こっちゃんと映画をみまちょ♪

レビューと呼ぶほど中身なし。しかし中身が無いのも中身のウチよのぅ。・・・なんちって。

マイ・ブラザー (2004)

2005年06月19日 | いかすMovie

こっちゃんポイント

鑑賞環境

★★★★

映画館

上映時間 112 分
製作国 韓国
公開情報 UIP
初公開年月 2005/05/28
ジャンル ドラマ/青春

ソンヒョン(シン・ハギュン)とジョンヒョン(ウォンビン)の二人は、性格が正反対の兄弟だった。頭がよく、成績も学年トップの兄と、乱暴で毎日喧嘩に明け暮れる弟。ジョンヒョンは人気者の兄が疎ましく、反抗するかのように不良グループと付き合っていた。高校を卒業すると、兄は医大に進学、ジョンヒョンは浪人生となった。そんな時、母親が自分の店を出すために貯めたお金を、不動産会社が持ち逃げしてしまう。母親を助けようと、ジョンヒョンは借金取立ての仕事を始める。次第に危険な男達とつきあうようになった弟を、兄は止めようとするが・・・。
(作品資料より抜粋)




ここ最近、韓流ブームも幾分治まってきた感もありますが、まだまだ良い韓国映画はあるもので。チョット感動の映画と出会いました。 韓国には他にも邦題で”ブラザー”が付く映画があります。「ブラザーフッド」「オー!ブラザーズ」なんかがそれですが、この「マイ・ブラザー」はその2作品に比べると、より自然でストレートな兄弟の姿を描き出しているように感じます。

父は早くに病死し、母は一人で病気を持つ兄とヤンチャ坊主の弟を育てる。成長して行く過程で性格が正反対に育った兄弟。 兄の病気は唇の上が二つに割れてしまうというもの。この病気を幼い頃から持ち、何度も手術を受けてきたようです。

母はそんな兄のために手術代を貯めようと、節約をしながら金貸し業に精を出す。一方で、五体満足に生まれ育っているはずの弟は、兄だけが特別扱いされているように感じひがむ。だから弟は兄を決して「兄さん」とは呼ばない。そしてそんな気持ちを態度にも表します。

兄が母から買ってもらった偽バーバリーのジャケットを横取りしたり、二人で乗るように言われ与えられた自転車を、一人で乗って学校へ行っってしまったり。とにかく力関係は弟の方が上。でも、そうは言っても兄弟なんですよね。この兄弟の間には言葉だけでは語れない兄弟愛っていうのが、ちゃぁんと存在するんですよ。

ある女子高生を巡って同じ学校の不良と喧嘩になったとき、ボコボコにやられそうになる弟を助けようと、ひ弱な兄は恐れず不良に食いかかり逆にヤラレてしまう。そして今度は弟が兄を助けようと、ブロックの塊で不良の頭を一撃!結果的に、不良の男子生徒は大怪我を負ってしまうのですが。
どんなときも毅然とした態度で息子達を見守る母親が良いですね。その後で二人の息子に言った言葉がスゴイもの。

 「今度もし一人がやられるようなことがあったら、必ずもう一人が助けなさい。それが兄弟というものよ。」

すべてはこの言葉に集約されています。それは、当然ながら暴力肯定なんていうバカげた発想ではなく、『兄弟』のつながりが持つ本当の意味であると、しっかり伝わってきますから。

この映画の良いところは、決して暗く湿っぽくなり過ぎず、生き生きと明るいタッチで二人の姿が描写されている点。弟役のウォンビンはこの撮影の後、兵役に入ってしまいましたが、ここでの熱演ぶりは眩いばかりの輝きを放ちます。一時映画界を去るにあたり、出し惜しみをせずありったけをぶつけてくれた感じがして、観ているこちら側もとても気持ちが良いのです。
兄役のシン・ハギュン母親役キム・ヘスクも上手いですよね。ヤクザの兄を持つ女子高生役イ・ボヨンは今作が映画初出演。ヒロインとしてちゃんと華を添えてくれました。

兄との思い出の場所で、弟が最後に語る兄への本当の気持ち
出来上がった兄の写真を見て口にする「ぼくのお兄さん」という言葉。
そんなシーンに胸が詰まり、思わず涙がホロリ
男性、女性を問わず多くの観客が泣いてたようです。

タイトルやテーマのイメージから、「これはオトコの映画かな?」と思っていましたが、決してそうではありません。
ウォンビンという俳優を知るにも良い作品だと思いますよ。

《2006.07.10記事一部改正》


【作品】 マイ・ブラザー