熊本レポート

文字の裏に事件あり

こんなアホな自治行政下で国立公園などやっておれるかと怒った阿蘇山・これが実像くまモン県 第二回

2017-06-26 | ブログ

 その善し悪しはともかく行政、自治が政治主導によって変革、変貌するというのは今や国民には周知の事実。その中央政界に対する市民のフラストレーションが、皮肉にも対峙する「批判だけの野党」に向け始められた。だが、地方政界の野党はそれ以上で、限定された地方問題を広くブログで公開するのはどうかと自問する中、与えられるテキストで国政問題しか語れない地方議員の資質問題は重大で、市民の選挙権が「落選」への権利も有しているという自覚が市民には改めて求められる。
 前号でも述べた通り採石は、登録した者(業者)に対して「採石権者は採石権が消滅した時(終掘)、その土地を原状に回復し、又は回復しないことによって生じる損失を補償して、土地を返還しなければならない(採石法第8条)」という点が確認されて、その許可が都道府県から与えられる。
 また国立公園の特定地域における採石は、「自然公園法において認められない」(環境省自然保護局)としている。
 跡地整備は自己責任であって、「特定地域指定前からの生業」とかは通用せず、また「緑化整備、災害防止義務」が終掘時期に優先するのは当然。

  2006年、採石場における災害が他県で多発しているとして島根県は鳥取、広島、鹿児島県に続いて「採石場の下流にある水路や河川、水田に影響を及ぼさないように貯水、排水施設の整備、そして自然環境・景観に配慮した跡地整備に努め、採石業の健全な発展を目指す」として採石条例を制定。
 ところが熊本県はその頃、その後、どうだったかと振り返ると、県商工観光労働部(奥薗惣幸部長)は「特定地域指定の以前から許可していた」として26年間も許可更新を続け、福島元知事の「国立公園内で見苦しい」という声で、慌てて「廃業補償費1億円」を協定書に織り込み決着。
 その後、同農林水産部(賓田義之部長)は約7000万円を該当業者に与えて(7社での競争入札ながら該当業者が99・7%の落札率で連続落札)緑化整備を指示。
 ところが同環境生活部(田中義人部長)は該当業者に対して、同地に「産業廃棄物の保管施設」を許可。
 見事な働きぶりであるが、少年らの常識においても理非曲直の明白なこの異常な自治行政について、「初耳で全く知らなかった」と野党の県議会議員。採石場跡地の未整備、放置は阿蘇、山鹿、上天草、天草市において誰にでも確認されるが、これらは裏を返せば彼らの責任。
 1昨年末、県議会経済常任委員会において「阿蘇市車帰における村本建設工業、島村組の採石(場)が平成28年(2016年)末に終掘」(商工観光労働部産業支援課)が報告されて、その跡地整備について計画も出た。
 行政に必要以上に関与する与党議員はともかく、馬耳東風型の野党議員に向けても説明すると2012年7月、阿蘇市では大水害が発生し、地元住民に該当採石場の防災面での不安が広がった。採石場前に約40万立法メートルの穴(貯水池)があって、ここに水が溜まって崩壊することを住民は懸念。この後、熊本震災も勃発したが、先の県議会経済常任委員会で
「貯水池は埋め戻し、貯水池の外には排水路を設置して下流の河川に流す。事業主は阿蘇市、県として、水田部分の排水路工事は(県)阿蘇地域振興局が発注。着工は終掘後の29年以降」
 この懸念される災害防止について、県側から見解が出された。
 さらに
「採石場跡は直壁となっていて、これをベンチカット(緑化整備への第一段階)となると終掘(28年末)に間に合わないので、このまま直壁で残すが、その安全性は確認された」
 跡地整備の計画も発表。
「該当業者の跡地整理が終わって(30年末)防災整備とも聞いたが、それから二回も梅雨を終えて『何が防災か』と怒りを覚える」(車帰地区住民談)
 環境省、県外採石行政の関係者だけでなく、市民の中にもこの報告、計画に関していくつかの疑問、異論、そして反論は十分に予想されるが、これが熊本県内各地における跡地不整備の現状。
 恵まれた自然環境を遺してくれた先祖。その審判に堪えられるか否か、その糸口が先の県による見解・・・。(第三回につづく)


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