東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

足元から飛び出すチョウ

2024年10月24日 | チョウ
この時期、ホソミオツネントンボを探して林内を歩行中、突然、足元からパッと飛び出して来てびっくりさせられるのがこのチョウ。

クロコノマチョウ(秋型)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
飛び出した後、独特な飛翔姿を観察しながら追尾すると、ごちゃごちゃした場所に静止。近寄ると敏感で更にごちゃごちゃした場所に逃げ込まれてしまう。何時もそんなイメージに感じるチョウだけれど、運良く全体像が撮れた。9月に終齢幼虫を観察したオギをその後もチェックしたが蛹は発見出来なかった。でも、今シーズンは林内を歩行中に足元から飛び出す場面に多く遭遇しているので順調に発生している様子に伺える。いつか必ず枯葉に埋もれて擬態越冬している姿を見破りたい。

撮影日:10月20日

マユミの葉に

2024年10月23日 | カメムシ
越冬トンボを捜索中、マユミの葉にカメムシの集団を発見。

キバラヘリカメムシ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
以前は沿岸部のニシキギで観察が楽しめていたのに、ここ数年ニシキギに元気がなく見られなくなってしまい残念に思っていたところ。

キバラヘリカメムシ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
幼虫の姿が多く強い陽射しを浴びると表面がテッカテカに反射してベタベタした感じが強調される。
実際にベタベタしているのか、確認するのを忘れてしまったので、次回はベタベタ感とついでに匂いも確認してみたい。マユミと言えばミノウスバの成虫もそろそろか...
そうそう、キバラヘリカメムシの匂いを嗅いでみた。例えるならハイチュウ、グリーンアップルの強力バージョン。キマダラカメムシ、アカスジキンカメムシと同臭。ふと思ったけれど、カメムシの匂い成分を抽出して香水の開発ができそうな気がするけれど...、

撮影日:10月20日

10月下旬の越冬トンボ

2024年10月22日 | トンボ
この日曜日は午後に向かって天気が回復する予報だったので、急に気温が低下した時の様子も知っておきたいと思い、多摩方面のトンボフィールドへ向かった。

ミヤマアカネ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
多摩方面は晴れていたがやはり急激な気温の低下によりアカトンボの活動は今ひとつ。少しだけミヤマアカネが遊んでくれた。北風が強かったので、風裏の陽だまりで越冬トンボの姿を探した。すると...

オツネントンボ 雄(未成熟)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
発生水域周辺の陽当たりが良い、草ぼうぼうエリアを好むオツネントンボ。
まだ気温が低い時間帯だった事もあり、樹木にべったり静止するオツネントンボらしい擬態姿。

ホソミオツネントンボ 雌(未成熟)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
羽化後から来年の春先までずっと林の中。時にはスポット的に当たる陽射しを浴び、過ごしている生態が不思議で面白い。ホソミイトトンボも見つけたけれど逃げられた。前回に引き続き気温が高い時間帯にカトリヤンマのホバリングポイントへ入ってみたが、変わりなくホバリングポイントを通過して探雌行動に忙し個体を多数目撃。今シーズンのカトリヤンマはホバリングしない遺伝子を受け継いでいる個体が多いのかも知れない。ホバリングをするオスは、ごく一部の個体だと言う事も理解しておきたい。


撮影日:10月20日

生態園のミヤマアカネ

2024年10月21日 | トンボ
この土曜日はアキアカネの活動状況の確認を楽しみに生態園の冬水田んぼへ訪れた。
クズの群落にセイタカアワダチソウの黄花。左側奥に少し紅葉が進んでいるのはアキニレ。

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
前回よりも飛来数が多く、朝から田んぼはアキアカネの活動で賑わっていた。
そんな最中、ふと、目を向けた矢先に、ナツアカネよりもひときわ赤いトンボの姿が見えたので追尾。

それは...

