恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

小説を検索しやすくするためインデックスを作りました

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茶倉譲二 続編ハピエン~その5

2016-03-21 07:35:44 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。 

☆☆☆☆☆

以前予告した譲二続編のハピエンです。

譲二続編のスパエンは京都に、ハピエンは兵庫県の姫路城に行きます。

スパエンのヒロイン好みの内容に対して、ハピエンは譲二さんがとっても楽しんでる。

姫路城エピは譲二さんらしさが出ていて、私的には好きな話です。

☆☆☆☆☆
茶倉譲二 続編ハピエン~その5
〈譲二〉

白鷺城をバックにして立つと、百花ちゃんを呼んだ。

彼女の腰に手を添える。


老人「はい、撮りますよ」

譲二「お願いします」


自然と俺に寄りかかる体勢になった百花ちゃん。

身体が強張ってるみたいでぎこちない。


譲二「百花ちゃん、緊張してる?」

百花「ちょっとだけ…こんなふうに写真を撮ることってないから」


(なんて、可愛いんだ!)


譲二「ははっ、旅行に来たのも初めてだしね」


カメラを持つご主人の隣では、老婦人がニコニコしている。


老人「はい、撮れましたよ」


譲二「ありがとうございました」

老女「お2人とも、仲よくね。よい旅を」

百花「ありがとうございます」


老夫婦は程よい距離をとりながら、2人で歩み去った。


(いつか俺たちもあんな夫婦になれたらいいな~なんて)


ちょっと照れながら百花ちゃんの方を見ると、彼女も2人の後ろ姿をじっと見ている。

時計を確かめてみた。


(さてと…そろそろ予約の時間だな)


譲二「百花ちゃん、そろそろおなか空かない?」

百花「あ、そう言えば…」

譲二「じゃあ行こっか」


そっと彼女の手を繫いだ。


百花「この辺にお店あるんですか?」

譲二「泊まるホテルの近くにね」


(今から移動したら時間的にもちょうどいい)


彼女の柔らかな手をしっかりと握って、歩き出した。

 


