録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

4K8Kテレビの普及ってどうなったんでしょうか

2019-08-30 23:10:35 | 次世代ビデオへの懸念
わざわざ書くほどの話でもないですが、最近更新してないので書いておきます。ただの穴埋めです。

暑かった8月もようやく終わります。あまりの暑さのために都市圏からやってくる金の買取業が本来7月後半から8月前半に来る予定を見合わせ、8月月末になってやっと来店してくれたくらいです。最近現金が出ていく取引のケースが多く、ちょっと手持ちの現金が不足(銀行で下ろせばいいんですが、なかなか外出も難しく)していたのでホッと一安心。
8月と言えば来年は東京オリンピック・パラリンピックがあります。事前の問題としては、やはり開催時期には襲ってくるだろう猛暑対策ができそうもないことと、最近になって浮上した東京湾の水質がかなり悪くて競技に向かないのではないか問題、当たりがクローズアップされてます。他にも誘致に関する不正疑惑、なんてのもありましたが何故か有耶無耶になって話に上がらなくなってますが。
そんな中、わたしも一度は追っていながら完全に忘れていたのが「4K8K放送を2020年の五輪までに国内普及率50%に」話。期限まで一年切ってます。となればそろそろ普及率の大本営発表が行われてもいいころ、さて現在は・・・と軽く検索してみたのですが全然話がない。どうせ昔の地上デジタル放送の時みたいな胡散臭い普及率の数字が出ているだろうからそこに陰謀論でも唱えようか、と思っていたのにアテが外れました。総務省もネタを提供してくれないと困ります。

数年前に「2020年に普及率50%」という目標数字を見たときは「まぁ無理だろう、不可能だ」と思ったものです。その時点で出荷されていた4Kテレビは当時の将来である2018年12月に放送が開始される4K放送のチューナーが内蔵されておらず、外付けチューナーが別途必要になるものばかりでした。東京五輪までに普及率が50%になるには、最低でも2018年12月から1年半と少しの間に最低でも4K放送チューナーを内蔵したテレビ・レコーダーおよび単体チューナーを合計して2500万台日本国内だけで売らなければいけません。普通に大ヒットしても難しい数字なのに、、いかに上げるような環境でその数字が達成できるとは思えなかったのです。

1.4Kテレビがデカすぎる
新4K・8K放送、テレビ局もテレビメーカーも「やる気なし」のワケ

昨年、4K8K放送が始まる時点の記事なので参考にならないかも知れませんが、一番下に「もともと、家庭にあるすべてのテレビが「10年サイクルで買い換えられる」と楽観視していたのが間違い。というのも、多くの家庭が子供部屋や寝室にあった2台目以降のテレビを買い替えなくなった。スマホやタブレットで事足りてしまうようになり、もはやテレビはスマートデバイスに圧倒され始めているのである。」なんてありますが、もし現在の状況を普及させる放送局や総務省側まで売れない理由をスマホのせいと考えているようじゃ話になりません。それ以前の問題、寝室や子供部屋に放送開始時には4Kテレビの最低サイズだった55型のテレビを買い替えて置く人がいるわけないのです。何度もいいましたが、そうした部屋におけるのはせいぜい32型です。36型ならちょっと無理して置く人も少なからずいたかも知れませんが、現在のテレビのラインナップには36・37型は存在せず、32型を超える最小サイズが40型になってしまいます。気軽に置くサイズがないうえに、4Kテレビの最小サイズも40型、それも最近になってやっと出てきたのが実情です。これでは買われないのも仕方ないところ。ついでに言えば、たとえ4K放送を入れても視聴の主流は地上波であると思います。が、4Kを前提にした超巨大テレビで地上波を見ると汚くて見れたものではなくなります。超解像処理で誤魔化そうとするテレビもありますが、圧縮で失われた画面の細部を無理やりシャープを強くして解像感だけあげてもむしろ汚く見えるだけ、ってのも買い替え意欲を湧き立たせない理由かと思います。それならまともなサイズで見ていた方がマシですから。