ミヤマアカネ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
生態園に来園した事がある方ならこの風景を見て何処だかお分かりいただけるはず。右側が田んぼからの吐き出し口の水路になっていて、ここは管理作業の方が苦労を重ねて掘削をし、流れを良くしていただいた場所にあたる。今現在は当初よりも草深いけれどミヤマアカネが好む環境に相当。種に合った環境をきちんと見つけ、縄張り占有をしているところが非常に素晴らしく感心させられる。

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
生態園では未成熟を確認していないので発生している可能性は低い。遥々、沿岸部へようこそ!

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
移動する習性があまりないとされているトンボでも、時には新天地を求めて移動する個体がいるようで、ここ数年この時期になると生態園で目撃されている。また、今シーズンは例年以上にナツアカネ、マユタテアカネ、リスアカネ、ノシメトンボの目撃例も多い。もしかしたら以前の棲家に危機的な問題があり棲家を求めてこの地に辿り着く個体が増えているのかも知れない。いや、たまたま辿り着いているのではなく、ここなら世代交代が可能な場所と認識して飛来している可能性が高いと感じている。
ただ、以前に記録しているマイコアカネの記録が絶えてしまっているのでそれは残念に思う。

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
真っ赤なカラーコーンにトラロープの設置は、自然公園の景観イメージを乱してしまうので残念だが、東京都の公園だからこそトラロープの静止場面はありっちゃありか...ついつい沿岸部では珍しいミヤマアカネの姿にばかり執着してしまい、アキアカネの観察が疎かになってしまった。

アキアカネ

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-ED
別種かと思わせるような翅脈が赤い個体。
懸念でいたアキアカネの飛来、産卵は多数見られ、例年よりも遅れていただけの様子にあり一安心。

アキアカネ

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-ED

アキアカネ

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-ED

アキアカネ

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-ED
二番穂っかぶりで打水のシーンが撮りにくい状態だったが、メスの単独産卵も見られていた。

リスアカネ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
季節が進むに連れて指に止まってくれる率が高くなってきた。リスアカネの産卵は保護区内の池縁と予想しているので、来年のシーズンには保護区の調査を実施してリスアカネの産卵場所を突き止めたい。

撮影日:10月19日

ミヤマアカネとリスアカネ

2024年10月18日 | トンボ
ミヤマアカネの産卵環境

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
植物に囲まれ明るく開けた浅い流れを好む。産卵撮影には背景抜けが良いポイントを選択したい。

ミヤマアカネ(交尾)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
交尾態が静止している植物も全体的に構図に入れたい。トンボと風景。

ミヤマアカネ(交尾)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
比較的、柔らかい草を静止場所として好む習性を持つが、硬い枯れ枝に静止した場面。

ミヤマアカネ(連結飛翔)

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-ED

ミヤマアカネ(連結産卵)

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-ED
惜しくもオスの複眼が翅に隠れてしまった。。。

ミヤマアカネ(連結産卵)

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-ED
立ち位置を連結飛翔と平行にとり、ピントが合うか否かで打水のリズムに合わせてワンショットワンショット確実に切っている。

リスアカネの環境

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
リスアカネはミヤマアカネと異なり林に囲まれた湿地や池を好む。

リスアカネ(連結飛翔)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
リスアカネの産卵は水辺の縁にばらまくスタイル。

リスアカネ 雌(単独産卵)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
比較的、産卵は薄暗い場所を好む。卵が写り込んだけれど残念ながらちょい木陰。。。

リスアカネ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

リスアカネ(連結静止)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
ミヤマアカネでは失敗したけれどリスアカネは成功。この指止まれは欠かせない。
アカトンボでも産卵方法が異なり、ミヤマアカネは打水産卵でリスアカネは打空ばらまき産卵。
アカトンボの産卵シーンは撮影難易度が高いので、何度撮っても満足いかず飽きさせない。
例年11月上旬頃まで楽しませてくれるので天気が良い週末にはまた訪れたい。

カトリヤンマ 雄(左側の尾部上付属器欠損)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED+LEDライト
10月中旬といえばカトリヤンマのホバリングシーズン。
期待してホバリングポイントに入ったが、まだホバリングよりも探雌行動に忙しい様子だった。

撮影日:10月14日