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こっちゃんと映画をみまちょ♪

レビューと呼ぶほど中身なし。しかし中身が無いのも中身のウチよのぅ。・・・なんちって。

シン・シティ (2005)

2006年06月28日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★
鑑賞環境 こっちゃんシアター
上映時間 124分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開
(ギャガ・コミュニケーションズ)
初公開年月 2005/10/01
ジャンル サスペンス/アクション/犯罪
映倫 R-15

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<EPISODE 1>
その屈強な肉体と醜い容姿から誰も近づこうとしない仮出所中のマーヴ。彼は、一夜の愛をくれた高級娼婦ゴールディを何者かに殺され、復讐に立ち上がる…。

<EPISODE 2>
罪から逃れるため過去を捨てシン・シティに身を潜めるドワイト。ある時、昔の恋人ゲイルが仕切る娼婦街で警察官が殺されるトラブルが起こる。発覚すれば警察との協定は破棄され、娼婦たちは窮地に陥る。彼女たちを救おうと一肌脱ぐドワイトだが…。

<EPISODE 3>
街の実力者の息子を相手に正義を貫くハーティガン刑事。しかし、相棒の裏切りに遭い無実の罪で投獄される。8年後、出所した彼はかつて救い出した少女ナンシーに再び危機が迫っていることを知り、最後の戦いへと向かう…。

(作品資料より抜粋)

この街で生きてゆく自信はありましぇん。

「この街では愛さえも闘い___。」

だって、何もかもが力ずくで決まってしまう。
血を流さずして生きては行けない街なのです。

まるでスクリーンで読む過激なバイオレンスコミックのよう。
「おかーたま。転んで血が出ちゃったよぉ。痛くて死んじゃうよぉ~。」
そんなヘタレッ子が観るには、あまりに過激な映画です。
良い子のボクはもっと強くなってから観ましょうね。

画面の大半はモノクロですが、そこに薄っすら色が乗ったり、微妙な部分にハイライトが当たったり。
ドレスや口紅だけがギラついた赤で描かれたりもします。

このセンスがあまりにカッコ良くて、すっかりハマってしまいまスた!

ところが!肝心の部分が赤くない!そう、フェラーリ。
そこを赤くせずして何を赤く塗る?と言いたくなるのはこっちゃんだけでしょうか。

全編的には「作り物」感をわざと前面に打ち出した感じがありますが、
そこでまたソソっちゃろうという狙いも見えます。
気がつけば心はもう、この街から抜け出せなくなっていました。

この映画のミッキー・ロークがとにかくスゴくて、これこそが真の素顔にも思えてきます。
デヴォン・青木だって、いつも日本刀を携帯し歩き回っているようにも思えてくるほど自然です。
イライジャ・ウッドに至っては、これもしかして私生活?てな具合です。

どこか不思議なカンジ漂うバイオレンス映画。
シン・シテイ(罪の街)とは良く言ったものです。

罪な街を舞台にした罪な映画だわぁ。

それにしてもよくもまぁ、良くぞここまで役者を揃えたものだと感心させられました。

 

【作品】シン・シティ

 


M:i:III (2006)

2006年06月26日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★

鑑賞環境  試写会 
上映時間 126分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開 (UIP)
初公開年月 2006/07/08
ジャンル アクション/サスペンス

スパイを引退したイーサン・ハント(トム・クルーズ)は教官となり、婚約者のジュリア(ミシェル・モナハン)と幸せな日々を過ごしていた。

しかし教え子リンジー(ケリー・ラッセル)の危機を知らされた彼は、現場に復帰。リンジーの救出作戦に参加するが、彼女は頭に仕掛けられた爆弾で死んでしまう。その後、一連の事件の裏に闇商人オーウェン・デイヴィアン(フィリップ・シーモア・ホフマン)がいることを知ったイーサンのチームは、デイヴィアンを秘密裏に確保すべく、一路バチカンへと向かうのだった…。


(goo映画より抜粋) 

愛する妻を救うため。上海の通りを疾走するイーサンを見て思う。
トムさんの全力疾走って、なんか面白いよねっ。(>∀<)クワッパ!

いきなりですが、この映画『M:i:III 』大好きらー!\(≧∇≦)/ ウキャキャ!

シリーズ映画第一弾の『ミッション・インポッシブル』も好き。その雰囲気全部が好きでした。
”極秘任務”を全うするというスパイ稼業にも惹かれたし、そんな裏任務には当然のごとく裏切りや罠が存在していて、「ああ。もう絶対絶命~!」なんて場面に追い込まれる感覚がもう最高!
たまりませんわのコロコロリンなのですッ(マカロニほうれん荘か!)

ま、とにかくね。この第三弾『M:i:III 』は、前作『M:I-2』が良かった人も、ダメだった人も、騙されたと思って観てみてみてちょーだい!って感じの映画です。

退屈するヒマなんてありません。てか、忙しすぎます!主人公イーサン・ハント(トム・クルーズ)にとっては、まるで盆と正月がいっぺんにやって来たかのような忙しさなのでありますよ。次から次へとまあタイヘンの連続です。

今回シリーズの新作を作るにあたって、監督をJ・J・エイブラムス氏に任せたのは大正解ではないでしょうか。

J・J・エイブラムス J.J. Abrams 
 (1966/06/27生まれ アメリカ/ニューヨーク州ニューヨーク出身)

TVプロデューサーの父の影響で幼い頃から映画製作に興味を持ち、大学時代には創作活動を精力的に行う。俳優として出演歴もあるが、脚本や製作業に力を入れ、1990年の「ファイロファックス/トラブル手帳で大逆転」で脚本家デビュー。「フォーエヴァー・ヤング/時を越えた告白」や「アルマゲドン」などの大作も手掛ける。TV界にも進出し、「フェリシティの青春」、「エイリアス」、「LOST」と人気シリーズを生み出す。(資料より抜粋)

この方、今全米で最高のストーリー・テラーとして注目を集めているそうですね。
いやいや。それはこの新作映画をみれば、ごもっともな評価と頷(うなず)けます。
オモロイもの作りますねー。

実はね、「1」が好きなこっちゃんも、ジョン・ウー監督の「2」は好きじゃない。あれってなんかね・・・・少なくても自分が欲しかった路線と違った気がしました。ジョン・ウーとトム・クルーズ二人のカッコつけ志向が、相乗効果となって見事に表れたような作品。それがこっちゃん的には、完全に裏目に出てしまったというか。ジョン・ウーのスタイル重視のカッコツケ演出が、とても鼻についてしまったんですね。

だからね、この新作『M:i:III 』も「内容は期待せず、音響と映像を楽しもう。」程度に割り切っていました。それで良いのだこの映画は、とね。観る前から過剰な期待は禁物です。ただでさえシリーズ三作目なんだから。ジリ貧の可能性のほうが強いんです。ヘタすればネタの新鮮味よりも、マンネリ度の方が顔を覗かせる危険性を十分孕(はら)んでるワケですから。

アクションがそこそこ目新しければそれでエエか、と。

それが・・・・・。     なんと・・・・。   いやいや・・・・。  ・・・・えぇぇっ!

面白い! オットォ!(・o・ノ)ノ とにかくおもろかったんです!

なんでしょーか?!シリーズ第三弾にしてこのハラハラ感わ!これが編集の巧みさってヤツなんですね。圧倒されてしまいました。上手いですッ!完全にこっちゃん好みの作りですね。まったく嬉しい方向に予想を裏切られてしまいました!まさかこんなにのめり込めるとは思ってもみなかったんです。

映画は、冒頭いきなり捕らえられ自由を奪われたイーサン・ハントがアップで登場。そして目の前には同じように縛られた愛する妻の姿が。全く意味不明な状況からの映画スタートです。ただ分かるのは、彼が大ピンチだということ。

悪夢を見ているのだと信じたくなるようなそんな状況で、イーサンは自白を迫られています。

「・・・”ラビットフット”はどこだ?」、と。

しかし、イーサンは口を割らない。てか、本当に事実を知らないんじゃないか?でも答えなければ目の前の妻が銃殺される!悪者は数を数えはじめます。「1・・・、2・・・、3・・・」そして「10」を数えるとき銃声が!

バぁーーーン!!!!!! Σ( ̄ロ ̄lll) アアッ!

しかしその後、「続き」を明かさぬまま場面はいきなり回想シーンへ・・・。
一巡してこうなるまでの過去を遡り、再びこの場面に戻ってくるというわけ。

この映画の過激なアクション・シーンの一部を、すでに「劇場予告編」で目にされた方も多いでしょう。橋の上でヘリのミサイル攻撃を受け、手前のクルマは吹き飛ぶ。その爆風で飛ばされるトムさんは別なクルマのボディに叩きつけられる!(画像上)しかしこんなアクションは、ほんの序の口です!Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン!

まぁ、次から次へ、出るわ、出るわ、で。息もつかせぬ展開の中に、数々の激しいアクション・シーンに心拍数増大。それがまた、ごく自然の流れで場面場面に差し込まれるもんだから、アクションが浮いて見えない。

前作を観てちょっと映画シリーズに失望していたこっちゃんでしたが、この新作『M:i:III 』は、前作のイメージ・ダウンまで完全に払拭してくれました。

宣伝チラシには「『ミッション・イン・ポッシブル』のサスペンス+『M:I-2』のアクションを融合させた」なんて書いてありましたけど、実際これはもう”別物”と呼びたくなるほどのパワーアップ感があります。

お陰で、こっちゃんの中ではこの『M:i:III 』がシリーズ中最も好きな作品となりました。
それくらい楽しめたわけです♫

のめり込めるストーリーあり。適度に先の読めるサスペンスあり。お約束の裏切りあり。納得のキャストによって、どこまでも転がるこの展開。変装グッズ、自動消滅メッセージなど、ミッション・インポッシブル、オリジナルの道具ネタもチャッカリ織り交ぜながら、観客を存分に楽しませてくれます。

ひとたび、ミッションが始まったときの手際良さも、なかなかの見どころです。まぁお見事ですから!

とにかくテンポが良いので、ホイホイと話が進みますよ。2時間6分という上映時間を「あ、普通だね」なんて思っていましたが、「2時間てこんなに色んなこと出来るの?」というほど話が進みますからね。

しかも驚くのは、これだけのボリュームのネタを詰め込んでいるにも関わらず、絶対に観客の感覚をパンクさせない。この手腕は大したものです。回りくどい説明なんて一切ナシ。それでいて観客を突き放さず、置いてきぼりにしないというのはホント素晴らしいと思うわけですよー。

なんだかね、最近すっかり名が売れて、その後自分の作風に酔いしれている監督さんの作品を良く観ているような気がしますけど。(笑)そんな中、この『M:i:III 』のJ・J・エイブラムス監督の作風からは、常に観客の視線を気にしていてくれているようなものを感じました。サービス精神が旺盛なんですね、この人。一人上手に終わらないっていうか。

それとこの映画を観てやっぱり思ったんですけど、こっちゃんの場合アクション映画って言っても、やっぱりストーリー的に好みに合わないとダメみたいです。「スゴイアクション」だけでは、みんなと同じように熱狂できない身体にいつの間にかなってしまっていました。(いつからやねん!)

「アクション映画でも、アクションはあくまで添え物。」
そういう作りが何だか最近は心地良いんですよね。(*´ー`*) ま、そんなワケで、ハリウッド・アクションにちょっと飽きてきていたこの時期に、とても楽しい映画に出会えたことを嬉しく思います。

それと今回の『M:i:III 』はキャスティングも良かった!

