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カンフー・パンダのトレーニング日記

ウェイトトレーニングのログ。新しく発売されたサプリメントを使っての人体実験、中国武術などの格闘技関係の話。

昨日のウェイト(肩編)、特にシュラッグを考える。

2012-07-28 08:42:10 | ワンポイント
◆ワンハンド・ダンベル・シュラッグ
 ・ 45lbs×10レップ×1セット
 ・ 65lbs×10レップ×1セット
 ・ 85lbs×10レップ×1セット
 ・105lbs×10レップ×1セット
 ・125lbs×10レップ×1セット
 ・135lbs×10レップ×1セット

 お試しなので、メインセットを何kgで行うかを探るためのパイロットです。肩の種目、特に僧帽筋をどうやって鍛えるかと言うことをかなり考え抜いたあげく、結局のところ自分では回答を得ることとは出来なくてアドバイスをもらうことになったんですが、現時点ではこれが一つの回答です。カンフー・パンダとしては、ツーハンズで行う種目よりもワンハンドで行う種目の方が好きであるにもかかわらず、すっぽり抜け落ちてしまっていて、考えることもしませんでした。ちなみに、正確にはワンハンド&サポーテッド・ダンベル・シュラッグらしいですが、面倒くさいので、今後もワンハンド・ダンベル・シュラッグで行きます。

 突然話は変わりますが、骨盤の絵を描いて、どのように大腿骨が付いているかを描き加えよと言った場合、正しく描ける人は少ないと思います。もちろん、アスリートなら正しく描けると思いますが…。
 
 同様に、肩関節がどのように上体に付いているかを説明せよと言った場合、アスリートでも正しく答えられる人は少ないと思います。上腕骨は、肩胛骨の関節窩につながり、肩胛骨の肩峰関節で鎖骨に繋がっています。鎖骨は反対側で胸骨に繋がっています。こちらが胸鎖関節です。従って、上腕骨は肩胛骨と鎖骨を介して胸骨(体幹)に繋がっています。胸鎖関節が、唯一、体幹と上肢帯を結ぶ関節であり、肩胛骨の前進や後退、挙上や下制、上方回旋や、下方回旋なども、胸鎖関節を中心とした弧運動であると考えることが出来ます。
 
 ここで、僧帽筋のことを考えると、僧帽筋(上部)は後頭骨から始まり鎖骨に停止、僧帽筋(中部)は胸椎から始まり肩胛骨の肩峰と肩胛蕀に停止、僧帽筋(下部)は胸椎から始まり肩胛骨の肩胛蕀に停止しています。シュラッグでターゲットとなるのは僧帽筋(上部)ですが、筋肉が収縮するときに力を出す訳ですから、後頭骨と鎖骨の距離が近づく方向に動かすことにより、僧帽筋(上部)に刺激を与えることが出来る訳です。そう考えると、バーベルを使ったシュシュラッグのように、上方に引き上げていては十分な刺激を与えることが出来ないと言うことにもなります。
 
 もう一つは、まいど言っていることですが、フリーウェイトを使ってトレーニングを行う場合、フリーウェイトは重力方向にしか落下しませんから、筋繊維の方向と重力方向、動作方向を一致させることによって効率的に刺激を与えることになります。後頭骨から鎖骨と言うことを考えれば、上体を10度ほど前傾させたときに、僧帽筋(上部)は重力方向と一致します。胸鎖関節を中心に弧運動をすることを考えると、更に重力方向とも一致するのは動作の中の一部だけと言うことになりますが…。
 
 ツーハンズで行うと、両側筋力低下が起こることを考えると、ワンハンドで行った法が高重量を扱うことが出来、可動範囲が広くなり、反対の手をパワーラックなどに乗せることにより腰にそれほどの負担をかけることなく上体を前傾させることが出来ると言うことで、いいことずくめです。今回は、135lbsまでやりましたけど、45lbsでも十分バーンが来ます。たぶん155lbsとかでも出来るはずですので、次回は155lbsでメインセットを行う予定です。さすがに160lbsを超えると、パワーベルトをした方が良いような気はしますが…。
 

◆ショルダー・プレス(ダンベル、アンダーハンド)
 ・12kg×10レップ×1セット
 ・14kg×10レップ×1セット
 ・14kg× 6レップ×1セット
 ・12kg× 8レップ×2セット
 ・10kg× 8レップ×2セット

