恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

怪談in吉祥寺恋色デイズ:プロローグ

2015-08-10 07:18:14 | 吉祥寺恋色デイズ

これは昨年の8月にupしたお話の再掲です。
去年からブログに来てくださっている方、もう読んだよ~って方はごめんなさい。
新規のお話はしばらくお休みしますね。

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暑い夏が続きますね。
そろそろ身体もこの暑さに疲れて来る頃です。
そんなあなたに、気分だけでも涼しさを味わってもらおうと怪談話を企画しました。


☆☆☆☆☆

『プロローグ』

夏休み、いつものごとくみんながクロフネに集まっている。

一護「あちーな。なんか涼しくなることはねーのかよ」

春樹「そんなこと言っても夏は暑いんだから仕方ないよ」

竜蔵「そうだ、みんなで涼しくなるようなことをしようぜ」

理人「何さ、涼しくなるようなことって?」

剛史「カキ氷の早食い競争」

竜蔵「それいいな」

百花「キーンて頭痛くなりそう」

一護「カキ氷は誰が用意するんだよ?」

剛史「マスター」

竜蔵「おい、ジョージ。クロフネではカキ氷はしないのかよ?」

譲二「うちには機械が無いし、置く予定もないから」

春樹「それにもう少し、お金のかからないことを考えようよ」

理人「そうだよ、お客が入らなくて、マスターはそんなにお金無いんだし」

譲二「りっちゃん、それキツイよ」

百花「そうだよ。日曜日とかにはちゃんとお客さんも来てるよ」

 いや、百花ちゃん、日曜日以外にもお客さんは来てるから…。

剛史「夏に涼しくなると言えば怪談だな」

竜蔵「おっ、それは面白そうだな」

理人「で、怪談は誰が話すの」

竜蔵「そりゃジョージだろ」

剛史「マスターは歴史の話をよく知ってるから」

一護「途中から歴史のウンチクになって終わらなくなるんじゃね?」

譲二「おいおい、いくら俺でも怪談話の途中で脱線していったりはしないよ」

一護「どーだか…」

春樹「どうせならみんなそれぞれでとっておきの怖い話を探してきて、怪談話をし合うっていうのはどう?」

理人「百物語みたいに?」

竜蔵「百物語ってなんだよ?」

譲二「夜中にろうそくを百本立てて、みんなで怪談を話していく。一話終わるごとに一つろうそくの火を吹き消して、百話終わって真っ暗になった時には、いろんな妖怪が集まってくるという…」

百花「いや、何それ、怖い…」

竜蔵「面白そうじゃねぇか…でも百話も話を調べるのはめんどくさそうだな」

春樹「だから、そんなにたくさん話さなくてもいいんじゃない?ろうそくも無しで」

剛史「いやろうそくはあった方がいいだろう、雰囲気がでる」

一護「おいおい、本気でやるのか?つーか、怪談を探してくるなんて、めんどくせえよ」

理人「あれ?いっちゃん怖いの?」

一護「怖くねぇよ」

理人「じゃあやろうよ」

百花「でも、ろうそくを吹き消していくのはやめようよ」

春樹「そうだね。吹き消さずにろうそくの光の中だけで話すのでも結構怖いと思うよ」

理人「えー、それだと盛り上がりに欠けない?他に何か盛り上げる小道具とかないの?」

剛史「時短肝試し」

理人「何それ?」

剛史「一人ずつまたは数人でトイレに行き、帰ってくる。
確かに行ったかどうかの確認のためにトイレットペーパーを10cmだけ千切って持って帰る。
その間はなるべく静かに移動する。
合間に気分を盛り上げるために怪談を話す。
持ち帰ったペーパーは後で水に流す。」

一護「何だそれ?トイレに行くだけじゃねぇか」

剛史「そうとも言う」

竜蔵「トイレ行くだけなのに複数で行ったって怖くも何ともねーだろ?」

春樹「やるなら一人ずつだね」

百花「えー、一人?」

理人「じゃあさ、百花ちゃんだけは誰かと組むってことで」

一護「トイレったって、すぐそこじゃねーか」

譲二「それなら、特別に二階のトイレを使ってくれてもいいよ」

竜蔵「よし、決まりだな」


☆☆☆☆☆

それから数日後、夕方からみんなクロフネに集まった。

今日はみんな親からここに泊まる許可も得て、早々に福の湯で入浴も済ませ、簡単な寝具も持って来ている。


竜蔵「さあ、やろうぜ。怪談話」

剛史「まだ明るい」

春樹「そうだよ、もう少し暗くならないと雰囲気がでないよ」

百花「今日はマスターと2人でちょっとしたごちそうを用意したから、みんなで食べようね」

理人「やった、百花ちゃんの手料理」

一護「ああ、剛史つまみ食いするなよ。っていうより、料理を運ぶのが先だろ?」

剛史「なかなかいける」

譲二「みんな飲み物は何がいい?」


 夏なので日も高く、外はなかなか暗くはならない。わいわいと騒ぎながら宴会が始まる。


理人「で、怪談を話す順番は?」

春樹「それと剛史の言うなんとか肝試しも…」

剛史「時短肝試し」

春樹「その順番も決めないといけないから…くじを作らないとね」

一護「今から作るのか?」

譲二「それなら、以前町内会で使った竹ひごのくじがあるから…ちょうど番号も付いてるし」

竜蔵「おお、ジョージ用意がいいな…。1から7番と…」

理人「7本じゃないでしょ。百花ちゃんは引かないんだから」

竜蔵「なんでだ?」

百花「その肝試し、私は1人でいくのが怖いから…」

一護「お前の顔を見ればお化けも逃げ出すだろ?」

百花「一護くんひどい!」

春樹「まあまあ、佐々木は真ん中あたりの3番の人と一緒に行くというのでどう?」

百花「うん、それならいいよ」

剛史「でも佐々木の順番は?」

春樹「その3番の人が終わった次に話して、それから2人で肝試しというのでどうかな?」

理人「うわぁ、頑張ろう」

譲二「それじゃあ、4番抜きの1から7番を混ぜてと…、俺が持ってるからみんな引いてくれる?」

剛史「マスターは?」

譲二「俺はみんなの残りでいいよ」

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理人「えっと、これ…うわぁ1番だ。サイアク」

竜蔵「5番、惜しい」

一護「…2番」

春樹「っと、6番か…」

剛史「7番、トリだ…」

一護「ということは3番は」

剛史「マスター」

理人「マスターばかり、狡い」

譲二「俺は何もしてないよ…。残り物には福があるというしね」

百花「マスター、よろしくお願いします」

譲二「こちらこそ」

つづく



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