中でも、フィリップ・シーモア・ホフマンの悪役ぶりがとてもグッ!悪者はやっぱこうでなくっちゃ!ってカンジです。声といい、顔といい、態度といい、憎たらしさ満開花盛り。武力まで背後につけるこのふてぶてしい男相手になら、トムさんがピンチになっても当然というところ。「まったくとんだヤツを敵に回したものだ」と思わせてくれますからね。

あと、トムさんの新妻役のこの人。ミシェル・モナハン。このキャスティングは密かに嬉しかった♫ 彼女って、まだ30歳なんですね。(2006.06.25現在)随分大人に見えますが。やっぱりこのキャスティングはトムさんの趣味でしょう?(笑)

ダイアン・レインか、ミシェル・ファイファーかという彼女の顔立ちは知的でもあり、時折り可愛らしい笑顔を覗かせたり。この人のためならイーサンが現場から退き、教官になり下がった理由に納得。ある意味、説得力がありますね。(笑)・・・とにかく、この映画にはヨカッタんじゃないでしょうか。

あ、他にも良いキャストが多数出演ですからね。

ちなみに、前二作を観てなくてもこの映画はOKに思いました。話はちゃんとこの映画だけで始まり、そして完結します。こっちゃんはこの新作のお陰で、どんどんシリーズ化を続けて欲しい気分にはなりましたねぇ。二代目、三代目のイーサン・ハントが登場してもまた面白いでしょうね。大いに今後を期待します!

ところで・・・「ラビットフット」って、結局なんだったのか?
この映画では最後までその正体が明かされません。
イーサンがこのままスパイ稼業を辞めなかったら、ボスが教えてくれるそうですが・・・。
ホントかな? 

気になるところを一つ残す。それがまた心憎い演出といったトコロなのでしょうか。

《2006.08.30記事一部改訂》

【作品】M:i:III

 


カーズ【字幕版】 (2006) 

2006年06月22日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★

鑑賞環境  試写会  
上映時間 122分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開 (ブエナビスタ)
初公開年月 2006/07/01
ジャンル ファンタジー/アクション/コメディ

カー・レースの最高峰ピストン・カップに出場する若きレーシングカー、マックィーン(声:オーウェン・ウィルソン)。新人ながら天才的な実力と圧倒的な人気を誇る彼は、優勝まであと一歩のところまで登りつめていた。ところが次のレースの開催地へ向かう途中、マネージャーとはぐれたマックィーンはルート66沿いのさびれた田舎町へ迷いこんでしまう。突然のハプニングで気が動転し、町の道路をメチャクチャに破壊してしまった彼は、道路の補修を済ますまで町に足止めされることに…。

 

 

(goo映画より抜粋)

キャラクターは”子供向け”。ストーリーは”やや大人向け”。
そしてこの画(え)は”職人”こそがなせる技・・・。

腰抜かしながらカンドーだあ!

その昔、実写的観念と相反する世界のごとく誕生したアニメーション。

そこにあるものをカメラで捉えるのではなく、絵コンテからセル画を起こし、フィルムに焼き付けます。この作業の繰り返し。そうして出来上がった作品はあ~ら不思議!出来上がった画面の中で、様々なキャラたちが元気いっぱい駆け回ってる。誠、不思議な世界。だってね、そもそも人が描いた絵が生きてるかのように動くのですから。「これを”魔法”と呼ばずして何と呼ぶ?」という気持ちにもなるわけです。

そのアニメ文化は「いつかは消えるもの」と、勝手ながら思とりましたが、これがなんと!意外にも今日に至っても消えることなく、毎年、毎年、確実に数本は新作が発表されているわけでございます。特にそのアニメの中でもCG(コンピューター・グラフィックス:computer graphics)を用いて作られた作品においては、新作が出るたび「わお!」と声を漏らさずににはいられないほどの出来栄えを見せ付けてくるワケでして・・・。もうスゴイですね、ほんと。驚きの映像レベルが、まるでポップコーンが跳ねるようにポンポン飛びだすんだから。
中でも、ドリームワークス、ディズニー・ピクサーの毎年の技術向上は特筆に価するものだと思うわけです。

CGとはいえ、当然ながらセル画アニメ同様、モトは上図のような絵コンテが存在するのすが、それを画として仕上げる道具にコンピューターを使用する。古いタイプのこっちゃんなんかは、「コンピューター = 所詮、冷たい(血の通わない)もの」なんてイメージをまだ心のどこかで持ってたりもするのですけど、こんな映画を目の当たりにされたら、「めちゃめちゃ人肌じゃん!」という言葉も出るってもんです。

血が通わない?いいえ、いいえ。ブルンブルン首を横に振らざるを得ないのですよね、さすがに。

そんなワケで、ディズニー・ピクサーの最先端技術を駆使して作られたCGアニメ『カーズ』は、もう息を呑むほどの美しさでして。その艶(なまめ)かしさときたら。お話だって、現実の世界ですら探すのに骨が折れるほどの暖くもりが、シッカリと込められていました。

いいですよ、これ。

実は、今回の試写会は、【字幕版】での上映だったのですが、上映前に会場を見渡すと、周りには小さなお子ちゃまがいっぱい。トイレなんか、まるで遊園地のような盛り上がりようです。

(* ̄◎ ̄*)コラコラ! シズカニシナサイ。

まぁ、どちらかと言えば、こっちゃんが子供たちの間に入れてもらって観せてもらったような感じでもありましたが、【字幕版】でお子ちゃまたちが理解できるわけがない!という読みをこっちゃんは観る前から持っていました。

フッ、勝ったな。( ̄ー ̄)ニヤリ ←子供相手に本気モード

でもね、いざ上映始まったらみんなちゃんとお利口に観てるし・・・あれ?┌|∵|┘ナンデヤ?

何故だか分かりました!
このキャラクターってあまりにもフレンドリーでユニーク、コミカルでオバー・アクションじゃん!
ハッキリ言って、字幕なんか読まなくても楽しめるってモンです。

じゃあ、というワケで、あえて”大人的に”誉めさせて頂けば(まだ張り合ってる)、今までのクルマ・キャラって、ヘッドライト部分を目玉にするのが“定番”ちゃー定番だったでしょ?でもね、この『カーズ』は違うのだー。

フロント・ウィンドウにパッチリお目目が描かれてる!(笑)パチクリ、パチクリって、目蓋(まぶた)まであるんだよ。これが意外に新鮮なのね。顔の表情がより一層ユニークに見えちゃうんです。
そうなると当然、フロントのインテーク(空気取り入れ口)がお口になってくるワケで。ガハハと大口で笑ったり。しかめ面をしたかと思えば、ニヤリとイタズラま微笑みを浮かべたり。あ、中には出っ歯までいましたね。(笑)
とにかく表情豊かです。

でね、この映画に人間は一人も出てこないの。右を見ても左を向いてもぜ~んぶクルマ。で、そのクルマたちは各々心を持ち、自由に歩き回り会話する。ボディは鉄で出来ているはずなのに、時には人肌のような温もりを感じさせ、タイヤは手足のように自由自在な動きを見せます。

ああ、これぞまさしくディズニーだ!夢があるなぁ~。(*´ー`*)ステキナノジャ♪

恐らくこの映画の凄さを語るなら、冒頭いきなり始まるレースシーンだけでもぅ十分でしょう。とにかく細かいこの設定。クルマ自体には大胆なデフォルメを施しながらも、細部にはトコトンコダワル。決して手を抜かない職人魂に驚愕します!

いったい、これほどの作品を仕上げるのにどれほどの時間を費やしたというのでしょうか?!これはもう神業に近いとすら思える偉業ですよッ。

と、と、とにかくね・・・・美術的にだけ観ても、圧倒的な美しさを持った作品です!現実を超えた質感がここにはありますね。こっちゃん的にはこの美術的なスバラシさをイチオシしたいところです。これはスクリーンで観て大正解の映画ですよ。きっと、皆さんの中には「アニメだからDVDでいいや」って思う人多いかもしれませんけど、こういうのこそスクリーンで観るべきだと思います。 

ルート66を中心とした夕焼け、夜の景色などの背景も美しいですが、それ以上に美しいクルマのボディの輝き・・・・。

だって、だって、だってね。ボディに周りの景色が映り込むんですよ!たかがアニメなのに!マックィーンは、後半でラメ入りのカラーに全塗装し直すんですけど、その仕上がりの違いまで明確に描き分けるほどの徹底ぶりなんですから。
全く頭が下がると言うか、顎(あご)が落ちるというか・・・。( ̄∀ ̄*)

ほんとスゴイ映像ですよ、これ。

そして、その美術に負けず物語の舞台設定も凝りまくってます。

例えば、この上の画像。レースのワンシーンなのですが、この画の中にも夢のようなネタがビッシリと詰め込まれているワケでして。ちなみに中央を走る赤いクルマがこの映画の主役:ライトニング・マックイーン(声:オーウェン・ウイルソン)、その右のブルーのクルマが今レースで現役を引退するキング(声:リチャード・ペティ)、左のグリーンのクルマがチック・ヒックス(声:マイケル・キートン)、です。映画のクライマックスはこの三人、いや三車の王座決定戦となるのですが、このレース・シーンひとつ取っても実に凝りに凝った作りだと言えます。

コーナーを駆け抜ければ、コース上に散らばっているタイヤのゴム片がパラパラと舞い上がる。周回を重ねる度に、ピッチ・タール(らしき)汚れがフロントマスクとタイヤ周りに付着する。息を呑むクラッシュ・シーン(結構スゴイ迫力!)の直後、イエローフラッグが振られ、ペースカー導入。まるでホンモノのレースさながらのこの進行。こんな展開を次々と観せられて、「いったいどんなマニア層に訴えかけようとしているのか?」と、コチラが聞き返したくなるほどの入れ込みようでした。

先ほども申し上げた通り、この映画には人間が出てこないわけですから、当然レースの観客はクルマたち。スタンドで歓声を上げているのは全てクルマなのです。
もちろん、報道、解説、レースクイーンに至るまで全ン部クルマ。ロードスター姉妹の黄色い声援が飛んだりなんかしています。ピットクルーなんかリフトですからね。この世界では、ぶぅ~んと飛んでるハエですらクルマに羽根をつけたように見えます。おもろいですね。もうムチャクチャですが。(笑)

あ、そーいえば、クルマは人が乗らないからドアも開きませんでしたね。そう、これは”一度もドアの開け閉めの無いクルマ映画”なのです。(運転席はないと思われます )今、気がつきましたねぇ。

この物語は、レースで早く走り優勝することしか考えていなかった主人公のマックィーンが、ひょんなコトからルート66号沿いの錆(さ)びれた田舎町に迷い込み、そこで出会ったクルマたちとの交流で、大切なものを見つけ出すというお話。

単なるクルマだけのおとぎ話と思って観ていると、途中で「あ!」と、なります。
これは題材にクルマを使っておきながら、クルマの域を超えた話なのですよ。

何が飛び出すかは、観てからのお楽しみ~♫  興味がある方は、子供に戻った気分で劇場に足を運んでください。きっと人間として失くしてはならない大切なものを、クルマの世界から教わった気分になれますよ。

見ず知らずの町で、裁判にかけられ、町のために強制労働をさせられてしまったマックィーン。これが、マックィーンとこの町のクルマたちとの交流のはじまりでした。

スクリーンに映し出される表情豊かなクルマたちを見ているうちに、時が経つのも忘れてしまいます。弁護士は”弁護車”と呼ばれ、犯罪者は”犯罪車”と呼ばれるようなこの奇妙な世界に、いつしかスッカリ自分もクルマになって入り込んでしまったようでした。

とてもディズニー・ピクサーらしい楽しい映画でしたよ。

きっとストーリーだけ取っても、キャラクターだけ取っても、美術だけ取っても、これは楽しめる映画です。BGMのロックナンバーもイカしてます!だって、シェリル・クロウチャック・ベリーだよ!もう、ノリノリだもんね~♫ シブいわぁ~!

