手話通訳者のブログ

田舎の登録手話通訳者のブログです。

手話通訳者のわがまま

2016-03-13 14:34:48 | 手話
かつて、地元の手話通訳者派遣制度が発足した当時は、派遣者が通訳者に最初に電話する時に、①日時、②場所、③内容の3点を伝えていた。しかし、やがて、日時と内容だけになった。下記の経緯による。


派遣者「○月○日午前10時から、汐見町公民館で通訳をお願いしたいのですが」
通訳者「汐見町なんて、港の近くじゃないですか。遠いなあ・・・」
派遣者「御足労をおかけしますが、お願いします」
通訳者「悪いけど、お断りします」
派遣者「え・・・・」
通訳者「だって、片道1時間以上かかりますよ。1時間半かかるとして、往復3時間。通訳は正午までに終わる内容でしょ。移動してる時間の方が長いじゃない。ばかばかしい。お断りします」
派遣者「そうですか・・・」

手話通訳を生活費稼ぎの労働として捉えるなら、確かに、効率が悪すぎる。
最近では「有償ボランティア」なんて表現をされたりするが・・・
今でも、「手話通訳はボランティア」と言ってよいと思っている。
このブログで何度も書いているが、「手話で稼ぐ」なんて不可能なのだ。

こうして、手話通訳を「労働」と捉えていた人たちは幽霊化していった。