東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

土手の蛹

2024年02月14日 | チョウ
ジャコウアゲハの蛹

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED+LEDライト
何かを覆っていたピンク色のシートカバーで蛹化していたジャコウアゲハ。
サナギの背景には曇りがちな空と桜の枝ぶり、ビル群、野球チームの子供たちが走っていた。
チョウになるまで通りかかるみんなの事を見ているのかも知れない。桜が咲くころまた観にこよう。

撮影日:2月11日

冬ごもりのチョウ

2024年01月25日 | チョウ
ジャコウアゲハのサナギ

石垣の隙間を見て行くと、ジャコウアゲハのサナギを発見。大胆不敵に目立つ場所でも良く見つかるけれど、ここなら風雨を避けられ蛹化には最も相応しい。

ウラギンシジミ

前回に掲載した個体と比較して、ひと回り小さかった。ウラギンシジミの越冬個体を探すなら林縁部の雨が当たらない椿が定番。

ムラサキシジミ

冬ごもりの生きもの観察会の時に、小学生の男子がここにいるよ!と見つけてくれた。子供目線でも探しているつもりだけれど完全に見逃していた。これを見つけた小学生の男子は素晴らしいと思った。そう言う子供達が知識と経験を積んで、将来的に生きものが豊富な自然を作り、守ってくれたら嬉しい。

キタキチョウ

子供目線より更に低い地面付近を様々な方向から縫うように見て行くと黄色い翅を発見。
土曜日に見つけて雨の日曜日に撮りに入ったけれど、雨の当たりが少ない場所で越冬している為、
残念ながらイメージよりも雨の雰囲気は出せなかった。

キタキチョウ

奥にも別の個体を発見。飛翔時には黄色い翅が物凄く目立つけれど、越冬している時は不思議と周辺の環境色に溶け込んでいて目立たない。

全てNikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

撮影日:1月20、21日

沿岸部のチョウ(年明け編)

2024年01月11日 | チョウ
越冬クイズ!!?
この枯葉の固まりにムラサキシジミが隠れているので見つけね!

あたまかくしてはねかくさず。


ムラサキシジミ

こちらは継続観察中の個体。いい場所だよねって思わず言ってしまう、
葉と葉の間で越冬中。ムラサキシジミの越冬場所は必ず枯れた葉。
その様子からある程度、色の識別ができると感じられる。
越冬場所は時間帯により陽が当たり雨が当たらない場所にある枯れ葉を好む。

タブの幼木

何かに食べられたような痕が目立っていて何かいそうな感じがしたので、葉を一枚一枚チェック。
タブの木と言えば...そう、

アオスジアゲハの越冬サナギ

寄生率90%以上だけれど、今のところ大丈夫そう。
この先、腹部に黒いドットマークが出てこない事を願いながら経過観察を楽しみたい。


ホソミイトトンボを探している最中、飛翔する白いチョウが見えたので追いかけると静止して開翅。

それは...

ウラナミシジミ

元旦に見つけて指乗り開翅撮影に成功し、4日にも飛翔を目撃していたけれど、日々、寒さが増しているので、流石にもう見られないだろうと思っていた最中、まだ生きているとは驚くべき生命力!
しかも、翅には全く傷も見当たらない綺麗な個体。ウラナミシジミを良く調べてみると低温期型は成虫で越冬が可能らしいが、いずれ温暖化の影響により東京でも越冬個体が普通に見られるようになるのかも知れない。この調子で年越しのアキアカネに期待していたけれど残念ながら見つからず。

撮影日:1月7日

元旦のチョウ

2024年01月02日 | チョウ
元旦から張り切って沿岸部のフィールドへ訪れた。管理された公園は休園中。入れる場所を回った。

ムラサキツバメの越冬個体

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor 300mm f/4D+SB-700
強風にあおられて撮りずらかったけれど3頭で越冬する場面を観察。

キタキチョウ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
前回に掲載したのと同個体。ハマヒサカキの葉裏にべた寄りで越冬中。

ウラギンシジミ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
こちらも前回に掲載したのと同個体。位置も変わらず越冬中。

北風が強く吹くフィールドコンディションだったので、風を避けられる陽だまりをチェック。
すると...

ムラサキシジミ ♀

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
擦れも非常に少なく最高に綺麗な個体。ここまでは成虫で越冬する種類。

暖かさを感じたところでウラナミシジミの年越し個体に期待してそのポイントに訪れると...

ウラナミシジミ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
本来ならウラナミシジミの時期は12月下旬まで。
しかし、例年よりも高い気温が活動期を過ぎた昆虫の命を繋ぐ一つの要因として考えられる。

ウラナミシジミ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
また、更に温暖化が進行して日本の四季がはっきりしないような気象変化をもたらした場合、
昆虫を含めた生きものたちの運命はどうなってしまうのだろうか、見守っていくしかない。

トンボファンの皆様、ホソミオツネントンボの生活史の続きは、今しばらくお待ちください。

本年も東京昆虫記をよろしくお願い申し上げます。

生きものにとって、また、ご閲覧くださる皆様にとって、
より良い一年でありますよう、心より願っております。


撮影日:2024年 元旦

近所のサナギ

2023年12月13日 | チョウ
娘がお友達と遊んでいる時にサナギを見つけたと教えてくれたので、一緒に見に向かった。

ナミアゲハのサナギ


帰りに別の道端でもうひとつ発見。

ナミアゲハのサナギ

向い側の住宅に夏みかんの木があり危険を冒してまで道路を横断し、この場所に決めたようだけれど、何故そんなに移動する必要があるのか?しかも、ここだとかなり目立ち大胆不敵に感じる。ただ、2頭とも変色している様子なので寄生されている個体に見える。自然界では9割が寄生されていると言われていて、昨年に終齢幼虫を5頭採集して飼育を試みた結果、全てヤドリバエに寄生されていて成虫になれなかった。市街地やフィールドで飛翔するナミアゲハやアオスジアゲハは寄生虫の眼をかいくぐって奇跡的に成虫になれた個体を見ているという事になる。寄生率の事を知ってしまうと軽視できない。

全てNikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

撮影日:12月9日