録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

再会のクラウドファンディング怪獣映画「HOSHI35」

2024-01-09 11:41:55 | 特撮・モンスター映画
地震のあとで思ったこと。
遺影は意外と落ちてこない。
古い映画かドラマで見た気がするんですが、地震になると遺影が落ちてくる印象があったんです。が、今回の地震ではかなり揺れたにも関わらず我が父の遺影はちょっと位置が曲がっただけで済んだんです。我が家は古い家屋で家の中では部屋を仕切る壁がなく、襖で仕切られるのみ、という箇所がかなり残っていて、仏壇はその一番外側奥の部屋に仏間としておいてあるんです。天井からつながる上部のみの壁は土作りでその下部にある襖を通す溝部分は木製ですが、その溝部分が土壁の前を塀のように覆う構造になっており、木の塀と土壁の間には溝が出来ているんです。葬儀屋さんの話では「あの溝は遺影を差し込んで飾っておくための溝だ」と言うんで、なんか不安定で落ちそうだな、と思いながら父の遺影を斜めに差すようにしておいたんですが、その溝はあの地震でも不安定どころか見事遺影を守ってくれました。溝だけが優れていたんじゃなくて、家全体で地震の衝撃を揺れに変えて吸収してくれたような気がします。明治時代から使っている(らしい)窓ガラスもひび一つ入らずに無事でしたし。地震の報道で「古い家屋は倒壊、耐震構造の新しい家は無事」と言っていたニュースがありましたが、日本の古い家屋って意外と耐震構造もバカにしたものでもないと思いましたよ。お客さんに地震の話をされて「この店は何もなくて無事でしたよ」って答えると驚かれますからダメダメに見えるんでしょうけど。古いから壊れて新しいから無事だったんじゃなくて、地盤がくずれたかどうかが一番の原因でしょう。

と、地震の経験を振り返る余裕も出てきましたので、もっと早く見たかった映画のDVDを鑑賞してみました。「HOSHI35」と書いて星屑と読む、クラウドファンディングによって作られた怪獣の登場する映画です。


1989~95年に作られた「ゴジラVS」シリーズに一貫して三枝未希役を演じられた小高恵美氏のデビュー35年周年を記念して2023年に作られた映画となります。小高恵美氏はの映画出演は「ゴジラVSデストロイア」以来とのこと。タイトルは「HOSHI35」と書いてホシクズと読むのですが、35の数字は当然小高恵美氏のデビュー35周年にちなんでと思われます。
パッケージによると「平成特撮にリスペクトを捧ぐ」「新しい時代への架け橋になるような特撮映画を目指した」とありますが、あくまで目指した、であった本作が特撮映画と呼ぶほど特撮シーンが多いわけではありません。低予算であるのに尺は80分とそれほど短いわけではなく、予算のかかる特撮にそこまで時間を振り分けられませんからね。怪獣の出番はアバンタイトルとクライマックスのみで出現場所は山のふもと。他は宇宙があるくらいです。ただ、その程度の出番なのに安易にCGに逃げることなく怪獣をちゃんとスーツで表現したことが素晴らしいのです。
内容も矛盾点は多く、SFともファンタジーとも言い難いどっちつかずになってしまった点があって手放しには褒められません。出演陣は小高恵美氏をはじめ、「平成特撮」作品で名前を見たことがある人がずらり。そのせいもあって特に後半部分で顕著なんですが、登場人物の年齢層が非常に高くて苦笑いが出るのを隠せませんでした。ただ、本作のテーマは「再会」だと思いますし、登場人物だけでなく「平成特撮」に魅せられた観客がその主人公たちと「再会」できる、その機会を与えてくれただけで映画としては成功していると思います。これもまた時代の反映の一つなんです。
DVDは本編のみ。画質は・・・ちょっと煙とかがシマシマ模様になっちゃってイマイチかなぁ。ただ音響や音楽はかなり凝っていて好印象なので視聴の際は良い音響や再生ソフトを使って欲しいですね。
このDVDはクラウドファンディングの出資者の特典として送られてきたもの。つまりわたしも出資者なのでDVDがもらえた以外に、ちゃんとエンディングのスタッフロールの中に登録した「krmmk3」とあるのを確認できました。出資額はDVDがもらえる最低限の金額なので三行部分でしたが、真ん中の列で一人だけ意味のなさそうな半角アルファベットなのでちょっと目立って自己満足度高し。これでわたしに何かあっても名前は残る! いやあってよかった。特典なんでクレジットに名前があって当然なんですが、やはり実物を見るまでは安心できなかったもので。できれば劇場で見たかったなぁ。東京でしか上映してないみたいなんで無理でした。

本作では宇宙の彼方から地球衝突が予想される隕石を、人工衛星(惑星の軌道とは無関係に遠隔操作するので探査機と呼ぶべきかと思うんですが)をぶつけて軌道を変えるという作戦が行われています。これで思い出したのが昨年の2月に放送された「ニッポン超緊急事態シミュレーション★もしも怪獣が襲ってきたら! 」という番組。タイトルとは裏腹に怪獣シミュレーションはほんの少しで半分以上が宇宙の話というタイトルサギな番組でしたが、番組中で隕石の軌道を探査機を使って変える、という実験が行う話がありました。ひょっとして「HOSHI35」はこれを見てストーリーを考えた・・・とすると間に合わないから取り入れてみた、程度の変更点はあったかも。スタッフが見たとしたらわたしと同じでタイトルに釣られたからだろうし、参考にしたのならあのタイトルで放送したのも意味があったというものです。
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