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東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

水色の羽化

2025年08月08日 | セミ
日没からSさんとセミの羽化観察。ツクツクボウシの羽化を狙って運河沿いの緑道に訪れた。すると...

ミンミンゼミ 雄(羽化)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED+LEDライト+三脚使用
目的だったツクツクボウシの羽化は発見できなかったが、ニイニイゼミ、アブラゼミ、ミンミンゼミの羽化が其処彼処。その中でも運河の対岸にある建造物の夜間照明が写る場所で羽化していた水色の羽化色が美しいミンミンゼミを選択して撮影。ミンミンゼミの生息場所はクマゼミと対照的で、樹間が狭く薄暗い涼しい場所を好む。お盆休み中にもう一度、訪れたいけれど、まだ羽化してることを願いたい...

撮影日:8月3日

8月上旬の摂食飛翔

2025年08月07日 | トンボ
この日曜日は朝の摂食飛翔の状況を楽しみに沿岸部の池に訪れた。

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
ヨシとガマが過剰に繁茂して池に見えないが、台風の進路により沿岸部は雨量が多いと想定していたものの、手前の底が露出していて渇水に向かっている状況。雨乞いの必要あり。

ネアカヨシヤンマ

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-ED(トリミングあり)
睡眠時まで残響するほど樹上からセミの大合唱を浴びながら、日陰でヤンマの飛翔を待っていると、
いつもより遅出で姿を見せてくれた。褐色に色づく翅がネアカヨシヤンマらしくある一番好きな段階。

ネアカヨシヤンマ

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-ED(トリミングあり)
ここ数年、都内でネアカヨシヤンマの目撃情報が増えていると言う嬉しい声を耳にする。でも、それらはいったい何処で発生しているのかが気になる。東京都でネアカヨシヤンマにマッチした水辺環境が多く存在しているとは考えられない。ネアカヨシヤンマのような大型種は飛翔性に優れているので何処へでも飛んで行けるだろう。例えば房総半島の産地で発生した個体が東京の沿岸部の水辺に飛来している可能性も考えられる。また、目撃例が増加している理由の一つに、生息環境の減少の危機に瀕し、遠路遥々新天地を求めて彷徨っているとも考えられないだろうか。分布拡大はネアカヨシヤンマに限らず言えること。今年はようやく東京都でネアカヨシヤンマの羽化殻と羽化不全の発見が叶い、自己記録としてようやくスタート地点に辿り着いた。この先は更なる進展に努めたい。

撮影日:8月3日

炎天下のネアカヨシヤンマ

2025年08月06日 | トンボ
ヤマトタマムシの観察を楽しんでいたところ、そろそろ林の暗がりで翅を休める黄昏ヤンマのベストタイムが迫っていたので、タマムシを切り上げポイントへ向かった。今回はマルタンヤンマのオスの静止姿に期待。すると...

ネアカヨシヤンマ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED+LEDライト
遠方から見つけた時は翅の先端部に褐色斑が見えたので、時期と場所からコシボソヤンマかと思ったが、そっと近寄って確認すると当所では初記録のネアカヨシヤンマと判明。ここは前回マルタンヤンマのメスが静止していた木で、例年、この木に必ず静止姿が見られる事から黄昏ヤンマの御神木に認定。

ネアカヨシヤンマ

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-ED+SB-700+三脚使用(スローシンクロ撮影)
暗がりに静止する黄昏ヤンマの撮影で重視しているのは、通いながらある程度ヤンマの静止場所を把握し、太陽光線の影響により背景の雰囲気が刻一刻と変化する中で、ベストな描写が得られる時間帯に訪れる計画でフィールドワークを楽しんでいる。今回は背景に玉ボケが出る時間帯を想定して訪れた結果、ベストな描写が得られた。

