KTOOONZ BLOG

ktooonzのオシラセBLOGです。

うさぎ神社

2010-04-03 16:06:29 | 

ちょっと前の夢の話です。すごく長いです。あまり長いものはなるべくアップしないように思うのですが
読み返したら面白かったので…
夢自体は苦笑してしまうような内容で、生々しい部分もありますが、
部分的には極めてよく憶えている方で結構感動的だったのが文章に出ているかどうか…

夢にご興味ある方だけどうぞ。


夢の中

友人たちをゾロゾロ連れて実家に行く。
実家の場所を借りたいと思っている。

実家では法事のようなイベントを行っていた。全ての部屋が沢山の人で埋まっていた。
残念だがあきらめる他はないと思った。

空き部屋は一つもなく、どうしようもできない状況なので、喫茶店とか別の場所を探そうと提案すると
もしかしたら妹なのかもしれない女性が、実家に抗議するべきだと言う。

私たちは場所が無いことに困ってはいるが、別に実家の状況に腹が立っているわけではないし、
私は抗議したからといって何かが変わるとはとても望めないし、無駄だと思いその場を無言でいる。


すると屈強な外国人の男性がやってくる。私は夢の中のこの男性が現実の誰をイメージして作られたか理解する。
つまりは、それが夢だと薄々ながらも私は理解している。

彼に誘われてある場所に行く。誰もついて来ないので私たちは二人きりになる。
彼は目的地は遠いのでバスに乗りたいと思っていたようだが、私は歩いていける自信があった。

お喋りしながら歩き、住宅地の中のジグザグの形にできた森のような神社にやってくる。
これは周囲の民家がやや組み込まれたような、私の通った小学校のようでもあり、近くにある貯水池のようでもある。

そこはウサギを奉っている。ウサギ文様を染め付けた藍ののれんがかかっていた。
沢山の人が遊びに来ていた。


私は子供のころ狐を奉っている場所に狐がいないのは残念だしおかしなことだと感じていたのを思い出した。
「昔はいたけど人間に追いやられてしまった」と聞いて、納得できるようなできないような気になった。

ではここにもかつてウサギはいたのだろうか。今となって一体何の意味があるのだろうかと思う。

するとウサギが神社の中にいるのがわかる。
目には見えないけど、判りやすく言えばウサギの霊のようなものが神社中にいて跳ねている。
子供のころからのもどかしさや残念さが少しだけ軽くなったような気分になる。


ウサギ神社の中では男女が睦み合うことができる。そのための薄暗い部屋がある。
私は連れの彼がそれを望んでいるのがわかった。つまり自分も期待があるということだ。
ウサギだから多産のシンボルとして、こんな神社が出来上がったのだろうかと私は思う。


私は彼のことを好きだし何度か二人で出かけた経験はあったが、結ばれるのは初めてだった。
一人の男性として愛しているのか愛せるのか自信がない。
そしてウサギの力で本当に子供が、それも外国人の子供ができたらどうしようとビビっている。
愛していないとすれば、その男性の子供は自分にとって愛しいか育てたいのかがわからない。

同時に私は自分でも自信のある新しいベッドテクニックを、女性慣れしている彼と試したいとも思っていた。
私はセックスで飛びたかった。
その欲望は目の前の男性への愛情からだけではないことに少々気まずさを持ちながらも。


それでも私は今までの先入観をできるだけ捨てて、試しにこの人に向き合ってみようと決意する。
身も心も緊張を解いて互いの身体が解け合わされるような、そんな一時を望んだのだが
男性は私のムードに鈍感な態度、或いは無視していたのか。彼の身体は緊張し、私を見ていない気がした。
私には彼が自分だけの世界に入って孤独のまま行為に没頭しているとしか感じられない。
激しく機械的な動きは私の感情の動きを一切感じないかのようだった。

私は心で繋がることを彼から拒否されていると感じた。
それと同時に肉体で結ばれつつ心でコミュニケーションを拒否しているのは
私の方、あるいは両方のお互い様なのではないだろうかとも疑っていた。

私は独りでも飛べればそれで良かったのかもしれない。
あるいは私が飛んでいける大好きな世界を男にも体験させて自慢したかったのかもしれない。
もしかしたらこの男と一緒にじゃない事こそ望んでいたのかもしれない。
彼じゃなくても良かったのだろうと思う。


時間を全く感じなかったので長かったのか短かったのかわからない。
私の心は突然夢にもどり彼を腕で押しやったように思う。
ウサギ神社の漆ぬりの床にこぼれたものと彼の大きな性器を見て、
私は自分が今の今まで意識や肉体に何も感じてなかったこと、今かなり不愉快で傷ついていることに気がついた。

だからと言って、ここで怒っていることを単純に相手に伝えたいと思わない。まず彼が悪いのかがわからない。
私は色々な怒りの言葉を脳内で認識していたが、それはまつわる感情も含めて、
この場合の、自分が怒ったからといって相手を責める行いは、自分の心を見つめられない責任転化として起こる、
意味の無い、悪い習慣の一人相撲でしかない嘘である事を、夢の中でわかっていたからだ。

愛情も楽しみも感じられなかった男性と、こんなことになってしまった自分が情けないのが
私の怒りの正体の一つなのは判っていたから、彼を怒っていると誤解されたくはないと思っていた。
それでも彼に当り散らしたい感情がくすぶっていた。

