サイト『ヒトコト』で公開中のコミック、『夢見るフランシー』。
http://sonydes.jp/blog/2012/12/ktooonz.html
ガラ版、スマホ版、共に次回が最終回です。
ネタバラシにはならない、簡単なキャラ別紹介、制作裏話などを連続公開していきます。
このお話、以前もお伝えした事ですが、
元はこの企画、人形を使った写真劇で実現させようと思っていました。
セットを作る時点で挫折しましたけど・・・
それと人形は表情がないので、やっぱり面白くないかなと・・・
主役「フランシー」の名前は 、私が持っている、古い1960年代のアメリカの人形からもらいました。
ここ2年くらい?私のその時代の人形を集めています。
今は当たり前にある、着せ替え人形が、今の形に定着した初期のものなので、強いエネルギーを感じられて面白いです。
当時の製品は、下請けで日本で作られているものが多かったのも興味を惹かれました。
今はほとんどが中国や東南アジアで作られていますが、
50年も昔の日本製の方が今の製品よりも、細工が綺麗だったりします。
名前が同じというだけで、実際の人形とは何も関係ないのですが、
当時のファッションぽいものを描きたかった事から来るイメージと
何となく名前の響きが題名の「夢見る」と合うような気がして、使う事にしました。
四女フランシー
18歳のシングルマザーです。
小柄、、金髪碧眼、ピンクのほっぺがいつも輝いています。
大らかでありながら、繊細な精神を持っている、気遣いがありつつも、他人の事は気にしない、
矛盾した側面を、バランスよく持っている女の子です。
家の中では歳の近いサチコと仲良し。子供のころはいつも一緒に遊んでいました。
遊びを通しての姉サチコの空想世界をフランシーが楽しんでくれたから、
彼女はアーティストになったのかもしれません。
小さな二人が並べばとても可愛かったと思います。
タイプは違いますが、世間離れしているという面では二人は似ています。
服はMODファッション風にしました。
清楚な印象のフランシーですが、お洋服は結構とんがってます。
名前を借りたドールのお洋服もこういうイメージです。
姉達に可愛がられて育ったので、お人好しで、人を疑わず、惚れっぽく、
特に色恋に関しては頭も緩めなのか、何やら怪しい男性に、何度もひっかかってしまいました。
彼女はその都度、本気で愛情を注ぎ、裏切られたら真底悲しんで泣いたと思います。
ですが、何度痛い目にあっても、懲りずに、またほだされてしまう。
どんな事件も、どんないい加減な男も、
善意と愛情を信じているフランシーの心までを傷つける事はできないのかもしれません。
そして、母親似なのかもしれませんが、男の人が大好きなのでしょう。
物心つくころから女所帯で、父親の影がなかった事も理由の一つかもしれません。
そしてどんな男もその都度本気で好きになる。
そんな、滑稽なくらいに純情一途な女の子を描きたかったです。
「純情」・・・とか言うと、人は初めだけ。。。みたいなイメージがありますが、
私自身が人を見てきた限り、男性も女性も、純情な人、あるいは側面は一生純情です。
一生恥じらいや、ドキドキする気持ちを生きているものだと思います。
子供がいようが、それが浮気にあたろうが、一人と付き合おうが複数と付き合おうが、
シングルマザーだろうが、奥様だろうが、関係ないと思います。
というか、人に真底恋ができるというのは、
その人なりのタイプに忠実かつ正直で純情だからだと思っています。
人間、自分の純情さが、弱さや経験不足のように感じるのか、
どこかすれた自分、色恋なんか遊びよ!みたいな印象を強調しようとする処もありますが、
素敵な恋がしたいのだったら、いつまでも中学生みたいな、
何とも滑稽で無垢無防備な自分を大事にする強さを持つといいなと私は思っています。
学生時代にシングルマザーになってしまったなんて言うと、
男も女もあまりイメージに思われない処が、今でもあるのかもしれませんが、
私が実際に遭った、恐るべき若いお母さんとかは、しっかりして、とても純情な女性でした。
彼女たちに感じた印象もモデルになっています。
彼女は相手の「見た目」も極端に気にしないようですが・・・
これは、自分の中では、ある種、子供の時から持っている感覚を利用して描きました。
大人の社会的な脳、例えば「人間は見た目じゃない」「差別はいけない」とかとは
全く違う基準のように自分で感じているのですが、
子供というのは、無条件に見た目の美しい人が好きであり、
同時に、無条件に心の優しい人、性質の優しい人も好きなのだと思います。
後者を感じた時に、相手の姿は何も気にならない、気持ちの場所があると思います。
そして綺麗な人が実は意地悪だったなどに気付くと、悲しくがっかり思うものですが、
心の綺麗な人の見た目が綺麗じゃなくても、それはどうでもいい事なのです。
残念のようにも思いますが、私自身は、子供のころの方が、そういう感覚をより強く感じたように思います。
「中身が大事」「差別ダメ」みたいなせせこましい世間基準は、既に常識を知る中年世代にもなれば捨ててもいいですね、
無条件に見た目の美も心の美も感じて喜ぶ自分であるだけで十分だと思います。
フランシーの仕事は、介護士で、今はまだ見習い中です。
シングルマザーでも通える高校を卒業したばかり。
非常に子供っぽいようでもあり、達観しているようでもある、そんな不思議な女の子です。
画像は、『夢見るフランシー』コミックより
(C)ソニー・デジタルエンタテインメント