1強他弱を否定するつもりなどないが、信頼出来る政権能力2番手の政党に育ちがこれほど悪いと、中選挙区制度に戻すべきという意見は当然。
だが、この小選挙区制に変更後、それでも前中選挙区制と同じく、自民党系候補同士で戦いを展開している選挙区がある。それが、熊本第二選挙区。
荒尾市、玉名郡市、そして熊本市西、南区を対象エリアとするが今回、ここに財務省キャリア出身を自ら誇る新人が出馬を予定。
「政界を支配することによって、我々は無限の可能性を手にした。誰の可能性か!?日本人全体のか!?否!我ら財務省キャリア官僚のみに許された可能性であるっ!エリートを自負することに躊躇するな諸君!諸君はエリートだ!選ばれた民の中から更に厳しく選抜されてここにいる諸君こそ、日本国の守護者であると共に新人類のリーダーである!」
これは入庁新職員を迎えて、彼の財務省(大蔵省)内輪におけるスピーチ。
この他、彼の先輩等にも「愚かなる日本銀行に対し、再び裁きの鉄槌を振るう時が来た!第2次白川(日銀総裁)討伐作戦を発動する」、「一握りのエリートが民主党まで勢力を延ばして日本政府を支配して早2年、何度日銀に踏みにじられたかを思い起こすが良い!」と過激な言葉が並ぶが、内輪の雄叫びながら、そこには時代背景が理解される。
この時、彼は「竹下登以来の困難な時代を経て、かって『田中角栄に強姦された』とさえ呼ばれていた財務省の職員たちは選ばれた民となった」と続けているが、その彼が「尊敬する人・田中角栄元内閣総理大臣」と大変貌するわけだから、政治家への大変革は凄いという他はない。
この彼とは、総理官邸筋も一緒になって送り出したと語られる旧飽田町(熊本市…熊本高校・東大法学部卒)の出身で、元財務省大臣官房秘書課長補佐の西野大亮氏(38歳)。誰が発掘者か、身元引き受け人かはともかく彼の後見人は、偏差値45と評価される現在の熊本選出代議士らを横に置いて、今や熊本県下でも絶対的な実力を発揮する(焼却、最終処分場・湾岸道路・大規模橋梁)古賀誠元自民党幹事長(元福岡第七選挙区選出)で、同氏の指示を受けて村上寅美県議、そして林田彪元代議士後援会が実戦部隊として待機。
一方、受けて立つ側の現職はというと西野氏の大先輩(大蔵官僚)で過去、紹介状そのものが値打ち物と、霞が関でも高値話となった野田毅代議士(76歳・当選16回)。紹介状の値打ち話どころか建設、自治大臣等の閣僚歴も遠く感じさせられるのは、やはり税制、改憲問題における官邸(総理)との距離感・・・となると、自民党定年制(73歳)に抵触する比例区からの出馬はないにしても、果たして公認はとなるが、「自民党公認で熊本二区から出馬」と陣営は自信満々。だが、政界の一寸先は闇と言われる通り野田代議士自身、覚醒剤所持での秘書逮捕がそうで現在、益城町で福祉法人を運営のM氏など秘書に雇った覚えなどなく、「あんた、誰?」と聞いた逸話など、誰にでも信じられない事態は身に起きる。
さて、この財務省(大蔵省)先輩、後輩が戦えば、だが・・・玉名、荒尾市では接戦に持ち込めても、熊本市西、南区の「高齢者を中心とした野田信者の支持は固い」と推察。しかし、村上県議等の反野田派の踏ん張りから互角の戦いにでも持ち込むようだと、熊本政界構図が一気に塗り替えられるが、それを「相手の強気はいつも顎だけ」と野田陣営の一人は軽く否定する。果たして顎だけかどうか、色々な意味で注目される熊本第二選挙区ではある・・・。
それに比べて、「雲ひとつ流れない」(無風)どころか、「代議士の足跡なし」と語られるのが熊本第三選挙区・・・。