録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

B級モンスター映画をどこまで愛せるか

2006-05-24 21:59:18 | 特撮・モンスター映画
もうじきピーター・ジャクソン版キング・コングのDVDが発売される。もちろん
すでに映画館まで足を運んで、映画は観ているのだが、DVDはもちろん購入するつも
りで楽しみにしている。と、いうより、わたしは基本的に実際に映画館で観賞した
映画か、過去の映画のDVDしか買わない。テレビ番組のDVD化でよくある「見せないで
DVDを買わせる」という、販売元の発想とは根本的に異なるのだ。
だが、それにも例外がある。DVD化するまで見せてもらえなかった作品でも、つい
つい買ったり、せめてレンタルしてでも見てしまう、それがわたしの趣味である、
B級以下のモンスターものだ。
国産の怪獣映画好きが転じて海外製モンスター映画の道に入ったわたしだが、見て
いくうちに、B級扱いで作られたモンスター映画の面白さに気が付いてしまった。
そもそもモンスター映画にA級扱いで作られた作品は少ないのだが、それはそれ。
B級モンスター映画のおかげで演出を学んだ監督だっている。ジェームス・キャメ
ロンやフランシス・コッポラだってB級モンスター映画なくして有名監督には
なりえなかったのだ(他にはいないけど)。
ただ、昨今のモンスター映画は発達したCG技術のおかげでVFX担当者の表現力が
無くてもモンスターを映画に出すことが出来る。おかげで最近作は右も左も安直な
CGモンスターばかりでやや興ざめだが、その一方でアメリカではケーブルTV向
けにモンスターもののTV映画が多数作られ、"見た目は面白そうな"テレビ映画が
大量にDVD化されている。もちろん、ほとんどは・・・な出来のうえ、一般映画DVDや
ヒット作に比べるとかなり値段も高い。値下げも期待できないので買いたくなった
時が買い時である。

・REX
国産の恐竜物語ではなく、アメリカ製。一応製作はメジャーな20世紀フォックス。
パッケージがハリウッド版ゴジラそっくりで、あたかも大怪獣映画のようだが、
実際に登場するのは「人間に擬態することで生き残っている恐竜の子孫」という
わかるようでわからない存在で、全然巨大じゃない。主人公は私立探偵ということ
で、てっきり「人間には無い恐竜の能力を使って事件を追いかけ、ラストは恐竜の
姿に戻って大バトル」とかだと思い、実際その通りだったんだけど、ラストに至って
すら変身したのは顔だけ。トリケラトプスの顔だけ正体を表して相手にドズン、
で終わり。さすがに見せ場の無さにずっこけた。これで終わり!?ってなもんで。
ただ、主人公の父親が家で居眠りしながら見ていた古い映画が、いずれもその筋の
人には有名な「紀元前百万年(もしくはその流用もの)」と「燃える大陸」だってのは
マニアサービスか。逆に言えば、そこが最大の見所だったりする。

・キング・オブ・ロストワールド
やっぱりパッケージがかっこいい。ピータージャクソン版キング・コングそっくりの
巨大ゴリラが咆えていて、如何にもそれにかこつけて出しました、という感じ。
良く見ると目の上にある傷まで一緒。それどころか、パッケージの裏には思いっきり
キング・コングって書いてある! しかも、そのコングがドラゴンや戦闘機と戦う
映画! こりゃ買わなきゃと思って買ってきた。
すると、出てきたのはパッケージには似ても似つかない(笑)目つきの悪い巨大ゴリラ
だった。どっちかと言うと、サメを振り回すポスターでやっぱりその筋の人には有名
な香港映画の「A*P*E」に似ている。しかも、動きはCGらしい不自然に機敏で、
一昔前の格闘ゲームのキャラみたい。出てくるドラゴンもコングよりずっと小さい
サイズの数で勝負するタイプだった。それでも・・・と見ていたら、バトルが始まった
途端、視点はコングやドラゴンからはずれ、逃げ回る主人公たち人間に行ってしま
い、コングやドラゴンはその視線上にチラチラ映るだけ。しかも、その主人公と現地
人のど突きあいの方がずっと時間を長く取っている始末。トホホ。
戦闘機によるコング攻撃も、なぜかミサイルも機銃も使わず体当たりなんかしかける
から戦闘機同士が接触して墜落。ラストは原爆を時限爆発させて全部吹き飛ばして
エンド、という救いようの無い落ち。絶対もっと面白く出来るのになぁ。


・・・とまぁマニアのわたしから見ても・・・という出来。それでもヘンなモンスターが
出てくるだけでそれなりに幸せなんだけど。さて、今度はCGに頼っていない、
古いやつを買いあさろうかな。
HD DVDもポツポツと発売され始めたけど、出てくるのは有名作ばかり(当たり前)。
こういった駄作が出るまではわたしゃDVDで充分だわ。

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