手話通訳者のブログ

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手話通訳者とプロフェッショナリズム

2016-10-02 10:23:24 | 手話
「手話通訳者はプロ意識を持つべき」
よく聞くセリフ。基本的に賛成。ただし・・・。

名実ともに「プロ」の手話通訳者がたくさんいる社会を想像して欲しい。
それは、ろう者にとって住みよい、温かい社会だろうか。

弁護士の世界を見てもらいたい。
実力も、報酬も、ピンキリである。
資産家は弁護士と顧問契約を締結し、毎月、顧問料を支払っている。
年間100万を超えるケースもある。

プロの世界は、殺伐とした弱肉強食の世界。
いろんな意味で、「弱い」者は生き残れない。

プロに仕事を頼む側から見てみよう。
上述の弁護士の例で、どうしても裁判に勝ちたいなら、高額の報酬を払って一流の弁護士を雇うべきである。

もう一度、プロ手話通訳者がたくさんいる社会を想像してみよう。
ろう者の中で裕福な人は高額の報酬を払って優れた手話通訳者を雇い、経済的に余裕のない人は「安かろう、悪かろう」の公的サービスを使う。
そういうことになるのではなかろうか。