マルタンヤンマ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED+LEDライト
もう一箇所、怪しいと感じたポイントに目を向けると、別のネアカヨシヤンマのオスを発見したので広角レンズでそっと接近したが飛ばれた。。。残念に思いながら振り向くと目の前にこのマルタンヤンマのメスが静止。翅にダメージがあり、蜘蛛の巣と産卵時に着いたウキクサが腹部に絡んでいたので、下からそっと手を伸ばしてゲット。

マルタンヤンマ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
蜘蛛の巣とウキクサを排除してリリース。手でも採る必要は無いけれど蜘蛛の巣とウキクサを排除してあげたかったのと、手掴みのスキルも試したかった訳。ここはマルタンヤンマのオスも絶対、必ず静止しているはずなので再び、酷暑、炎天下の日に訪れたい。

撮影日:8月2日

炎天下の材木置場で

2025年08月05日 | 甲虫
天気予報通り台風一過で徐々に晴れ間が広がり猛暑に。そんな猛暑の日中に活動する昆虫と言えば、日本一の美しさを誇るヤマトタマムシを観に行こう。水辺から抜け出しウェーダーを脱ぎ、とある材木置場に訪れた。作業されていた方に許可をいただき、ウロウロしながら様子を見ていると、表翅を八の字に広げメタルグリーンに輝くヤマトタマムシが天から飛来した。

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
ここは訪れる度に伐採木の種類が変更され今回はソメイヨシノとケヤキ。ヤマトタマムシの産卵木にはベストマッチ。伐採木に飛来する光景を初めて見て素晴らしいと感激され撮影していたSさん。

ヤマトタマムシ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
産卵木は落葉樹と常緑のシラカシの材にも産卵していた記録があり切り口の隙間や裂目に産卵する。
以前にも記載したが新しい伐採木をより好み、放置され菌糸が進んだ伐採木には訪れなくなる。

ヤマトタマムシ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
生態撮影となると影が出にくい陰ったタイミングか曇りの条件がベストだけれど、曇り空だと飛来しない為、炎天下の場合は背面に正順光で当たる場所にいる時がシャッターチャンス。

ヤマトタマムシ(開翅飛翔直前)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
日本一美しい輝きを放つヤマトタマムシは、いつの世代からも人気を呼ぶ憧れの昆虫に違いない。

そろそろ黄昏ヤンマの撮影にベストな時間帯になるから、そのポイントに急ごう...

撮影日:8月2日

8月上旬の羽化

2025年08月04日 | トンボ
この土曜日は台風の影響により朝雨の中、天候を懸念しながら多摩の水辺フィールドへ訪れた。前回に引き続き朝は羽化チェック。現地は予想外に雨が降った痕跡がなく今シーズンで一番蒸し暑いコンディション。その様子から羽化の時間が早まっている可能性を感じて水辺に入った。すると案の定、既に羽化を終えた個体が気配を感じて一斉に飛び立つ。でもまだ羽化中の個体がいるはず。そう思いそっと探した。すると...

オオアオイトトンボ(羽化)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
2メスが並んで羽化している場面を発見。両方にピントが合う位置を探りながら撮影。

ホソミオツネントンボ 雌(羽化)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
台風の影響が改善に向かい曇り空に明るさが増す時。

場所を移動して水が流れ込むクリアな水質を持つ湿地に入ると、そこでは...

オツネントンボ 雌(羽化)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
先に掲載したホソミオツネントンボよりもオツネントンボの方が水温が低く水質がクリアな環境を好む様子に感じている。また、ホソミイトトンボの越冬型の羽化もスタートしていたので、次回は越冬3種の羽化の同日撮影とホソミイトトンボの夏型の成熟個体と越冬型のテネラルをワンフレームに仕留めようと目論んでいる。

オオアオイトトンボとオツネントンボのヤゴ


オツネントンボとホソミオツネントンボのヤゴ


怪我した指先に止まるリスアカネ 雌

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
振り返ると撮影した羽化個体は何故か全てメスだった...さて、晴れて来たから次は何処に行こうか...

撮影日:8月2日