東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

ざわめく夜の運河

2014年03月06日 | 東京湾

毎年2月になると当ブログ記事ランキングの上位に入るのが‘‘バチ抜け’’(ゴカイの生殖群遊)の記事である。
おそらくシーバスアングラーの方々がバチ抜け情報を求め、検索、訪問してくださっているのであろう。

今年もその時期がやって来た。

最高気温が18℃あたりまで上昇し、新月の大潮と重なった28日、夜の満潮時刻を過ぎた頃、間違いないであろうと夜食もとらずに運河へと急行。
しかし、残念ながら運河にざわめきは見られず、静まり返った水面を眺めに行っただけとなった。
この先の気象情報を見ても いきものの目覚めをうながすような散発的な暖かい春の陽気に期待できそうになく、職場から自転車に乗り帰宅する時に受ける冷たい風がより一層不安にさせられ、今年はタイミングを合わすことができないかもと諦めかけていたところ、釣り仲間のyoshiから少ないながらも抜けているという良い知らせをもらったことに動かされ、日を改めた4日、19時半の満潮時刻を迎えた頃から ざわめきを観ようと運河に浸かりこんだ。

ヤマトカワゴカイ

D700+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye+内蔵フラッシュ+SB-600+SB-700(コマンダーモードにてワイヤレス増灯撮影)

まだ冬の寒さを引きずる気象の影響であろうか、昨年よりも少ない群遊であったものの、今年も運河にて春の訪れを実感することができた。

詳しく知りたい方はこちらか‘‘バチ抜け’’

協力者:yoshi

撮影日:3月4日

撮影地:品川区京浜運河

運河に棲む大物

2013年11月25日 | 東京湾
この週末も小春日和のポカポカ陽気であった。久しぶりに運河沿いを散策。

D80+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye
ここはシャロー帯が広がるワンド。透き通る水中を観察していると座布団のような物体がこちらに寄って来た。

アカエイ

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
1Mクラスの大物。東京湾には数多く生息している種類。釣りをしている時に掛ってしまい凄まじいパワーとファイトを見せ、取り込むのに苦労した思い出がある。尾の付け根付近にある毒針には要注意。エサでも探しに来たのであろうか。

撮影日:11月23日(勤労感謝の日)

撮影地:京浜運河

バチ抜け

2013年03月02日 | 東京湾
毎年、二月中旬になると東京湾奥に春を告げるバチ抜けシーズンの到来となる。潮位変動の大きい日、つまり潮の満ち引きの差が大きい大潮や後中潮と言った潮周りと、日中の最高気温が15℃を上回り春を思わせるような暖かさが重なった日、日没後の満潮時刻を迎えたタイミングで京浜運河へと車を走らせた。先ずは毎年撮影しているゴロタ場のポイントに入るもバチの遊泳は少なく、しばらく様子を伺っていたものの、一向に数が増えないため見切りをつけて場所を移動。次に訪れたのは砂泥底にゴロタ石が混在するポイント。水面にライトを照らしてバチの有無を確認すると、今度は大量の群遊を発見。すぐさま撮影に取り掛かった。

ヤマトカワゴカイ

D700+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye+内蔵フラッシュ+SB-600+SB-700(コマンダーモードにてワイヤレス増灯撮影)

体長10cmほどのゴカイの大群がニョロニョロと水面直下を泳いでいる何とも奇妙な光景だ。
つりエサとして販売されているゴカイの体色は赤色であるが、産卵期を迎えたゴカイはこの写真のように青緑色や黄色に変色している。

シーバスフィッシングをこよなく愛する者にとって、このバチ抜けシーズン到来との情報を耳にすれば、いても立ってもいられず、腕次第ではあるがサイズを問わなければ小一時間で二桁釣るのも夢ではない。このバチ抜けを察知したフッコやスズキは、東京湾奥にある各運河内を回遊してバチを捕食する。その習性を利用した釣り方、バチ抜けパターンを攻略しようと、ここ京浜運河にも数多くのシーバスアングラーが、夜な夜な足を運び賑わいを見せる。この日も少し離れた場所で、フライフィッシングをされていた方が、セイゴからフッコクラスを連発して釣り上げていた。