 カンフー・パンダはプレス系が苦手です。手長星人だからなんですが、ショルダー・プレスにしても、通常のフォームだと、三角筋のフロントヘッドとミドルヘッドのちょうど中間くらいに刺激が入る。ウェイトトレーニングの原則であるアイソレーションを実現しにくいと言うことで敬遠していたんですが、アンダーハンドで行うと、フロントヘッドをピンポイントで刺激できるというアドバイスをもらったので、今回やって見ました。肘関節が、常に体幹の内側に入っているようにすると、確かにしっかりと三角筋フロントヘッドに効くみたいです。


◆ショルダー・ケーブル・フライ
 ・23kg×10レップ×2セット
 ・20kg×10レップ×4セット


◆ケーブル・サイドレイズ
 ・20lbs×10レップ×1セット
 ・25lbs×10レップ×1セット
 ・30lbs×10レップ×1セット
 ・35lbs×10レップ×1セット
 ・30lbs×10レップ×1セット
 ・25lbs×10レップ×1セット ← ワン&ハーフ法
 ・20lbs×10レップ×1セット ← アイソメトリック法


◆サイドレイズ(ダンベル)
 ・8kg×12レップ×3セット
 
 片手をエンドポジションにキープしつつワンハンドで各6レップ、その後、ツーハンズで6レップの計12レップですが。

上腕三頭筋のトレーニングを考える(2)

2012-05-22 08:55:16 | ワンポイント
 上腕三頭筋のトレーニングに限ったことではないですが、胸のトレーニングならベンチプレス、脚のトレーニングならスクワットを、なんの迷いもなく検証もなく行うというのは、初心者ならかまわないと思いますけど、中級者以上であれば問題があるんじゃないかと思ったりはします。
 
 で、カンフー・パンダが上腕三頭筋の第一種目としてフレンチプレス(ライイング)をダンベルで行うですが、ひとつは肘の屈曲&伸展に伴って、前腕回外&回内が起こるわけなんですが、ストレートシャフトにしろezバーにしろ、こうした前腕の動きには対応できていないというところがあります。二つ目は、バーベルを使ったフレンチプレスを行う場合、スタートポジションでは肩関節、肘関節、手首関節(ウェイト)が鉛直線上に一直線に並び、肘関節を固定して動かさないようにしながら肘関節を屈曲させるわけです。必然的に、額あたりにバーベルがあたってしまうので、ここが動作の限界と言うことになります。ダンベルを使うと、額が動作の限界とはなりませんからさらに深く下ろすことが出来、上腕三頭筋にストレッチをかけられると言うことになるわけです。
 
 カンフー・パンダがやっているフレンチプレス(45°ライイング)ですが、スタートポジションを通常の位置から45°くらい肩関節を屈曲させます。この位置からですと、ダンベルは頭頂をかすめてフラットベンチの下まで下ろすことができるので、上腕三頭筋を十分にストレッチさせることが出来ます。上腕三頭筋のストレッチを完全に行うためには、スタンディングで行う必要があるんですが、出来るだけ動作範囲を大きく取るという効果はあります。
 
 もう一つ、終動付近で肩関節、肘関節、手首関節(ウェイト)が鉛直線上に並ばないので、終動付近でも負荷が抜けないというメリットがあります。また、ウェイトを真上まで持ち上げると、休ませることが出来るので、レスト&ポーズ法をやろうと思えば簡単にできてしまうというメリットもあったりします。
 
 
(参考)
上腕三頭筋のトレーニングを考える(1)

上腕三頭筋のトレーニングを考える(1)

2012-05-21 21:55:10 | ワンポイント
上腕三頭筋の長頭は、肘関節と肩関節をまたぐ二関節筋ですので、非常に可動範囲が大きいものです。ウェイトトレーニングでバルクアップを目指す場合、初動付近のストレッチ、中央付近での高重量、終動付近での緊張の持続を考えないといけない訳なんですが、これを一気にやってしまえる種目はないので、高重量を扱える種目、ストレッチをかけるための種目、十分に完璧に収縮させる種目を行うことになるわけです。
 
 ストレッチの話と完璧収縮の話は、また別の機会に書きたいと思うんですが、今回は、カンフー・パンダがなぜ第一種目にフレンチプレス(45°ライイング)を使っているのかについて書いて見ます。
 
