昨日(4/23)、ネジの講義受講という貴重な機会を得ました。
講座の主催者は、池田金属工業(株)というねじの専門商社さんでした。
その講座の名称も 『 なるほど!ねじのおもしろ講座 』となっていて、講座内容も実際の作業やメンテナンス面でのアドバイスを、誰にでも理解しやすい様に実験も含めて優しく伝える工夫に満ちていました。
オートバイもネジを正しく扱えば、ほとんどの部品は分解・整備できますし、その乗り味や操縦特性、そして走行安全性を更に高める事ができますので、その講座内容には強く関心が惹かれ、主催者の方に特別に依頼して受講を許可してもらったのです。
実際に講座が始まってみれば、大学の工学部で金属塑性を研究し、ネジについては日頃からある程度は勉強していた私にとって、余裕で理解できる内容からアクセル全開にしても離されていく様な内容まであり、3種類の実験を目の前で体験できるなど、朝から夕方までの一日の講座では覚えきれない程に、これからの ネジの勉強に弾みとなる事ばかりでした。
最後に、この様な貴重な機会を与えて下さった 池田金属工業(株)の受付担当の方、そして 当 日の講座を担当して下さった講師役の方々には改めてお礼を申し上げます。
商社としての商売の一環とは云え、費用と人材をかけて日本各地で年間10回程開催されている活動(展示会を除き)には、ネジに対しての理解を深めて機械の正しい作動を確保する知識を浸透させ、ひいては利用する人々の安全を守りたいという精神が流れているのを感じざるを得ませんでした。
私達 GRA も、オートバイと交通社会という具合にジャンルは異なりますが、ネジの様に誰でも知っている様な事柄であっても、一つひとつ掘り下げて解説を行ない、オートバイをいつまでも楽しめる生活を過ごすための知識や情報を届ける活動の励みを受けた一日でした。
< 追伸 >
講座の翌日(4/24)、午後一番には、当日行なった 3種類の試験結果が 結果表、グラフ、そして考察も含めてメールで全受講者に届けられました。
重ねて 御礼を申し上げます。
NPO法人 GRA代表 小林 裕之
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個人的に一番関心が高かった内容は「トルク管理方法」でした。というのも、オートバイはネジの締め付けトルクに非常に敏感な乗り物だからです。
しかし、簡単に「トルク管理方法」と言っても、トルクレンチを使えばよい訳ではなく、ボルトに適切な“軸力”(張力)を与えるのが難しいのです。
適切なボルトの選択に始まり、ボルトの座面の管理、ネジ山の管理を行なう事が大切だと十分に理解しているのですが、それでもボルトに実際にかかっている“軸力”を計算で求めたり、“軸力”の管理の道は難しかったのです。
が、その理解と解明の知識とヒントを今回の講座で得られたのです。
ボルトの“軸力”は、以下の式で求められます。
【 T = K・F・D 】 ( T: トルク、 K:トルク指数、F:軸力、D:ボルト径 )
この中で悩みの種が“トルク指数”だったのです。今まで見てきた資料によって表現の仕方が異なり、T指数などとも表記して、一定の値をとらず、その指数の数値の根拠が不明だったからです。
しかし、今回の講座と講師役の方の説明から、材質や経験値などから求められてきた暫定的な指数だと、理解を一歩前進させる事ができました。
後は、実際のオートバイで、使用しているボルトの材質と径、母材側の材質、潤滑の有無などを要素に、“推定軸力”を探り出しての管理を試してみます。
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