その6へつづく


茶倉譲二 続編ハピエン~その4

2016-03-20 07:29:51 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。 

☆☆☆☆☆

以前予告した譲二続編のハピエンです。

譲二続編のスパエンは京都に、ハピエンは兵庫県の姫路城に行きます。

スパエンのヒロイン好みの内容に対して、ハピエンは譲二さんがとっても楽しんでる。

姫路城エピは譲二さんらしさが出ていて、私的には好きな話です。

☆☆☆☆☆
茶倉譲二 続編ハピエン~その4
〈譲二〉

天守閣の回廊を一通り巡って外に出た。


百花「ほんとに見応えありますね」

譲二「一日じゃ足りないでしょ」

百花ちゃんはこっくりと頷いた。

本当は四季折々の姫路城の姿を2人で見たいところだけど、それはまたいつか来よう。



姫路城に来た時にはいつも写真に残してあるスポットがいくつかある。

同じ場所からの写真ではあるけど、来る度に季節も天候も違うから城は毎回違う表情を見せてくれる。

まして、今回は平成の改修後なので、より白鷺城らしい優雅な姿を見せていた。

ちなみになぜ姫路城が白鷺城と呼ばれるほど白いかというと、屋根の瓦の間に漆喰を塗っているからなんだ。

姫路城のように瓦部分に漆喰を塗ってあるのは全国の城でも珍しい。

しかし、この白さも漆喰にカビが生えていくことで、徐々に黒ずんでいく。

今回の改修工事では漆喰に防カビ剤を塗ってあるので、3~5年は白さが持つらしいが。

つまり、この白鷺城本来の白さを実感できるのは今だけなのだ。



そんな説明をしながら、姫路城の写真を撮っていると、百花ちゃんにそっと袖を引かれた。


譲二「どうしたの?百花ちゃん」

百花「あの…一緒に撮りませんか?」

百花「譲二さんと2ショットって持ってないので…」


あ、そっか…。そう言えば、そうだよね。

クロフネで写真を撮る時は、大抵俺がカメラマンだし、2人で出かけた時も歴史的な建物の前に立つ百花ちゃんを撮ることが多かった。

だから、待ち受けは百花ちゃんだし、俺の机の上には百花ちゃんの写真も飾ってある。

だけど、2人一緒に撮った写真というのは持ってなかったな。


それにしても…俺と一緒に写った写真が欲しいだなんて…。

なんか…可愛いな。

そして、そんなふうにねだってもらえて、すごく嬉しい。


百花「だめですか?」


上目遣いに甘えるように尋ねてくる。

本人は無意識なんだろうけど、この仕草もいつも好きなんだよね。


譲二「いいよ、一緒に撮ろう。誘ってくれてありがとう」


そんな会話をしていると小天守で出会った老夫婦のご主人が「よかったら私が撮りましょうか?」

とニコニコしながら声をかけてくれた。

俺たちのやり取りをさっきから見ていたみたいだ。

その言葉に甘えて写真を撮ってもらうことにした。

その5へつづく


茶倉譲二 続編ハピエン~その3

2016-03-19 07:32:14 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。 

☆☆☆☆☆

以前予告した譲二続編のハピエンです。

譲二続編のスパエンは京都に、ハピエンは兵庫県の姫路城に行きます。

スパエンのヒロイン好みの内容に対して、ハピエンは譲二さんがとっても楽しんでる。

姫路城エピは譲二さんらしさが出ていて、私的には好きな話です。

☆☆☆☆☆
茶倉譲二 続編ハピエン~その3

〈譲二〉

週末になった。


譲二「百花ちゃん、こっちだよ」


百花ちゃんはパンフレットを手にして俺の後を小走りでついてくる。


百花「さすがに広いですね」


彼女が追いつけるように歩む速度を少し緩めた。


譲二「有名な城って、たいていは焼失しちゃってるものが多いんだけど」

譲二「姫路は天守とか櫓が江戸時代初期に建てられた状態のまま残ってるんだよね」

百花「江戸時代から…」


江戸城は明暦の大火で天守閣が焼失している。

だから時代劇によく出てくる江戸城の天守閣のショットは大抵姫路城が使われている。

そんなうんちくを話しながら、百花ちゃんを連れてまわる。


何しろ姫路城は広い。


天守閣だけでも大天守と小天守が三基もある。

それらは渡櫓によって環状に繋がっている。

それが青空を背景にそびえ立っている。



まずは入り口から白壁の菱の門をくぐる。

時間が無い時は『いの門』『ろの門』『はの門』をくぐって天守閣を目指すんだけど、今日はじっくりと見て回れるから菱の門からすぐに左手に折れた。

こちらは千姫ゆかりの西の丸・化粧櫓を巡る西の丸ルートなんだ。


建物の見どころを説明しつつ、順路にそってぐるぐると歩き回った。

小天守の展示物を説明していると一緒に展示物を見ていた老夫婦に「いやぁ、あなたの説明は分かりやすいですね。郷土史家の方ですか?」なんて尋ねられるし。

で、一人でしゃべりまくってるのに気がついて、百花ちゃんのことが心配になる。


譲二「百花ちゃん、大丈夫?疲れちゃった?」

百花「そんなことないです」

譲二「ごめんね、俺ばっかり楽しんじゃって」

百花「いえ、譲二さんを見てるの楽しいですよ」

譲二「そ、そう?」

百花「だって展示物のたびに嬉しそうだし」

百花「わからないことがあっても、すごく詳しく説明してくれるし」


うん。いい子だなぁ。

単に、歴史のこととなると一度しゃべり出すと止まらないだけなんだけど。

それをいいように言い換えてくれる。

俺に気を使わせないように、ごく自然に。

本当にいい子だ…百花ちゃんは。

そしてそういうところが彼女を好きな理由の一つなんだ。

あ、ちょっとのろけちゃったかな?