 フレンチプレスをフラットベンチを使ってライイングで行う場合、ezバーを使って行うことが多いようです。実際、カンフー・パンダが見ている限りでもダンベルを使って行う人よりもezバーを使っている一の法が多いような気がしています。
 
 フレンチプレス(ライイング)は、モーメントアームを調整することにより不可を調整することできたりするわけです。いわゆる延長セット法が簡単にできてしまうというメリットがあります。腕のトレーニングを行う場合、バーンを得るためには他の部位に比べて好レップでトレーニングを行う必要がある訳なんですが、延長セット法が使えると言うことは、ウェイトを持ち替える必要がないと言うことでもあったりします。
 
 モーメントアームについては、イラストを描きながら説明すると簡単なんですが、残念ながらカンフー・パンダの文章能力では、文字だけで説明することはできないんですけど、簡単に言えば、てこの支点と作用点の位置をずらしていくことによって、事実上の不可を変化させていくと言うことです。
 
 具体的に言えば、フレンチプレス(ライイング)を行う場合、最初はezバーを額あたりに落とす訳なんですけど、これが苦しくなってきた場合は、目や鼻の位置に落とすようにするとモーメントアームが短くなるので、さらにレップを続けることができるようになります。それで辛くなった場合は、さらにモーメントアームを短くするために口元とかあごあたりに落とすようにすると、さらにレップを続けることができるわけです。
 
 デメリットなんですが、肘の屈曲&伸展に伴って、前腕の回外&回内が起こる訳なんですが、バーベルやezバーではこれに対応できないという問題があります。カンフー・パンダがダンベルを使ってフレンチプレス(ライイング)を行う理由は、前腕の回外&回内に対応したいからです。
 
 
 次に45°の角度をつけている理由についてです。フレンチプレス(ライイング)のもう一つのデメリットとして、終動付近で負荷が抜けてしまうことが挙げられます。フリーウェイトは、真下(鉛直方向)にしか落下できないわけですが、フレンチプレス(ライイング)の終動では肩、肘、ウェイトが鉛直線上に並んでしまい、要は筋肉ではなく骨がウェイトを支えている状態になるわけです。ベンチプレスでも同様なことが起こります。ウェイトを挙上し終わった時点で負荷が抜けるので、その状態を維持すると言うことは休憩していることに等しい状態になるわけです。
 
 終動付近でも、上腕三頭筋に負荷をかけ続けるために、45°くらいの角度をつけて筋肉を休ませないようにしているわけです。もう一つ、45°くらいの角度をつけると、ウェイトをかなり下方まで落とすことができます。要は、可能な限りストレッチをかけたいので、この様なフォームにしているわけです。

(参考)
上腕三頭筋のトレーニングを考える(2)
 

マッスルメモリー(1)

2012-03-11 16:43:22 | ワンポイント
 6ヶ月継続して筋力トレーニングを行うグループと、4週間トレーニングして3週間のオフを取るパターンで6ヶ月間続けるグループを比較した実験があるらしいのです。
 
 オフを取るグループでは、オフ期間中に徐々に筋力と筋量が減少したのですが、トレーニングを再開すると、休息に回復したそうで、結果的に6ヶ月後の筋力と筋量の伸びは、両グループには差が出なかったそうです。
 
 つまり、少なくとも3ヶ月間トレーニングを休んだとしても、トレーニングを再開すれば短期間で元のレベルに戻ると言うことです。筋量や筋力について、何らかの記憶が行われるということですね。
 
 
(参考)
 ・マッスルメモリー Part.6
 

僧帽筋と三角筋のトレーニング(2)

2012-02-12 11:08:13 | ワンポイント
 肩のトレーニングなんですけど、肩を動かすときにどの筋肉が動員されるかということを理解しておく必要があります。外転(サイドレイズの動き)させるときなんですが、肩関節の可動域は、上腕が体幹から60°離れるくらいまでです。そこから先は肩関節はその角度を保持したまま肩胛骨が上方回旋するわけですね。
 
