恋、ときどき晴れ

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譲二さんが帰ってきた!!~その4

2016-02-26 08:30:16 | 譲二の~勝手に3年後編(吉祥寺恋色デイズ)

前にも書いたけど、吉恋本家の譲二ルートの3年後編には色々と不満がある。

久しぶりに吉祥寺に帰ってきた譲二さんとのラブラブな話のはずなのに、新キャラの紹介に使われてたり、色々とモヤモヤするものがあって、私の思う『勝手に3年後編』を書いちゃいました。


『譲二の勝手に3年後編』の始めの部分は本家の『譲二3年後編』とほぼ同じです。

そして、時々本家のエピソードに重なるものも入れながら、少しずつ離れていき、玉の緒ワールドの譲二さんの話になってます。

航くんは出てきませんが、本家の『譲二3年後編』では出てこなかった、懐かしいあの人とかあの人とか出てきます。


だから、ネタバレも少々あるものの、譲二ルートの3年後編とはまた別のお話と思って下さい。





☆☆☆☆☆


譲二さんが帰ってきた!!~その4


〈譲二〉
クロフネに戻ってはきたものの、臨時休業や営業時間の短縮も多い。

数日後、夜遅くまで仕事をしているとノックの音がした。


譲二「百花ちゃん? どうぞ」

百花「忙しいのにすみません」

譲二「いいよ、どうしたの?」

百花「夜食におにぎり作ってきたんです。よかったら食べてください」


なんて、可愛いことをしてくれるんだろう。


譲二「ありがと。ちょうどおなかすいてたところだったんだ」

百花「あの…何か私にできることありませんか?」

譲二「え?」


思わぬ百花ちゃんの言葉に驚いた。


百花「今日も、予定よりも早くお店閉めちゃったし。明日も臨時休業だっていってたから…お客さんもがっかりしてました」


そっか…そうだよね。

お客さんにとっては、クロフネは再開したんだから、フルに営業してるだろうと思われるよね。

だけど、まだ茶堂院グループの仕事は引き継ぎが完全には終わってないし、長期のプロジェクトなんかはまだまだ俺が顔を出さないといけないものもある。

クロフネに帰ってくるのはちょっと早かったかもしれないけど、そんなことを言っているといつまで経っても帰って来れない。

現に百花ちゃんとは2年という約束だったのに既に2年は超えてしまった。


譲二「そうだよねぇ…でもしばらくはこの状態が続くかな」


俺の言葉を待ち構えていたかのように、百花ちゃんは「何か手伝いたい」と申し出てくれた。


花「譲二さんがここで仕事して、私が店番して…忙しい時だけ譲二さんに出てもらったり」


それはとてもありがたい申し出なんだけど…。

でも、そんなことは百花ちゃんにさせられない。

だって、百花ちゃんには大学の勉強がある。

今が一番肝心な時なんだから、俺のために百花ちゃんの手を煩われせたくはない。

そう言ってみたけど、百花ちゃんはなおも食い下がった。


百花「私、譲二さんのお手伝いがしたいんです」

譲二「今でも充分だよ。結構、百花ちゃんに色々お願いしちゃってるでしょ?」

百花「そんな…」

譲二「そんな心配そうな顔しないで。百花ちゃんは、夢に向かって勉強を頑張って」


俺のために百花ちゃんの夢を諦めさせたくはないんだ。

だから…。


譲二「今は、それ以外のことは考えなくていいよ」

百花「はい…」


なんだか不満そうな百花ちゃんを見てると愛しい気持ちがこみ上げてくる。


譲二「でも…」

百花「え?」

譲二「ちょっとだけ、充電させて?」


戸惑う百花ちゃんをぎゅっと抱きしめた。


百花「じょ、譲二さん!」


うん、百花ちゃんの匂いがする。

こんな風に抱きしめてるとまた頑張ろうって思えるんだよね。


譲二「俺はね、百花ちゃんがいればなんでもできちゃうから。悪者と戦うこともできるし、お姫様を守ることも」

百花「お姫様?」

譲二「そう。俺の…大事な大事なお姫様」


もっと抱きしめていたいけど、お姫様は大切にしないと…ね。

体を離すと、百花ちゃんの頭を優しくなでた。


こんなに忙しくて、店の営業時間がイレギュラーになるのも今だけなんだから。


譲二「百花ちゃんは気にしなくても大丈夫だから」


安心させるように呟いた。

 

『譲二さんが帰ってきた!!』おわり