東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

ミヤマとりに行こう 5

2024年07月16日 | クワガタ
この日は生きもの大好きボランティア仲間のSさんをお誘いしてミヤマクワガタが棲む山へ訪れた。
前回よりもニイニイゼミの音が増えて樹液場にはカナブンが登場していた。

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
またもや遠方からライバルのキック音が聞こえて来たので、実績のある木を中心にテンポ良くルッキングとキックをする作戦。キックの作業は慣れと体力勝負なので、Sさんにはキックで落ちたクワガタを見つけてもらう事に。すると...

ノコギリクワガタ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
最大は62mm 水牛のノコギリクワガタ。ノコギリクワガタの70mm超えもなかなか叶わない。前夜に降った雨の影響か?期待していた大型のミヤマクワガタには逢えず。ノコギリクワガタとコクワガタが増加傾向にある。この先、子供達が夏休みに入る為、ライバルの増加と梅雨明け後の猛暑日の影響により、特大ミヤマクワガタとの遭遇は難しくなってしまうのか?その辺りも確かめに訪れたい。

撮影日:7月13日

ミヤマとりに行こう 4

2024年07月09日 | クワガタ
すっかりクワガタ少年期にフラッシュバックしてミヤマ熱がぶり返してしまい、この土曜日も早朝の山へ急いだ。前回よりも気温が高い事がマイナスの影響と予想していたが果たしてどうだろうか。

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
ここでもニイニイゼミの音がスタート。山地も夏本番を迎えつつある。ルッキングにキックを繰り返して行く中、前回よりノコギリクワガタが良く落ちた。樹液の出が良くなっている証。ここはノコギリとミヤマが混生するものの、何故かアカアシクワガタの姿は無い。ただ、ミヤマよりもノコギリの方が陽当たりの良いエリアを好んでいる様子にある。果たして大型ミヤマのメイトガードと、あわよくば夢の70mm超えに出会えるのか。既に朝から暑く、いつもより体力の消耗が早い。休憩をとっていると遠くからライバルのキック音がしたので、早々と今シーズンの実績ポイントへ入った。すると...

ミヤマクワガタのペア

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D+SB-700
高い位置だったけれど期待していた大型のメイトガードを発見。このようにミヤマクワガタはペアでいる事が多い。この山は何故か樹液に集まる他の昆虫が少ない。撮影している最中にこちらの気配を察知して落下...外敵が近づくと落下して逃げるのは甲虫類に良く見られる習性。

ミヤマクワガタ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
体型のバランスが素晴らしい63mm。

ミヤマクワガタ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G
この日の最大68mm。胴体に対して大顎が短い個体。同産地でも体型には個体差がある。

ミヤマクワガタ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G
同じミヤマクワガタとは思えないほどチビミヤマ40mm。全て持参したデジタルノギスで計測。

カントウカンアオイ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G
休憩している最中、ふと林床に目を向けるとそこかしこに自生していた。危うく踏むところだった。
東京にもギフチョウが戻ってくれる事を願いたい。夢の70mm越えには惜しくも届かなかったけれど、大型のメイトガードの撮影が叶い何より。ミヤマクワガタの樹液採集は息切れしながら山を登る体力作りと、出会えるまでの過程が最高に楽しい。いつまでとれるのかが気になるので再び訪れたい。

撮影日:7月6日

ミヤマとりに行こう 3

2024年07月04日 | クワガタ
この日曜日は曇り空で涼しく好条件。前回ライバルに遭遇した為、今回は何時もより早めにスタート。すると、早朝から林道に飛翔する黒っぽいトンボを発見!クワガタ用に持参した網をひと振り。
その正体は...

