2013年3月、県公共事業再評価監視委員会が工事費の財源、事業のあり方等から御所浦第二架橋について「事業休止が妥当」と報告。この時、地元の御所浦町横浦島からインターネットを通じて、次のような意見が発信された。
「御所浦町は熊本唯一の離島の町で、その中でも横浦島は『離島の中の離島』と呼ばれ、天草のどこへ行くにしても一旦、船で他の島へ渡らなければなりません。島外へ仕事を探しに行くにしても、また本渡へ仕事に行くにしても一旦、倉岳町棚底まで渡らなければならず、その朝の定期船に乗り遅れでもしたら、お昼まで船便がないために大変な時間の無駄が発生します。横浦島から御所浦島への第二架橋、横浦島から上天草市龍ヶ岳町への第三架橋の計画はあるのですが、本渡の瀬戸に計画中の『第二瀬戸大橋』が先に架かる(2022年度完成予定)という話もあって、私たち御所浦島民が心待ちしている御所浦第二、第三架橋は、私が生きている内に架かることはないのではないかと落胆しております」
それから4年、まだ同架橋計画は実質的に棚に上げられた状態で、蒲島知事も「休止ではない」と呟きながら顔を覆いたくなるような話だが、それだけに隣の県からながら自民党元幹事長が救いの手を差し伸べた。
この天草市、それに上天草、宇土、宇城市、下益城郡、八代、水俣市、そして相良文化と球磨川による観光、また恵まれた自然による農業で地域振興を図ろうとする人吉市、球磨郡まで加えた旧二区(旧中選挙区)と全く同じエリアまで拡がった熊本第四選挙区。
ここで出馬が予定されるのは現職の園田博之氏(75歳・当選11回)と今回、民進党から立候補予定の元職である矢上雅義氏(57歳・当選2回)。
園田代議士には再選に当たって、同じく自民党現職の金子恭之氏(57才・当選7回)との調整問題(熊本第四選挙区・九州比例区)が前提にあったが、園田代議士の元秘書である金子代議士は、これに笑顔で従ってスンナリ比例区に回った。
「上位(九州比例区自民党順位)でと党本部に相談」
金子陣営は比例区への鞍替え条件を明かすが今回、自民党の場合はそこまで順位に拘る必要はないのではないか。
一方、民進党から出馬予定の矢上氏だが、個人票の蓄えがあるとしても民進党公認の今回、相手の園田氏に余程の批判票でも噴出しない限り、互角に近い戦いも厳しいと予想される。
さて、ここまで次衆議院選挙に予定している候補者を紹介しながら10月解散説の理由、また普通なら逆転劇も想定される政治状況下、地方での民進党候補者の全滅に近い予想、その理由、原因を述べて来たが、日本の政治家、政党には実に無駄が多い。核保有国に囲まれた日本の将来を考えると、そうした余裕などないのだが、日本の有権者も落選へ向けた選挙運動に至る必要にあるのではないか。もちろん違反行為を奨励するわけではないが本来、有権者の選挙権とは、そういう権利まで有する。
今後の政局は、自民党と友党的な日本維新の会に限界があると想定すると、政権の受け皿は旧日本新党の日本ファースト、民進党右派に託される。それを前提に代表選挙の結果に関係なく民進党の分党化は必至で、問題は同党左派だが、自民党と対極にある共産党が最大限1割まで拡大の可能性を秘めるとなると、同党左派の旧社会党化は歴然。繰り返すが、日本の政治家、政党には無駄が多過ぎ、これは市民、国民にとって大きな損失。
特に地方議会では、ズブの素人を二期も三期も許しているのは住民にとって大きな損失で、選挙期間中に試験、採点評価に近い舞台づくりが求められる。単に投票の啓蒙活動、一方的な公約発表会の開催に止まらず、有権者との具体的な討論会、また有権者に代わって具体的な質疑を行い、それを公開するという行動が学生団体、青年会議所等に求められる。
明日に向けての政治には競争原理の導入が必然であり、そこで出馬候補が不在という事態が出現したとしても、そこは住民大会が担うという覚悟も必要な今後の政治ではなかろうか・・・。