妖怪大魔王・コバ法王日記

オートバイを分解して磨き、正確に組み立て独自理論でラインを探り、ストップウォッチと頭脳で感性を磨き、日々の想い語ります

動画・オートバイ ライディング の『基本練習』 Motorcycle BASIC PRACTICE 製作しました !

2021-10-17 19:31:55 | オートバイの練習は楽しい


ブログに「 旋回(ターン)の楽しさ、知らない人へ 」という題目のコラムを掲載して、スキーやスノーボード、サーフィンなどと較べると、オートバイ(ライダー)は持っている旋回の能力を引き出されていない事を書き、バンクをさせてリアブレーキを引きずるように使った旋回では、オートバイが持っている能力を適切に使えない事を伝えました。


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すると、多くの方が興味を示して下さり、中には記事の内容に賛同して下さった方もありましたので、ブログの記事を 『 旋回の “神髄”  身につけよう 』 と題名を改めて GRAの公式Webサイトに正式に掲載して、要望に応えて 動画 も掲載する予定で進めてきました。


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『 オートバイ ライディング の “ 基本練習 ” 』


ただ、撮影専用のイベントを開催する機会が無く、以前に開催したイベントで撮影された動画の中から、今回の記事に適した動画を採用して、動画の中で解説コメントなどを加える過程を経て、ようやく完成に至ったのです。専用に撮影した映像ではない為、多少、欲しいカットに欠ける面も否めませんが、『 旋回の “神髄”  身につけよう 』の記事を見た方には充分に伝わる内容だと思います。



 



『 基本の “き”  』


よく似た意図で製作したライディング講座用動画『 オートバイライディング・基本の “き” 』シリーズでも、第3編 と 第4編 の製作企画を進めており、こちらでは より多くの方に理解して参考にしてもらえると信じています。
どうぞ、『 基本の “き” 』シリーズにもご期待ください。



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妖怪・小林、“こばジム” を企画してトレーニングに励む動画です ( 1988年12月3~4日 )

2021-09-07 19:16:35 | オートバイの練習は楽しい

     
オートバイの楽しさを広める活動を行なっている 妖怪・小林が、GRAを発足させる以前に鈴鹿サーキットで企画開催していた “こばジム” の動画です。


  
“こばジム” とは、日本で最も施設と指導が充実していた、鈴鹿サーキット 交通教育センターの教習コースを借り切り、参加希望者を集めて行なっていた一泊二日のトレーニング合宿の事です。 専用コースでのスラローム走行練習からサーキット走行体験、オフロード走行練習など、とても充実した内容のカリキュラムでした。

尚、1991年のGRA発足以降は、『 鈴鹿合宿 』という名称で GRAイベントとして開催しています。



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ヤマハ主催レッスン、見学記

2019-06-30 21:28:48 | オートバイの練習は楽しい

先日の土曜日(6/29)、ヤマハさん主催の『大人のバイクレッスン』を見学してきた。
   
日焼け止めクリームを顔面に塗って行かなかった事を少し後悔しながら、当日に受けた印象やヒント、確信を、メモ書きを見ながら振り返ってみた。    
 
 
『 大人のバイクレッスン 』  
  
メーカー主催の講習活動して40年程の実績のあるヤマハさん。 今回、見学した『 大人のバイクレッスン 』は、免許取得者を対象に、基本的なライディングテクニックを見つめ直すのに最適なレッスンでした。  
 
二普協などが全国に開催しているレッスンイベントとの一番大きな違いは、基本的な事を参加者に合わせて、とても丁寧にキメ細かく伝える構成になっていて、他イベントで散見される常連参加者の「速くなりたい」的な雰囲気も無く、誰でも安心して参加できる内容だった事だ。     

   
速さレベルをタイム指数で表現すれば、他イベントが 13000 ~ 24000 だとすれば、今回見学したイベントは 18000 ~ 30000 。 しかし、そんな速さなんて関係無い事を 改めて思い知らせた フィールド体験になった。
 
 
 
 
『 フィールドワーク と NPO法人活動 』  

1991年以来、GRAとしてレッスンを始めとして数々のイベント開催を全国各地で行ない、また自分自身の競技者としての経験からも、数多くの情報や知識・体験を NPO法人活動を通じて発信し続けているが、やはり、フィールドワークの大切さを改めて認識させられた。  
   
