東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

トンボも暑い

2024年07月24日 | トンボ
偶然にネアカヨシヤンマの産卵と奇跡のオオクワガタとも出会えて興奮が醒めやらない中、
暑さを避けて車中で休憩をとり、場所を野鳥公園に変えて再び昆虫探し。先ずはトンボ。

チョウトンボ

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D
今シーズンは発生初期の群飛が見られず個体数は例年よりも少ない様子。

ウチワヤンマ

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D
止まり木に静止して縄張り占有。前脚を複眼の後ろに上げ、中脚、後脚の4足で静止する姿。
頭部を前に突き出しアィーンの瞬間。※クリックして拡大。

タイワンウチワヤンマ 雄とギンヤンマ

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D
ウチワヤンマ、タイワンウチワヤンマ、チョウトンボは暑さを回避する為、腹先部を太陽の方向に向けるオベリスク姿勢を見せていたが、その一方でギンヤンマはオベリスク姿勢をしない習性なので、止まり木で陽射しを遮る面白い場面を見せてくれた。

タイワンウチワヤンマ 雄ショウジョウトンボ 雄

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D
タイワンウチワヤンマの腹先部にショウジョウトンボが静止しようとするこれもまた面白い場面。

タイワンウチワヤンマ 雄と雌

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D
池から離れた高枝先でも発見。ボケている方がメス。

また、林の中では繁殖期を迎える秋まで、暑さを避けながら生殖休眠をとるトンボを発見。

マユタテアカネ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
沿岸部初記録のマユタテアカネはこの日も確認。

アオイトトンボ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
アオイトトンボは例年通り豊富な様子で何より。また、暗がりに静止する、黄昏ヤンマの姿を探して見たけど、残念ながら発見できなかった。ここは環境的に見ても絶対、何処かにぶら下がっているはず。再び猛暑日に探したい。

撮影日:7月20日

道端のオオクワガタ

2024年07月23日 | クワガタ
タブの樹液場

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED+LEDライト
ホシベニカミキリの食害により、通年、樹液が出ていてハナムグリの集まりが良いタブノキ。撮影していると、虫採り少年とお母さんが見に来てカナブン...この手の甲虫を見ると何でもカナブンにされてしまうあるある。緑色のはリュウキュウツヤハナムグリと教え昆虫談話をする中、少年が持っていたプラケースの中を見るとオオクワガタが!家から持って来たんですかと尋ねると、向こうにいたんですって普通におっしゃる。え、嘘でしょう?マジですか!さっき希少種のネアカヨシヤンマはいたけれど、流石にオオクワガタは無理がありすぎる。いた場所を教えていただくと道端のアキニレ!ネアカヨシヤンマも道端だったけれどオオクワガタも道端とは恐れ入りました。撮影とブログ掲載許可をいただいた。

オオクワガタ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
昆虫展とカブクワショップのビートロンでしか拝見したことがない、ミヤマクワガタよりも上を行く超憧れのオオクワガタだ。しかもガチなサイズ!手に乗せた感触はズッシリとしたウェイトの70mmオーバー。カッコ良すぎる。放虫か脱走だろとも、見つけた少年が素晴らしい。やはり子供目線には敵わない。まだまだ沿岸部には想像を超えた昆虫が潜んでいると少年から探す楽しみを教わった。

撮影日:7月20日

道端のネアカヨシヤンマ

2024年07月22日 | トンボ
梅雨明け後の猛暑日が続くと黄昏ヤンマの活動シーズンが最盛期。

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
朝の飛翔観察を楽しみに沿岸部のポイントに訪れた。ここに朝来ると料理の鉄人に出演されていた四川シェフの方が犬の散歩をしている姿を良く見かける。すると...

アオヤンマ

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D(トリミングあり)

マルタンヤンマ

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D(トリミングあり)
アオヤンマとマルタンヤンマはこの時期の沿岸部ならではの組み合わせ。朝の黄昏飛翔は高度こそ高いものの、ゆっくり飛んでくれるからピントが合わせやすい。ここにネアカヨシヤンマの参加を望んでいたけれど、残念ながら不参加。何故かアオヤンマもマルタンヤンマも早々と姿を消してしまった。仕方なく別の水辺に移動すると、黒くて青い複眼のヤンマが池の周りを低空飛翔。ゆっくり、そっと追跡、すると...