百花ちゃんは、俺の話は「教科書に載っていないものが多いから、聞いていてためになります」とも言ってくれた。

俺の知識はほとんどが雑学なんだけど、その教科書には載らない部分が歴史の最も面白い部分だったりする。

その歴史の面白さの何分の1かでも百花ちゃんに味わってもらえたとしたら、姫路城に来た甲斐があったというもんだ。

ただ広いだけではなく、姫路城には刑部姫や皿屋敷の井戸、宮本武蔵の妖怪退治など、いろんな伝説があって、それを片っ端からしゃべり通しに喋ってしまった。

 

その4へつづく


茶倉譲二 続編ハピエン~その2

2016-03-18 08:14:23 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。 

☆☆☆☆☆

以前予告した譲二続編のハピエンです。

譲二続編のスパエンは京都に、ハピエンは兵庫県の姫路城に行きます。

スパエンのヒロイン好みの内容に対して、ハピエンは譲二さんがとっても楽しんでる。

姫路城エピは譲二さんらしさが出ていて、私的には好きな話です。

☆☆☆☆☆
茶倉譲二 続編ハピエン~その2

〈譲二〉

あまり眠れなかったのか、百花ちゃんもいつもより早く朝食に下りてきた。

いつもより豪華な朝食とお弁当を百花ちゃんはとても喜んでくれた。

俺の弁当は、みんなに羨ましがられるそうだ。

朝食の合間に、思い切って旅行のことを切り出してみた。

譲二「ところで百花ちゃん、今週の土日って、何か予定ある?」

百花「いえ、何も…」


きょとんとした百花ちゃんに勢い込んで提案した。


譲二「それじゃ、一緒に兵庫行かない?」

百花「兵庫…ですか?」

譲二「そう!お城を見に!」

百花「兵庫のお城っていったら…」


百花ちゃんは小首を傾げて考え込む。

その答えを待つのもまどろっこしくて、先まわりして口にする。


譲二「姫路城だよね!」

譲二「何度か見に行ったことがあるんだけど」

譲二「行くたびに違う発見があるっていうか…何度行っても飽きないよ」


そうなんだ。

あの感動をぜひ百花ちゃんにも教えてあげたい、というか共有したい。


百花「ふふっ!譲二さん、子供みたい」


百花ちゃんは優しい笑みを浮かべていう。

あ! また、やっちまったかもしれない。


譲二「え!困ったな…はしゃぎ過ぎたかな」

百花「いえ…でも、そんなに良いところなんですね」

譲二「世界文化遺産に登録されている城だからね。見事だよ」

百花「私もぜひみたいです!」

譲二「じゃあ、決まり。週末楽しみにしてて」

百花「はい!」


姫路城には何度か行ったことがあるけれど、改修工事「平成の大修理」が終わってからは初めてになる。

楽しみだ。

 

その3へつづく


茶倉譲二 続編ハピエン~その1

2016-03-17 08:19:32 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。 

☆☆☆☆☆

以前予告した譲二続編のハピエンです。

譲二続編のスパエンは京都に、ハピエンは兵庫県の姫路城に行きます。

スパエンのヒロイン好みの内容に対して、ハピエンは譲二さんがとっても楽しんでる。

姫路城エピは譲二さんらしさが出ていて、私的には好きな話です。

☆☆☆☆☆
茶倉譲二 続編ハピエン~その1

〈譲二〉

クロフネが閉店した翌日。

身体は疲れているはずなのに、頭は冴えていて、まだ暗いうちに目が覚めてしまった。

布団の中で目を覚ましていてもしょうがないから、思い切って起きることにした。

まだ5時だが、朝食の準備を始める。そうだ。百花ちゃんの弁当も作ってしまおう。


料理をしながら考える。

百花ちゃんとはこれから離ればなれになるけど、その前に何か思い出を作っておきたい。

デート?

どんな?

実家の仕事が始まれば、ゆっくりは出来ないから…その前に、百花ちゃんと歴史的な遺構をまわれたら。

そう…例えば、城跡とか…。

いやいや…まてよ。

城跡には石垣くらいしかないし、百花ちゃんは面白くないだろうな…。

俺なら半日は楽しめるだろうけど。

やっぱり百花ちゃんと回るなら、ちゃんと天守閣が残ってるような城じゃないと…。

となると日帰りでは難しい。


デートではなく旅行だな。

それで…一泊するとなると、かなり足も伸ばせることになる…。

それなら、ぜひともあの城を百花ちゃんに見せてあげたい。

俺の心は決まった。

 

その2へつづく