久々に金(ゴールド)、白金(プラチナ)の話。
週刊誌のネタにすらなったという話もありますが、ここしばらく、ずっと金よりも安い相場が続いてきた白金が、金を上回る先物取引価格を付けることが多くなっています。現在は少し差が縮まっていますが、一時は100円近い差がついたこともありました。もちろん自動車産業が若干良くなってプラチナの需要が増したことが大きな原因です。が、その一方で金が安くなったわけでもなく、こちらも上がり続けています。こっちはどちらかと言えば最近の円安傾向の影響の方が強いでしょう。
何年もこういった金・白金の需要や値動きに左右されつつもその恩恵で収入を得ることが出来たのが、中古業界です。今までの常識からすれば値上がりは歓迎、というところなのですが、もうその常識は古いものになっています。
「とうとう在庫なくなっちゃったよ、金のネックレスか何か少し分けてよ」
先日同業者が訪ねてきて半分冗談まじりに言っていった一言です。
今、極端に金・白金の取引量が少なくなっています。ウチでも今年に入って、に限れば二年前の半分以下、超大手でも1/3にまで落ち込んだという話も人づてながら聞いています。大量に発生した金・白金買取専門チェーン店によって「貴金属を売る」行為が余りに当たり前になってしまったため、一般に出回っている金が枯渇しつつあるようなのです。その流出先は、おそらく海外でしょう。何度も書きましたが日本で検査された貴金属の信用度は世界一、それも他国が束になってもかなわないほど圧倒的なものがあります。それだけ他国はいい加減になってるということなのですが、その信用される金・白金だからこそ海外から買いが入り、比較的景気のいい国に流れて行っているようなのです。多分日本の総重量はこの数年で少し軽くなったはずです。
かくして残り少ない貴金属を集めようと、業者もかなり必死になっています。先日、店の数は多くても買値が安いことで(わたしら業者の間では)知られている店が、新聞に挟まっていた広告でウチとほぼ同等の値段をデカデカと提示していたのです。「ここがあそこまで!?」と驚きましたが、下に小さく「1kg以上のインゴットの場合」って添え書きがあるんですよ(^^;) インゴット、この場合は平たく言えば純金の"延べ棒"です。テレビのドラマや映画で出てくるのは10kgとかのさらにでかいやつですけど、もっと小さいものもたくさん出回っているんです。ペンダントに使われる5gや10gとかの小さなやつだって立派なインゴットです。そういうのはよくありますが、1kg以上のインゴットなんて滅多にこの業界には回ってきません。わたしだって過去に2個しか扱ったことがないですし、ましてこの時期に来るなんてまずありえません。ようするに、来ないことを前提にした「ハッタリ広告」なんです。普通のK18やPt850の買値は、離れた場所に消えそうな薄い字でいつも通りの値段が書いてありました。
また、去年からわたしの地元にも東京などで展開している"どこかで聞いたことのある"店がいくつか、どこも「金買取」を前面に押し出して進出してきています。これはいい加減首都圏だけでは集める量に限界が見えてきて「地方ならまだあるだろう」と刈りに来たように思えてなりません。お客さんのお店への入りやすさではどうしてもかないませんし、こっちの影響も出ているのでしょう。
貴金属買取市場が再び浮上するには、日本人に買ってもらわなくては有り得ません。今は海外に売らなければ商売は成り立ちませんが、いずれ限界に来ます、というかすでに限界に達しつつあります。ウチなんかは基本貴金属は業者卸しのみで、後のことを考えて計画的に在庫を蓄えてあるのでまだマシですが、それでもどんどん減ってきています。よそも大差ないか、さらに悪いでしょうし。ところが、その希望もほぼ持てません。円安が進んで当然新品の宝飾品の値段は中古業界の買値以上に高くなっていますし、その割にまだ世間の収入は増えていません。ひょっとしたらインフレが起こるだけで収入はこのまま増えないかも知れません。そうなったら当然贅沢品は購入対象から削られるでしょうから。
