東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

台風一過のマルタンヤンマ

2024年08月22日 | トンボ
撮影用に持ち帰ったヤゴと自宅で羽化した成虫を元の生息地にリリース。
そのついでにカトリヤンマの成熟度合いを確認しようと思い林内で姿を探した。すると...

マユタテアカネ 雄(未成熟)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

マユタテアカネ 雌(未成熟)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
カトリヤンマには逃げられたが林内には時を待つマユタテアカネが軒を連ねるように見られていた。
明暗の境界に活動するアカトンボの雰囲気を出したく、広角レンズで撮影を楽しんでいたけれど、
なかなかイメージ通りにはいかない。

台風一過で朝から気温が高く、林内でも猛暑...熱中症を避け涼しい場所に逃げ込んで、しばらく休憩。その休憩中、ふと、ここはマルタンヤンマが休止する場所に相応しいんじゃないかと思い辺りを捜索。すると案の定、発見!

マルタンヤンマ

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D+SB-700+三脚使用


Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED


Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
何故かオスの姿は無くメスのみが6頭!ここはマルタンヤンマの女子会の会場だった。
カトリヤンマの撮影用に三脚を持っていたのでスローシンクロや感度を上げて手持ち撮影も楽しんだ。

マルタンヤンマ ダブルメス

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D+SB-700+三脚使用
スピードライトの光量を抑えた画を楽しみたかったけれど片方に飛ばれてしまった。。。右側の個体の腹先から垂れ下がっているのは糞。トンボの撮影にフラッシュを使うと飛ばれてしまうと思っている方が多いかも知れないが、フラッシュの光よりも近づいてからカメラを構えると、その動作で飛ばれてしまう事が多い。必ず撮影時はゆっくりそ~っとが鉄則。上下左右のオーバーアクションは厳禁。

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
静止しているマルタンヤンマを捕まえるのに網はいらない。トンボの持ち方の基本形。トンボは翅が命だから、なるべく翅に手油をつけない様に持つ事。近寄っても逃げない個体かどうかを確認したら、真下からゆっくり手を差し伸べて腹部をそっと掴めば良い。ただ、オスはより敏感。勿論、他に誰も居ない自分で見つけた場所で楽しむ事が前提。複眼や部位等をよく観察したらリリース。腹部を掴むと直ぐに噛みつくけれど、それほど痛くない。トンボで一番痛いのはオニヤンマ。オオカマキリの成虫のメスのカマに挟まれたら大人でも痛いし低学年は泣。でも、手袋をして昆虫を掴むのは賛成できない。素手で触った時の感触と噛まれたり挟まれた時の痛さの危険度も、本当に昆虫が好きなら経験して欲しい。

撮影日:8月17日

植え込みのホソミイトトンボ

2024年08月21日 | トンボ
青空にモコモコの積雲が浮かぶJR貨物線の風景

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
この日は沿岸部のフィールドでトンボ探し。クマゼミの音は相変わらず多く感じられたけれど、
目視できるセミの数がだいぶ減った印象。

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
いつもなら素通りしている園路脇の植え込みをたまたまチェックすると、そこには...

ホソミイトトンボ 雄(越冬型未成熟)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

ホソミイトトンボ 雌(越冬型未成熟)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
全く予想していない場所に活動していたので驚かされた。以前にも記載したがメスは腹部第8節と9節の背面に黒色斑があるので外見でオスメスが見分けられる。羽化後の未成熟なので周辺の水辺で発生した個体の可能性が高い。まだ沿岸部の水辺で生殖活動をする姿を確認していないのでいつか叶えたい。

リスアカネ

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D
木立の高枝に静止して木漏れ日を浴びていた個体を発見。太陽に複眼を向けた瞬間のワンショット。

撮影日:8月15日

清流に飛ぶマルタンヤンマ

2024年08月19日 | トンボ
お盆休みで上京したK君を誘って、明け方の清流に飛ぶマルタンヤンマの観察に訪れた。すると...

