手話通訳者のブログ

田舎の登録手話通訳者のブログです。

手話通訳の現場から/買い物

2016-03-22 07:07:21 | 手話
(1)会場確認
  高松市の裁判の影響で、去年(2015年)から、手話通訳者を派遣できる範囲(内容)が大幅に広がった。
個人的な買い物でも、認められる場合がある。
制度を利用されている方、今後はどんな内容でも、必要があれば手話通訳者派遣申込を行って欲しい。
そして、もし断られたら、「なぜ、認めてくれないのか」と声を上げて欲しい。
最初はたった一人でもいい。誰かが行動を開始しなければ、手話通訳者派遣制度はいつまでたってもよくならない。

  わしらの地元のケースで言えば、堂々と権利を主張するろう者が申し込めば、手話通訳者を派遣してくれる。
  しかし、気の弱いろう者が、
  「あの・・・手話通訳者、派遣してもらえますか?」
  という感じで相談に行くと、突っぱねられてしまう。

  買い物となれば、行き先は営利企業であり、まず間違いなくホームページを持っているから、場所の確認はたやすい。

(2)申請者確認
  買い物に行くろう者が申請者なのか、商品を販売する会社が申請者なのか。
現在のところ、前者のみ、と言ってよい。
  「営利を目的とした内容の場合、手話通訳者の派遣はできない」というのが、派遣者の考え方である。

  ただし、会社側が手話通訳者派遣費用を負担すれば、派遣してもらえることもある。

(3)資料の入手・まとめ
  ろう者個人が申請者の場合、できれば、事前にご本人に会うべきである。
わしらの地域では残念ながら、申請者と直接連絡してはいけないルールになっている。
しかし、俺の場合、相手を知っている場合は事前に連絡する。

(4)同行手話通訳者の確認
  買い物の場合、通訳している時間は長くても30分程度だと思われるので、おそらく、通訳者は単独での派遣となる。

(5)通訳直前打ち合わせ(当日)
  買い物については、ずっと、私的通訳でやっていた。
  だから、制度のルールなどに縛られることなく、自由にできた。
  公的通訳の範囲はどんどん広げてほしいと思っているが、「すべてにおいて公的通訳がよい」とは思わない。
  今後、どれほど手話通訳者派遣制度がよくなっても、私的通訳はなくならないと確信している。