Cars [Original Soundtrack] [Collector`s Edition]
サントラです♫

それにしても・・・・いったいこの先アニメはドコまで行くのでしょう?そら恐ろしくすらなりますが、「またしてもディズニーの傑作が一つ増えたなあ」という喜びに満たされて帰ってきました。

ところで・・・ラストのフェラーリに大笑い。あ、アナタ様があの有名な○○○○○○さまでしたか!(笑)
取り巻き連中がマセラッティというのがイカにもという感じでしたね。

※エンドロールの後にもお楽しみあるです

《2006.08.30記事一部改訂》
 

 


トリック 劇場版2 (2006)

2006年06月12日 | しびれるMovie
こっちゃんポイント ★★★★★
鑑賞環境 映画館
上映時間 111分
製作国 日本
公開情報 劇場公開 (東宝)
初公開年月 2006/06/10
ジャンル ミステリー/コメディ

自称・売れっ子奇術師の山田奈緒子(仲間由紀恵)は、物理学教授の上田次郎(阿部寛)と筐神島(はこがみじま)に乗り込んだ。例のごとく、ひとりでは恐かった上田が奈緒子を巻き込んだのだ。事の発端は、上田の研究室に、“どんと来い、超常現象”を持った青年が現れたこと。10年前、彼の幼なじみを連れ去ったという筐神佐和子(片平なぎさ)に会うべく、島へと入ったふたりは、佐和子による数々のスペクタクルな奇蹟を目にする。佐和子の霊能力は本物なのか?最強の霊能力者を前にした奈緒子と上田の運命やいかに。

(goo映画より抜粋)

笑いすぎて、泣きました。

泣くほど笑ったのって久しぶりだなぁ。「下妻物語」以来かな。

これね、もう『コメディ』のジャンルを超えてきてませんかね?
ジャンル分けするなら「ギャグ」ですよ、「ギャグ」。
それ故、めちゃめちゃこっちゃんのストライクゾーンです!O(≧∇≦O)(O≧∇≦)O ウキャキャ!

この「トリック」というドラマは、もともと深夜の時間帯で放送された
TV朝日系の番組だったらしく、
実はその頃こっちゃんは、こんなバカバカしい世界が日本に生まれたなどとつゆ知らず、
のほほんノンベンダラリと生きておりました。(今でものんべんダラリですが)

その後、TVシリーズは「2」、「3」と放送を重ね、その間に劇場版の第一作目も誕生。
この「トリック 劇場版2」は、その「劇場版1」から約3年半もの時を経過した今、
ここにスクリーン公開となったわけです。

今回、阿部ちゃん仲間の二人は、
片平なぎさ演じる筐神佐和子(はこがみさわこ)の奇想天外なイリュージョンと対決します。
「浮遊し崖を駆け上がる巨大岩」「目を疑う瞬間移動」「一瞬にして消える村」
など、スケールの大きなトリックに真正面から挑むわけですね。

あ、例のごとく、ネタは分かってしまえばショボいんですけど。
なんたって「トリック」ですから。

怪しげな霊能力で島の住民を手玉に取り、自分の宗教の信者に迎え入れた筐神佐和子。
なにやら怪しげな呪文を唱えます。

「パットシテグトキテ~ハットメザメルコイダカラ~・・・。」

一瞬、トシちゃんのあの歌の歌詞に聞こえるかもしれませんが、それは気のせい?(笑)
霊験あらたかな彼女が、そんな言葉を口にするわけがありませんもんね。

とにかく今回のトリックネタは「筐神(はこがみ)」の名前にもあるように、「箱」がカギなのです。

ちょっとだけ中身に触れますが、この「トリック 劇場版2」は、
ギャグのボリュームの多さにまずビックリです。
始まってそうそう飛ばす、飛ばす!
正直、最後まで身が持たないかと思いました。
一つ二つ笑いのツボをハズしても、そんなことお構いなしにドンドン進みます。
この勢いには圧倒されてしまいますね。

とは言っても、ネタの多くはパクリネタ
今までTVや映画でお馴染みの”あんな名場面”や”こんな名セリフ”など、
片っ端からイジくりまくり、オチョくりまくり、暴走しまくりで。
しかし、そのチョイスの基準は実にバラエティに富んでいます。

ネタバレ(ドラッグ反転で見れます)>>「千と千尋の神隠し」「リング」「クレヨンしんちゃん」「北斗の拳」「マトリックス」と来たかと思えば、「スチュワーデス物語」「幸せの黄色いハンカチ」までもが飛び出します。加えて「演歌ネタ」「第一次漫才ブームネタ」など・・・<<(ネタバレ:ここまで)

こんなカンジで若い世代のみならず、中高年齢層にも大いにアピール、アピール。
老若男女を問わず楽ませようという意気込みが伝わってくるではないですか!
結果的にネタのほとんどは気持ちチョット上の年齢層にウケていると思います。

個人的には「ハム太郎かよ!」「ブック・オフで。」が気に入りました。(笑)

しかし、バッカですねぇ~。
登場人物のオバカっぷりにも益々磨きがかかり、最後の最後まで転がりまくる。

今回も最後まで「貧乳!貧乳!」と呼ばれうろたえる仲間由紀恵
ミエミエの猿芝居で危機を逃れる阿部寛
相変わらず、ダレがボケでダレがツッコミか分かりません。(てか、みんな結局ボケ)

もちろん、あのお母様:野際陽子も登場。
今回は文字の力を引っさげ孤立無援で選挙に出馬です。
頭部に悲しい秘密を持つ刑事:生瀬勝久は出番が少な目でちょっと残念でしたが、
まぁそれはそれで良いでしょう。
アパートの大家夫婦もお約束で登場。
相変わらず今度こそ山田奈緒子から家賃を取立てようとプレッシャーをかけてきます。
(あの”デカ顔”は凄いですよ

そんなお馴染みキャストで楽しませてくれるこの映画、「トリック 劇場版2」ですが、
「別にウケようがハズしようがお構いなし」と言わんばかりの御気楽さが、実に小気味良い。
次々に繰り出されるギャグの波状攻撃を受けているうちに、
劇場の酸素濃度が24%に上昇したかのようなハイな気分を味わえます。

この「トリック」はTV・映画シリーズ全編を通して
堤幸彦が監督、もしくは演出という形で手がけられた作品ですが、
カントクの作品としては、「明日の記憶」がロングラン公開のなか、この映画も公開。
「明日の記憶」で思い切り泣かせ、「トリック劇場版2」で思い切り笑わせる。
ここが堤カントクのすごいトコ。

いずれにしても「今年はつくづく堤カントクに泣かされる年だ」と、思うわけで。
あらためて堤ワールドの奥行きと、こだわりに感服してしまった次第です。

この映画を観たときに、こっちゃんはTVシリーズを全部観ていませんでした。
ただし、「トリック 劇場版」だけ3回観てます。(モノ好き)
一応、そんな立場から言わせて頂けばこの「トリック」は
「劇場版1」だけでもその内容やキャラの面白さは十分分かりますので、
ぜひ前作の「劇場版1」をご覧になってから「劇場版2」を観ることをオススメします

あ、そういえばどこかのレビューでこの「劇場版2」は、「TV版トリック3」の感覚に近いと読みました。
なるほどねー。
それを聞いて「ちょっとレンタルしてみようかな?」という気にはなりましたね。

ただし、前作に比べギャグのボリュームがあまりにも多いため、
「トリック・ネタの薄さをギャグでカバーしたのでは?」「過剰ギャグで本筋が霞む」
などの辛口レビューも出ているようです。
でも、もしかすると堤カントクは 
ワザと世間にそう言わせたくてこの作品を作ったのかもしれません。(勝手な憶測。)
ま、細かいことなんてどーでも良いや。
どうであれ、こっちゃんのハートには大ヒットしたわけですから。

ともあれ、この”濃ゆる~い”世界感が好きな人には見逃せない映画ですね。

それじゃあ最後に、「ヨロシクねっ!」っと。

《2006.08.30記事一部改訂》 

【作品】トリック 劇場版2


愛を乞うひと (1998)

2006年06月11日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★
鑑賞環境  こっちゃんシアター 
上映時間 135分
製作国 日本
公開情報 劇場公開 (東宝)
初公開年月 1998/09/26
ジャンル ドラマ

amazonでCHECK! NTT-X storeでCHECK!

山岡照恵は早くに夫を亡くし、娘の深草と二人暮らしをしていた。そんな照恵は、深草が高校生になったとき、ある決心をする。それは幼い頃に死んだ父・陳文雄の遺骨を探し出して弔うことだった。手がかりをたどるうちに、照恵は母・豊子から受けた壮絶な折檻を思い出す。そんななか、やがて父の遺骨を探す旅は、父の故郷である台湾にまで及んだ。その旅は照恵にとって、自分を探す旅でもあったのだが…。

(NTT-X store商品解説より抜粋)

この映画って、1998年の日本アカデミー賞で12部門もノミネートされ、
そのうち9部門で受賞してるんですね。
そんなことも知らずに観た映画ですが、
とにもかくにも原田美枝子さんの女優魂に圧倒されます。

これも観た後では大いに納得出来ることですが、
彼女はこの映画で主演女優賞をもらっているそうです。

正直、演技に対してここまでの気迫を持った女優さんだとは思ってもみませんでした。
ビックリです。

もし”原田美枝子”という女優を、たった1本の映画で知りたいと思ったら
迷わずこの映画を手に取るべきでしょう。
これはなかなかスゴイですよ。

母親に日常的に虐待を受けて育った少女。
その頃の忌まわしい記憶を心の奥に封印しつつも、年頃の娘を持つ母親になった彼女。
そんな彼女が娘の後押しで、背を向けていた過去と再び向き合うという映画。

原田さんはこの映画の中で、
虐待する母親と、虐待を受け成長した後の娘の二役を演じていますが、
この演じ分けは、もう「見事」のひとことに尽きます。

一度は観ておいて損のない映画ですね。

物悲しいような、しかし暖かいようなギターの主旋律が、いつまでも耳に残ります。

 

【作品】愛を乞うひと

 


ダーク・ウォーター (2004)

2006年06月10日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★
鑑賞環境  こっちゃんシアター 
上映時間 105分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開 (東宝東和)
初公開年月 2005/11/12
ジャンル ホラー/サスペンス

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離婚調停中のダリアは、娘の親権を得るために、ルーズベルト島の中古アパートへ引っ越した。ルーズベルト島はこれまで住んでいたマンハッタンとは違い、古びたアパートがひしめく暗い土地だったが、ダリアは希望を胸に、娘との新生活をスタートさせる。だが、天井に広がっていく黒いシミや不可解な水難事故、不気味な足音に不安を感じたダリアは、やがて子育てと持病の偏頭痛、そして奇妙な悪夢に悩まされるようになり…。

(NTT-X store商品解説より抜粋)

そんなワケで、サラウンド・ヘッドフォンで観ました。
ヘッドフォンで観ていると、逃げ場を失った気分で映画を観ることが出来ます。
常に追い込まれてる感じ。これがなかなか心地良い。(笑)

耳の後ろからヒソヒソ話し声。
頭上でドタドタ天井を走り回る足音。
おお、たまらんッ! ((((>ω<))))ぶるるっ

ホラーはやっぱり、サラウンド・ヘッドフォンに限ります!

