手話通訳者のブログ

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手話通訳者の切磋琢磨

2016-10-06 02:39:27 | 手話
切磋琢磨とは、儒教の言葉であるらしい。
切るが如く、磋(す)るが如く、琢(う)つが如く、磨くが如し、という。
日本語の四字熟語としては、他者と競う合うことでお互いを高めていく、という意味で使われるが、原義は違うようだ。
もっと深い意味がある。

残念ながら、手話通訳者たちの切磋琢磨は、浅い方だ。
手話は競うものではない。
もちろん、努力を重ねている通訳者を見習い、負けずに努力する、そういう姿勢は必要である。
しかし、手話通訳者が集まると、ひどくレベルの低い、他人の欠点をあげつらったり悪口を囁いたり、甚だ低俗なやりとりが行われることがある。

他人との比較も時には必要だが、最も大切なのは、自分自身を見比べることだ。
1年前の自分と今の自分。何が違うのか。進歩しているのか。
自分は手話通訳者として、何を目指しているのか。
自問してみる必要があろう。

孔子の言葉で、手話通訳者たちに噛みしめてもらいたいものが、もう一つある。

学びて思わざれば即ち暗く、思いて学ばざれば即ち危うし。
(勉強するだけで考察することをしなければ知識は深まらない。自分で考えているだけで学ぶことをしない人は危うい)

手話通訳者たち、「学ぶ」ことはやっている。しかし、「思う」こと、自分でよく考えることは、全く足りない、というのが実感だ。