手話通訳者のブログ

田舎の登録手話通訳者のブログです。

市登録と県登録

2016-08-08 13:41:24 | 手話
俺は長年、市の登録手話通訳者として活動している。
わしらが住んでいる市では、手話通訳士でも統一試験でもなく、独自に資格認定試験を行っている。
だから、統一試験が始まっても、手話通訳士試験が始まっても、それらを横目で見ているだけだった。

統一試験については、何年か前に、ろう協の忘年会(新年会だったかな。昔なんで、忘れた)の席で、口の悪いろう者から、
「たいしなんて、統一試験受けたって、絶対落ちるで」
と言われ、酒が入っていたせいかムキになり、
もし受験して合格したら、どう落とし前つけてくれんねや!
などどバカバカしくも恥ずかしい言い合いをしたが、それっきり忘れていた。

ある時、地元ろう者のYさんから、
「たいし、県の登録手話通訳者になってくれへん?」
と頼まれた。

なんで? 俺は市の登録手話通訳者だから、県の登録手話通訳者になっても、特に何も変わらへんけど。
「たいし、県内の市町村によっては、手話通訳者がいない地域もあること、知っているやろ?」
うん。知ってるけど・・・
「俺の友達、隣町に住んでんけど、手話通訳者が少なくて、困ってるんや」
そうか・・・手話通訳者が少なくて困っている、って話は知っていたけど、知り合いから直に聞くのは初めてや。
「手話通訳者がいなかったり、少ない地域では、地域の通訳者だけでは足りない。そういう時、県の登録手話通訳者が派遣されるんや」
それも知ってる。でも、県の登録手話通訳者になろうと思ったことはないなあ・・・
「で、この前会った時に、その友達にたいしの話をしたら、“私もたいしさんに通訳して欲しいなあ”って言うんよ」
なるほど・・・
「手話通訳者なら誰でもいいっちゅうわけやないんや。たいしなら解るやろ?」
わかった。まあ、県登録云々は急ぐ話やない。俺の携帯メルアド、その人に教えといてや。困った時はいつでも連絡してくれればええ。
「ありがとう。早速、たいしのメルアドを連絡しておくよ」


Yさんとその友達の件はこれで解決した。
俺は「公的通訳」だろうが「私的通訳」だろうが、俺を必要としてくれるろう者がいれば、行く。
形にはこだわらない。