この作品は黒木瞳主演の和製ホラー「仄暗い水の底から」の
ハリウッド・リメイク作品。
こちらの主演はジェニファー・コネリーです。
個人的には黒木瞳よりも100倍好みの女優さん。

実は今回、オリジナル邦画も立て続けに鑑賞。
これが意外に面白くて。
細かい相違点を見つけて楽しむ事ができます。

”奇妙な現象”の原因は同じですが、視点の重きをドコに置くかがそれぞれ違う。
もちろん、どちらにも良い部分があります。

画面はハリウッド版の方が暗く、
ジメジメ陰湿な感じを前面に押し出しているようにも感じますが、
パキパキしたコマ割りが程よくメリハリを出してくれ、なかなか小気味よいです。

たたみ掛けるように、一気に見せますね。

作品中には”オリジナルを忠実に再現した部分”と、
”新たに書き直した部分”が共存していますが、
その二つの繋ぎがとてもスムーズ。

加えて、
ティム・ロス、ジョン.C.ライリー、ピート・ポルスウェイトなどのキャスティングも
ハリウッドならではといったところでヨカッタですね。

オリジナルよりもこちらの方が、サスペンス色は強い印象を受けました。

そこそこ驚く場面もあったりして、こっちゃんのような臆病者には
楽しめる一品となっていましたよ。

ラストに悲しい気持ちになってしまうのは、和/洋どちらも同じですね。

 

 【作品】ダーク・ウォーター

 


家族ゲーム (1983)

2006年06月09日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★
鑑賞環境  こっちゃんシアター 
上映時間 106分
製作国 日本
公開情報 劇場公開 (ATG)
初公開年月 1983/06/04
ジャンル コメディ/ドラマ

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息子の高校受験を控えた沼田家では、家庭教師を雇う事にした。やって来たのは三流大学を七浪もした、吉本という風変わりで背の高い男だった。父親は次男の成績が上がれば特別報酬を払うと約束する。吉本は時に優しく、時に暴力的なやり方で次男を手なずけ、平穏だった沼田家に波紋を巻き起こしていく…。

(NTT-X store商品解説より抜粋)

森田芳光というひとは、まったくもって掴みどころがない気がします。
これは森田監督が20年以上も前に手がけた作品ですが、今観ても実に凄い映画でして。
なんとも強烈なインパクトに襲われてしまう映画なのです。

息子の成績を上げるために雇われた家庭教師が、問題児と向き合う話・・・
かと思いきや、あれれ。
結末は大変なことになってしまいます。

この家族はどこかおかしい。そしてそこに来る家庭教師もどこか妙。

「クラスの順位が一番上がったら一万円出すよ。」
駐車場に停めたクルマの中でそんな言葉を家庭教師に切り出す父が、
本来もうイカレてるってハナシ。

この映画では、横並びに座る食卓が何度も登場するのですが、
これこそがこの一家のありかたであって、繋がりの形なんでしょうね。

やたら細長いテーブル。
前を料理を乗せたワゴンが右へ左へ行ったりきたり。
つまり家族が向き合わない食卓です。

住宅事情もあるのでしょうが、監督が言いたかったのはきっとそれだけではないでしょうね。
こんな食卓に違和感を感じない人種こそがもう壊れてるのだ、と。
でんと中央に座り、むしゃむしゃ夕食をご馳走になる家庭教師がなんともまあ可笑しい。

さてと、妙な光景や会話にクスクス笑って観ていると、最後の晩餐で口あんぐり。

「何が起こったの?」というまさかの展開。

松田優作節と森田芳光節の絶妙なる融合とでも言いましょうか。
とにかく説明しにくい面白さがあります。

ラストで不穏な音をたて飛び回るヘリコプターに、
「何かあったのかしら?」と窓の外を見る母親。
どこかで事件があったのかもしれません。
それはもしかして、この家族の行く末に起こる事件を暗示しているのかも?

これ、森田監督の作品のなかでは傑作ですね!個人的に。

なんだか頭をガツーン!とハンマーで殴られて観終わったような気分です。

 

【作品】家族ゲーム

 


空中庭園 (2005)

2006年06月09日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★
鑑賞環境  こっちゃんシアター 
上映時間 114分
製作国 日本
公開情報 劇場公開 (アスミック・エース)
初公開年月 2005/10/08
ジャンル ドラマ

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とあるニュータウンの一室に暮らす京橋家は、"家族間では秘密を作らない"という自分たちのルールさえも守れず、それぞれが誰にも言えない秘密を抱えて生きていた。そんななか、妻の絵里子はベランダ・ガーデニングに精魂を傾けながらも、内心では母親との関係に悩み、やっと手に入れた"家族"を守ることに必死になっていた。そんなある日、夫の浮気相手が、息子の家庭教師として乗り込んできて…。

(NTT-X store商品解説より抜粋)

『何事も包み隠さず タブーを作らず 出来るだけ全てのことを分かち合う それが私たち家族の決まり』

母親のそんな語りではじまるこの映画。
実はこの家、メチャメチャ隠し事だらけです。

「ねぇ、アタシって何処で仕込まれたの?」「ラブホテル”野猿”よ。」

朝っぱらから、こんな会話が家族の間で食事中に笑顔で交わされる。
あり得ない。妙な違和感。何でもオープン。タブーなし。
たしかに一見、フル・オープンな家族にも見えますが、
なんと家族全員が食卓には持ち込まない秘密を持っているというのがミソ。

気がつけば、家族全員がラブホテル:野猿に行っちゃってるのが、また面白い。

タブーを作らないと言うよりも、
まるでタブーを避けるかのように”明るい関係”を演技をする一家。
全てを分かち合うどころか、みんな心の奥に一物持っている。

タイトルの「空中庭園」は、
まるで”頭上に浮かぶ理想の天地”のような響きですが、
”地に足がついていない”という意味にも思えます。
この家族を例えるには、なんともシックリくる言葉ですね。

やがて”部外者”の暴言によって一気に破綻する家族の調和。
十何年も計画的に守り続けてきた幸せがあっという間に崩れてゆく・・・。

「家族って一体何?」常にそう問いかけてくるかのような映画ですが、
散々ブチ壊したところから このラストに持っていく展開はお見事!

これはすごい映画ですね。

「やり直し・・・くり返し・・・」
血の雨に打たれ、泣き声を上げる母の姿を観たとき、
「人は血まみれで泣きながら生まれてくる」というあの言葉が脳裏をよぎります。

残酷なイメージや台詞も所々ありますが、最後には暖かい気持ちになれる。

これは、そんな映画です。

 

【作品】空中庭園

 


トリック 劇場版 (2002)

2006年06月08日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★
鑑賞環境  こっちゃんシアター 
上映時間 119分
製作国 日本
公開情報 劇場公開 (東宝)
初公開年月 2002/11/09
ジャンル ミステリー/コメディ

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山あいの寒村・糸節村の村人は、300年に一度襲ってくる大きな災いの伝説を恐れていた。自称売れっ子天才奇術師・山田奈緒子は、村の要請を受け、神を演じて村人の不安を取り除くことに。だが、村には神を名乗る怪しげな3人の男が待ち受けていた。そして、次々と超常現象が起きた。窮地に追い詰められた奈緒子と天才物理学者・上田次郎は、超常現象のトリックを暴こうとするが…。

(NTT-X store商品解説より抜粋)

以前に観ていたけど、『劇場版2』の公開前にまた観た。

これが笑える。

なんだろ、この滑稽さは?何度観ても面白いのです。

「明日の記憶」の堤幸彦カントク作品ですが、
こちらはとても同じ人が作ったとは思えないユニークさ。
実に守備範囲の広い監督さんです。

笑いのネタはどれもセコいし、ボケとツッコミの”間”は片っ端からワンテンポ遅れ。
まるでヘタな即席漫才を観ているかのようですが、
実は、これこそが面白い。

これが、こっちゃんのツボにはハマりまくります。

この「トリック」シリーズは、キャラクターに絶対的な安定感が備わっているのが、また魅力。
次々と出てくる妖しげでバカバカしいキャラは、ワザとらしいけど不快感なし。
「あ、こういうタイプの人なんだな。」と納得させられてしまいます。

この設定の細かさは「踊る大捜査線」シリーズに通ずるものがありますね。
(もちろんスタッフは全然違いますが)
「トリック」はタネ明かしも楽しいですが、キャラクターこそが命。
仲間由紀恵の気の抜けた美しさは、こういう映画でこそ生きるのだと分かります。

貧乳の仲間由紀恵と、巨根の阿部ちゃん。

ふたりのボケが絶妙に絡みまくるこの映画。
個人的にはオススメです。

ただし、エンディングテーマ 鬼塚ちひろの「月光」は、
今聴いてもコワイので覚悟したほうがいいでしょう。

さて、この映画の面白さにはタネがあるのかな?・・・やっぱし。

 

【作品】トリック 劇場版

 


マザー・テレサ (2003)

2006年06月07日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★
鑑賞環境  こっちゃんシアター 
上映時間 116分
製作国 イタリア/イギリス
公開情報 劇場公開 (東芝エンタテインメント)
初公開年月 2005/08/13
ジャンル ドラマ/伝記

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1946年、インドのカルカッタ。ダージリンへの転任命令を受けたマザー・テレサは、路上で出会った行き倒れの男から神の言葉を聞き、成し遂げるべき使命を自覚する。やがて、自分の居場所は最も貧しい人々が住むところだと悟ったマザー・テレサは、バチカンの許しを得て、路上での支援活動を開始。病人や孤児たちを救う施設を作るために、幾つもの困難に正面から立ち向かっていく…。

(NTT-X store商品解説より抜粋)

私たちの行いは、大海の一滴にすぎません。

しかし何もしなければ、その一滴も永遠に失われます。

なんという胸打つ言葉。

1997年に帰天するまで、多くの貧しく苦しい人々に自身の愛を注いだマザー・テレサの一言一言は、多くを語らずして激しく心を揺さぶります。

絶望あるところに希望を届けよう
悲しみあるところに喜びを運ぼう
慰められるより慰めることを
理解されるよりも理解することを
愛されるより愛することを
何故なら与えることは与えられることだから
何故なら許すことによって我々は許されるから
死ぬことによって永遠の命を得ることが出来るのです

このラストに、こらえきれず号泣。

人種を超え、宗派の垣根を取り払い、恵まれない他人のために祈りを捧げ、
愛を与え続けたマザー・テレサの姿がここにはありました。

現実にはもっと厳しく、残酷な日常の光景があったのは想像に難くありませんが、
映画ではそこを必要最低限に抑えつつも、
「マザー・テレサとはどういう女性だったのか?」という部分を淡々と描き続けます。

とにかく、マザーを演じるオリビア・ハッセーが素晴らしい。
晩年の彼女の姿は、マザー・テレサそのものに見えるほど。

世の中を救えるのは”愛”しかありません。

そう静かに、強く訴えかけてくる映画です。

彼女がこの世に存在したこと。それこそが”奇跡”だったのだと思います。

 

【作品】マザー・テレサ

  


トランスポーター2 (2005) 『クルマ・ヴァージョン』 裏感想

2006年05月26日 | しびれるMovie

契約厳守。名前は聞かない。依頼品は開けない――運び屋フランク・マーティン(ジェイソン・ステイサム)はこの3つのルールの下、高額な報酬と引き換えにワケありの依頼品であろうが正確に目的地まで運ぶプロ中のプロ。引退を決意した彼は例外的な依頼を引き受けた。それは金持ち一家の7歳になる息子・ジャックの送迎だ。いつも寡黙なフランクだったが、次第にふたりの間に愛情が生まれる。しかし、予想外の罠が仕掛けられていた…。

 

(goo映画より抜粋)

こっちゃんポイント ★★★★★ 

 

いや、同じ映画で、感想文を2個別々にUPするのは初めてです。当たり前か。普通やらないよね?こんなこと。でもね、こんな記事でも書いておかないと、あまりの思い込みと思い入れで、本来の感想文がグチャグチャになってしまいそうだったので、それでこの部分だけ別に作ったんです。

「トランスポーター」シリーズといえば、クルマ・アクションが”ウリ”だったりしますが、今回はそのクルマたちにのみ、スポットを当ててみたいと思います。ハイ”のみ”の記事です。(笑)

本来の感想文はこちらです。 


(Photo : Audi A8 6.0Quattro)

実は、今回「トランスポーター2」でメインに活躍するクルマは、ドイツ車の「アウディ A8 6.0クワトロ」(画像上)。

今はあまりそんなイメージはないかもしれませんが、アウディと言えばその昔、「メルセデス・ベンツを買えないオッサンが乗る車」なんて言われていたコトが一部ではあったようで。こっちゃんの周辺でも、まるで”メルセデスの格落ちメーカー”のように思われていたものです。
無理もないですね。実際、その頃良く見たアウディなんて、ほんとショボくて日本車とさほど変らないような箱型クルマでしかなかったですから。こっちゃんだって、そんなクルマ欲しくもならなかったのが正直な感想です。

それがまったく。随分と変ったものです。

ここ最近のアウディって、ホント魅力的。「死ぬまでに一度はステアリングを握ってみたい」って思えるようなマシンが、続々と発表されています。デザインだってグッと良くなりましたし。いまや、こんなのだってあるんですよ!(画像↓をご覧あれ)


(Photo : Audi R8※このクルマは「トランスポーター2」には登場しません

これはコンセプトカーらしいですが、こんなのまで市販予定だというからビックリです!
それにしても、なんという美しいデザインでしょう。乗り難そうなカンジがたまりません!まさか、これほどスポーティ&スタイリッシュな車なんて、一生アウディから発売されないと思ってましたもんね。(ちょっとだけ現行の”ニッサン・フェアレディZ”みたいですが)

