腕を中心として円を描く形のものだったということになります。
 
 それに対して、接触した敵の右腕を取って積極的に崩していく技法もある訳で、それらが、

・穿梭→高探馬
・穿梭→倒攅猴
・穿梭→金剛碓捶
・穿梭→当頭砲

 あたりだと思います。穿梭からの連続技にする必要はないですが…。あと、金剛碓捶と当頭砲は陳式の技ですから、ここ(二十四式気功太極拳)のまとめとして出してはいけないような気はします。(^^;)。
 
 ちなみに、この穿梭に似た技が伝統空手の型の中(平安四段)にも含まれているんですが、敵の攻撃に対して前腕ではなくて上腕を受けているところが興味深かったりはします。


(参考)
右圏捶による内天への攻めに対する反撃(1)
右圏捶による内天への攻めに対する反撃(2)
左圏捶による外天への攻めに対する反撃

右圏捶による内天への攻めに対する反撃(1)

2013-04-06 15:13:17 | 武術
 古今東西を問わず、武術の神髄は前進してくる敵に対して、こちらは斜め前に進んで有利なポジションを取るというところなんですが、今、練習している二十四式制定拳で、それを練習してみました。バリエーションは色々とあるんですが、相手の右圏捶(フック)に対抗するものです。
 
 とりあえず、敵の内天を狙う右圏捶に対して穿梭で受け、同時に右掌打を打ち込んでからの変化です。
 
 
・穿梭→右野馬分髪
 抱球収脚のところ、敵の脇(右手の下)をすり抜けるときに、右肘が入りますし、間合いによっては右肩での靠が使えます。相手の背後に入って野馬分髪という感じ。

・穿梭→閃通背
 敵の脇をすり抜けるところは野馬分髪と同じなんですが、敵との間合いが遠くて背後に回り込めなければ、肘&肩を推してやればいいということで…。野馬分髪と閃通背の中間的な間合いであれば、双按と言う手もあります。
 
・穿梭→雲手
 説明しなくてもいいと思いますけど、敵の圏捶を受けた左手を換手する訳です。雲手って、ショルダーブロックとしても出来るし、膝裏を踏んで倒すことも出来ますし、ちょっと強引に腕四の字にも持って行けますし、そうなると、雲手→海底針の合法も出来たりするので、バリエーションは楽しめそうです。

・穿梭→閃通背→海底針
 套路の順とは逆ですけど、こっちの方が使いやすい気がするなぁ。

・穿梭→閃通背→転身搬欄捶
 転身搬欄捶の前半ね。

・穿梭→下勢独立
 穿梭→雲手の時の換手は、動きの中心が自分の中にあるんですが、穿梭→下勢独立の場合、動きの中心は、換手の時に引っかけた右鉤手にあります。右鉤手を中心にして回身して下勢を行います。ちょうど後掃腿の様な動きになります。倒れなくても前のめりになりますから、アゴを狙って掌打でも、膝蹴りでも、左肩での靠でも使えます。左手も色々使えますね。

(参考)
右圏捶による内天への攻めに対する反撃(2)
左圏捶による外天への攻めに対する反撃