恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

いつもと同じ…そしてかけがえの無い日々

2015-04-09 07:38:47 | 年上の彼女

10歳上の女性との恋愛。譲二さんはヒロインからみて年下の若い男性なんだけど、色気のある大人の男性で頼りがいも包容力もあるという、ものすごくおいしい男性になっちゃいました。
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いつもと同じ…そしてかけがえの無い日々~その1

〈奈実〉
今日は譲二さんが退院した快気祝いのパーティーでみんながクロフネに集まってくれた。


譲二「みんな、俺のことを心配してくれてありがとう。
ハルとタケとリュウは襲われた時に助けてくれて本当にありがとう。
特にリュウには救急車で一緒に来てくれた上に血まで分けてもらって…とても感謝している」


竜蔵「これでジョージと俺は血兄弟だからな」

春樹「リュウ兄、それはちょっと違うよ…」

理人「病院に付き添ったリュウ兄も奈実さんもマスターと同じ血液型で良かったね」

竜蔵「それがあるから、俺は付き添ったんだけどな」

一護「リュウ兄にしては上出来だな」

竜蔵「それどういう意味だよ。俺だっていざという時には機転が効くんだ」

剛史「確かにリュウ兄は教師になってから賢くなった」

竜蔵「おう。生徒たちを守らないとなんねぇからな」



いつも通りのみんなのやり取りに私は吹き出した。


百花「マスターが元気になって本当に良かったです。奈実さんも看病お疲れさまでした」

譲二「ありがとう」

奈実「百花ちゃんも忙しいのに何度もお見舞いに来てくれてありがとう。とっても心強かった」

一護「マスター、店はいつから開けるんだ?」

譲二「ずいぶん休んじゃったからね…。
本当は明日からでも開けたいところなんだけど、奈実が反対しててね」

一護「あんまり無理するなよ」

春樹「そうだよ、奈実さんのいうことをちゃんと聞かないと」

譲二「だから、今週いっぱいは休んで、来週頭からの営業かな」

剛史「あー、やっとまたマンデーが読める」

理人「タケ兄、収入あるんだし、そろそろ自分で買って読んだら?」

剛史「俺はクロフネでマンデーを読むことでマスターの生きがいに貢献してる」

一護「なんだよ、その理屈」


 クロフネでのいつもどおりのみんなのやり取り。

 それを譲二さんは楽しそうに眺めてる。

 私は…その日常が戻ってくれたことが嬉しくて…。

 そっと目尻に浮かんだ涙を拭いた。


その2へつづく


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いつもと同じ…そしてかけがえの無い日々~その2

 

〈譲二〉
 あの事件から5ヶ月が経った。

 犯人の伊藤は初犯ということもあって、大した罪にはならないみたいだ。

 みんなは刺され損だね、と言ってくれるけど、奈実を守ることができたので、それだけはよかったと思っている。

 奈実はあのままクロフネに住んでいて、アパートも引き払ってしまった。

 外出の出来ない日が続いたせいもあり、奈実の仕事は休業状態だ。

 でも、俺的にはずっと一緒にいられるから満足かな…。



 奈実が一緒に手伝ってくれるようになって、クロフネも少しずつ変わっている。

 ランチメニューに奈実が焼いた手作りパンをつけたり、フロアの一画に奈実の手作りの小物類を置くようになった。

 ビーズのアクセサリーやカントリー風の布のポーチやティッシュカバー、サシェ、トールペイントで描いたプレートや小物入れなど、女性が好みそうなものが揃っている。

 それらの売り上げ自体は大したことはないが、それ目当ての女性客のリピーターが増えて、店の売り上げも少しずつ増えている。

 この状態で売り上げが安定するようなら、そろそろ奈実にプロポーズしてみようかと考えている。

 今だって、ほとんど夫婦状態だけど、けじめはつけないとね。

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 客足の途絶えた午後、隅のテーブルで、奈実が手作りの小物を縫っている。

 窓からの日差しを受けて後れ毛が金色に光っていた。

 その美しい光景に見とれていると、視線を感じたのだろう、奈実がこっちを見て微笑んだ。


譲二「根を詰めてると疲れるよ。そろそろ休憩したら…」

奈実「まだ疲れるほど縫ってないよ」

譲二「じゃあ訂正。俺のために休憩して…」


 奈実は微笑んで縫い物をテーブルに置くと俺のところに来てくれた。

 彼女を思い切り抱きしめてキスをする。




 俺の大切な女(ひと)…。

 もう決して離さないからね…。

 


 


 

おわり

 


 

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年上の彼女の話はこれで終わりです。

 





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