コヤマトンボ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G
トンボは後回しだったはずが何故かトンボが先に。黄昏飛翔性なので出逢えるのは早朝か夕方。また、アオハダトンボと同じ流域に生息している為、区部で観察する機会は殆どなく、区部の大池に飛翔するのは近縁種のオオヤマトンボ。例年、羽化の記録のみで成虫が活動する時間帯には河川へ訪れていない為、成熟した成虫には出逢えていないのが事実。この日は雨により河川が増水していたのを嫌ったのか、流石はヤマトンボ科と言うだけあり、早朝の林道にも飛ぶ事を知った素晴らしい出会い。5月の羽化にしては綺麗な個体だった。リリースして本命のミヤマクワガタを探しに向かった。

ミヤマクワガタが棲む雑木林

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
下草の手入れと樹間が確保され、程よく太陽光が差し込み風通し良い雑木林がミヤマクワガタの棲家。
大事な事を書き忘れていた!こうした場所は前回に掲載した樹液に集まるオオスズメバチはもちろん、危険な猛獣とも出会うリスクを背負いつつの体力勝負。ミヤマクワガタとの出会いはそう容易くない。

コナラの樹液

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
カシノナガキクイムシによる被害樹に良く見られる侵入、脱出時の穴から流出した樹液。この様な状態の木が多く見られているが、何故かこうした樹液場には皆無。また、今回は残念ながら撮影できる距離では発見できず。蹴り落とし作戦による捕獲のみ。

ミヤマクワガタ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G
大顎、耳状突起等、全体のバランスがナイスな63mm。やはり東京都産が随一。このサイズのメイトガードの撮影に期待しているけれど叶わない。前回より数サイズともにUP。捕獲したクワガタをケースに入れて持ち歩く場合は、すき間分振られると弱ってしまうので必ず落葉を一緒に入れる事。この先は猛暑日が続く予報にあるのでその影響がマイナスに出るのか再び条件が合う週末の朝一に訪れたい。
因みに今回のビークワ92号(雑誌)は日本のミヤマクワガタ大特集。ミヤマファンは必見だ!

撮影日:6月30日

ミヤマとりに行こう 2

2024年06月25日 | クワガタ
今回は樹液場にいる姿の撮影チャンスを願って、丁寧にルッキングを試みた。すると...

ミヤマクワガタのペア

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
クワガタを観察している時、不思議に思うのはメスだけで見られる事が少なくペアで見られる事の方が多い。どのようにしてこの広い森の中で、オスはメスを見つけているのだろうか?もしかしたらオスは遠くからでもメスのフェロモンを察知できる能力を持っているのかも知れない。オスがメスの上に覆い被さりメスに樹液場を独占させ他のオスに奪われない様に警護する。この行動をメイトガードと呼ぶ。オスのサイズが小型でメスとのバランスがマッチしていない気もするが東京都産のミヤマクワガタだ。

ミヤマクワガタ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
別の樹液場所で発見。オスの新成虫はからだ全体が金色の微毛に覆われている。

オオスズメバチ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
ここにはオオスズメバチが独占。同じコナラでもそれぞれに樹液の味が違うのか?種類によって好みがあるように感る。樹液場にスズメバチがいた場合、オーバーアクションは厳禁!絶対に走って逃げたり騒いだりしない事。そのまま静かにそっと知らないフリをして通り過ぎよう。

今回の採れ高

小型が多いけれど大型はいつ姿を見せてくれるのだろか?全て元いた樹木にリリース。大切な事を書き忘れていた。ミヤマクワガタやカブトムシが好む環境は、適度な伐採と林床の草刈り等、管理がされている里山環境に多く棲み、管理がされていない雑木林には少ない。

撮影日:6月22日

ミヤマとりに行こう

2024年06月18日 | クワガタ
例年の記録だとオオミドリシジミはシーズン中。ただ、ミヤマクワガタには少し時期が早い気がしたけれど、このところ夏日が続いていたので樹液場のチェックも欠かさずに楽しむ。

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
陽射しが入るスポットでオオミドリシジミのテリハリを探し、また、樹液場をルッキングしながら
コナラキックを繰り返す。Kさんには落ちたクワガタを見逃さない役を担当してもらった。すると...

ミヤマクワガタ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

ノコギリクワガタ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
お!いたいた。ミヤマクワガタシーズン到来!やっぱりいつ見ても両種の大顎はカッコイイ。今回は珍しく両種が同じ木で採れた。少し早いかと思っていたけど、夏日が続いていたからミヤマクワガタも発生している気がしていたのでチェックして大正解。早くもミヤマはメスも採れた。残念ながらオオミドリシジミの姿は見られず、その他にムラサキシジミが多数とトラフシジミの夏型が1頭見られた。
また梅雨晴れの日に訪れる事にして、山を降りて再びトンボ観察に戻った。

撮影日:6月15日