東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

梅雨の晴れ間に

2024年07月03日 | いろいろ
トンボ以外に生態園で観察した昆虫たち。

ヤブキリ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G
幼虫の頃は草はらで。成長する毎に樹上、肉食夜行性に移行。カマキリの様にセミを捕食してしまうほど獰猛らしく、いつかそんな場面をみたい。

クワカミキリ

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D+SB-700
6月から7月のクワは要チェック。意外と敏感で気配を察知されると落下逃げするので遠くから撮影。

クワコの幼虫

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G
まさに葉っぱについた鳥の糞。素晴らしい擬態。カイコの原種とされている。クワカミキリもクワコも暑さを嫌い半日影に生育するクワを好んでいる様子にある。

リュウキュウツヤハナムグリとヨツスジトラカミキリ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
珍しい組み合わせ。両種ともヒマワリに来るイメージがないけれどヒマワリの花粉もいけるらしい。

クヌギの樹液場(カナブンとゴマダラチョウ)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED+LEDライト
リュウキュウツヤハナムグリの飛翔活動が多く見られていたけれど、まだ好みの樹液場がないのか、この時期はトウネズミモチの花粉を好むのか、ここにはリュウキュウツヤハナムグリの姿はなくカナブンだけが集まっていた。ゴマダラチョウも例年通り豊富な様子で樹液場に集まっている。特にこの時期になると昆虫目的て来園されているご家族の方に、カブトムシはいますかとご質問をいただく事が多い。以前の野鳥公園では確認できなかったけれど、ここ数年で偶に見かける時があるから探してみよう。

撮影日:6月29日

5月下旬の野鳥公園で

2024年05月28日 | いろいろ
ヒヌマ沼から抜け出して向かったのは開園前の生態園。ここの田んぼの水管理は池の水をポンプアップして流し込んでいる仕組み。このところ不耕起の田んぼの水量が少ない様子にあり、田んぼに棲む水生生物に悪影響があってはいけないと思い、ポンプアップの回数を増やしていただいた。

Before

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

Aftre

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
バッチリ水量を確保する事が出来た。この方が水生生物も喜んでいるはず。これで田んぼの生きもの調べに参加される皆さまもきっと楽しんでいただけるだろう。当日は雨が降らない事を願いたい。

田んぼのチェックを済ませたところで、曇天の条件ならと、バッタ、カマキリの姿を探した。
すると...

ナナフシの幼虫(ナナフシモドキ)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

ササクレヒトヨタケ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
昆虫じゃないけれど地面からニョキリ兄弟。食べると美味しいらしい。

サトクダマキモドキ(2齢幼虫)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

オオカマキリの幼虫

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
この時期のカマキリ、バッタは晴れると暑さを避けているので、曇り空の日に探すと見つけやすい。

ショウリョウバッタの幼虫

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
曇り空のままが良かったのに晴れちゃった!


すると...

コシアキトンボ(未成熟の群飛)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
林縁の開けた空間で摂食活動に忙しいコシアキトンボ。この風景を観るともう完全に夏だね。
ワンフームで4頭は頑張ったでしょう!

撮影日:5月25日

雨上がりのゴールデンウィーク初日

2024年05月01日 | いろいろ
アオヤンマとヨツボシトンボの羽化が見られないかと思い、以前に記録のある池をチェック。

しかし、こっそり羽化している個体も見当たらないし、天気に左右されないアジアイトトンボも皆無。植生は悪くないけれど水質が悪く、この時期にアオミドロの発生が無いのは多産するザリガニの仕業か。環境が悪化した池で悪化前に見られていたトンボはどうすれば戻るのか?考えさせられる。羽化は諦めて春の昆虫を探しに沿岸部のフィールドを回った。

オオカマキリの幼虫

群れでいるのは孵化した後だけ。それならまだ孵化途中かも知れないと思い、卵鞘を探したけれど残念ながら見つからず。

ナナフシの幼虫(ナナフシモドキ)

フィールドでお会いした虫捕り親子に居場所を紹介しつつ生態を説明すると必ず喜んでくれる。
目立たないので見つけるのが難しくカマキリよりも格が高い存在。

ヤブキリの幼虫とブチヒメヘリカメムシの交尾

キリギリスの幼虫

オンブバッタの幼虫

残念ながら原っぱが全刈りされてしまったけれど何とか発見。12月下旬から変わらず幼虫のみ。
シロツメが咲き誇っていて良い雰囲気だったのに何で刈るかな?せっかくの原っぱが台無しに...

アカボシゴマダラの幼虫

ごめんなさい!神に祈りを...そんな様子。
クワコの幼虫

オカモトトゲエダシャクの幼虫

両種とも鳥のフンに擬態している。

ヒメエグリバの幼虫

ブラックバックにイエローとレッドの模様が目立って気味悪いけれど、野鳥等の捕食者には危険ありの警告色なのかも知れない。左側が頭。

アカスジキンカメムシの幼虫

複眼にピントを合わせると背中には合わない。全体を観ると笑っている力士に見えて面白い。
アカガネサルハムシ

昨年あたりから沿岸部のフィールドではノブドウが豊富な事からそれを食する本種も多産。
6mmほどで小さいけれどヤマトタマムシに匹敵する美しいさが人気を呼ぶ。背中にゴミついてるし...
モモブトカミキリモドキ ♂