また、仮に景気が良くなったとしても貴金属の伸びはあまり期待出来ません。なぜか。
ここでもう一つの「なぜ」を考えてみましょう。貴金属買取市場は枯渇するまではそれなりに盛況でした。だから雨後の竹の子のごとく「金買取」の幟を上げる店が増えたのです。と、言うことは、日本の各家庭にあった貴金属の量は非常に多かったということになるのです。多かったということは、みんながたくさん買ったということで、それにはなにか理由があったわけです。
みんなが貴金属を買えた理由、一つは言うまでもなくバブル景気です。が、わたしはもう一つ理由があったと考えています。それは物品税の廃止です。物品税はかつて存在した、贅沢品や必ずしも生活必需品ではない品物の購入に対して課せられる間接税で、わたしも詳しいことは知らないのですが10%20%当たり前という非常に高い税率でした。貴金属は当然贅沢品ですから最高ランクの高い税率が付けられていたのでしょう。が、この物品税は対象が結構いい加減で、何が対象になって何が非対象なのか判断がつかず、そのたびに行政の判断が必要になるなど混乱の元でありました。そのためか、「消費に課す」消費税導入と同時に「品物に課す」物品税は廃止になったのです。非常に高額だった物品税から比べれば消費税の税率などたかが知れたもの、後にバブルと言われた好景気も後押しして貴金属を買うハードルが一気に低くなったのは確かです。おそらくこの時売れた貴金属が、今なお残っていたのが買取の主な対象になっていたものとわたしは考えています。
このときのような間接税の値下げはもはや永久に訪れないでしょう。むしろ消費税は上がります。それどころか最近「一部生活必需品は税率を上げずに据え置くべき」という論が出てきており、「消費に課す」消費税の概念を覆し、「品物に課す」かつての物品税や諸外国の付加価値税の概念に変化しそうな空気です。そうなれば、いずれ「贅沢品は高税率でいい」と言う論が出てきてもおかしくありません。そこまでいかなくても、減税なしに景気の上昇だけで貴金属の売れ行きが良くなるにはかつてのバブル景気並みかそれ以上の好景気が必要になってしまいます。そんな時代がやってくると思っている人はさすがにいないでしょうから、貴金属が再び日本中誰もが買う時代になることもまず想像出来ないですね。
かつて自動車は物品税の対象であり、貴金属同様高い税率が課せられていました。いまや行政の手厚い保護を受け、補助金を付けられ、消費税が上がっても代わりに他の税率を下げて調整される対象となっているなど売れ行きにブレーキが掛かることのないよう注意を払われています。貴金属とはずいぶん扱いに差を付けられたものです。
今年は中古業界も淘汰が進むでしょう。金買取チェーン店の何割かは店舗をたたむでしょうし、体力の無いところは閉店を余儀なくされます。先の同業者は「半分になるんじゃないか」と予想していました。現政府の最優先課題は経済再生だそうですが、少なくとも中古業界はその再生対象には入っていないのでしょう。なにせ経済産業省を中心に、PSE法初期解釈のような業界いじめや新品購入への補助金のばらまきなど、「新品購入者を減らす中古業界つぶれろ」と言わんばかりの政策を次々と打ち出しいましたから。多分今の状況を同省は歓迎していることでしょうね。
週刊誌のネタにすらなったという話もありますが、ここしばらく、ずっと金よりも安い相場が続いてきた白金が、金を上回る先物取引価格を付けることが多くなっています。現在は少し差が縮まっていますが、一時は100円近い差がついたこともありました。もちろん自動車産業が若干良くなってプラチナの需要が増したことが大きな原因です。が、その一方で金が安くなったわけでもなく、こちらも上がり続けています。こっちはどちらかと言えば最近の円安傾向の影響の方が強いでしょう。
