頼れるみんなの兄貴として、ヒロインと幼なじみたちとの恋愛模様を応援しつつ、自分の気持ちには蓋をして、ちょっと落ち込んでみたり…。
そんなちょっと情けないけどラブリーな譲二さんを王道のいっちゃんルートでウオッチングしてみようと思う。
自分のルートのヒロインにも自分から告白できない譲二さん。
そんな譲二さんが他人のルートのヒロインに気持ちを打ち明けられるわけも無く…。
☆☆☆☆☆
譲二さんの愚痴(一護本編14話)
商店街のバザー当日。
厨房で一護と百花ちゃんがケーキの仕込みをしている。
譲二「こっちも順調に進んでるみたいだね」
一護のケーキはプロのと遜色ない。これは売れそうだ。
譲二「ハルやタケもきて、カフェの準備始めてるよ。お、美味しそうだねぇ」
一護「つまみ食いすんなよ、マスター」
譲二「生クリームをちょっと舐めさせてもらおうと思ったけど、ダメか」
一護「大人が行儀の悪いことするなよな」
譲二「大人って言うけどお前らと10歳しか変わらないんだぞ?」
ここは主張しとかないと…、ちらっと百花ちゃんを見る。
百花「あ、そういえばそうでしたよね…」
え? 百花ちゃん、もしかして俺のこと相当なオジサンだと思ってた?
一護が追い打ちをかける。
一護「10歳違ってれば、ジューブン大人だろ」
譲二「それってオジサンに見えてるってこと?」
一護「マスターは老けてるからな…」
譲二「ひどいなぁ、一護は…」
これでも二十歳の頃は若く見えるって言われてたんだけど…。
一護「だから、そのヒゲ剃った方がいいって」
譲二「そうかなぁ。カッコイイと思うんだけど…どう思う? 百花ちゃんは」
百花「似合ってますよ? カッコイイです。」
譲二「そう、それならいいや」
ほとんど無理やり言わせてるな…俺。
一護「おい、百花。マスターがカッコイイってお前、まさかマスターのこと…」
百花「そ、そんなんじゃないって」
そうなってくれても俺はいいんだけどね。
一護「それならいいけどよ」
微笑ましい2人の様子に苦笑いがこぼれる。
譲二「すっかり仲良しになっちゃって」
俺は溜息をついた。
ま、俺も2人を応援してるわけだしな。それにしても…
譲二「俺も可愛い彼女ほしいなぁ」
声に出して言ってみる。
百花「か、彼女だなんてそんなっ」
百花ちゃんが真っ赤になる。やっぱり可愛い。
譲二「いいから、いいから。お邪魔虫は退散しますか」
やれやれ、後は二人に任せて二階に上がった。
あ~あ、妬けるなぁ。
俺も可愛い彼女が欲しい…。