戦争を挟んで生きた女性の回顧録

若い方が知らない頃のセピア色に変色した写真とお話をご紹介いたします。

家族が発見されても引き取りを拒否される自殺者 04/28

2010-04-28 10:33:09 | Weblog
最近、悲惨な自殺者の身内の話を聞いた。それは男女2名で2つのベッドにそれぞれきちんと横たわって、多分薬を飲み、覚悟の自殺であったらしい。男のほうの娘が知り合いであった為、相談を受けたが、娘は引き取りを拒否したいとの事であった。女の方はなかなか親族が見つからず、DNA鑑定までして相当な時間をかけて親と連絡が付いたが、やはり遺体の引き取りは拒否するという答えだったという。どちらも親族が遺体の引き取りを拒否しているからには、生前の生活がどのようなものであったか、想像に難くない。周りに迷惑を掛け通し、娘にすら見放されていた。そのような環境で育ったにも拘わらず、そのひとり娘は30歳前、泥沼に咲く一輪の蓮の花のようであった。全く働かず、金さえあれば酒に手を出す父親の元を、早いうちから離れてひとり働きながら生活をしていた。親といって何もしてくれた事のない男が自殺したからといって、若い身空で警察に行き、万端を処理してやるほどの事は出来ない。それは仕方の無い事だと思った。
全く引き取り手の無い遺体はどのように処理されるのだろうか?それは聞く事は出来なかったが、多分国民の血税、警察の予算の中から賄われるのだろうと思った。生きて周囲に迷惑をかけていた人間は、死んだ後でも迷惑をかけて人生を閉じた。