何年もこういった金・白金の需要や値動きに左右されつつもその恩恵で収入を得ることが出来たのが、中古業界です。今までの常識からすれば値上がりは歓迎、というところなのですが、もうその常識は古いものになっています。
「とうとう在庫なくなっちゃったよ、金のネックレスか何か少し分けてよ」
先日同業者が訪ねてきて半分冗談まじりに言っていった一言です。
今、極端に金・白金の取引量が少なくなっています。ウチでも今年に入って、に限れば二年前の半分以下、超大手でも1/3にまで落ち込んだという話も人づてながら聞いています。大量に発生した金・白金買取専門チェーン店によって「貴金属を売る」行為が余りに当たり前になってしまったため、一般に出回っている金が枯渇しつつあるようなのです。その流出先は、おそらく海外でしょう。何度も書きましたが日本で検査された貴金属の信用度は世界一、それも他国が束になってもかなわないほど圧倒的なものがあります。それだけ他国はいい加減になってるということなのですが、その信用される金・白金だからこそ海外から買いが入り、比較的景気のいい国に流れて行っているようなのです。多分日本の総重量はこの数年で少し軽くなったはずです。
かくして残り少ない貴金属を集めようと、業者もかなり必死になっています。先日、店の数は多くても買値が安いことで(わたしら業者の間では)知られている店が、新聞に挟まっていた広告でウチとほぼ同等の値段をデカデカと提示していたのです。「ここがあそこまで!?」と驚きましたが、下に小さく「1kg以上のインゴットの場合」って添え書きがあるんですよ(^^;) インゴット、この場合は平たく言えば純金の"延べ棒"です。テレビのドラマや映画で出てくるのは10kgとかのさらにでかいやつですけど、もっと小さいものもたくさん出回っているんです。ペンダントに使われる5gや10gとかの小さなやつだって立派なインゴットです。そういうのはよくありますが、1kg以上のインゴットなんて滅多にこの業界には回ってきません。わたしだって過去に2個しか扱ったことがないですし、ましてこの時期に来るなんてまずありえません。ようするに、来ないことを前提にした「ハッタリ広告」なんです。普通のK18やPt850の買値は、離れた場所に消えそうな薄い字でいつも通りの値段が書いてありました。
また、去年からわたしの地元にも東京などで展開している"どこかで聞いたことのある"店がいくつか、どこも「金買取」を前面に押し出して進出してきています。これはいい加減首都圏だけでは集める量に限界が見えてきて「地方ならまだあるだろう」と刈りに来たように思えてなりません。お客さんのお店への入りやすさではどうしてもかないませんし、こっちの影響も出ているのでしょう。
貴金属買取市場が再び浮上するには、日本人に買ってもらわなくては有り得ません。今は海外に売らなければ商売は成り立ちませんが、いずれ限界に来ます、というかすでに限界に達しつつあります。ウチなんかは基本貴金属は業者卸しのみで、後のことを考えて計画的に在庫を蓄えてあるのでまだマシですが、それでもどんどん減ってきています。よそも大差ないか、さらに悪いでしょうし。ところが、その希望もほぼ持てません。円安が進んで当然新品の宝飾品の値段は中古業界の買値以上に高くなっていますし、その割にまだ世間の収入は増えていません。ひょっとしたらインフレが起こるだけで収入はこのまま増えないかも知れません。そうなったら当然贅沢品は購入対象から削られるでしょうから。
また、仮に景気が良くなったとしても貴金属の伸びはあまり期待出来ません。なぜか。
ここでもう一つの「なぜ」を考えてみましょう。貴金属買取市場は枯渇するまではそれなりに盛況でした。だから雨後の竹の子のごとく「金買取」の幟を上げる店が増えたのです。と、言うことは、日本の各家庭にあった貴金属の量は非常に多かったということになるのです。多かったということは、みんながたくさん買ったということで、それにはなにか理由があったわけです。