“バチ”とは、海釣りのエサとして使用されているゴカイやイソメのこと。“バチ抜け” とは、そのゴカイやイソメなどの多毛類が海底、川底の巣穴から抜け出して、水面直下を浮遊しながら放卵放精を行う生殖群遊のことを言う。東京湾奥に位置する、江戸川から多摩川あたりまでの汽水域では、新月や満月の潮位変動が大きい日、特に大潮や大潮後の中潮の日没後の満潮時から下げ潮が効き始めた数時間、この生殖群遊‘‘バチ抜け’’が起る。時期は2月から6月、最盛期は2月から4月下旬頃までで、場所によっては7月頃まで見られる。

十数年に一度、隅田川河口から羽田沖、そしてアクアラインまでの海面を覆いつくすほど大規模なバチ抜けが起こると言う。いつかそんな光景を撮影したい。

協力者:Yoshi

撮影日:2月28日

撮影地:品川区京浜運河

夜の運河筋で

2012年02月25日 | 東京湾
昨年は見事に外してしまった “バチ抜け” 今年もその時期がやって来た。
多摩川や荒川では既に抜けているとの情報が入り、そろそろ区内を走る運河筋でも抜けるのではと期待を胸に、天気、気温、潮回りと全ての条件が一致した日に狙いを定め日没直後の運河へと足を運んだ。

D700+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye
その狙いは見事に的中。満潮時刻を回った辺りからチラホラと姿を現したので早速ウェーダーを着込んで夜の運河に浸かりながら撮影開始。

ヤマトカワゴカイ

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED+SB+600

下げ潮が効き始めると共に見事な群遊を魅せてくれた。

D300s+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G+内蔵フラッシュ


D700+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye+SB+600
毎年同じロケーションになってしまうがこの時期はバチ抜けを嗅ぎつけスズキ(シーバス)が運河の奥へと回遊する時期でもあり、それを狙うシーバスアングラーも運河に訪れる。アングラーとのトラブルを避ける為、なるべくシーバスアングラーの少ない場所を選択している。来年はお台場海浜公園にでも訪れて背景にレインボーブリッジを入れての撮影に試みたい。

“バチ抜け” とは、ゴカイ、イソメなどの多毛類が海底、川底の巣穴から抜け出して水面直下を浮遊しながら放卵放精を行う生殖群遊のこと。毎年、東京湾奥に位置する江戸川から多摩川辺りまでの汽水域では潮の干満の差が大きい大潮回りで、夜間の満潮時から下げ潮が効き始めた頃に群遊が見られる。湾奥での時期は2月から6月頃まで。

夜の東京湾奥運河筋にて神秘的な世界を堪能する事ができた。


そして本日は雨にてニコンプラザ銀座へと足を運び、今までフル活用したマクロレンズ AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-EDを入院させた。
以前から気になっていたフォーカスリングの回転ムラの修理のついでにオーバーホールを頼んだ。今年もやってくるトンボシーズンに整え万全な準備で挑みたい。


撮影協力者:Yoshi

撮影日:2月24日

撮影地:東京湾奥運河筋

小さな大群

2011年03月22日 | 東京湾
土曜日は満月の大潮だったので予定通り日暮れとともに下げる潮にタイミングを合わせ、今期最後のバチ抜け観察をしようと運河筋へ足を運んだ。

水面にライトを照らし辺りを見張るがバチ抜けは起こらず。。。やはり、すでに大量に抜ける時期は過ぎ、残念ながら今年はタイミングを逃してしまったようだ。

しかし、バチに変わってその場所には驚くほど沢山のボラの稚魚の姿があった。

全長は2cmほど。これはベイトフィッシと呼ばれ鳥や魚の捕食ターゲットとなり夜はブレイクラインに潜む鱸(スズキ)に捕食されるのを恐れてシャロー(浅瀬)に大群となり避難しているシーン。

毎年、バチ抜けとほぼ同時期に初夏頃まで見られ想像を絶するほどの大群が東京湾奥全域で見られる。


D300s+AF-S DX NIKKOR 10-24mm f/3.5-5.6G ED+内臓フラッシュ 焦点距離15mmにて


撮影日:3月19日

撮影地:都内運河筋