Konemyのベル

『毎日を特別なものにする為』
その日の総括、思う事、省察……
ここは「のべる」場です。

白い彼岸花を。

2018年10月18日 00時00分00秒 | 日記
人生百年。そんな言葉を耳にした。

”現状維持”を生き甲斐として掲げる私にとって

程遠い道のりを指す言葉は辛い。

長い道が不変であるはずもない。

諸行無常の極みとしてあげられるであろう

老化。

誰しも年は取りたくないですよね。

今から感じているようでは先が思いやられますが。

ちょうど一年前くらいでしょうか。

こんな私も動物を飼っていましてね。

私がというより、私の家族がですが。

そう言った細かい事は置いておいて。

犬(パグ犬)を一匹、10年ほど。

当然動物です。老います。

飼い犬は身をもって様々な事を子どもに教えてくれました。

命の大切さがその1つです。

年老いて衰弱した飼い犬との日々。

感じた事は老化の必要性でした。

薄情と思ってもらっても構いません。

私に人間的に情が備わっているか疑問を一番持っているのは本人なんで。

亡くなった飼い犬の前で流した涙は、いわば社交辞令とでも言いましょうか。

涙を流すに値する悲しみは伴っていなかったのは間違いないです。

私は彼が憎くて仕方なかったのかも知れません。

そうです、老化は憎まれる期間として必要なんです。

それは動物に共通する事、もちろん人間にも。

命が失われる時。

どんな状況が一番辛いのか。

一番緩和されているのが、覚悟の期間がある場合。

近々失われる事は確実。

短いながら、いつ終わるか分からない余生を楽しめる。

楽しみ、憎み、失う。

悲しみに暮れるか分からない。

だが、仮に悲しんだとて

失った後の立ち直りも早いだろう。

所詮一時の感情。

では、前置きなく失われる突然死が一番辛いのか。

否。

意外と開き直れるものなのだ。

何故ならどうしようもないから。

病を患い、余命を宣告されていた、そんな人が通り魔に殺された。

確かに悲しい。

だけど、私個人ではどうしようもない、避けられない事だろう。

ならば、何が一番辛いのか。

その予感は確実ではないが、前兆を感じていたのに、察していたのに目の前で絶たれた時。

気分が悪い、後味が悪いと言った話ではないし

あなたがどう思うかはここでは関係ない。

私は思うんだ。

エゴだってか?あぁ、エゴだよ。

昔から観察力があると言われていてね。

割と物事は言われる前に察する事が多かった。

もちろん言われずとも察することだってあった。

杞憂は皆無とまではいかないが、数少ない。

予感は当たる。

予想していた。

信じたくない。

予感が当たる。

そんな絶望をご存知か。

地獄である。それは生きたまま体の内側を食い尽くされるが如く。

開いた空洞に残るのは、ただただ深い闇。

『昼の光に、夜の闇の深さが分かるものか。』

「察しが良い人は嫌われる」というのは私の持論だ。

だから周りを偽って過ごす。

違和感を覚えたとて黙る。それがいけなかったのだろうか。

僅かな可能性を察知しながら何もしない私が悪いのだろうか。

そうなのであろう。

身を投じた彼、乃至は彼女には彼ら彼女らなりの正義があっての事。

私如きにどうにか出来る事ではない、なかったのかも知れない。

せめてもの餞として

去り行く貴方に白い彼岸花を……