ま、そんな映画に関係無いクルマのコトは置いといて、「トランスポーター2」に話を戻します。 

先ほども言いましたが、今回この映画のメイン・カーは「アウディ A8 6.0クワトロ」。現在のアウディ・ラインナップの最高峰に君臨するクルマ。クワトロとは四駆のことです。
オープニングの駐車場シーンから既に、ジェイソン・ステイサムが乗っているクルマがコレなんですね。外見はまぁ普通の(といっても、その顔はかなり厳ついですが)セダンにも見えます。中々気品のある高級感も漂いますね。


(Photo : アウディA8 6.0クワトロ)

ところが、蓋を開ければこれがトンでもない代物でして。
スペックを見ると腰を抜かすかもしれませんよ、アータ。これはもう、ただのセダンではありません。

排気量は「6.0」の名前通り、6ℓクラス(5998cc)
最高出力は450ps/6200rpm、最大トルクは59.1kg-m/4000rpm。

その他、詳細はコチラ

こんなスペックを誇るV型12気筒エンジンを心臓に持つこの車。しかもそのV型エンジン・レイアウトが独特です。構造的には、V6エンジンを挟角15度でふたつV字型に並べた”W型”と言われる極めて特異なスタイルを採用しています。かなりマニアックですねぇ。
この方式は、”エンジン自体を軽量コンパクトに仕上げられ、またエンジン長を短くできるゆえに、クランクシャフトの剛性を確保しやすく振動面でも有利になる”というメリットをもたらすらしいです。ほほぅー、なるほど。

ま、何が何だか分からない人もいるでしょうが、早い話「バケモノ車」です。スポーツカーの心臓を持つセダンとでも言いましょうか。「いったい、こんな性能をどんな状況で必要とするのか?」・・・そう思う方もいるでしょう。そんな方にはこうお答えします。

「”トランスポーター2”の撮影に必要です!」と。(笑)


(Photo : アウディA8 6.0クワトロ with ジェイソン・ステイサム+子役)

ちなみにこれ、日本でも買えるのですが、新車価格で1,480万円!
「おおっ!安い!1500円切ってるジャン!」と言ってしまったア・ナ・タ。これこれ!
”万円”ですよ、”万円っ”!スーパーでお買い物してるんじゃないんですから。
コレじゃあチョット、「今すぐ最寄のアウディ販売店へ急げ!」とはなりませんよね。田舎だったら小さな家が一軒建つお金ですよ(笑)オープニングで、ジェイソン・ステイサムが、悪ガキどもに「新車だ。傷つけるな。」と言うのも、そりゃ分かります。


(Photo : アウディA8 6.0クワトロ)

これは現在調査中なのですが、もしかしたら、この映画のA8は、豪華仕様の「L6.0クワトロ」の方かもしれません。だとしたら、お値段は更にUPします。こちらは1660万円(税込)でございます。もし、この点ご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えて下さい。

...知ってどーする?ってハナシですが。

映画「トランスポーター2」は、そんなこの車がメインとなり、エンジンを高回転でブン回しながらそこら中走り回るワケですから、そりゃぁクルマ好きにはたまりませんよ!
予告編にもありましたけど、あのビルからビルへの大ジャンプ・シーンなんて、現実では、まずお目にかかれませんからね。(当たり前じゃ!)見応えありますよ。”着地”なんてメッチャクチャかっこ良いのです。クルマにもジェイソンにもシビレちゃうってカンジですっ!


(Photo : アウディA8 6.0クワトロ)

ま、一つ難癖つけるなら、このクルマ、重すぎる!ってことでしょうか。アルミフレームを使用していながら、車重は楽々2tを超えてますからね。2tてアンタ、RV車じゃないんだから。ねぇ。これはもう本来、そんなに簡単に飛んだりハネたり出来るってホド、身軽なクルマじゃないわけですよ。

例えば日本車で言うと、ホンダの現行ステップワゴンの最上グレードあたりが1630kgですから、あれより丁度400kgも重い。400kgですよ!伊集院光が二人以上乗れますよ。
もっとも、エンジンはステップワゴンの2.5倍の排気量を持ち、馬力だって3倍近いですから、「重いから遅い」なんてバカな話にはなりませんけどね。いくら”身重”と言ったって、このクルマのエンジン・データで察するに、フル加速なんてしたら、きっと息苦しいほどシートに貼り付けになるのでしょうね。いや~、体感してみたいものです。

でも、こっちゃんはやっぱり軽い方が好きですね。軽くなきゃスポーツじゃない。ま、本来、A8はスポーツカーじゃないですから、無理もないんですがね。

しかし!しかしですよ!
この映画の後半で、そんなこっちゃんのハートを鷲づかみにするステキな車が出てくるのですよ。それが、コレ。


(Photo : ランボルギーニ ムルシエラゴ・ロードスター

これ、クルマ・キャストでの”ゲスト出演”扱いらしいです。(笑)アホですね、もぅ。

その昔、スーパーカー時代を生き抜いてきたオッチャンたちなら、誰もが「カウンタック」というクルマの名前を知っているでしょう?この「ムルシエラゴ・ロードスター」は、そのランボルギーニ社の血を現在も受け継いできている、文字通り”平成時代のスーパーカー”です。

現在、ランボルギーニ社はアウディの傘下となっていますが、どうやらそのお陰で、今回の「トランスポーター2」への出演(?)が決定したようですね。
コレは凄いことですよ!だって、走ってるトコ見れるんですから!初めて見ました、走ってるとこ。飾っておくクルマだとばかり思ってましたから(笑)


(Photo : ランボルギーニ・ムルシエラゴ・ロードスター)

”重量配分はフロント42%・リヤ58%、ランボルギーニ製V型12気筒60度エンジンで、排気量は6.2Lをミッドマウントする。これは7,500rpmで最高出力580馬力を発生する”(goo自動車より抜粋)最高速度は、約320km/hらしいですよ。ああっ。もぅ、気が狂いそうです!(笑)

その他、詳細はコチラ

全長4580mmという、このクルマのサイズは、現行のトヨタ・ソアラの4515mmに近いですね。

※このクルマは「トランスポーター2」には登場しません

その差6.5㎝しか長くありませんからね。ただ「ムルシエラゴ・ロードスター」は全幅が2045mmもあります。さすが外車。これはソアラより22㎝も大きいことになります。全高1135 mは、ソアラのそれより22㎝低いですから、要するにこのクルマはソアラより「幅が広くて低い」そんなクルマだということですね。

※このクルマは「トランスポーター2」には登場しません

ちなみにこのサイズを、日本のスーパーカー ホンダNSX-R(現行型)と比較してみますと、「ムルシエラゴ・ロードスター」の方が全長で15cm長く、全幅で23.5cm幅広く、車高で2.5cm低いことになります。NSX-Rだって全高1160mmのかなり低いクルマだというのに、なんと、それよりも「ムルシエラゴ・ロードスター」の方が低いというのは驚きです。
このクルマの車高がいかに低いかお分かり頂けましたでしょうか?スポーツカーは低いに限りますね。しかも、バランス重視のミッドシップレイアウト・スタイルは、こっちゃんのツボにジャストミートです!


(Photo : ランボルギーニ・ムルシエラゴ・ロードスター)

さて、こちらのお値段は少々お高いですよ。税込み、3268万6500円です!
・・・って、少々じゃないですね(笑)こうなると、”普通の人”は、まず買えません。(もっとも”A8”だってそうですけど)

このクルマに関しては、もう、「運転したい」なんて言いません。「シートに座れるだけで良い!」(笑)
お願いです。一度座らせて下さい。スリスリしたいんです。


(Photo : ランボルギーニ・ムルシエラゴ・ロードスター)

さあ。「アホはいい加減にしなさい」と言われる前に止めておきますが、こんなクルマがビュンビュン目の前を走り、激しいカーアクションをするこの映画「トランスポーター2」!そりゃ楽し~ですよぉ♪

ストーリーは前作同様、ラストに近づくにつれ、ドンドンあさって方向へ飛んで行っちゃうような展開なのですが、そんなのこの際、どーだって良いのです!このクルマを観に行って下さい!(笑)そして仰け反って下さい。
目の前でハラハラ・カーチェイス展開になるたび、「おおっ!税込1480万円!」「ああっ!税込3268万6500円!」と唸りながら見ると、きっと楽しさ倍増です。そして最後には、口から泡を吹きながら失神して下さい。(笑)

ちなみに、悪党どもは分かりやすく「ハマー」なんぞに乗ってましたが、こちらはあまり興味なし。(笑)

そんなコトも含めて「トランスポーター2」は、とにかく、クルマ好きには面白い映画なのです。

 

《2006.08.17記事一部改訂》

【作品】トランスポーター2

 


トランスポーター2 (2005)

2006年05月26日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★

鑑賞環境  試写会 
上映時間 88分
製作国 フランス/アメリカ
公開情報 劇場公開 (アスミック・エース)
初公開年月 2006/06/03
ジャンル アクション/サスペンス

契約厳守。名前は聞かない。依頼品は開けない――運び屋フランク・マーティン(ジェイソン・ステイサム)はこの3つのルールの下、高額な報酬と引き換えにワケありの依頼品であろうが正確に目的地まで運ぶプロ中のプロ。引退を決意した彼は例外的な依頼を引き受けた。それは金持ち一家の7歳になる息子・ジャックの送迎だ。いつも寡黙なフランクだったが、次第にふたりの間に愛情が生まれる。しかし、予想外の罠が仕掛けられていた…。

 

 

(goo映画より抜粋)

「ちわぁ~ッス。生身の子供をお届けに参りましたぁ~っ!」

バケネコヤマトの宅・急・便♪

運送業にも色々あるもので。えぇ。

そんなわけでリュック・ベッソンのバカ・アクションに賭ける熱い想いが、スクリーンから溢れていました。

「バカヤロー!もっと、おバカに情熱を注がんかいッ!」
そうスクリーンの裏側で叫んでいるかのようです。しかと受け止めました。

しかし、これまた素晴らしい”バカさ加減”ですね。こっちゃんにとって、これ以上のご馳走はありません。今回は、口から泡を吹き失神しそうになるのを必死にこらえつつの鑑賞となりました。そして、この記事も二日掛かりで完成です。(アホやん)

ハッキリ言って、「映画に限りなくリアリティを追求します」って方は、この「トランスポーター2」は止めておいた方が良いですね。もっとも、そんな方はこの映画を観る以前に、前作の「トランスポーター」でシラケてしまったのでしょうけど。あのね、あのね。こんな映画で、その内容を一々ツッコンでたら、体なんてもちませんよ。頭カラッポで楽しんでくださいよ。

この「トランスポーター」シリーズは、その名の通り、”運び屋”のフランク(ジェイソン・ステイサム)が主人公のお話です。これがねぇ、またヤバいモノばかり運ぶ仕事なんです。

一作目ではオープニングで、”銀行強盗を所定の場所まで運ぶ”って仕事から話がスタートしましたが、その次に受けた仕事で、あろうことか、彼は面倒に巻き込まれてしまいます。

    1. 契約厳守。
    2. 名前は聞かない。
    3. 依頼品は開けない。

この3つのルールは、”彼自身が決めた、彼を守るためのルール”でした。しかし、その3番目のルールを自ら破ってしまったのです。積荷を開けてしまったら、中には喜多嶋舞(きたじままい)に似た中国女がいてビックリ!そこからドンドン雲行きの怪しい展開になって、そしたらBMWが吹き飛んで、仕舞いには人身売買も絡んできて...という、もぅメチャメチャなお話でしたけど、憶えてますか?

今回の続編「トランスポーター2」を一言で言うならば、この「1」の展開をさらにメチャクチャにしてしまったというノリの映画。観終わった頃には、頭がクラクラしてきます。

今回もまた、オープニングから飛ばす、飛ばす!ってカンジでして。88分という短い時間に、”詰め込めるだけ詰め込んだ”というような、企画モノのテンコ盛り弁当のような映画ですからね。良っくもまぁ、「こんなコト次から次へと思いつくなぁ」と、甚(はなは)だ感心してしまいます。

この「トランスポーター2」は、別に「1」を観てなくても内容は掴めるでしょうし、例え前作の内容を忘れていたとしても、そこそこ楽しめるとは思いますが、できればもう一度、「1」を観てから映画館に行くことをオススメします。そうすると”お楽しみ指数”がグゥ~~~ンとアップしますよ!