男性はきまずい顔で緊張をほぐすような適当な世間話をした。
この人に悪意は何も無かったんだろうと思うと、自分の満たされなさに益々混乱する。
私も何か答えたが、その時自分の思っていることを判りやすく、相手の男性を傷つけない言葉で
正しく伝えることはとても難しく思うように会話が成立しない。
私はベッドで(布団だったけど)傷ついた時に憎まれ口しかボキャブラリーが無いのではという
もどかしさを持って更に辛く混乱した。


すると一人の女性が部屋に入ってくる。さばさばした女性だ。

この時の夢の言葉はまるで禅問答みたいなので全く思い出せないのだが、
彼女は私の思うことをかなり近くわかりやすく彼に代弁してくれた。
女性の言葉の一つに男性の無神経をなじるようにも取れるものがあった時に、私は卑怯だとも思ったが
「そうでしょ。あなたもこの男に対してそう思うでしょ」と言ってしまった。それに対して女性は無言だった。

男性とその女性は私よりも古くからの顔見知りだった。彼は彼女が来たことを喜んでいるように見えた。
彼女も彼と肉体関係を持っているのだろうと私は思う。私は二人のお邪魔なような気すらしてきた。

「この場所に連れてきてくれてありがとう。でもあなたとは二度とこういう関係でいたいと思わない」

私が最後に穏やかに男性にそう言って部屋を出て行く時、
女性は背中を向けたまま「そんな事言うなんて随分無理しているのね」みたいなことを言う。
私には彼女がその言葉をどちらに言ったのかはっきりわからなかった、そしてそれが私に対してならば、
一体今この瞬間自分が何の無理をしたのかもわからなかった。
私は空しかったし、彼とはもう寝たくないと本当に思ったのだ。


私は自分が彼との時間に求めていたイメージは初めから固定していたゆえに間違っていたのかなと思っていた。

男女が結ばれるイメージは様々でいいんだな、
もし私が本当に彼が好きならば、仮に行為の中で彼が私を見ていない事に気付いて淋しかったとしても、
そんな時こそ私はもっと大きく彼を包んで待って、身も心も十分に満たされていることができるんだと、
後悔とは違う、スッキリと自信のある、ビジョンを伴う体験的な気持ちで思っていた。

それができなかったのは、私の過去の幸せなイメージへの一つの拘りであり、
好きかどうかもわからない男と寝てその結果不愉快になる、相手にも失礼な私の責任なのだとも思うのだった。


外に出た私は元気で、快晴の空、風が暖簾を揺らすウサギ神社が心から好きだと思った。
男性に誘われて、この神社に連れてきてもらえた事は本当によかったと清清しく思った。

跳ねているウサギはもう心の目に見えなかったが、私はウサギがここに沢山にいることをもう知っているのだから
二度と見る必要はないのだろうからそれで良いと思ったし、同時に残念な気もした。


私はまた歩いて実家に帰る。途中知っている男性のアトリエがある(実際にはその道にそれはない)。
私は彼に会いたいと思うがやめて素通りする。

懐かしさを感じつつも会いたくないのは何か私に彼に対する拘りがあるのだと思う。
私はそれが残念なようにも思ったし、今は会わない方が正しい気がすると思う。


戻ってみると実家はまた全く別のイベントをやっている。
出かける前のイベントは、どっかのお偉いさんと関連したイベントだったが、
今回のイベントは家族ぐるみのイベントだ。

亡くなった叔父が子供たちを連れて道を歩いていた。私は誰とも挨拶せずに通りの反対から見ているが
亡くなる時の痩せた姿の叔父は元気そうだし幸せそうだった。
叔父の子供は現実に二人で、もうオジサンオバサンの年だが、そこにいるのは年若い少年少女たちで4~5人いる。

どの子の姿も家の系統で似ている。

親しみと愛着が感じられて私は彼らが可愛いと思う。私は幸せで微笑んでいる。


誰も私を見ない。どうやら既に夢の中の私の肉体は無いようだ。



*************


この夢の中で、私は事柄に対して、言語的には白黒つけられない複数の感情を持ちながら混乱し
自分の明確なスタンスを決めかねられないような状態です。

私の夢の中では「どうしようか」という状況に立たされるのがとても多いのですが、
これはあーだろうかこーだろうかとずっと思い続けている感じでした。

夢を忘れたのではなく、夢の中で意識を失っているのはすごく珍しいです。
その時私は何処に行っているのでしょうか。
夢の中でさらに夢を観たこともありますが、ちょっとそれに近い気がします。


果たしてこの男性が私が思った通りの不誠実だったのか、そうではなかったのか、
目覚めて思い返してみると全くわかりません。
そもそも夢の中判では不誠実の定義を私が個人的に勝手に決めているのですが、
その定義に従うならば、私の方こそ男性に対して明らかに不誠実な側面を持っています。

怒ったり傷ついたりする以前に、相手が誠実だとか不誠実だとかいう全ては、
その場その時での自分の主観なのでしょう。

目覚めてみれば、私は彼の働きで独り好きな世界にぶっ飛んで思い切り幸せに浸って、
それを男に自慢したいなら、自分のエクスタシー体験を好きなだけ讃えて感謝して喜べば良いのになとも思います。

そう考えてみると、その時私が一番に望んでいたことを、夢の男が自分は私の愛など微塵も求めず、
無機質な機械のようになってまで与えてくれようとしたのに、愛と欲望を分けて考え、引き裂かれた私が
心そこにあらずになってしまった…なーんて風にも取れる気がします。


愛という名の何かが心や行いを拒否や限定させようとする時、その正体は怪しいです。
それは別のものという可能性が大いにあります。


画像は悪のヒロイン


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