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新堀川を塞ぐ工事の差止請求裁判が始まったが、いきなり終結を言い渡されている。正直、困った。。。
県と市には事前に問い合わせていたが、県市が新堀川暗渠化に合意したという具体的書面は見当たらないと説明されていた。ところが、裁判が始まると平成14年の知らない書面がでてきた。これでは後出しジャンケンであり裁判にならない。
以下は、裁判に出した準備書面
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平成22年(行ウ)第1号 河川暗渠化工事差止請求事件
原 告 藤 島 利 久
被 告 高 知 県
平成22年5月20日
高知地方裁判所 御中
原 告 藤 島 利 久 印
原告 第1準備書面
第1. 被告答弁書の「本案前の申立」に対する反論
以下に示すように、本件訴えが訴訟要件を欠く不適法な訴えであるとは言えないから、速やかに、本案の議論に移行すべきである。
1. 被告は、答弁書2㌻下段で「原告が請求の対象としている行為は、本件工事そのものであり、その法的性質は、建設工事請負契約に基づく事実行為であって・・・」とし、本件請求が「差止の訴え」(行政事件訴訟法37条の4の1項)の要件を満たしていない旨主張する。つまり、被告は「本件請求に係る処分不存在」を言う。
2. 正直なところ、原告も本件請求の趣旨を構成する際に悩んだ。広島県福山市の「鞆の浦訴訟」が「(当該)公有水面の埋め立てを免許する処分をしてはならない。」という請求であったように、本件工事は、新堀川の暗渠化を伴うものであるから、本来であれば「新堀川の暗渠化を免許する処分をしてはならない。」とするべきであろう。ところが、この新堀川暗渠化に係る免許申請は怠られ、既に工事は始まっていたのである。
3. 被告高知県は、本件工事に先行して、次の法令に基づく高知市長の許可を求めなければならない。
○高知市法定外公共物管理条例(平成17年1月1日条例第42号)
第4条「法定外公共物について,次に掲げる行為をしようとする者は,あらかじめ市長の許可を受けなければならない。当該許可を受けた事項を変更しようとするときも,また同様とする。」
(1) 法定外公共物の敷地を占用すること。
(2) 法定外公共物の敷地内において,工作物等を新築し,改築し,又は除却すること。
(3) 法定外公共物の敷地内において,掘削,盛土,切土その他土地の形状を変更すること。
(4) 法定外公共物の敷地内において,土石その他の産出物を採取すること。
(5) 前各号に掲げるもののほか,法定外公共物の現状に影響を及ぼすおそれのある行為をすること。
4. 被告高知県担当課(都市計画課)に問い合わせたところ、『近年、許可申請はしておらず、過去の合意を延長する形でやっている。』という説明であった。とすれば、本件工事を含む一連の都市計画が高知市に容認された平成9年頃の合意が延長されているとの考えであろう。然るに、10年以上も前の合意が無条件で延々と更新されるはずもなく、既に失効していると考える方が妥当である(この期間延長を認める当時の書面があれば被告高知県が提出するべきであるが、存在しないだろう。)。
5. ここに至って原告は、本件請求を構成するにあたり、被告高知県のあまりにも杜撰な公共事業の事務処理に惑わされる必要はないと考えた。前述の如く、本来であれば、高知市を被告として「新堀川の暗渠化を免許する処分をしてはならない。」との裁判を提起するべきであろうが、被告高知県からの処分申請が無い事実に鑑みれば実効性が無い。また、現状では被告高知県が新堀川暗渠化を許可する処分を自らに与えている関係にあると考えられるから、被告高知県を被告として本件工事の直接差止(無許可の暗渠化工事の差止)を求めたのである。
第2. 補足
1. 本件工事に係る都市計画は、平成9年頃に被告高知県が高知市に対して提示し、此れを高知市が容認する形で合意決定されたと記憶しているが、道路建設など公共事業をめぐる諸条件が著しく変化するなか、当時の合意が漫然と継続されているという被告高知県都市計画課の論理は、既に破たんしている。
2. 被告高知県は、本件工事予算を審議した県議会の前に、新堀川暗渠化に係る許可を高知市に求めなければならなかったと言える。この許可申請行為があれば、原告は高知市を被告として処分しないことを求めることが出来た。然るに、同許可申請が無い状況においては、不服申し立ての機会が奪われたに等しい。結局、被告高知県と高知市の行政間において、非合法的河川暗渠化処分が県民市民不在で強行されていると言わざるを得ない。極めて遺憾である。
3. そもそも、新堀川は、戦国時代の土佐の覇者であった長宗我部元親の命により、その支配下にあった民衆(現在の高知県民市民の先祖ら)によって高知城下町を造るための資材運搬水路(運河)として築造された。以後四百数十年の長きに亘り、民衆に「河川」として認識・管理されてきた。故に、此の新堀川を道端の水路と同様に蓋をする処分の許可について、たかだが数年間高知市長を務めた者が裁量権を有するはずもない。つまり、総合的見地からして「新堀川の暗渠化を許可する処分」という行政行為自体が存在し得ないとも言えるのである。
以上の次第である。