リュックってこういう話を書くの得意みたいですね。「Taxi」シリーズもそうでしたけど。前のストーリーやキャラクターを、上手く使って続編に繋ぐ、みたいなトコがありますもんね。悪く言っちゃえば、自分のネタを「自分でパクったり、モジったり」、そんなコトを平気でする人ですもんね。(笑)

だから当然、今回もオープニングからもぅニンマリですよ。

「1」とそっくりな駐車場のオープニング・シーン。仕事の依頼人を所定の契約の時間まで待つ、というこのシーンもそっくり。でも、そんなシーンを、一つ、二つ必ずヒネって見せてくれる。ここがまたタマラない。
他にも「オイル・ネタ」とか、またありましたね。「つるっ!あれっ?」ていうアレです。(笑)

それと、この人、この人!
やっぱ、このオッチャン↓が出てくる面白さっていうのも、「1」を観ていた方がより分かりやすいと思います。

やっぱり、「トランスポーター」って言うからには、このオッチャン出さなければなりません。出なかったら、つまらないでしょ?この”ひょうひょうとしたカンジが実に良いですねぇ。コチラも「1」よりパワーアップしてます。あ、ちなみにこの人、これでも警部ですからね。(笑)

前作では、BMW735にはじまり、メルセデス・ベンツ、おんぼろルノー、大型トレーラーまで転がしまくったフランクですが、今回はアウディA8 6.0クワトロというクルマが彼のメイン・カーです。これがとっても丈夫でね。ボディ、ガラスに至るまで完全防弾。少々のことでは傷つきません。
暗号式のエンジンは前作のBMW譲り。ただし今回のアウディはオートマ仕様です。しかし走りは熱いですよー!エンジン唸りまくりです。ゾクゾクしちゃうよな高回転のエンジン音に、頭のてっぺんまでどっぷりと浸れます。

このカーチェイスは、今回も凄いですね!飛んだり、ハネたり。予想通り、もう絶対あり得ない世界なんですけど。でも、これはアイデアの洪水です。クルマ・ネタだけでここまで思いつく頭は、やっぱスゴイですよ。しかも、そのアイデアを映像化するこの手腕には、ホント恐れ入りました。ルイ・レテリエ監督に拍手です!

あの「ビルからビルへひとっ飛び!そして着地!」のシーン。ここ、マジで気に入りました。あんなカッコ良いシーン今まで観たことないですよ。最高です!工事中のポールをパカン!パカン!て倒しながらスライド~~~っ!際どいところでギリギリストップ!てのがもうたまらんもん!あそこだけ何度も観たいくらいです。

それにしても、今回の悪役は、ほーんと憎ったらしいですよ。許せないよアイツら。血も涙も無いような奴らです。ほんと、ヒドイなあれは。お陰で話はとっても盛り上がりましたけど。

特にあの女。最悪です。久々に生理的に受け付けない”悪女”を見ました。この人、ケイト・ナタというスーパー・モデルなんですって?・・・知らんなぁ。音楽もやってるって?・・・聴いたことないなぁ。結局、誰やねん!ってカンジです。あ、でも本当に有名な人らしいですよ。ゴスペル唄うんですって。レニ・クラ(レニー・クラヴィッツ)とも繋がりがあるそうですから。ほー、スゴイじゃないですか。

でも、彼女のこの役はそーとーキテますよ。本人も自分で言ってましたが完全に「イカレ」ちゃってます。下着姿でウロつき回り、人を殺すことに快感を覚える。こんな女、好きになれと言う方がムズカシイちゅーねん!過去、リュックが作り出したどの女キャラよりも狂気に満ちてますね。

しかも、この女と一緒にいるオトコ。「オマエますます誰やねん!」です。ナンやの?あの剣道?誰かのレビューで読んだけど、剣道やる人見たら絶対怒るな、アレ。ホント”カッコだけ剣道”で、もはや剣道じゃありません。「とぉーッ!」じゃないから、「とぉー!」じゃ。(笑)ほんと、もぅ疲れるなぁ。ま、それも楽しみのうちですか(笑)

これ、”運び屋裏稼業”の話だけに、「クルマONLYの話か?」と思っちゃう人がいるかもしれません。でも、そうじゃありませんからね。クルマ・ネタで釣っといて、実は別な展開が待ってますという、半ば”騙し”のような展開が待ってます。

前作でもいつの間にか、”人身売買ネタ”になってたりしましたが、今回の「トランスポーター2」も、気が付くと”ウィルス・ネタ”に摩り替わっています。そのウィルスにしても、題材としての扱いに関してはかなり大雑把(おおざっぱ)で、解決も驚くほど安易。話のメインはダイ・ハードな格闘ネタになってたりしますからね。また、ここが良いのですよ。(笑) 


  ↑ ほとんどターミネーターです。

この映画は、リュック・ベッソンの”お遊び次元”的脚本が素。その内容は、とにかく果てしなくバカバカしいものです。そんな脚本に乗っかって、前作同様、今年33歳の若手監督ルイ・レテリエが、(たぶん)全力を注ぎ込んだであろうこの作品。向かう先はただ一つ!バカまっしぐら。(笑)

もちろん、この映画はリュック・ベッソンの会社「ヨーロッパ・コープ」で編集されています。

前作でのインタビューで、「編集は最初から気合を入れてやった。でも会社の2階にいるリュックからはかなり厳しいチェックが入ったんだ。次回はカンペキを目指す!」なんて言っていたルイ監督でしたが、今回も頑張りましたね!続編として大いに盛り上がりましたよ。こっちゃん的には、彼の素晴らしい才能と努力を褒め称えたい気分です。ぐっじょぶネ♪

クルマ好きには、「もっとカーアクションがたっぷり欲しい!」って思うのは正直なトコですが、その場面場面で差し込まれるカーアクションの内容の密度は非常に濃いので、これが意外に満足します。”ジェイソン頭”のスタントさん、今回もご苦労様でした。ハラハラしながら、思いっきり笑わせて頂きましたよ。

しかも今回は、地上のみならず、水上、空中、そしてまた水中という具合に、その舞台も様々で飽きさせませんものね。ジェットスキーでバスを追っかけるなんていうネタは他の映画でも観ましたが、最後に女の人が手を振ってるのを見たときに、思わず吹きだしてしまいましたヨ。

それと、不器用に子供に接するジェイソンも新鮮で楽しめましたね。

さてと、今回の試写会は自動車ディーラーのアウディが協賛でした。いや~、こんな映画なら協賛するよな~。クルマが本当にカッコ良く見えますもんね。この映画のせいで”中年ローリング族”が増えないコトを祈ります。

それと、今回この映画に登場するクルマのことを、もっといっぱい書きたかったのですが、それを書くと”この映画の感想”とは随分かけ離れて行きそうなので、今回、”『クルマ・ヴァージョン』の裏感想”を別に書きました。

もし興味があれば、↓ここからどうぞ♪
     
(クルマに興味が無い方にとっては、かなりキツイ記事です)

とにかく、音楽もかなり良かったですし(担当は前作と違うのですが、いかにも「トランスポーター」らしいノリでした)、ノリノリの映画でした。

前作の「トランスポーター」ファンなら、「2」はその3倍は楽しめるはずです。

《2006.08.17記事一部改訂》

【作品】トランスポーター2

 


ダ・ヴィンチ・コード (2006)

2006年05月22日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★

鑑賞環境  映画館
上映時間 150分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開 (SPE)
初公開年月 2006/05/20
ジャンル ミステリー/サスペンス

閉館後のルーヴル美術館。ダ・ヴィンチの有名な素描「ウィトルウィウス的人体図」を模して横たわる、館長の死体が発見された。死体の周りに残された、不可解な暗号。その暗号の中には、その夜、彼が会う約束をしていたハーヴァード大学教授ラングドン(トム・ハンクス)の名前が含まれていた。殺人の容疑者として現場に連れて来られたラングドンだったが、館長の孫娘で暗号解読官のソフィー(オドレイ・トトゥ)に助け出される。暗号の謎をときはじめるふたり。しかしそれは、歴史的真実を覆す謎解きのはじまりに過ぎなかった…。

 

(goo映画より抜粋)

この感想を書く前に、はじめにお断りしておきますが、こっちゃんはキリスト教信者ではありません。
そしてこの感想文は、原作を読まずに映画として鑑賞したものです。

もちろんキリスト教そのものに対して「どうだ」「こうだ」という趣旨のものではなく、単なる映画としての感想ですので、その点を十分ご理解頂き、お付き合い下さいますようお願い申し上げます。
特に”オプス・デイのみなさま、宜しくお願い致します。

さぁて!話題の映画がいよいよ、公開!

全世界で5000万部とも、6000万部とも言われるほど売り上げたという、文字通り”世界的ベストセラー小説”を映画として完成させたこの「ダ・ヴィンチ・コード」。日本でもなんと!863ものスクリーンで同時公開され、その公開日はあちこちの映画館で”満席”状態になったそうで。

賛否両論多々あれど、いずれにしてもこれはもう、2006年の上半期において最高の話題作と言って良いのではないでしょうか。

「読む前に観るか?」「観る前に読むか?」
そんなコトを悩みつつ、ついに公開日まできてしまい、結局「読む前に観てしまった」こっちゃんでしたが、それはある意味、正解にも思いました。

世間の何処かでは、「難解である」、「原作を読まない人は理解できない」、「カンヌで不評」、「冷めた反応」など、様々な酷評が公開直前から出回り、正直こっちゃんも随分と構えたカンジでの鑑賞となったのですが、いざ観てみると、その酷評のどれもが、こっちゃんには当てはまらないモノでした。

結論から言わせて頂けば、これは、けっこう面白い映画ですよッ!

ルーブル美術館の館長の死にはじまって、「神であるイエス・キリストには、実は妻がいて、二人の間には娘がもうけられた」という”衝撃の仮説”に至るまでを、あのレオナルド・ダ・ヴィンチの名画「最後の晩餐(ばんさん)」から謎解くというこの映画。
「アポロ13」、「身代金」などでお馴染みのロン・ハワード監督のお陰で、とても面白い作品になった!という印象を受けました。

何と言っても、このロン・ハワード監督の演出の仕方は、実に心地良いものがあります。”程よい”んですよね、盛り上げ感が。こっちゃんはこの監督の撮り方が大好きです。予想どおり、物語は”謎解き”に終始するのですが、その見せ方がとても上手いなと感じさせるだけのものがありました。

当然ながら、この映画「ダ・ヴィンチ・コード」には、キリスト教を背景とした数多くの”薀蓄(うんちく)”が盛り込まれています。しかし、この映画の持って行きかたの上手さのお陰で、ちゃんと観てさえいれば、観客自身が”迷宮入りの脱出不能状態”になるコトはありません。この映画の主役であるトム・ハンクスの後を付いて行けば、きちんと”出口”までエスコートしてもらえる作りとなっているのです。

恐らく、ここで語られる”薀蓄”など、原作の中で語られる何分の一程度のモノなのでしょうね?既に発売されている【上巻・下巻】、または【上・中・下巻の文庫本】のボリュームを2時間30分のドラマで全て語れるわけもないでしょうから、その辺は原作を読んでいなくても安易に想像がつきます。

もっとも、この映画の中で語られる”謎解き”だけにしても、こっちゃんは「全てを心の底から理解致しました」とは行きませんでしたから、そんなヤツが原作などを読んだら、きっと頭の中が大洪水を起こすに違いありません。こっちゃんなどの場合は、原作を読む前に、あらかじめ”ノアの箱舟”を作って、頭の中に入れておく方が良いでしょうね。

ま、そんなことなども踏まえて、その上であえて言わせてもらえば、とにかくこれ、一本の映画として観れば、十分なボリューム感があり、また、かなり楽しめる出来と言えます。ちょっぴり小難しい”薀蓄”だって、なんの、なんの。ちゃんと”素材”になって生きています。例え、それらが全部は理解できなくても、十分にハラハラ出来るってわけです。

