録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

話題のハイレートSD・BDはありか

2016-03-11 23:24:37 | 次世代ビデオへの懸念
ようやくジュラシック・ワールドのBDを購入して視聴。最後の切り札、ティラノサウルスら凌駕し、追いつめるインドミナス・レックスに立ち向かっていくヴェロキラプトルの雄姿はやっぱり何度見ても心が熱くなるなぁ。ぞティラノサウルスの頭の上からインドミナス・レックスに飛びかかるラプトルとか、投げ技をやってのけるティラノサウルスとか、どう見てもたたき台は日本の怪獣映画、それも「三大怪獣地球最大の決戦」。フィニッシュがちょっと不満だけど、それを考慮に入れてなお、バトルシーンが1933年度版「キング・コング」より熱くなれた洋画は初めて。こいつは近年の最高傑作だわ。果たして「シン・ゴジラ」の怪獣バトル(あるのかどうか知らないけど)はこれよりわたしの魂を熱くさせることができるか? 現状出回っているゴジラらしき写真を見る限り、あまりかっこいいバトルが映えるデザインではないので、そういう路線は期待すべきではないのかも知れませんが・・・。腕細いし。

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えー、最近ちょっとコメント欄で話題となっていますので少し取り上げますが、ジュラシック・ワールドもそうですがBDと言えば1920x1080、HD解像度のものという認識が我々の中にあります。ですが、ソフト用のBD規格であるBDAVでは、少なくとも4種類の解像度規格が存在することが確認されています。
・1920x1080
・1440x1080
・1280x720
・720x480
と、言っても一番上の1920x1080以外のソフトはほとんど見かけません。BD化する前の映像段階ではもっと低い解像度であったとしても、わざわざアップコンバートしてファイルサイズを増やし、1920x1080で出すソフトがほとんどです。これは当然「テレビやレコーダーでリアルタイムで補正するより高精度な補正をかけてくれるのだから総合的にみて画質が良くなる」と解釈する人もいるでしょうが、個人的には「容量の無駄遣い」と解釈しています。これのせいでBOXの枚数が増えたり、1層で済む容量が2層になったりと買うときの値段に跳ね返ってくるのですから。それに高精度のアップコンバートと言っても「超解像度リマスター版」と銘打ってスカパー!で放送されている番組の画質を見ると、やらないほうがマシ、と言えるものが少なくなく、ちょっと勘弁してほしいありさまであります。まぁスカパー!の場合SDとHDを混合させて放送するわけにいかないので仕方ない面もあるのですが、BDはパッケージソフトなんですから自由に変更できるでしょうに、無理やりのアップコンバートは親切半分、値段のつり上げ目的半分ってところでしょうか。

しかし、最近は「ハイレートSD」の肩書付で本来のSD解像度のまま、放送時の映像に近い形で少ない枚数のBDに納められ、登場するケースがボチボチ出てまいりました。と、言っても現状検索してみた限り、ハイレートSDはアニメのBOXくらいにしか活用されていないようですが。まぁ古い作品でも良いフィルムで撮られていれば高い解像度が期待できる映画にハイレートSDが利用されることはないでしょうしね。
ハイレート、と言っても定義はないのでしょうが、2層のBDに24話のアニメ作品が収録されているものなど、まぁ収録11時間、1話24~25分で1GB強、音声も考えると1話のビットレートは8Mbpsくらいでしょうか。ビットレートだけならDVDと同程度ですが、おそらくフォーマットはMPEG2ではなく、H.264/AVCでしょうからその圧縮率の分画質に還元されている、ということなのでしょうね。収録時間を6時間におさえているものもあるようですが、それだと推定ビットレートは16Mbps。正直これは少し多すぎではないかという気がします。
なお、BDと言っても720x480にはプログレッシブ規格がなく、インターレースのみになります。アナログテレビでの視聴を考慮に入れたか、DVDと同じ基本データを使えるからか、と言ったが理由と思われますが、実際のところSDだからと言ってDVDと同時発売されるパッケージはなく、アナログテレビでもプレイヤーの性能次第で24pをキレイに出力することは可能ですから、ちょっと余計な気を回しすぎな感もあります。ひょっとしたらHDとSDの画質の差をよりはっきりさせるため、SDの規格を意図的に低いものにとどめたのかも知れませんが。