フタイロカミキリモドキ ♂

フタイロカミキリモドキ ♀

モモブトカミキリモドキは在来種でフタイロカミキリモドキは南方種。フタイロの侵入はリュウキュウツヤハナムグリと同期かも知れない。両種ともオスは後脚が太くフタイロはオレンジ色なので見分けられる。カメラを向けると嫌がるので撮影しにくい印象。

ヒラタハナムグリ

5mmほどと小さいのでフルサイズ機のマクロ撮影ではピント精度が楽しめる。ここ数年、今頃から夏季に咲く花で観察する機会が多い事から増加傾向にある様子。一見すると植物の種子や大型のスズメガ等の幼虫の糞にも見える。

ジャコウアゲハの産卵

ジャコウアゲハの卵

チャバネセセリ

意外と早い時期から見られる。レンゲがアルファルファタコゾウムシに食害されているので要対策。

アジアイトトンボ (未成熟メス)

春の沿岸部の水辺では先駆けの存在。最初の水辺では出会えなかったけれど、ここでは多産。
薄陽がさして蒸しっとした時にギンヤンマとウスバキトンボの飛翔を確認。季節の進行は思いのほか早いと感じた。

田んぼを覗いてごらん

アキアカネのヤゴ(脱皮後の体色)

アキアカネのヤゴがそこかしこで目視できた。体色が白いのは脱皮後。おそらく田んぼ全体で数万匹。羽化の時期が楽しみだ。トンボは諦めていたけれどトンボの観察も叶い嬉しい限り。雨上がりの曇り空でもひと月前とはだいぶ違い、探せば多種類の昆虫に出会える季節になった。

撮影日:4月27日

秘密の谷戸

2024年04月17日 | いろいろ

シオヤトンボの羽化に期待して訪れて見たがまだ羽化殻もなし。そろそろ成熟して活動を始めている場所もあるが、ここは陽当たりが悪いのでシオヤトンボの羽化はゴールデンウィーク前半まで見られる。

以前は手前が睡蓮と藻の一種の植生がある池で、クロスジギンヤンマ、コサナエ、シオヤトンボ、オオシオカラトンボ、モノサシトンボの各羽化。ルリボシヤンマ、希にムカシヤンマ、マユタテアカネの各成虫。ギンブナ、アカハライモリ、トウキョウサンショウウオ、カワニナを確認。細流ではオニヤンマ、コシボソヤンマ、ミルンヤンマ、ヤマサナエ、アサヒナカワトンボの各成虫を確認。細流はまだ若干流れているが池は台風の影響で土砂が流下して湿地になってしまった。モノサシトンボ、クロスジギンヤンマは皆無、コサナエは昨年まで羽化を観察。さて、今シーズンはどうだろうかと言うところ。

トウキョウサンショウウオの卵嚢(中に見えるのが幼体)

今回、湿地の入口でトウキョウサンショウウオの卵嚢を発見。3月からヤゴの採集を含めて三度目の訪問で、前回まで未確認だったのに急に見られるとはかなり怪しい...これは誰が移入した可能性が高いと判断。と言う事は以前から見ていた卵嚢も移入か...だとしたら生息環境を知っている人の仕業に違いない。ただ、今まで誰にも会った事が無く、イノシシと自分の足跡以外に他は無い。GoogleMAPの衛生写真では谷戸地形、水辺としても写らないので絶対に自力では探せない場所。自分は地元の人から教えていただいた。

湿地の中央付近にアズマヒキガエルの卵塊とオタマジャクシ

特に希少種が見られる訳では無く、誰の所有地かも知らないが、いつ来ても誰にも会わない人知れず残された手つかずの貴重な場所だからこそ、秘密の谷戸としている。またシオヤトンボの羽化とコサナエの有無等をチェックしに行こう。

撮影日:4月13日

3月上旬の沿岸部で

2024年03月05日 | いろいろ
日曜日は撮影したヤゴを池にリリースした後、平年並みの気温とみて沿岸部の越冬種をチェック。

キタキチョウ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
越冬場所のアズマネザザが刈られていたけれど残っていた場所で発見。
活動気温に達しない日はこのように再び逆さ向きで越冬スタイルになる。

ホソミイトトンボ ♂

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
そろそろ動き始めているだろうと思いながら越冬場所をチェックすると姿あり。まだ越冬色のまま。
ここはメスだったはずがオスに入れ替わっていた。ホソミイトトンボが好む場所なのかも知れない。

オンブバッタの幼虫

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
陽だまりの草はらもチェック。すると引き続きオンブバッタの姿あり。この冷たい雨にやられてしまうのか...いや、上手くいければ4月上旬には、ヤブキリ、キリギリスの幼虫と共にオンブバッタの成虫が見られる可能性あり。
継続観察していたタブの葉裏のアオスジアゲハのサナギ。何故かサナギだけが綺麗に無くなっていた。翅が透けて見えるタイミングを楽しみにしていたので非常に残念。持ち帰られたならその人が楽しめばいい。各フィールドで網を持ったご家族を見かけたけれど、まだ少し虫採りシーズンには早いかな...

前記事のヤゴの画像を見直すと、明る過ぎた感じがしたので差し替えをした。
白バック撮影、いざやってみると難しい。色々と試行錯誤しながら楽しみたい。

撮影日:3月3日