熊本レポート

文字の裏に事件あり

熊本県の福祉は『熟柿の落下期待方式』

2013-06-05 | 社会・経済

  財源不足で明日の福祉が懸念されるといわれる一方、特別養護老人ホームの余剰金2兆円には世界のトヨタでも怒る。 公金で運営される社会福祉法人が、その黒字を社会還元するどころか、借り方と貸し方とが一致しない貸借対照表を提出している同法人の多いことに専門家は、「法人資金が経営者らの私的用途に流用されている可能性が濃厚」と見ている。
  社会福祉法人の事業になぜ競争入札が求められるか(経理規定)というと、それは原資が税金からなる公的資金にある。公金が絡む場合の発注には住民、国民サイドには公明正大と透明性が、そこに求められる。
  ところが同法人の中には、何らかの思惑を持って意図とする業者へ発注、契約する者も多い。それが相見積もりによる調整後の発注契約で、もちろん入札は形式的な書類上の作業。これらは明らかに偽入札で違法行為。 社会福祉法人千寿会(間部一彰理事長・熊本県下益城郡美里町二和田1233)は平成24年4月、同県上益城郡嘉島町大字上仲間に『。
  特別養護老人ホーム悠優かしま』をオープン。独立行政法人福祉医療機構から3億円の融資(利息年1・05%H29…以降年1・65%)を受けての開園であった。Ca3k02400001_2
  この後である。同法人の本拠地である美里町議会の複数の議員から「千寿会の発注する施設の新築、増改築は全て三津野建設(熊本市東区健軍本町)…」 クレームが挙がった。
  先に紹介した特別養護老人ホーム悠優かしま>はもちろん、美里町でスタートした特別養護老人ホーム陽光園(H6)、介護センター陽光園、グループホームひだまり(H13)、高齢者支援ハウス太陽の丘、そしてヘルパーステーションひまわり、それにコミュニティハウスみんなの家 (H20)と、同法人の発注契約先は全て三津野建設。
  ここまで「三津野建設への連続発注」となると、当初から思惑、意図が存在しての違法発注の疑いは濃厚で、それを「偶然の結果」と否定するには無理がある。Ca3k02420001
  それでは何の理由があって「違法性の疑いが濃厚な三津野建設への連続発注」となったかだが、同法人には「二代目理事長(間部病院長)よりも実力者のS名誉施設長(理事)」(同施設スタッフ談)の存在があった。彼の妻、長男も同施設の幹部スタッフで、見方によってはS氏の同法人。
  そして先述の同法人スタッフが何気なく語った話が、「名誉施設長であるS理事の次女が三津野建設の幹部社員に嫁いでいる」
  背景である娘婿のI氏(三津野建設)との利害関係。それが理由。結婚時期はスタートとなった老人ホーム。
  陽光園の建設前後というが、仮に同工事後だったとしても 後続施工の発注は特命発注の経理規定違反。約10年間に及ぶ五つの違法発注を熊本県健康福祉部は見逃したともいえるが、同部OBの一人は「法人側の倫理観を信頼し、その内部告発に頼らざるを得ない福祉行政を舐めた行為」と憤慨して語るが、問題発覚後も制裁に消極的な行政であることも確か。
  昨年10月、熊本市は前市長が理事長を務める社会福祉法人に対し、「実態のない工事代金として補助金を不正受領した」と摘発して返還を求めた。
  ところが熊本県健康福祉部には、「問題を現場が摘発しても、上司がOBの再就職先に温存する」という批判がある。こうした熊本県方式を『熟柿の落下期待方式』というが、どっちもどっちで、市民の福祉にはほど遠い行政といえる…。


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