今年に入ってすぐの1月5日に私は「日米安保と同時に締結された行政協定 えっ⁉ 司法まで売り飛ばしていたって ⁉」というタイトルで次の文章を紹介した。
『国立公文書館に行政協定に伴う各種文書が保存されている。ほとんど極秘の印が押されているらしい。そのなかから、第17条(行政協定)、第18条(行政協定)という部分を散見すると、こんな文章が見られる。
≪・・・・合衆国の軍事裁判所および当局は、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族が日本国内で犯すすべての罪について、専属的裁判権を日本国内で行使する権利を有する。・・・・・≫
≪・・・・・日本国の当局は、合衆国軍隊が使用する施設及び区域外において、合衆国軍隊の構成員若しくは軍属又はそれらの家族を犯罪の既遂又は未遂について逮捕することができる。しかし、逮捕した場合には、逮捕された一又は二以上の個人を直ちに合衆国軍隊に引き渡さなけければならない。・・・・・≫ 』
≪・・・・合衆国の軍事裁判所および当局は、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族が日本国内で犯すすべての罪について、専属的裁判権を日本国内で行使する権利を有する。・・・・・≫
≪・・・・・日本国の当局は、合衆国軍隊が使用する施設及び区域外において、合衆国軍隊の構成員若しくは軍属又はそれらの家族を犯罪の既遂又は未遂について逮捕することができる。しかし、逮捕した場合には、逮捕された一又は二以上の個人を直ちに合衆国軍隊に引き渡さなけければならない。・・・・・≫ 』
ところで、DIAMOND on lineで次の記事が配信された。
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【社説】日本で刑に服す米海軍大尉
悲劇的な事故をめぐる厳しい処罰には2国間の解決が必要
(The Wall Street Journal発)2023.1.11
日本の新たな国家防衛戦略は、アジアが第2次世界大戦以降で最も厳しい安全保障環境に直面していると警告している。日米は中国を抑止するために協力しなければならず、同盟に亀裂が生じれば、中国を利することになろう。このため、日本の刑務所に収監された米海軍大尉を帰国させて、拡大しつつある対立を修復するために日本政府の支援を求めることには価値がある。リッジ・アルコニス大尉は、横須賀基地を拠点とする誘導ミサイル駆逐艦「ベンフォールド」に配属されていた。同大尉は2021年5月、富士山への家族旅行からの帰路で運転中に意識を失った。その結果起きた衝突事故で2人の日本人が死亡した。
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また、STARS and STRIPESではアレックス・ウィルソンの署名入りで次のように報じている。
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上院議員(マイク・リー議員)は、日本は横須賀刑務所から海軍将校を釈
放する取引に反したと言います
・・・・・・カリフォルニア州クレアモントのアルコニスは、2021年5月に日本人<>人が死亡し、<>人目が負傷した過失運転の罪で<>年の刑を言い渡されて<>か月になります。静岡地裁は<>年<>月に判決を言い渡した。 リーは、当時横須賀海軍基地の駆逐艦に配属されていたアルコニスは、裁判前の逮捕中に虐待されたと述べた。「彼は26日間独房に監禁されました。その間、彼は重大な事故に遭ったばかりで、夜中ずっと激しい尋問戦術にさらされたにもかかわらず、弁護士へのアクセスを拒否され、適切な翻訳者へのアクセスを拒否され、適切な医療を拒否されました」とリーは上院で述べた。日本海軍のスポークスウーマン、ケイティ・セレッソ中佐は木曜日、リーの演説に直接コメントすることはできないと述べた。しかし、彼女は、アルコニスが公判前の監禁中に彼の指揮系統のメンバー、彼の妻と彼の日本人弁護士によって14回訪問されたと言いました。リーはツイッターで岸田にアルコニスの釈放要求に応じるために48時間を与え、その後期限を24時間に短縮した。期限は過ぎたが、首相からの返答はなく、首相官邸は李氏の発言についてコメントしなかった。日本の政府関係者の中には、匿名を条件に記者団と話すことを義務付けられている人もいます。・・・・・
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翻訳文なのでややわかりずらいが、要は、2021年5月に2名を死に至らしめた交通事故を引き起こした犯人が不当に日本に拘留され続けているので、即釈放しろ…ということらしい。そこで思い出すのが日米安保と抱き合わせの行政協定だ。国防権、電波権、制空権を売り飛ばしていたというのはほぼ常識だが、司法まで売り飛ばしていたという訳だ。それが現在こんな形で表面化している。
(文責:吉田)