みんなが貴金属を買えた理由、一つは言うまでもなくバブル景気です。が、わたしはもう一つ理由があったと考えています。それは物品税の廃止です。物品税はかつて存在した、贅沢品や必ずしも生活必需品ではない品物の購入に対して課せられる間接税で、わたしも詳しいことは知らないのですが10%20%当たり前という非常に高い税率でした。貴金属は当然贅沢品ですから最高ランクの高い税率が付けられていたのでしょう。が、この物品税は対象が結構いい加減で、何が対象になって何が非対象なのか判断がつかず、そのたびに行政の判断が必要になるなど混乱の元でありました。そのためか、「消費に課す」消費税導入と同時に「品物に課す」物品税は廃止になったのです。非常に高額だった物品税から比べれば消費税の税率などたかが知れたもの、後にバブルと言われた好景気も後押しして貴金属を買うハードルが一気に低くなったのは確かです。おそらくこの時売れた貴金属が、今なお残っていたのが買取の主な対象になっていたものとわたしは考えています。
このときのような間接税の値下げはもはや永久に訪れないでしょう。むしろ消費税は上がります。それどころか最近「一部生活必需品は税率を上げずに据え置くべき」という論が出てきており、「消費に課す」消費税の概念を覆し、「品物に課す」かつての物品税や諸外国の付加価値税の概念に変化しそうな空気です。そうなれば、いずれ「贅沢品は高税率でいい」と言う論が出てきてもおかしくありません。そこまでいかなくても、減税なしに景気の上昇だけで貴金属の売れ行きが良くなるにはかつてのバブル景気並みかそれ以上の好景気が必要になってしまいます。そんな時代がやってくると思っている人はさすがにいないでしょうから、貴金属が再び日本中誰もが買う時代になることもまず想像出来ないですね。
かつて自動車は物品税の対象であり、貴金属同様高い税率が課せられていました。いまや行政の手厚い保護を受け、補助金を付けられ、消費税が上がっても代わりに他の税率を下げて調整される対象となっているなど売れ行きにブレーキが掛かることのないよう注意を払われています。貴金属とはずいぶん扱いに差を付けられたものです。
今年は中古業界も淘汰が進むでしょう。金買取チェーン店の何割かは店舗をたたむでしょうし、体力の無いところは閉店を余儀なくされます。先の同業者は「半分になるんじゃないか」と予想していました。現政府の最優先課題は経済再生だそうですが、少なくとも中古業界はその再生対象には入っていないのでしょう。なにせ経済産業省を中心に、PSE法初期解釈のような業界いじめや新品購入への補助金のばらまきなど、「新品購入者を減らす中古業界つぶれろ」と言わんばかりの政策を次々と打ち出しいましたから。多分今の状況を同省は歓迎していることでしょうね。
オーマイゴット!!・・・なんつって、くだらねぇ・・・
金を現物で取引、しかもインゴットでなんて考えもしませんが、業界縮小は避けられないでしょうね。
ドル高になると金は価格を下げるとかいう話もききますから、アベノミクスの影響で1ドル=100円なんて数字もゴールデンウイーク直前辺りならばないともいい切れませんし。
さてどうなりますか。
少なくともこれまで円高ドル安が続いていたにも関わらず、金も少しずつ上がってきていたので、米ドルが必ずしも絶対的な存在ではない今、本気でどうなるかはわからないです。円安がいいのはあくまで輸出産業の話で、わたしら一般人にとっては決してプラス材料じゃないですし、ちょっと先が怖いです。
だめだ 何故かゴールデンアックス と 白銀の鎧 が頭から離れない そんな超合金五月人形 見てみたいなんてむりだってw
プラチナは間違いなく見た目のキレイなレアメタルですし、自動車にも使われるんですが・・・。減税はしてくれない。
ゴールデンアックスというと、メガドラのゲームしか思い出せないです。
そうですねw 鎧は大魔界村としましょうか
あ、それは思いつかなかった。どっちかというとパンツのイメージが(^^)