あ、これは、どちらかと言えばハラハラ感よりワクワク感覚ですね。そう、そう。
「次はどうなるんだろ?」っていう、そんな「ワクワク」に近い感じです。

とにかく、一つ謎が解けるたびに、主人公たちが”次はどこへ行くべきか?”というのが良く分かる。
何より、ここが”分かり易さ”の一番の理由だと思います。

宗教的に「正しい」「間違い」などの観点があることを、はなから全く度外視して言わせて頂きますが、キリスト教という宗教を第三者的に覗き見る者にとって、「これは、本当に面白い」映画です。観始めたら最後、「とにかく”謎”を解かなきゃ帰れない!」って気にさせられますからね。

恐らく、今の今までキリスト教にまったく興味を示さなかった人も、「この映画や原作によって新たに興味を持つ」という現象が、あちこちで起きるのではないでしょうか?そして、レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画にも、同じように注目が集まりそうです。

”神”をめぐって繰り返される殺人。ルーブル美術館の館長を初め、映画では何人かの人が殺されてしまいますが、その殺人について、視覚的にはそれほど衝撃的ではありません。それに関しては、ミステリーとして必要十分な描き方に抑えられています。

しかし、多くの人が衝撃を受けるのは、あのポール・ベタニー演じるシラスの、”一人SM”ではないでしょうか?あんな信仰が本当にあるのですか?「苦痛は善だ。」というその姿に、思わず顔を歪めてしまいました。”信仰”というものの幅広さと、奥深さを、一気に思い知らされた気分です。

それにしても、登場人物が曲者(クセモノ)だらけのこの映画。他にジャン・レノや、イアン・マッケランなども登場します。なかなか、この映画にふさわしいキャストです。このキャストあってのこの映画という感じもありました。

この映画「ダ・ヴィンチ・コード」では、宗教象徴学のトム・ハンクス教授に館長殺人の容疑がかかり、ジャン・レノ警部に追われながら「ダイング・メッセージの謎を解く」という展開になるのですが、このスタイルがとてもスリリング。気に入りました。そして、二転三転する展開があまりにも面白くてねー。お陰で、後半はもう誰も信用できなくなってしまいましたよ(笑)

そんなこの映画は、こっちゃんにとって、極上のミステリーとなったわけです。

そういえば、この映画の公開日の夜に、TVで映画「ダ・ヴィンチ・コード」の宣伝番組をやってましたね。あれ、観た人多かったのかな?初日、レイト・ショーに行っちゃった人は観れなかったんでしょうね。
こっちゃんは真昼間に本編を観て、まだ「興奮冷めやらぬ」ってカンジだったので、このTV番組も食い入るように観てしまいました。こちらがまた、結構面白くてねー。

映画でも触れていた「最後の晩餐」、「モナ・リザ」の謎を、更に突っ込んで分析。3D-CGや、コンピューター解析などを駆使し、その謎に迫る!という、非常に興味深い内容のものでした。
特に、”上に塗られたニスが変色している”という「モナ・リザ」の、描かれた当時の色彩を再現する”という試みは、最高に面白かったですね。背景の空が「本当はあんなに美しい青だった」のだと、はじめて知りました。

「モナ・リザ」は誰なのか?

タイトル通り、「リザ婦人」、それとも「ダ・ヴィンチ自身の理想の女性」?はたまた「自画像」説や、「イエス・キリストとマグダラのマリアを合成した肖像」説など、様々な憶測がある中、多くの人に愛され続けてきたこの名画は、”肖像画”ではなく、”宗教画”であるとも考えられているそうですね。
ほんと、今ここで、ダ・ヴィンチ本人をゲストで呼んで、彼の話を聞きたい!と思わせるような内容ばかりで、とても楽しめました。そして、最新の技術の進歩にあらためて感心した次第です。

もし、彼がこの世に生きていたら、いったいどんな言葉が彼の口から飛び出すのでしょうか?
あの番組を観ながらそう思う人は、きっと多かったのでしょうね。

謎が謎を呼び、そしてその新たな謎がまた次の謎に繋がってゆく....。
いったい、この謎が完全に解かれる日が来るのでしょうか?

「聖書も神も、”ひと”が作り上げたもの。」
まるで、今まさに「聖書を書き直せ」と言わんがばかりに、新たな説を掲げるこの映画。
もちろん、そんなこの映画だって、同じように”ひと”が作ったものです。

映画ひとつで語り尽くせるほど、どの宗教は浅くもないはずですし、書物一冊だけで書き記せるほど薄っぺらくはないはず。この映画「ダ・ヴィンチ・コード」は、あくまで「宗教を題材としたミステリー」とした上で、楽しめる作品なのだな、と感じました。

それでも宗教は受け継がれて行くのですから、ね。

ついには「神への冒涜(ぼうとく)」「観てはいけない映画」という声まで上がる中、とうとう全世界一斉公開。
国民の80%以上がカトリック教徒というフィリピンのマニラ市では、全映画館に「上映禁止」の通達を出したそうですね。これに反して上映した映画館の経営者は処罰を受けるという....、それほど強くこの映画を拒否する国まで出てしまいました。

さて、既にこの映画を観たみなさんは、どう感じたのでしょうか?
その感想は、原作を読んだ、読まない
また個人の宗教観などでも、きっと大きく左右されるのだと思います。 

個人的には原作を読まずに映画を観る方が楽しめると思いますね。

だって、”原作を超える映画なし”でしょ?

 

《2006.08.17記事一部改訂》

【作品】ダ・ヴィンチ・コード

 


GOAL! ゴール! (2005)

2006年05月17日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★

鑑賞環境  試写会
上映時間 118分
製作国 アメリカ/イギリス
公開情報 劇場公開 (東芝エンタテインメント)
初公開年月 2006/05/27
ジャンル ドラマ/スポーツ

サンティアゴ・ムネス(クノ・ベッカー)は、メキシコから米国へと一家で不法入国し、ロスに暮らす20歳の青年だった。昼は父と共に庭師として働き、夜もアルバイトをして、生計を立てていた。サンティアゴは、地元サッカーチームのスタープレイヤー。父親は、息子と事業を始めたがっているが、彼は密かにプロ選手を夢見て、貯金もしていた。ある日、試合後、一人の男がサンティアゴに近づいて来た。それは、元ニューカッスル・ユナイテッドの選手の、スカウトマン:グレン・フォイ(スティーヴン・ディレイン)だった。男は、彼にロンドンへ行き、プロテストを受けるよう、強く薦める。

 

(goo映画より抜粋)

「こんな映画、観る気はないよ」、というアナタ。そうです。そこのア・ナ・タです。
ちょっと待って!もしかしたらこれ、アナタのツボにくる映画かもしれませんよ。 

え?「わたス、さっかー好きちゃいまんねん。」ですって?

そりゃそれで、大いに結構コケッコー!
いや、だからね。 むしろ、そういう人にこそ観てもらいたい映画なんです。
何しろ、サッカー音痴のこっちゃんが言うんだから間違いないッ!うん。

それにしてもマイッタなぁ~!こんな映画が面白いなんてまったく予想外

おともだちも言ってたけど、「これ試写会じゃなければ観てなかったと思う。」
こっちゃんにとっても、そんな映画でしたから。・・・観るまではね。

ところがね、観てみて熱狂ですよ!しかもウルウルですよ。
思わず吠えてしまいそうになります。

 
おおおーっ!・・・てなもんで。( ̄∀ ̄*)

まずね、はじめに言っておきますけど、こっちゃんの場合、サッカーってそんなに熱狂できなかったんですよね。
なーんか乗り遅れちゃったっていうのもありますけど、あれって選手がいっぱいいるじゃないですか。当たり前だけど。顔なんか覚えてられないんですよ。こっちゃん覚えの悪いし。なっちゃって系のフィーリング系だし。だからこんなスポーツ観戦は向かないの。

あ、中田英寿くらいは知ってます。あと、小野伸二はバーモントカレー食べてる人ね?大黒 将志はダイハツのムーブに乗ってるんでしょ?どうです?ヒドイ知識でしょ?まぁ、ざっとこんな程度。

なんて言ってもね、野球より多い人数でプレーするスポーツだなんて、信じられないですよ。あ、そういう野球もそんな好きではないんですけど。とにかくね、スポーツ自体、そんな好きじゃないもんで。こっちゃんの中で、「スポーツ」と呼べるのは、「モーター・スポーツ」くらいなものでして。

これっていかがなモノでしょうね?(笑)

そんなこっちゃんが、迂闊(うかつ)にも入り込んでしまったのが、このサッカー映画「ゴール!」。
こう言っちゃなんですけど、その日のうちに続編が観たくなった映画って、ホント久しぶりですね。
これがレンタルDVDだったら、迷わずすぐに次の「ゴール!2」を借りてるところですよ!

・・・いやあ、恥ずかしいほど心が熱狂しましたね。
気がついたら、心の中でO(≧∇≦O)(O≧∇≦)Oキャーキャー言っちゃってましたから。 

 我ながら、アッパレなミーハーぶりです。(笑)

もっとも、”覚めた観方”をすれば、これは「ありきたりのサクセス・ストーリー」以外の何物でもないのでしょうが、なんと言ってもこの映画の好きなところは、単なるサッカー・スポ根映画だけに終わらせていない点ですね。

それは、「最後にはサッカー以外の悲惨な展開が待ってる」とかって意味じゃなくて、ね。ちゃんと、サッカーで成功を目指す姿を描きつつ、遠く離れた家で見守る家族や、周囲で暖かく包みこんでくれる恋人、そして才能を信じてくれた元名プレイヤーや、同じチームでプレイする選手達との繋がり、そういったドラマが、実に明瞭に描かれて行くという意味です。

これ、ホント良いですよ。楽しめます♪

話は至ってシンプル。とても、分かりやすい。

メキシコ生まれのサンティアゴは、子供の頃に家族に連れられ、不法に渡り住み着いたロスで、父と一緒に庭掃除に明け暮れる毎日。子供の頃からサッカー大好き少年だった彼は、いつもサッカーボールを追い続けていました。もちろん、大人になった今もです。

そんなある日、草サッカー(って言うの?)での彼のプレーが、たまたまロスを訪れていた、英国ニューカッスル・ユナイテッドの元名プレイヤーの目に留まるのでした。ここからサンティアゴの”サクセス物語”が始まります。

英国入り、入団テスト、挫折、練習、プロ入り、試合出場・・・。
まぁ、言葉で書けば、こんな面白みのない感じにはなりますが、この”素材”の”調理法”が実に上手い!
これなら、サッカー・ファンでなくとも全然OK。十分入り込めます。

極端な話、「ボールを足で蹴って、相手のゴールに入れるスポーツ」というコトくらい知っていれば、この映画を観る知識としては、もう十分。ルールなんて、詳しく知らなくても全然OKですよん。もちろん詳しく知ってれば、それに越したことはないですけど。
「ワールドカップって、どんなカップ?」というレベルで、全く問題ないと思います。

それよりとにかくね、何て言ってもこの映画で一番の見せどころは、”家族との絆”。こっちゃん的には、ここを観て欲しいです。安易に予想はついていても、その描き方に泣かされますからね。

「夢をみるな!」という父の反対を押し切って、はるばる英国に渡ったサンティアゴが、サッカーに打ち込む姿。その成功を心から願い、TVで応援する祖母と弟。そして、やがて頑固で自分の意見を聞き入れてくれないと思っていた父親の、本当の心を知ることに・・・。

この家族ドラマには、やっぱり目頭が熱くなってしまいます。

この辺の作り方を、「お約束だね」と言われてしまえばそれまでですが、それでも「ワザとらしく」見せず、むしろ心を熱く揺さぶるあたり、「お見事!」と言わざるを得ません。さらにドラマには、「心の葛藤」や「不安」、そして「誘惑」などのスパイスも盛り込まれ、一層この話を盛り上げます。あ、そういえば「イジメ」「八つ当たり」なんかもありました。(笑)

それと、コイツ(左の人)が、なかなかダメなやつでしてね(笑)↓基本的には良い人なんですけど。
このあたりも、また面白いとこです。

この映画「ゴール!」は、全三部作で完結する映画。
今回は、”STEP1 イングランド・プレミアリーグの誓い”という、サブタイトルがついています。

そして、「ゴール!2」では、主人公サンティアゴはレアル・マドリードに移籍。その「ゴール!2」は、今秋公開予定だそうで。正直、待ちきれない思いです!(おやおや、この前までサッカーなんて見向きもしなかったのに)

更に「ゴール!3」では、実際のドイツ・ワールドカップに舞台を移すという、興奮必至の展開が、もう既に設定されているようです。撮影も、その実際のワールド・カップで行われるという凄さ!気合入ってますねぇ。
ほんと、ワクワクしますねッ♪(=´▽`=)ノ ヒャホー!