ハイレートSDのBDが今後も出るとしても、ソフトはテレビ放送のソフト化、それも80年台後半のビデオ撮りが始まったころから2000年台半ばのアナログ放送からデジタル放送への過渡期までに限られると思います。しかも今パッケージ化してある程度売れるものとなると、本当に一部のアニメ作品くらいしか需要はないのかも知れません。この26日にはついに4KのUltra HD Blu-rayソフトが発売されることを考えると、なんでいまさらSDなんだ、と言う意見もあるでしょうが、少なくともわたしは画質が見たいのではなく、作品が見たいのですよ。たくさん買う人にとってはより場所を取らないハイレートSDのパッケージ、需要それなりにあると思うのですが、今後もリリースされることはあるのでしょうか。

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初の4KBDことUltra HD Blu-rayソフト。そういえば初のHDソフトは「桜」でしたっけ。確かフォーマットはもうだれも使ってないVC-1。なんで日本ってこういう環境ソフトから入るんでしょうね? 個人ではなく店頭で使うデモを想定したソフト展開から入る決まりでもあるのでしょうか。

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11 コメント

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Unknown (熊奴)
2016-03-13 21:46:16
何だか今までの色々な映画から切り取って来た様なストーリーでしたが、面白かったですね。
最初は主人公を裏切って、最後にはインドミナス・レックスと戦ったラプトル。
2回恐竜同士の会話ジーンがありましたが、一体どんな内容だったんでしょうね。
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Unknown (krmmk3)
2016-03-14 00:58:36
>熊奴さん
特に前半はつぎはぎストーリー感は否めませんね、退屈な部分も多いですし。余計な要素を忘れてシンプルな展開になる後半こそ本作の真骨頂です。
ラプトルはカメラワークや出演陣の視点のために代役となる人間を置いて撮影したそうです。当然監督は「ここではこうこうこういうセリフを言っている感じで」と恐竜役の人に演出をほどこしたはずですから、何かあるのでしょう。それを想像してみるとも面白いかな。
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Unknown (arpus)
2016-03-14 02:24:42
正直レンタル専用パッケージならともかく新規プレスでのDVDが必要なのかな?と最近思っています。
とくにアニメとか1000円くらいの価格差を付けるためにBDとDVDの二種類用意するけどあるから少しでも安いDVD版を買う人もいるようだけどBD一本に絞ってコスト(流通や在庫ロス)を下げたからって「DVDじゃないから買えん!」なんて購入者ほとんどいないような気がする・・・
レンタル専門の利用者ならDVDプレイヤーやPCしか持っていないって人もいるかも知れないけど。

で、ハイレートSDの話ですが確かに昔のドラマやアニメのように50話とか100話を超える作品の高密度化は歓迎ですね。
ただアップコンバートをどこでするのが優秀なのかによって変わります。
今は民生機のアプコンも優秀になってきていますが、機材の優秀さのみならずプロの目で丁寧に補正された場合であればやはりHDでリリースされたほうが提供側の意図をより近く反映も出来るのであながち「データの無駄」とも言い切れないかと。(逆に大失敗する可能性もありますがw)

> なんで日本ってこういう環境ソフトから入るんでしょうね?
真っ先に出すのは話題作りのため。
環境ソフトから入るのはカメラのレンタルと取材費だけとコストがかからないから。w
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Unknown (Unknown)
2016-03-17 17:35:32
アニメ・ドラマは基本的にDVDでしかレンタル出来ないのでPS3でアップコンバートしています。