 カンフー・パンダが肩のトレーニングとして行っている種目の中に、ペンギン・サイドレイズというものがありますが、これはリラックスポーズを取って肩胛骨を固定した上でサイドレイズを行うものです。肩胛骨が固定されてしまうと、腕は体幹から30度程度離れたところから60度程度離れたところまでしか動きません。これが本来の肩関節の可動域であって、三角筋ミドルヘッド(肩峰部)のアイソレーションが掛かるところでもあります。当然12kg程度のダンベルしか扱うことができなくなります。

 ベンチプレスのフォームは、肩胛骨と骨盤の距離をできるだけ縮めるようにアーチを造り、肩胛骨同士を寄せるようにアーチを作る訳なんですが、これは大胸筋の拮抗筋となる筋肉を十分に緊張させて肩関節を守るという意味の他に、肩胛骨の前進(上腕の水平屈曲)に関与する前鋸筋や小胸筋の動きを制限して、大胸筋をできる限りアイソレートして動かすためのフォームでもあるわけです。肩胛骨を寄せて固定すると、上腕は体幹から60°程度までしか外転しないので、ベンチプレスの際の体幹と上腕の角度も60°となるわけですね。


(参考)
僧帽筋と三角筋のトレーニング(1)

僧帽筋と三角筋のトレーニング(1)

2012-01-29 13:26:08 | ワンポイント
 僧帽筋というのは、背中にある筋肉の一つです。上部、中部、下部に分けられていて、上部は後頭骨から始まって鎖骨の外側に至ります。中部、下部は胸椎から始まり、中部は肩峰、肩胛蕀に至り、下部は肩胛蕀に至ります。
 
 従って、僧帽筋上部というのは、肩胛骨の後退、挙上、上方回旋に関与するわけです。僧帽筋中部、肩胛骨の後退(内転)、僧帽筋下部は、肩胛骨の後退(内転)、下方回旋に関与するわけです。
 
 もう一つ、肩胛挙筋ですが、こちらは頸骨から始まって肩胛骨の上角、内側縁上部に至っています。
 
 
 肩のトレーニングとしてシュラッグやショルダープレスを行う場合は、僧帽筋の上部、肩胛挙筋をターゲットとしているわけです。肩胛骨の挙上というのは、肩を上げるという動きな訳ですが、このときに動員される筋肉は、なんと言っても肩胛挙筋、僧帽筋上部、菱形筋、あと前鋸筋ですね。
 
 で、フリーウェイトを使うレジスタンストレーニングの場合、ウェイトは鉛直方向(重力方向)にしか落下しないわけですから、ターゲットとする筋肉の筋繊維の方向と鉛直方向を一致させると言うことが非常に大事になってきます。このことから考えると、肩胛挙筋のトレーニングとしてはバーベルシュラッグ(グリップが身体の前)、ダンベルシュラッグやデッドリフトマシンによるシュラッグ(グリップが身体の横)で良いと思われるのですが、僧帽筋上部は、後頭骨から始まって鎖骨外側に終わっていると言うことから考えると、通常のスタンディングでのシュラッグではなく、上体を若干前傾(ベントオーバー)させてのシュラッグ、つまりベントオーバー・シュラッグのフォームが僧帽筋上部を鍛えるにに最も有効な種目だと言うことになります。
 
 このあたりは非常に困ったことなんですが、三角筋のミドルヘッドを鍛える場合、サイドレイズが良く用いられます。これは、三角筋のミドルヘッドが、肩関節の外転に関与しているからなんですが、こちらも三角筋のミドルヘッド(肩峰部)は肩峰から始まって上腕骨に至っている訳なんですが、若干、身体を前傾させないと、三角筋ミドルヘッドの起始と停止が鉛直線上に並ばないわけです。となると、僧帽筋上部や三角筋ミドルヘッドのトレーニングを行う際には、若干、上体を前傾させておいた方が効率的なわけです。
 
 ここで、三角筋ミドルヘッドと僧帽筋上部のメニューなんですが、三角筋ミドルヘッドが肩関節のが移転、僧帽筋上部は肩胛骨の挙上と上方回旋に関与すると言うことになっているんですが、つまりショルダープレスが僧帽筋上部、サイドレイズが三角筋ミドルヘッドと言うことになるんですけど、肩関節ってそれほど簡単ではないんですよね。そのあたりは次回に…。


(参考)
僧帽筋と三角筋のトレーニング(2)

