恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

近づいていく2人の距離~その2

2015-05-15 08:19:40 | アリサ

この話はハルルートの譲二さんの「それぞれの道」の7年間の空白期間を埋める話をと考えて書き始めたものです。
ところが、書いて行くうちにハルルートの譲二さんの話からは外れ、全く違う結末のお話になってしまいました。
それで、upしたものかどうか悩みました。

二次創作の二次創作だし…。
ヒロインは娼婦だし…。
譲二さんは壊れてるし…。
不快に思われる方もいるかもしれません。

でも、一時お話をかけなくなった時期に書けるものを書こうと書き始めたのがこの話で、そういう意味では私を助けてくれた話とも言える。
アクセス数が減ってるということは読む人も少ないわけで、ひっそりとupするのならいいかなと思い公開します。
性描写もそれなりにあるので、18禁にしようかとも思ったけど、そもそもネットではそれを確かめるすべもないし。
だから、こういう話はダメという人は避けてくださいね。

上にも書きましたが、ハルルートの譲二さんの話から派生した物語なので、読んでない方は『それは突然の告白から始まった…』から『それぞれの道~その1~その5』あたりまで読んでもらえると、どうして譲二さんが壊れているのか…とかが分かると思います。

 

 

☆☆☆☆☆

近づいていく2人の距離~その2


〈アリサ〉

ジョージとデートの約束をした。

ジョージは仕事帰り、あたしは家から待ち合わせ場所に出かける。


6時にこの駅の噴水の前って約束なんだけど…。

ジョージと初めてのデートということで、張り切っておめかししてきた。

そして、張り切りすぎて、約束の時間より15分も前に着いてしまった。

約束の時間までにはまだ5分ある。

早くこないかな…ジョージ。

ジョージはお仕事があるから、そんなに早くは来れないかな…。

☆☆☆☆☆


???「ねえ、ひとり?」


後ろからかけられた声に驚き振り向いた。

声の主はちょっと軽い感じのする細身の若い男だった。


アリサ「人を待ってるから…」


あたしはそう答えると広場の時計を見つめた。

すでに6時を10分過ぎている。


男「さっきから見てたんだけどさ、もう20分以上そこで待ってるよね? もう来ないんじゃないの?」

アリサ「あたしが早く来すぎただけだから…。まだ5分くらいあるから…」


男は薄笑いを浮かべた。


男「ふうん…。でも、何度も時計を見てるよね? それとも、ナンパされるのを待ってるの?」


男が肩を掴んだので、必死で振り払った。


アリサ「あたしは人と待ち合わせをしてるんだよ!」


あたしの顔をニヤニヤしながら覗きこんでいた男がよろめいた。


???「嫌がる女の子にしつこくするのは、いい趣味とは言えないね」

男「なんだよ、テメー」


男が振り返るのと一緒にあたしも声の方を見た。

ジョージだ! 

走ってきたのか、少し息を弾ませている。


譲二「俺の彼女にちょっかいを出すのはやめてくれる?」

アリサ「ジョージ!」

譲二「遅くなってごめん」


男はジョージが自分よりも頭ひとつ高いので怯んだみたいだ。


男「ちっ! ねえちゃんが寂しそうにしてたから声をかけただけだよ」


そう捨て台詞を吐くと雑踏の中に消えていった。


譲二「待たせてしまってごめん…。帰ろうとした時に電話がかかってきて…。ずいぶん待った?」


心配そうに覗きこむジョージを安心させようとにっこり笑った。


アリサ「ううん。さっき来たところだよ」

譲二「そう? じゃあ、来てすぐにナンパされたんだ」


ジョージは面白そうに微笑んだ。

私が約束の時間のはるか前に来たことはバレバレみたい。


アリサ「うん。魅力的だからね」

譲二「ハハ、そっか。じゃあ、魅力的なお嬢さん、そろそろ行こうか?」


あたしはジョージが出した手をそっと握った。

すると、ジョージはあたしの手をしっかりと握って歩いてくれた。


レイトショーまでには少し時間があったので、近くのファストフードの店に入った。

こうして、ジョージと2人で外を歩くのは2人で家具を買いに行った日以来だ。

まるで…、本当の恋人みたい。あたしは舞い上がっていた。



映画館では、周りはみんな恋人同士だった。

あたしが恐る恐るジョージの膝に手を置くとその手をそっと握ってくれた。


帰りは2人で映画の感想を話しながら帰った。

もちろん、自然に手をつないで。


その3へつづく



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。