とにかくね、ワールド・カップの日本代表も発表となったこの時期に、この映画は、絶好のタイミングで公開されると言えます。この映画を観て、新たにサッカーに気持ちが向く人も、多いのではないでしょうか?

ちなみに、この映画には、あのセレブなプレーヤーのベッカムをはじめ、ジダンラウールまでもが実名で登場。しかも、しっかりセリフありです!(笑)この辺も、かなり楽しめるトコでしょうね。

あと、このサンティアゴ・ムネス役のクノ・ベッカー、良いですね。笑顔の素敵な好青年です。この映画を観た人は、きっとみんなチームではなくて、サンティアゴのサポーターになっちゃうって感じかもしれませんね。

夢なんて無かった頃からボールを蹴り続けていた彼が、やがて、自分の才能を信じてくれた仲間や、自分の未来を応援してくれた家族、そして何万人もの大観衆の期待を背中に背負い、今まさに!ゴールめがけてシュートを・・・・。ああっ(つд⊂)

その瞬間、思わず叫びたくなった人も多かったのではないでしょうか?
エンドクレジットが流れると同時に、試写会の会場では、ドヨドヨと大きな反響が巻き起こりました。

あと、音楽についてもチョットだけ。

この映画のBGMは、あの有名なバンド、オアシスを中心に、イギリスの名ロックアーティスト多数による歌が使用されています。これが、また最高なんだな!ブリティッシュ・ロックなノリにシビレます!「Morning Glory」のかかった場面では、そのあまりのカッコ良さに鳥肌が立ってしまいました。この映画にピッタリのナンバーが、あっちでも、こっちでも、かかりまくりです!このサントラも、かなりの勢いで欲しくなりました♪

そんな、この映画。
単なる、歯切れの良いスポーツものと思いきや、意外や意外。
最後には泣かせどころもある映画です。 

《2006.08.17記事一部改訂》

【作品】GOAL! ゴール!

 


かもめ食堂 (2005)

2006年05月16日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★

鑑賞環境  映画館
上映時間 102分
製作国 日本
公開情報 劇場公開 (メディアスーツ)
初公開年月 2006/03/11
ジャンル ドラマ/コメディ

フィンランド、ヘルシンキの街角でオープンした小さな食堂。主は日本人女性のサチエさん(小林聡美)。メインメニューはおにぎり。でもお客さんはなかなかやってきません。サチエさんは扉が押される日を待ちながら、食器を磨き続けます。ある日、ついに初めてのお客さんの青年トンミがやってきました。日本かぶれの彼に、「ガッチャマン」の歌詞を聞かれたサチエさんは出だししか思い出せません。続きが気になって仕方ないサチエさんは、カフェで見かけた日本人女性(片桐はいり)に声をかけるのでした。

 

(goo映画より抜粋)

これは、前にもチョットお話ししたことがありますが、札幌にはシアターKINO(キノ)という小さな映画館があります。たった2つしかないスクリーンですが、選りすぐりの、いわゆる”ミニシアター系”映画を、綿密に組み立てられたスケジュールで上映してくれるという、これがなんとも素敵な映画館でして。

その映画館では、「単なる接客」というよりは、むしろ至福の時間に招待してくれるなんて感覚に近い、そんな雰囲気があって、こっちゃんのお気に入りの映画館なんです。

そして、「マスター」と呼びたくなるような館長自らが、順番を待つお客さんに、気軽に、そして心地良いトーンで話しかけてきてくれます。「これで本当に採算が合うのかな?」と、こちらが心配しても、「その映画が良ければ上映します。」というような、映画に対する何かこう、頑(かたくな)なスタイルがあって、そこに惚れこみ何度も足を運ぶ人も多いのではないでしょうか?KINOは、変に客に媚びて興収目当てに走らず、まるで映画好きの家族が運営しているような映画館なんです。

本当に”札幌の財産”と呼びたくなるような映画館なのですよ。

更に余談ですが、このKINOでは、”赤い薔薇をお持ちの方、「親切なクムジャさん」お一人1000円”とか、”ピンクのお洋服を着てきたら、「ブロークン・フラワーズ」1000円”なんて、楽しい企画をやってくれるのが良くてね。
(もっとも、このシステムを利用したことはないんですけど)
でも、この「かもめ食堂」に関しては、”かもめ持参のかた1000円”とはならなかったようで、良かったです。
正直、安心しました。みんな、そんなの連れてきたら、大変なことになっちゃいますからね、館内が。(笑)

そんなこの映画館”シアターKINO”に、「かもめ食堂」のあの主役3人がいらしゃったそうで。上の写真はKINOの劇場の壁に書かれた、彼女たちの直筆サインです。左から片桐はいりさん、もたいまさこさん、小林聡美さんですね。(ちなみにKINOには、他にもいっぱい色んな俳優さんや、監督さんのサインが壁のあちこちに書かれています)ちなみに、この記事の【おはなし】のところに掲載した画像は、そのときの彼女たちの写真です。

そんなわけで本題に入りますが、このアットホームな雰囲気漂う劇場に、「かもめ食堂」は最高にピッタリの映画でした。

なんだかね、とってもゆったり出来る時間を過ごさせてもらった気持ちになれます。この映画を観て、「あ、いざとなったらフィンランドに行けば、アタシも何とかなるんじゃない?」なんて思っちゃった人も、中にはいたのではないでしょうか?とても良さそうな街ですね、ヘルシンキ。
こっちゃんも、まだ見ぬこの土地に何だか行ってみたくなりました。こんな街なら住んでみるのも良いかもしれません。そして、「かもめ食堂」を始めてみるなんてね。これ良いんじゃないですか?あ、”かもめ”が「パクリだろ!」って言われるんでしたら、「ザリガニ食堂」にしますけど。(笑)←映画を観た人、これで意味わかります?

そんなわけで、日本のどこかの片田舎にありそうな名前、「かもめ食堂」。
”レストラン”でも、”喫茶店”でもなく、”食堂”です。そこがまた良いトコ。

シャケの網焼き。ブタのしょうが焼き。そして、とんかつ....。
そのメニューだって、どこの食堂にでもありそうなものばかり。品数だって、そんなに多くはありません。
ただ、ひとつこの食堂が変っているのは、その店がなんとフィンランドのヘルシンキにあるということ。そして、メインメニューは”おにぎり”だということです。
そう、フィンランドのこの土地で、あえて日本食。あえて、おにぎりなんですね。

それにしても、この映画も良かったですね~。ここ最近ちょっと良い映画に当たりすぎです。
「観なければヨカッタ」なんて映画に、あまり出くわさなくなりました。これはとても嬉しいことです。

とくに、この映画「かもめ食堂」に関しては、その絶妙な「間」と「テンポ」によって、とても柔らかく、また暖かく、そして微笑ましい気分で終始いられるというか・・・・。う~ん、あまりうまく言えないな。

あ、映画の中で小林聡美さんが、プカプカとプールに浮いてるシーンがありましたけど、あれってとても気持ち良さそうでしたよね。そ、あんなカンジとでも言いましょうか?重力を忘れて水に浮いちゃってる感じ。(笑)とにかくね、そういうような心地良い映画なんです。

こういう作りの映画は、どの作品にもスリルとサスペンスを求めちゃうような、熱いタイプの若者にはあまりオススメしませんけど、もしかしたら「人生に必要なもの」がこの映画で見つかるかもしれませんよ。今までずーっと、心のどこかで探していた”何か”が、ここにあったような気がしてきます。

ただ、どちらかと言えば、これは こころの中でモヤモヤを抱える大人向けの映画なのかもしれません。

この映画の中のワンシーンでもたいまさこさんが、お店を経営する小林聡美さんに向かって、「やりたい事やれていいわねぇ」なんて言うシーンがあるんですが、その言葉に返した小林聡美さんの言葉は、とてもストレート。そして、なかなか深いと思わせるものがありました。

彼女が返した言葉。  それは

やりたくない事は、やらないだけです。

ああ、人生ってこれで良いんだな。」いや、「むしろ、これが良いんだな」、と。

こんなこと言っちゃうと、「おい、世の中そんな甘くないで!」なんて、”仕事村の仕事族”からの罵声も聞こえてきそうですが、そこはそれ。だってね、生き方は様々。人生も様々ですから。
”お金”にも、”時間”にも、はたまた”物質”にも縛られない・・・そんな土地で暮らすことだって、人間ヤル気になったら出来るわけですからね。会社勤めの”給料”で、せっせせっせと生計をたてるばかりが”人生”ではないハズです。

もっとも、100%完璧な「自由」を望んでしまうと、たぶん無人島行きになっちゃいますからね。(笑)
そうではなくて、今の考え方をチョットだけ変えて、せめてその半分でも自分を縛り付けるものを払い除けることが出来るのだったら、その時は、きっと今よりも素敵な笑顔で笑えるような気がしませんか?

この映画「かもめ食堂」の中の、女性三人はとても素敵です。色んなことを楽しんでいます。少々のことではクヨクヨせず、いつも希望を忘れない。ありのままを受け止め、人には優しく接する。人生を否定せず、そして過去にも囚われない。

必要以上に個人の過去を詮索したり、また周囲の目をやたらと気にしないのも良いですね。相手が話したいことだけを聞く、目のあった人には挨拶をする、というスタイルです。この映画のやりとりは、こういうトコロが基本になっているように感じました。ここがとても気に入りましたねぇ。

そんな三人の姿を描いたこの映画は、きっと多くの人の心を癒してくれる力をもっているのだと思います。雁字搦(がんじがら)めの日本人に、まるで水のように染みこんで来る映画ではないでしょうか?

OPENしてしばらくは、客が来なかった「かもめ食堂」。そのうち、日本カブレの青年が毎日コーヒーを飲みにやってくる。やがてシナモンロールの香りに釣られたご婦人がやってきて。で、それを見たチャールズ皇太子似の夫婦もやってきて(笑)そして、そのうち、もっと、もっと、たくさんの人たちが....。

ここなら、やれると思ったんです

そんなサチエさんの想いは、やがて暖かい拍手で現地の人たちに迎え入れられます。こういうのって、何だかこっちまで嬉しくなって、ちょっとウルッときちゃいますよ。

東京では3月から公開されたこの映画ですが、その東京で手放さなかったフィルムがようやく札幌に来ました。
首を長くして待ちに待ち、やっと5月13日から上映となったこの映画に、大勢の札幌の人たちが詰め掛けました。KINOではパイプ椅子を廊下に設置するほどの超満員。何しろ、こっちゃんも、くまたんも、前売り券を握り締め、この日をずーっと待ってましたからね。

そんなギュウギュウ詰めの上映でも、みんな場面場面でアハハと笑い、とても楽しそう♪
そして帰りには、みんなとても穏やかで、優しい顔になっていたように思います。

心が元気になる、そしてお腹の空く映画「かもめ食堂」。
「いらっしゃい!」が素敵なこの食堂に、一度行った人なら、きっとまた行ってみたくなります。
そのうち、みんな常連さんになっちゃうんでしょうね。

そんなこんなで、お腹がペコペコになったこっちゃんは、この映画の帰りにおにぎり屋さんで、おにぎりを3個食べて帰りました。(笑)

だって食べたくなったんだもの。(*´ー`*)

 

《2006.08.17記事一部改訂》

【作品】かもめ食堂