レッグ・エクステンションを考えてみる

2012-01-08 22:45:52 | ワンポイント
 マシンでトレーニングを行う場合、フルスタックを目指してトレーニングを行うのは当然のことだと思うんですが、カンフー・パンダの場合は、2011年の夏に左膝を痛めてしまって、上体を倒しながらレッグ・エクステンションという反動を使うのがちょっと怖くなってしまったので、反動なしでやるようになりました。もう一つ、高重量でレッグ・エクステンションを行うと、尻がシートから浮きそうになってしまうので、これを防ぐために、サイドバーを握って尻が浮かないように固定する必要があります。レッグ・エクステンションは、大腿四頭筋のみを狙える、アイソレーションが出来る種目なんですが、尻が浮かないように固定するために、上体の筋肉も使っているわけです。従って、意識が分散するわけですね。となると、疲れは感じるんですけど、疲れ具合と大腿四頭筋が受ける刺激とは一致しないわけです。
 
 膝を痛めてから、上体の反動は使わない、サイドグリップは極力握り込まないというフォームでレッグ・エクステンションを行っている訳なんですが、バーンの来る位置が微妙に違うんですね。具体的には、膝周りにバーンが来ます。反動を使ってたときは大腿前面の全面にバーンが来てたんですが…。
 
 と言うことは、レッグ・エクステンションというのは、大腿四頭筋のトレーニングだとはいわれていますけど、厳密には膝周りのトレーニングだと考えていいのではないかと思ってしまったりします。スクワットの場合、大腿が床と平行になるくらいまでは大腿前面の中央部、更に深くしゃがんで、フルスクワットになると膝周りに刺激が入る訳なんですが、レッグ・エクステンションもスクワットもやるのであれば、スクワットはハーフ(大腿が床と平行)まででいいんじゃないかと思うわけです。深くしゃがむと背筋の緊張が解けてきて高重量を扱うのが難しくなりますし…。
 
 フルスクワットを行うと、膝周りが発達して、大腿が丸太ん棒というか寸胴になってしまって、見た目が良くなくなるという人もいますね。


(参考URL)
シシー・スクワット
スクワット、特にレギュラー・スクワット
レック・エクステンションのバリエーションで大腿直筋を狙う

レッグ・カールを考える(2)

2011-11-18 08:49:30 | ワンポイント
 レッグ・カールのターゲットであるハムストリングですが、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜洋筋、薄筋などの筋肉群の総称であり、困ったことに、大腿二頭筋の短頭を除いては、膝関節と股関節の両方を跨いでいる二関節筋であることは、前回、説明しました。従って、ハムストリングをフルレンジで刺激するためには、膝関節の屈曲を行うだけではなく、股関節の伸展も考えないといけないと言うことになります。
 
 股関節は、それほどストレッチをやり込んでいない人でも、125°程度は屈曲、15°程度は伸展するはずです。一方、レッグ・カール・マシンは、通常腰の辺りが一番高くなるような構造になっていて、つまり15°程度屈曲した状態でトレーニングを行うようになってます。股関節が125°程度屈曲した姿勢というのは、フルスクワットの時の姿勢、あるいは、和式トイレでしゃがんでいるときの角度ですから、ぜんぜん足りません。これを、レッグ・カール・マシンで対応しようと思ってもたぶんだめです。股関節の屈曲&伸展のためのマシンもあるんですけど、高重量を扱えないのが問題です。とは言いつつ、この部分を何とかしてみたいと考えるわけですね。
 
 
 カンフー・パンダは、まずレッグ・カールのマシンが、腰の部分が一番が角なり、股関節が15°程度屈曲した状態でトレーニングをすることになっている理由を考察してみたくなりました。股関節が若干屈曲した状態の方が、ハムストリングが高重量に対応できると言うこともあるみたいなんですが、初心者が反動を使って腰を痛めることを防止するためもあるんじゃないかなと思ったりもしてました。
 
 で、シートに胸を付けるのではなく、肘をつけて、股関節の屈曲を解消した上でレッグ・カールをやってみたんですけど、ぜんぜん挙がりませんでした。このフォームになれていないと言うこともあると思うんですけど、20lbsくらいを挙げるのが必死でした。肘を付けて行い、限界まで来たラムネを付けて行うという延長セット法が使えるんじゃないかなと思ったんですけどどうですかねぇ…。
 
