こっちゃんポイント
鑑賞環境
★★★★★
こっちゃんシアター
上映時間 181 分 製作国 アメリカ 公開情報 Uni=UIP 初公開年月 1998/12 ジャンル ロマンス/ファンタジー
大富豪パリッシュ(アンソニー・ホプキンス)のもとに突如客がやって来た。ジョー・ブラック(ブラッド・ピット)と名乗る彼、実はパリッシュを迎えに来た死神で、ついでにパリッシュを案内人にして人間の世界を見に来たのだった。娘のスーザン(クレア・フォラーニ)は彼の姿を一目見るなり驚く。ジョーは街で意気投合した青年にそっくりだったからだ。それもそのはず、ジョーは死んだその青年の肉体を借りてこの世界に降りてきたのだった・・・・。
(goo映画より)
「死神」なんて呼び方を久々に耳にしました。1998年の作品ですから、ご存知の方も多いでしょう。っていうか、知らない人の方が少ないですよね?天下のブラピさまですから。(笑)
部屋の片付けていたらこのDVDが出てきたので観てみました。(やっぱり安易だわ)
さてさて、”地上に降りた最後の天使”なんてフレーズは、歌にもなるくらいサマになるものですが(君の瞳は10000ボルト?)、この映画はちと違いますよぅ。なんたって舞い降りたのは「天使」なんかじゃなくて「死神サマ」ですから。いつの時代でも歓迎されませんよね、彼。ところがあろうことかこの映画では、やたらめったら美しいお姿で登場します。そうブラピ様の姿を借りて。
世間では「ブラピ・ファン向け映画」とか「おすぎさん専用」なんて酷評らしき(?)コメントを多数見かけましたが、いえいえ、そんなコトはございません!この映画、実に美しいストーリーを持つ人生賛歌とも言える名作です。まだ観てないなんて方がいたら、こっちゃんの頭のおかしな感想文なんか読んでる場合じゃないですよ!とっとと、レンタルコーナーへ急げー!です。
ともあれ、65歳の誕生日を目前に控えたアンソニー・ホプキンスのもとへやって来た、死神ブラッド・ピット。「お迎え」に来たアンソニー以外には正体を明かさず、「アナタが死ぬまでの間 人間のことを学びたい」と言出だします。食事の仕方、ネクタイの締め方に始まって、ついには人生最大の醍醐味である恋する感情までをも味わう死神...。
ちょっぴりブラックな設定ですが、とっても夢のある良い話だなぁと思うわけですよ。だって、相手は死神。寿命の来た人間を無理やりでも「あの世」へ連れ去るのが「彼」のお仕事。なのにそんな彼が「この世」で生きるということの素晴らしさを学び取って行くだなんて。
素敵でしょ?
はじめは固く無表情な「死神」が人生の喜びに触れてゆくうちに次第に笑顔を見せ始める。もう、それだけでグッ!ときちゃいます。そうそう「あの」名場面。初エッチの後に「ピーナッツバターよりも良かった」なんていう彼の言葉ね。(ポッ)この映画ならではの名台詞ですね。
この映画のブラッド・ピット。彼の作品群の中でも特に光る美男子ぶりが素敵です。クレア・フォーラニの憂いに満ちた眼差しも魅力的。アンソニー・ホプキンスの顔のシワにも人生を感じる。素晴らしいメインキャストに加え、長女アリソン役のマルシア・ゲイ・ハーデンの名演技にも感動しました。そういえば彼女の出演作で、「この森で天使はバスを降りた」を観たばかりですが、そちらでも良い演技を披露してくれていました。
ラストの美しい花火を見ながら泣く死神のシーン。その美しさにため息が出てしまう。
そしてその後のブラピとクレアの会話に、やはり泣かされてしまいました。
バックに流れる【What a wonderful world】と、【Over the rainbow】が良いですね。
去りがたい それが『生』だ...
心から素晴らしい言葉だと思います。最後までそう言って死んでゆけるような人生を送りたいですね。
《2006.07.09記事改訂》