恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

大切なひと~その3

2015-06-10 08:04:41 | アリサ

この話はハルルートの譲二さんの「それぞれの道」の7年間の空白期間を埋める話をと考えて書き始めたものです。
ところが、書いて行くうちにハルルートの譲二さんの話からは外れ、全く違う結末のお話になってしまいました。
それで、upしたものかどうか悩みました。

二次創作の二次創作だし…。
ヒロインは娼婦だし…。
譲二さんは壊れてるし…。
不快に思われる方もいるかもしれません。

でも、一時お話をかけなくなった時期に書けるものを書こうと書き始めたのがこの話で、そういう意味では私を助けてくれた話とも言える。
アクセス数が減ってるということは読む人も少ないわけで、ひっそりとupするのならいいかなと思い公開します。
性描写もそれなりにあるので、18禁にしようかとも思ったけど、そもそもネットではそれを確かめるすべもないし。
だから、こういう話はダメという人は避けてくださいね。

上にも書きましたが、ハルルートの譲二さんの話から派生した物語なので、読んでない方は『それは突然の告白から始まった…』から『それぞれの道~その1~その5』あたりまで読んでもらえると、どうして譲二さんが壊れているのか…とかが分かると思います。


☆☆☆☆☆

大切なひと~その3


〈アリサ〉
目を覚まして時計を確認する。

(今日はジョージのために朝ごはんを作ってあげよう)

隣に眠るジョージを起こさないようにそっとベッドを抜け出した。



この頃、ジョージはあたしに添い寝してもらいたがる。

だから、その気がないときでも、あたしに軽い抱擁とキスをしてそのまま眠る。

仕事は相変わらず忙しいみたいだし…、身体が疲れて辛いのではないかと気になる。

朝も急ぐからと食べずに出勤することが多いし…。




朝食の支度に一生懸命で時間の感覚がなくなっていた。

時計を確認して慌てた。

ジョージはまだ起きて来ないみたいだ。


アリサ「ジョージ! そろそろ起きて…。遅刻しちゃうよ!」


エプロンを外しながら寝室に入る。

ん? 何だかジョージの様子が変。

顔色も赤いよね。

ジョージの額に触って驚いた。

すごい熱。


アリサ「ジョージ、熱があるみたい…。体温計を持ってくるから待ってて」


急いで体温計を探して戻ってくると、ジョージは起き上がって着替えをしようとしていた。


アリサ「だめだよ、ジョージ。熱があるから今日は仕事は無理だよ」

譲二「…今日は…大事な会議が入ってるんだ…。どうしても…俺がいかないと…」

アリサ「じゃあ、とりあえず熱を測ってみて?」


8度6分もある!


アリサ「ジョージ、やっぱり無理だよ。このままじゃ会社にだってたどり着けない…」

譲二「…れんらく…」

アリサ「え?」

譲二「…連絡…しないと…」


机の上のジョージの携帯をとる。


アリサ「会社に連絡すればいいの?」


譲二「…いや…。兄貴…兄貴に連絡…したら、すべて手配してくれる…」

アリサ「お兄さん?」


茶倉だよね? あわててタ行を探す。


譲二「茶倉…こういち」


あった! 『茶倉紅一』

とりあえずその携帯の番号を押してジョージに渡す。


紅一「譲二か。なんだ朝から?」

譲二「…兄貴…俺…今日の会議なんだけど…」

紅一「どうした? 具合でも悪いのか?」

譲二「ああ…」


話すのもしんどそうだ…。

あたしはジョージから携帯を受け取ると覚悟を決めて話した。


アリサ「すみません。ジョージ…さんは朝から高い熱が出てて、仕事は無理だと思います」

紅一「!!!  君は?」

アリサ「あたしはジョージ…さんにお世話になってるもので…。
ただ、今は詳しくお話しできません。本人がとても苦しそうで…」

紅一「そうか…。譲二は今一人ではないんだな?」

アリサ「はい。あたしがついているので、ちゃんと看病します。
お医者にも連れて行きますから、心配なさらないでください」

紅一「それでは譲二のことは君に任せたよ。譲二のキャンセルの手配はすべて俺がやっておこう」

アリサ「ありがとうございます」

紅一「譲二を…頼んだよ」


電話が切れた。


アリサ「ジョージ。お兄さんが仕事の手配は全部してくれるって」

譲二「…よかった…」

アリサ「とりあえず…お医者に行こう?」


あたしは財布の中身を確認すると、タクシーに電話をした。


その4へつづく




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