手話通訳者のブログ

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手話通訳の現場から/会社(最悪の通訳経験)

2016-03-24 05:21:54 | 手話
今日は、過去に経験した「最悪」と言っていい通訳経験を書かせてもらお。
コーディネーターから電話がかかってきて、
「すみません・・・今夜8時なんですが、お願いできませんか?」
こういうケースは、「わけあり通訳」だと思って間違いない。
派遣場所は「株式会社○×」ということしかわからない。
内容不明。
判っているのは、この会社の所在地だけ。
待ち合わせは、会社の前。

手話世界に関わっていない人とか、手話通訳者でも経験の浅い人には想像つかないだろうが、事前資料も情報も一切なくて、いきなり現場に放り込まれることもあるんや。

会社の前に到着すると、申請者さんらしい人が立っている。
「あんた、手話通訳者?」
そうだ、と答えると、申請者さん、いきなり会社に突入!
お、おい、待てっ!!
静止の掛け声が虚しく響く中、申請者さんは事務所のドアをバン!と開けて、ズカズカと入っていく。
追いかけるしかない。
申請者さんは室内の一番奥の机にまっしぐら。
この席に座っている社長と思われる人物が怒鳴った。
「なんだ、お前! いきなり入ってきやがって!」
申請者さん、社長に向かって、いきなり手話でまくしたてる。
読み取り通訳。激しく社長を罵っている。通訳しながら、冷や汗が出る。
社長のこめかみに血管が浮き出ている。最悪の状況。社長が俺を見て怒鳴った。
「あんたも何だ! 勝手に入るな! 出て行け!!」


手話通訳者の皆さん、こういうハードな経験、ある?