恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

揺れる心~その3

2016-06-17 08:05:34 | 譲二の~勝手に3年後編(吉祥寺恋色デイズ)

前にも書いたけど、吉恋本家の譲二ルートの3年後編には色々と不満がある。

久しぶりに吉祥寺に帰ってきた譲二さんとのラブラブな話のはずなのに、新キャラの紹介に使われてたり、色々とモヤモヤするものがあって、私の思う『勝手に3年後編』を書いちゃいました。


『譲二の勝手に3年後編』の始めの部分は本家の『譲二3年後編』とほぼ同じです。

そして、時々本家のエピソードに重なるものも入れながら、少しずつ離れていき、玉の緒ワールドの譲二さんの話になってます。

航くんは出てきませんが、本家の『譲二3年後編』では出てこなかった、懐かしいあの人とかあの人とか出てきます。


だから、ネタバレも少々あるものの、譲二ルートの3年後編とはまた別のお話と思って下さい。





☆☆☆☆☆


揺れる心~その3


〈百花〉


店番の桃護さん、りっちゃんと私でおしゃべりしている時にドアが開いて誰かが入って来た。



桃護「いらっしゃいませ」

???「あれ? あんたがこの店のマスターなの?若いし、結構いい男ねぇ」


あれ?この人…。

前に店の前で見かけた人だ。

やっぱりすごく綺麗…。

でも、男の人だよね……やっぱり。


そんな人に『いい男』と言われて、桃護さんは苦笑いしている。

桃護「俺はマスターじゃないですよ。留守を任されてるバイトです」

???「あら、そうなの? で、本当のマスターはいつ帰って来るの?」

桃護「そうですね…、そろそろ帰って来る頃なんですが…」

???「じゃあ、待たせてもらうわ」


そういうとその人はつかつかと店の中を歩いて、奥のテーブル席に座った。

そして周りを物珍しそうに眺めている。


桃護「百花ちゃん、あのお客さんのこと知ってる?」

百花「はい…」

理人「百花ちゃん知ってるの!?」

桃護「常連さん?…なわけないか…常連さんなら俺がマスターじゃないことぐらい知ってるよね?」

百花「お店に入ってこられるのは初めてだと思いますけど、今まで時々クロフネを外からじっと見てることがありました」

理人「あ、そう言えば、僕もクロフネの前で見かけたことがある」

桃護「何でだろう?」

百花「さあ…?その時に中へどうぞと声はかけたんですけど、入らずに帰られました」


私は水とお手拭きを持っていった。


???「あら、あなた、この間の…バイトの子だっけ?」

百花「はい…。ご注文は何になさいますか?」

???「そうね~。クロフネと言えばコーヒーよね?ブラックでいただくわ」

百花「コーヒーですね、少々お待ちください」

 

その4へつづく



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