2.金銭的問題
ひょっとしたら、4Kテレビが売れるだろう考えには「消費税アップの前に駆け込み需要が起こり、テレビを買い替えるだろう」があったかも知れません。が、そのアテは外れました。駆け込み需要が起こらなかったということは、統計や株価などの数字はともかく一般人のふとごろ具合はよくないということです。むしろこれから出費が嵩むことを心配し、なるべくお金を使わないようにしようと考えているのではないでしょうか。どうしても買っておきたいものはあるでしょうが、それらに該当するほどテレビの優先順位は高くないということです。なにせ買って10年たっていない人が多く、しかも古いテレビはリサイクル料という処分費用がかかりますので余計な出費はは抑えたいと思うのならテレビは現状維持、となって当たり前だと思うのです。

3.製品群がつまらない
地上波の放送をデジタル化する際にそれまでのアナログテレビ市場にいた海外や安売りのメーカーをことごとく追い出し、日本の大手メーカーの半独占市場にしてしまいました。買い替え重要に沸いた時はわが世の春を謳歌しただろう日本メーカーですが、それは需要の前倒しをしたにすぎませんでした。そのあとは右肩下がりで売れなくなり、無理やり需要を起こそうとした3D押しは逆にテレビ離れを引き起こした感さえあります。かくして買い替え需要の時にはテレビを売っていたメーカーも次々と撤退、今はテレビを作っている日本メーカーはいくつも残っていません。海外メーカーも、以前から日本で踏ん張っているLGのほかは東芝を参加に収めることで参入できたハイセンスくらいなものです。売っているのも総務省の旗振りで規格化された筋にのった、脱線を許さないものばかりで選択肢がなく面白みが全くありません。もちろん従来のHD放送よりもさらに強化した録画規制のために録画好きのツボを押せる製品が出せないのも、テレビと同様あるいはそれ以上にレコーダー需要を冷えさせている大きな理由です。


これら売れない理由、がカッチリと強く存在する中でどうやってありえそうもない普及率を達成するのか、どんなミラクル策を用意するのかはちょっと楽しみではあったのですが、未だに何も見られず、数字の公表すらしないところを見ると、テコ入れよりそもそも短期間普及をあきらめる方を選んだようです。それでいいんならいいんですが、それなら大急ぎで削ったBS放送の帯域をもとの放送に返してやってほしいものです。
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16 コメント

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Unknown (piro)
2019-08-31 12:53:22
こんにちわ、4K8Kテレビ
当方も興味があり駆け込み購入を一度は検討した
クチです・・が結局は見送りでした
デカさもそうですが、買い替え対象のテレビですら週に何回つけたかと録画以外は観ないのみあります、それなりにレンタルしたDVDは観るのですが、うーん十分な画質だしなぁが本音です、ニッチな市場にしかみえないのが消費者からみた現状、もっともテレビが壊れたときに買うかどうか微妙ですね、再生ならチューナレスのディスプレイ等もありますし。。
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Unknown (Beep)
2019-09-01 21:15:08
https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1204102.html
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190820-00012884-toushin-bus_all
明るい話もありますが、まだ将来の話だったりなので残念

普及もだけど最近話題になった「4K暗い」問題
https://solomon-review.net/4k-broadcast-dark-display-problem/
なんか普及どころか飛びつくと泣きを見そうな問題山積みのような気がします。
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Unknown (siinamon)
2019-09-02 12:12:00
丁度昨日、うちのプラズマTVが一台壊れました。
2011年製の3D対応(ST3というモデル)なので倍速、縦横のPANで残像があまりないブラウン管からの移行する決心をしたモデルです。
リビングがGT5というプラズマ最終モデルに入れ替えてから祖母用にしていたのですが、夜寝ているとき以外はほぼつけっぱなし(外の情報収集がTVだけという)なため、電源部が逝ったようで電源オンでジーと鳴った後映りません。
とりあえずTV映らないと困る!とうるさいので、手持ちのフルHD23インチIPSモニタにチューナー繋いで見れるようにしました。…画面小さいと文句来ましたが;;
さてどうするか、修理?4K?と思った矢先に上記Beepさんの書き込みがあったため、とりあえず修理見積を取ってみようかと思いました。タイムリーでした。
しかしプラズマも年式的にもう壊れるころ合いと思った次第。
GT5もどのくらい持つことやら。
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Unknown (Unknown)
2019-09-02 21:42:52
4k,8K放送に対する、メーカーや放送局のやる気なさは何なんでしょう。これじゃ買う気もおこりません。
家電量販店だけ乗り気かな?
TV放送がオワコンなんでしょうかね?
パソコン用に4Kモニタ買いましたがこれは良かったです。ディスクトップが広く使えるし、YouTubeは4Kで見れるし。TV放送殆ど見ないし自分の用途では当分チューナーは必要ないですね。
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Unknown (Unknown)
2019-09-03 00:00:32
4kなんて今の電波の情報量じゃまやかしですよね。
むしろ4kチューナーだけ買って(あるの?)それを2kで映した方が嬉しい気がします。

