手話通訳者のブログ

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手話通訳の現場から/読取り通訳

2016-10-07 06:06:37 | 手話
講演会でのケース。
ろう者が講師である場合、手話での講演となることが多い。
こういうケースでは、手話通訳者は逆通訳(読取り通訳)を行うことになる。
講師の手話を読取り、マイクを持って日本語で同時通訳する。
これが、難しい。いろんな意味で。

手話通訳者が訳した日本語を、要約筆記者が文字にする。

講師→手話通訳者→要約筆記者
というリレーが行われる。

いつも書いてるけど、完璧な通訳(要約筆記も含めて)などない。
まず、「講師→手話通訳者」の部分で、読取りミスが起こる。また、ミスではなくても、講師が思っている言葉に訳していない場合もある。
さらに、「手話通訳者→要約筆記者」の部分でもミスが起こるし、「要約」という行為の中で言葉が変わったりする。

講演終了後、休憩をはさんで、質疑応答の時間が設けられる。
休憩中、要約筆記者が筆記したものを、講師がチェックすることもある。
(要約筆記者が「見せない」という判断をすることもあるが、そういうケースについては、またいずれ書きます)

この時、筆記された内容が、講師の意図とずれてしまっていることは、よくある。
なぜ、ずれてしまったか。その原因を探るとなれば、手話通訳者か、要約筆記者か、あるいはその両方か、ということになる。

聴覚障害者の情報保障、いろいろと、難しい。