手話通訳者のブログ

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手話通訳の現場から/相談窓口

2016-03-18 00:18:46 | 手話
わしらの地域では、派遣者からの通訳依頼連絡で、通訳内容はごく簡単に、「相談」という一言というケースが多い。
派遣者に理由を尋ねると、
「守秘義務のため、詳しくお話できません」
と言うが、本当の理由は違う。やる気がないのである。
申請者さんの中には、通訳者との事前打ち合わせを希望する方もおられるが、派遣者の対応は実に事務的で、
「当日、通訳開始直前に行ってください」
で、おしまい。

情けない話や。


(1)会場確認
  相談窓口とは社会福祉協議会とか、公的な施設である場合が多いが、場合によっては(レアケースだが)、ろう者が働く会社でトラブルが起こり、上司など関係者との話し合い、なんてケースもある。

(2)申請者確認
  通訳内容が「相談」である場合、申請者はろう者個人と思って、ほぼ間違いない。
  
(3)資料の入手・まとめ
  わしらの地域では残念ながら、申請者と直接連絡してはいけないルールになっている。しかし、俺の場合、相手を知っている場合は事前に連絡する。
  何の相談なのか。内容を聞いておくのと、当日のぶっつけ本番では、通訳の正確性に大きな差ができる。

(4)同行手話通訳者の確認
  15分程度で終わるものなら、通訳者は単独での派遣となる。
  数時間を要するものなら、3人前後の通訳者が派遣される。このメンバーに注意。守秘義務を理解していない通訳者が入っている場合、当日の、特に待ち時間などに気を付ける。申請者さんのプライベートを根ほり葉ほり聞く阿呆な通訳者には要注意。こういう人間は注意しても無視するから、「休憩時間の会話は自分が主導する」という覚悟と準備が必要。

(5)通訳直前打ち合わせ(当日)
  単独派遣(手話通訳者一人だけの派遣)の場合は気が楽。
  通訳者が複数なら、申請者さんを中心に、当日多用されそうな単語を統一する。
こういう時も、ろう者に向かって、
「あなたの手話は間違ってる」
なんて言う馬鹿通訳者がいるから、気を使う。