昔、こちらでBSのビットレートの調査の記事があり、当時はなんじゃらほい?でした。
しかしYUV420の仕組みと電波を知ってやっとわかりました。
以後、BSアニメ重視で観てます。ありがとうございました。
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Unknown (krmmk3)
2019-09-03 00:10:36
>piroさん
DVDが視聴のメインだと、4Kテレビじゃかえって汚くみちゃうこともありますし、壊れたとかでない限りHDで十分ですね。
テレビじゃなくてディスプレイの方が今はいいと思います。再生機との組み合わせまで考えれば自己満足度の高いシステムが組めますし。

>Beepさん
量子ドットもいよいよ来ますね。こうした技術を4Kテレビにしか使わせないことによって買い替えを促すんでしょうね・・・。最悪普及せずに終わることにもなりかねませんが。
相変わらず民放系の4K放送はアップコンバートしただけのものが主流だそうですし、この「暗い」問題はなかなか解決しないでしょうね。放送開始前は「同じ番組でもビットレートや解像度が低下した従来BS放送よりBS4Kのアップコンバート放送を視聴したほうが高画質」なんて話もありましたけど、理想通りにはなかなかいかないか。

>siinamonさん
あらら、大事なプラズマテレビ、壊れちゃいましたか。液晶テレビへの買い替えと比べるとややコストパフォーマンスが悪く見えるかも知れませんが、とりあえず修理を検討した方がいい気がします。
ちなみに何年か前に書いたプラズマテレビ修理の話、いまだにアクセスがトップ10の常連というウチの人気記事だったりします(^^;)

>2019-09-02 21:42:52さん
民放系はスポンサーが集まらないのでやる気なし、日本放送協会が本当にやりたいのは8Kの方、ってこともあって4Kは盛り上がらないみたいです。メーカーはそもそも弱体化して生産能力がたかが知れてますし。
わたしも4Kディスプレイつかってます。動画再生PCとつなげてテレビ代わりに使うのもいいですよ。
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Unknown (siinamon)
2019-09-04 12:04:54
>krmmk3さん
修理見積してもらうことにしました。
その後、調べたら赤ランプの点滅回数で異常個所が推定できるとのことで、見たら6回点滅。
パナのサイトで見たら22000-24000円+出張費なので3万くらいで修理できそうです(複合要因だったら厳しいですが)。
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Unknown (krmmk3)
2019-09-05 00:08:41
>siinamonさん
パネルまるごと交換だと金額が跳ね上がるんですけど、そのくらいなら修理の方がいいですね。いいテレビなので長く使ってあげてください。
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Unknown (めめたあ)
2019-09-05 19:45:58
廉価モデルはもう進化はしないのに値段は変わらず。頼みの4K放送も開局したBS日テレ4Kも思った通りサイマルじゃ食指はのびませんよね。ガラケーがスマホに置き換わったようにテレビも目に見えるような進化、もしくはテレビ版ラジコのようなシステムを導入しないと難しいと思います。
KawaiianTVが廃止するみたいですね。
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治りました (siinamon)
2019-09-08 01:40:16
このモデルで点滅6回は珍しいそうですが、結局交換する部品はプラズマの横ライン制御のSN基板とやらで部品代5000円、出張費3500円、技術料9500円+税金の19000円ちょっとでした。
やはり稼働時間が長いと壊れやすいそうで、うちの母の使い方だと厳しめなんだろうなと。
それよりやはりプラズマは部品供給が厳しくて今回のモデルは2年後に修理とかは厳しそう、GT5なら最終なんであと数年は、といった模様。
最近の液晶は残像も出ないし熱も少ないから乗り換えお勧めでですよ、とか言われる始末。
熱はともかく、有機ELじゃないただの液晶は今でも残像あると思うけどなぁ…;;
まあオリンピックが終わって中途半端なバブルが終わって機能や規格が落ち着いた頃に買い直しですかね。
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