マルタンヤンマ

マルタンヤンマ

このポイントは飛翔高度が低いので広角レンズで楽しめる。

マルタンヤンマ 雄(手前) 雌(奥)

オスは一直線に弾丸飛翔で不定期に現れ、その少し上をゆっくりとメスが飛翔。オスがメスにちょっかいを出さないところを見ると、既に交尾の時期が過ぎている証なのかも知れない。飛翔観察を1時間ほど楽しませてくれた。真夏の清流と言えばオナガサナエも旬。到着時から産卵に飛来するメスが見られていたので、場所の移動はせずにマルタンヤンマからオナガサナエの活動観察にチェンジ。

オナガサナエ 雄(探雌飛翔)

オナガサナエ 雌(産卵)

ここまでの写真は全てNikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
オナガサナエの産卵は流れの上でホバリングをしながら卵塊を落下させる。オレンジ色の物体が卵塊。いつもなら10時頃まで楽しめるはずが急激な気温上昇の影響か、次第にメスの飛来が無くなり、縄張りするオスも早々と姿を消してしまった。ここで移動を決意。越冬トンボの羽化に急いだ。すると...

ホソミイトトンボ 雌(右)とホソミオツネントンボ雄(左)(羽化)

ホソミオツネントンボがピンあまだけれど、
運が良ければワンフレームで2種類の越冬トンボの羽化が狙えるチャンスがある。


ホソミイトトンボ 雌(羽化)

ホソミイトトンボ 雄(夏型)

この時期の羽化は越冬型で水辺で活動しているのが夏型。こちらもタイミングと運が良ければ、
夏型の成熟個体と越冬型の羽化後の未成熟がワンフレームで撮れるチャンスがあるかも知れない。

ホソミイトトンボの羽化を撮影するK君

ここまでの写真は全てNikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
前日の山の日には富士山登山でこの日は早朝からトンボ。なかなかのタフぶりを発揮。ハットのツバが水に浸かっているけれど、それを気にしていたらいい写真が撮れない。特にイトトンボは水面から少しだけ上がった場所で羽化することが多く、カメラポジションを水面ギリギリにして、羽化するトンボに対してレンズを平行にしないと、全体にピントが合わないからこのような撮影スタイルになる。

次は正月休みの上京時に越冬トンボを探しにいこうか...

撮影日:8月12日

越冬三種の羽化

2024年08月14日 | トンボ
この日はKさんをお誘いして夜明け前から出発。
先ずは明け方の清流に飛翔するマルタンヤンマの有無をチェック。すると...

マルタンヤンマ 雌とウスバキトンボ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
前回は見られず不安でいたが今回はオスメスの飛翔あり。ツバメの飛翔が見られていたのでそれを嫌っているのかマルタンヤンマは早々と姿を消してしまった。オスの広角飛翔撮影は次回に期待したい。

そして前回の様子から越冬三種の羽化を同日に撮影できるチャンスだったので、
それらが棲む水辺に急いだ。すると...

ホソミオツネントンボ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

オツネントンボ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
オツネントンボのヤゴはより水質がクリアで水温も低い水域を好んでいる様子に感じる。

ホソミイトトンボ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
羽化の写真を掲載する場合、なるべく種類が分かる段階の時を選択するように心掛けているけれど、
体色が現れる前に移動してしまったり、飛ばれてしまったりと、羽化するトンボにカメラは外敵と見なされてしまうのでなかなか難しい。それでも望遠レンズだと面白くない。

ホソミオツネントンボの羽化を撮影するKさん

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

トウキョウダルマガエルの幼体

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D
ここでKさんにハプニングが発生してしまったのでこの日はこれにて終了。
機会があればまた行きましょう。

撮影日:8月11日

8月上旬のネアカヨシヤンマ

2024年08月08日 | トンボ
8月に入ってからもネアカヨシヤンマの飛翔は見られるのか?確認に訪れた。すると...

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

ネアカヨシヤンマ

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D(トリミングあり)
今シーズンは順調に飛翔観察が叶い何より。

ネアカヨシヤンマ 雄とギンヤンマ 雄

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D(トリミングあり)
水面に近い層に飛翔するのがギンヤンマで、遥か上空に飛翔するのがネアカヨシヤンマ。ネアカヨシヤンマが高度を下げると、ギンヤンマに見つかり追尾されバトルになる。互いに縄張り意識が強い証。

マルタンヤンマ

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D(トリミングあり)
マルタンヤンマのメスは早朝に摂食飛翔を行い、その後、産卵行動に入る生態を持つ。
この時は産卵を終え、池から出て上空を何度か旋回飛翔した時に撮影。直ぐに何処かへ姿を消した。

ギンヤンマ

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D(トリミングあり)
当ブログをご閲覧くださるトンボファンの皆様が、フィールド上空に飛翔するヤンマを下から見た時、
シルエットで種類の見分けが出来ればと思っています。今回はその一部。よく観察すればそれぞれに特徴があるのでご参考にしていただければ幸いです。

撮影日:8月4日