 
 と言うことで、レッグカールで膝関節を屈曲させつつ、股関節を伸展させる技は次回にでも…。



レッグカールを考える(1)

オーバーグリップとアンダーグリップについての考察

2011-11-17 09:17:54 | ワンポイント
 ローイングの動作を行うとき、参加する筋肉は、主には上腕二頭筋、上腕筋、三角筋リアヘッド、広背筋、大円筋、僧帽筋、菱形筋などです。オーバーグリップで握った場合、前腕が回内し上腕は内旋します。従って、上腕二頭筋の運動への参加率が下がり、広背筋などの負担が大きくなります。上腕二頭筋は、前腕の外旋に関与していますので、前腕を内旋させた状態だと上腕二頭筋が使いにくくなるわけですね。
 
 アンダーグリップにすると、前腕が回外、上腕が外旋の状態になりますので、上腕二頭筋が参加しやすくなります。チンニングをワイドグリップで行うよりアンダーグリップで行った方がレップ数が稼げるのがこれが理由です。ラット・プルダウンなどで、ワイドグリップ(オーバーグリップ)からナローグリップ(アンダーグリップ)への延長セット法が使えたりしますね。実際には、ワイドグリップとナローグリップとでは、動員される広背筋の部位が違っているという問題もある訳なんですが…。


 逆にプレス系の動きの場合、主には大胸筋、上腕三頭筋、三角筋フロントヘッドが動員されます。オーバーグリップで行うと、上腕は内旋するので腋が開き、プレスの動作がやりやすくなるとともに、大胸筋の参加率が高くなります。アンダーグリップにすると、大胸筋の参加が難しくなり、これに伴って上腕三頭筋の参加率が上がります。


 これらを踏まえた上で、ターゲットとする筋肉を効果的に刺激するために、グリップを選んでいくわけです。たとえば、ワンハンド・ローをやる場合、オーバーグリップでやって、限界まで来たら、アンダーグリップに持ち帰れば上腕二頭筋の参加率が上がるので、あと2レップくらい絞り出すことが出来ます。

 ベンチプレスの場合、アンダーグリップで行った場合は刺激が大胸筋上部(鎖骨部)に移動するので、インクラインベンチがない場合でもインクライン・プレスの代用とすることも出来ます。カンフー・パンダが良くやっているように、アンダーグリップで限界まで来たら、オーバーグリップに持ち替えて行う延長セット法が使えたりするわけです。

 有名なビルダーがアンダーグリップでやっているからと言って、何も考えずにアンダーグリップで行うのではなく、なぜアンダーグリップを使っているのかをしっかりと考えてから採用するようにしましょうね。

レッグ・カールを考える(1)

2011-11-15 17:56:54 | ワンポイント
 今回は、レッグ・カールについて考えてみることにします。
 
 レッグ・カールというのは、ハムストリングを鍛えるための種目です。なので、ハムストリングっていったい何だと言うことを先に知っておかないと行けない訳なんですが、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋、薄筋などの大腿背面にある筋肉群の総称です。従って、レッグ・カールというのはこうした筋肉を鍛えるための種目ではあるんですが、ここでとっても困ったことがあります。
 
 上腕二頭筋と似たところがあるんですが、大腿二頭筋の短頭を除いて、膝関節と股関節を跨ぐ二関節筋です。従って、上腕二頭筋が単に肘関節の屈曲だけではフルレンジで鍛えることが出来ないのと同じように、ハムストリングは膝関節の屈曲だけではフルレンジで鍛えることが出来ません。
 
 先に、膝関節と股関節の両方を跨ぐ、大腿背面にある筋肉がどんな働きを担っているかと言うことを知る必要があるんですが、まず膝の屈曲です。だから、レッグ・カールを行う訳なんですが…。もう一つが、股関節の伸展です。
 
 と言うことなので、ハムストリングをフルレンジで鍛えようとすると、膝関節が伸展し、股関節が屈曲した状態から始めて、膝関節が屈曲し、股関節が伸展した状態にまで持って行く必要があります。レッグ・カールの場合は、ライイングにしろシーテッドにしろ、股関節の角度は固定されていますので、ハムストリングには十分なストレッチがかかりません。かけようと思えば、スティッフ・レッグド・デッドリフトの様な体勢をとる必要があるわけです。


レッグ・カールを考える(2)