ですのでSDソースしかないのであればSDのままで私は問題無いです。

また、日本の映像パッケージは結構高いので少しでもコストを減らして欲しいです。
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Unknown (krmmk3)
2016-03-17 23:21:02
>arpusさん
レンタルにDVDが必要なら、やはりDVDのパッケージも売って少しでも利潤を得るのが合理的ではないかと。わたしとしてはいまだに当たり前にあるBDとDVDの抱き合わせしか買えないという状況を何とかしてほしいです、BD欲しい作品ならセットのDVDいらない。
超解像処理はどうやっても不自然さの残るものでしかなく、製作側の意図を反映するならSDのまま引き延ばしに耐えうる情報量を持たせるべきだと考えています。
まぁコスト削減のため、というのは分かりますけど、それなら4K撮影された最近のデジタル映画でいいじゃないか、とか思うわけで。

>2016-03-17 17:35:32さん
ハイレートSDのBDでもアップコンバートって効くんでしょうか、いまちょっと疑問に思いました。普通に考えたら効くでしょうが、DVDじゃないプロテクト付き円盤に収録されたものだと補正効かないようになってる可能性あるような。
日本の映像パッケージって値段を上げるために無理やりいろいろ足してるような。
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Unknown (Beep)
2016-03-18 01:26:53
>BDとDVDの抱き合わせ

ネズミの国に多いコレですが、子供のいる家庭だと家ではBD、車ではDVDなんて使い分けなんでしょうね。
プレス数多いからそんなに高価にもならないし。パトなんか8000円もしたものなぁ。
妹がよく見るマーベル映画もこれになって本人はDVDしかみないのに借りるとBDという役得がアリ。

http://ggsoku.com/2016/03/sony-analog-player-hi-res/
世の中、何でもアリやな。

http://ggsoku.com/2016/03/sharp-fu-gk50/?pos=accessrank_co
目の付け所が...ダメだこりゃ。

http://www.sankei.com/west/news/160311/wst1603110003-n1.html
これに対応できれば特需がw
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Unknown (Unknown)
2016-03-19 23:17:34
>BD化する前の映像段階ではもっと低い解像度であったとしても、わざわざアップコンバートしてファイルサイズを増やし、1920x1080で出すソフトがほとんどです。

ソフト化に一定のルールがあるのが原因なので、仕様と理解すべきですね。
BD-ROMの転送レートがビットレート決定の基本なので、それの最大値に合わせることにしているんでしょう。

時間を基本としてビットレートを低く抑える場合も存在すしますが、それは安価版などでよく見られます。


>最近は「ハイレートSD」の肩書付で本来のSD解像度のまま

セル画も原版の撮影フィルムも残されていないか、16mmフィルムで制作されたものしかないので、SDで出す以外方法がなかったと考えられますね。

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Unknown (krmmk3)
2016-03-20 13:28:28
>Beepさん
名目上としてはそれなんでしょうが、正直BD版かおうと思った映画のDVDはわざわざ見ないからなあ、なんとなくムダっぽくて。逆にDVD版だけでいいや、って思っても価格差みるとBDとのダブルパッケージかいたくなるんですよね。
そう言えば南京虫の南京って当然中国の南京のことなんだろうな、って思いました。名前通りの存在だったのか。

>2016-03-19 23:17:34さん
最大値は当然ありますけど低くするのは自由に出来るはずなんですよね、レコードじゃないんですから。
16mmフィルム、SDのビデオ撮り、そんなものまで「超改造度リマスター」とか言って無理矢理1920x0180に拡大してパッケージソフト化してるのが現状ですよ。それならハイレートSDをもっとやって欲しいです。
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Unknown (Unknown)
2016-03-23 05:48:38
ここの人たちは意外とハイレートSDを肯定的に捉えている人が多いのですね。
私は24p収録が出来ないのと、4:2:0でしか収録できないので嫌ですね。
でも16mmフィルムがHDに耐えられないのには同意できます。
最近買ったのだと仮面ライダーのBDがDVDとの劇的な差は感じられなかったので…
おまけに色がDVDよりも全体的に黄色くなっているという…
返信する
Unknown (makita)
2016-03-23 19:40:13
>ここの人たちは意外とハイレートSDを肯定的に捉えている

私は条件は付きますけどおおむね肯定的にとらえていますよ。
特に従来のβカムやDVカムで撮影したような昔のテレビ番組に関しては無理にアップコンバートしないでNTSCのままで収録して欲しいですね。
アニメに関しては作品によりますけどね。
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