ネアカヨシヤンマ(産卵)

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D
ここは場所によって道端がグチャグチャだからネアカヨシヤンマを含めた湿性生物には良い環境。
以前、管理者がグチャグチャだから利用者からクレームがあると言っていたので、人間だけが利用している訳では無いから、長靴でご利用下さいと記載すれば良いと言ったら、物凄い嫌な顔をされた。。。
複眼を撮影したく横に回り込むと察知されてしまいサヨウナラ...戻ってきたけれど再びサヨウナラ...
3度目はなかったが、東京でのネアカヨシヤンマの産卵行動は価値ある記録。産卵していたのは道端で池までおよそ5M。確実に産卵され孵化したヤゴが歩いて池に辿り着き、成長してやがて羽化する事を願いたい。

撮影日:7月20日

樹液より花蜜

2024年07月19日 | 甲虫
季節に関係なくアクセスランクの上位がリュウキュウツヤハナムグリの記事で、未だにリュウキュウツヤ人気が下がらない中、先日、皇居でも成虫を確認したとの記事を拝見。沿岸部のリュウキュウツヤハナムグリの現状は過去に幼虫が多産していた林床には、幼虫の糞が殆ど分解されずに大量の糞だまりとなり堆積している状態で、幼虫の育成環境が減少傾向にある。その様子から内陸にも進出、分布を広げていると推測。今シーズンもトンボと同時進行で沿岸部のリュウキュウツヤ事情を楽しんでいる最中。

クヌギの樹液場

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED+SB-700
6月の下旬に見られた甲虫はカナブンのみだったけれど、7月に入ってからは何故かカナブンが減りリュウキュウツヤ、シロテン、シラホシが見られる様になっている。

アカボシゴマダラとゴマダラチョウも目立つ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED+LEDライト
沿岸部は元々埋め立て地なので樹液が出ていてもカブトムシやクワガタの姿は極稀に見る程度。
今シーズンはまだカブトムシを観ていない。

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED+LEDライト
ただ、例年よりリュウキュウツヤハナムグリの集まりが少ない。飛翔している姿は数多く見かけているので何処かに集まっているはず。多分、花...そう思い開花が見られる樹木が無いかチェクして回った。すると...

リュウキュウツヤハナムグリのなる木


Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D+SB-700
ホストはホルトノキ。ハナムグリと言う名前がつけられているだけあり、樹液より花蜜を優先する習性を持つ事が理解できた。今シーズンの特徴なのか?緑色型よりも赤銅色型の個体が多く見られていた。ホルトノキの花が終盤になると次は何処に集まるのか、引き続き観察を楽しみたい。

合わせてご閲覧ください。
トウネズミモチに群がる
7月のリュウキュウツヤハナムグリ
樹液場を埋め尽くす
新たな展開
真冬のリュウキュウツヤハナムグリ
丸太の下で越冬中

撮影日:7月7日、15日

天気に悩まされて

2024年07月18日 | トンボ
祝日の海の日は撮影用に持ち帰ったヤゴをリリースするついでに、カトリヤンマの羽化を観に湿地へ訪れると現地は雨。雨なら夜間に羽化した個体がまだ飛ばずに残っている事を願い捜索。しかし、残念ながら皆無。カトリヤンマの羽化は諦めてミヤマアカネが棲む水路へ向かった。すると...

ミヤマアカネ 雄(羽化)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
赤いカラーコーンが並んでいる場所は昨年まで田んぼだった所。おそらく住宅地に。羽化は岸辺の植物で行われ、護岸や人工物での羽化例は殆ど見ない。一般的に雨の日は羽化しないと思われるけれど、土砂降りでなければセミも同じく天気は関係ない。この日はトンボの羽化観察後にミヤマクワガタの予定だったけれど、雨が止みそうになく断念。。。
ヒヌマイトトンボの交尾の時間帯にまだ間に合うと思い一気に高速道路でワープ。多摩川ヒヌマのポイントへ入ってみた。ついさっきまでいた多摩地区よりも虫暑い曇天。土手の植樹から届くクマゼミの音を聞きながらヒヌマイトトンボの姿を探した。すると...

ヒヌマイトトンボ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
前回の訪問時と比較して個体数は減少。特にオスは暑さを避けるように草の間を縫って飛翔する様子が見られた。

ヒヌマイトトンボ 雌(未成熟)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
アシナガバエの仲間を捕食中。

ヒヌマイトトンボ(交尾)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
同属のモートンイトトンボの交尾は明け方から早朝に多く、ヒヌマイトトンボの交尾はそれよりも遅い午前中。ここで再び雨が降り出してしまい車中で待機。さあ、次は何処へ行こうか...天気に悩まされ一気に別のフィールへ切り替えた観察もまた楽しい。関東地方は梅雨明けの発表がされた。この先は猛暑が予想されるのでフィールドワークにはクーラーボックスにロックアイス、飲料水、冷え冷えタオルが欠かせない。熱中症にはご留意ください。

撮影日:7月15日