東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

越冬中のハナムグリ

2024年02月29日 | 甲虫
昨年の7月に娘が捕まえてきたシロテンハナムグリを飼育していたところ越冬してくれた。
もう少し頭部を上げたところを撮影したかったけれど無理矢理おこされたのでイヤだったみたい...

シロテンハナムグリ

D300S+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
夏季に発生した成虫は越冬するとあり真実であることが判明。沿岸部では5月中旬から9月まで見られる。沿岸部のハナムグリ事情ではリュウキュウツヤハナムグリの君臨により、それ以前から生息していた本種が消極的になってきているけれど、今シーズンはどんな見解なのか楽しみにしている。

リュウキュウツヤハナムグリ(終齢幼虫)

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
マットを交換するついでに撮影。育成途中でマットの種類を変えてしまうのは良くないけれど、Uマットから安価なバイオ幼虫育成マットに変更してみた。全長35mmほど。ハナムグリの仲間の幼虫は仰向けで移動する習性を持つのが特徴的で面白い。この幼虫達はグリーンとブラックのペアから生まれた個体。いったい何色の成虫になるのか楽しみだ。種類別で成虫のオスメスと幼虫の見分け方を、またの機会に掲載したい。白バック撮影には調光可能なLEDライトとセットで販売されている60cmの撮影ボックスを使用している。ライトの位置を変えて、なるべく影を出さないように工夫すれば、スマホでも綺麗に撮影できる。メルカリ、ヤフオクの出品時や小物の撮影等にも一家に一台あると便利。

撮影日:2月28日

丸太の下で越冬中

2024年02月13日 | 甲虫
例年、冬になると何故かリュウキュウツヤハナムグリの記事がアクセスランク上位に入り、まだまだ人気度は高めらしい。ただ、以前と比べて有名ポイントは幼虫が排出した糞が分解されずに目立つばかりで生体は少ないが、沿岸部の全域に分布を広げているので適当な場所でも糞があれば生体は見つかる。
丸太の周りに糞が見えていたので怪しいと思い、どかしてみると...


リュウキュウツヤハナムグリ

幼虫、土繭、成虫と各ステージでの姿を見せてくれた。掘らずに丸太を起こしただけ。意外と表層で見られる事が多い。1月に土繭の中で成虫になっている個体もいるが成虫の活動は夏場。ただ、自己調査では不思議な事に夏場でも幼虫が検出され、成長過程は様々である事が今のところ分かっている。
幼虫の飼育にはメーカーを問わずカブトマット、Uマット、ヒラタノコ一番、黒土のみも試したけれど全て育成した。その事から幼虫は順応性に優れているようだ。

合わせてご閲覧ください。
7月のリュウキュウツヤハナムグリ
新たな展開
真冬のリュウキュウツヤハナムグリ

全てNikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

撮影日:2月11日

いつ見ても美しい

2023年07月27日 | 甲虫
ヒヌマイトトンボの観察を済ませた後、
ヤマトタマムシに産卵場所の提供をと、落ち葉溜めの周りに並べた伐採木のチェックに訪れてみた。

草に覆われていたので、草取り作業をしていると何か飛んで来た!それは...

ヤマトタマムシ

ヤマトタマムシの活動に合わない曇り空だったので、産卵に飛来するとは思っていなかったけれど観察が叶い、また、伐採木を並べた甲斐あり。ヤマトタマムシの産卵は天気が良く暑い日中に行われる。
子供たちが遊びに来た時にも観察が叶うといいな...

全てNikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

撮影日:7月15日

7月のリュウキュウツヤハナムグリ

2023年07月18日 | 甲虫
リュウキュウツヤハナムグリの集団

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
例年通り、東京沿岸部の樹液場ならではの光景。リュウキュウツヤハナムグは気性が穏やかな様子で、カナブンの様に仲間を追い払う様な行動を見せないところが、このような集団活動を形成する生態を持っているのかも知れない。カラーバリエーションが豊富で体色の違いを楽しめるけれど、その中でも黒色型は50頭に1頭みられるかどうかの稀少色として人気を集めている、通称レアブラック。
この写真の中にもレアブラックは見られていない。

リュウキュウツヤハナムグリの土繭

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
遺伝子学などの知識は全く無いけれど、単純に考えて黒色型のオスメスを交配させれば、次の世代は確実に黒色型が発生するのではないかと思い、昨年の夏に黒色型を採集して、飼育実験を行ってみた。

リュウキュウツヤハナムグリ(黒色型)

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
すると、案の定、黒色型の量産化に成功。欲しい方には差し上げます。今シーズンはグリーンとブラックの交配実験を試しているところ。何色が出るのか?来年の夏のお楽しみとしたい。

合わせてご閲覧ください。
真冬のリュウキュウツヤハナムグリ
新たな展開

撮影日7月8日

ヒメジオンで

2023年06月15日 | 甲虫
ふと、ヒメジオンに眼を向けるとハナムグリの仲間が花に訪れていたのでカメラを向けた。

コアオハナムグリ

春いち早くから活動を初めていたが相変わらず盛んな様子。前胸部の両サイドに白いラインが入っていたので、もしやアオヒメハナムグリかと思ったが、コアオハナムグリも同型が発生するようで、アオヒメハナムグは裏側に鮮やかな赤紫の光沢を持つのが特徴。今後は裏側の色チェックも欠かせない。

リュウキュウツヤハナムグリ

いまや沿岸部では普通種。また、虫の会にもご参加され、熱心にハナムグリの研究されている虫友さんからのご報告で、大田区の内陸で成虫、林床で幼虫や土繭の確認もされており、分布を広げている様子にある。今シーズン初の成虫は5月21日に確認。そろそろトウネズミモチの花に集まる姿が見られる時期だけれど例年通り大群なのか。

ナミハナムグリ


コアオハナムグリよりも光沢があり少し大きく角張った体型に見えたので、違う種類と思い裏側を確認したところ、赤紫色の光沢と中胸腹板突起を持っていた。アオハナムグリかナミハナムグリか見分けが難しいけれど、毛深いのでナミハナムグリと判断。そろそろシロテンハナムグリやシラホシハナムグリも姿を見せてくれるはずなので、樹液場のチェックも楽しみだ。

この日、早くもニイニイゼミの初音を確認。

全てNikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

撮影日:6月10日