フィールドワークとは、自ら企画して開催するイベントも含まれるが、現場へ脚を運び、その場の人達の声を聴き、行動を観る事を通じて世の動きを感じる事。  
   
オートバイ販売店へ脚を運び、レッスンイベントへ脚を運んでみると、誌面やWebサイトでは得られない体験や情報があふれている事を実感したからこそ、そこで得た知識や情報を加味して、それらを必要とする全国各地の人々へ届ける事こそ、NPO法人活動として行なうべき事だと確信した。 それを確信させる良い出会いとパワーが得られた半日だった。          
 
 
『 輝く軌跡を、多くの人に 』
   
レッスンで参加者の人達の受講風景を観て、一人ひとりのライディングの変化度、つまり、講師の方の言葉の響き方と、オートバイとの会話の進め方を観察していて、改めてライディングの基本を思い出させてもらえた。

     “ 速さが上手さの証明にならず、上手な人が速い訳ではない ”   
    
僕は、ライディングを観る時は、地上 1m以内、前後のタイヤの動きしか見ない。その範囲だけで、操作のほとんどが見えてくるし、オートバイのコンディションレベルが出ているからだ。
   
そして、簡単なセクションでの簡単な操作の基本練習の中、実際、上手な人の走りは輝いて見えていた。 アスファルトの上、タイヤが描く軌跡が輝き浮かび上がってくるのだ。
そこには、決して速さは無いけど、オートバイとの会話を通じて、スムーズさと美しさが尾を引くように輝いていた。そんな走りこそ、観ていて飽きないし、最も価値がある。 そんな美しさの大切さ、多くの人に伝えたいし、味わって欲しいものだ。       
 
 
『 僕の目標、GRAの使命 』
   
当日のメモの最後に書いた言葉は、「 インストラクターの指示を忠実に守り、回数を重ねて速く走れるようになっても、上手になっているとは言えない 」だ。  
   
実際、数多くの講習イベントで目の当りにしてきた光景だし、過去のGRAイベント参加者であっても同じ事が言える。オートバイが活き活きしていなくて、タイヤの軌跡がまぶしく輝いていないライディングが多過ぎる。
    
から、僕はオートバイと会話するライディングを広めたい。
それは、高い速度域で走る事でも、バンク角が深い領域でもなく、信号待ちで停車する時や狭い路地をゆっくり曲がる時にも感じられる、オートバイとの信頼感であり一体感を高められるライディングをだ。  
   
それを、実際に参加者を集めて行なうイベント以外、Webサイトを通じて、効果的に、全国各地のライダーへ発信を行なっていきたいと、今回の経験で改めて強く思った。
きっと、それは簡単な事でないだろう。
「 こういう時にはこういう操作を 」の様に、マニュアル本的な、頭でっかちで、オートバイの意思や事情、意見を聞かない、日本的教育そのまま、詰め込み型指導が大半を占める中、オートバイの声を聴き、オートバイから教えてもらう方法を広めようとしているのだから。  
   
でも、既に幾つかのアイデアやセクションも頭に浮かんでいる。
とても簡単なセクションだけど、ライディングスキルのレベルに関係なく、オートバイから 「 いいね!」とか 「 もうちょっと 」という声が聞こえてくる カリキュラムだ。 
ちょっとしたスペースがあれば、短時間でも、一人でも、確実に 楽しくオートバイと会話できてスキルアップも出来るカリキュラムを、GRAイベントで採用するし、Webサイトを通じて発信していくので、興味のある人は、是非、期待していて欲しい。
 
 
 
以上が、6/29、半日の見学で得た貴重な体験だ。
 
 


『 次こそ、完璧だ ?? 』 (参加感想文より転載)

2017-08-25 23:54:10 | オートバイの練習は楽しい
この文章は 公式サイトからの転載文です。
<GRA公式サイト>
http://gra-npo.org/publicity/impress/2017/20170813_imp.html


【 トライアンフ再走計画 】

今回のイベントは、丸6年以上ガレージ保管を続けていた トライアンフ(以下 トラ君)での久し振りの参加でした。
そのために、切れたままだった車検の取得だけでなく、色々な作業を施して 完璧(?)な状態での参加を目指したのです。

前後のタイヤを始めとするゴム製品の交換、エンジンオイル等のオイル&グリスの交換、バッテリーの交換に前後サスペンションのリセット作業などをじっくりとしてきました。



【 サスペンションのリセッティングは 】

サスペンションは トラ君の最大の難点です。
特に、フロントサスペンションは 元々のトレール量が少なく、一般道を走っていても安定感に欠けるほどで、リアサスペンションは ノーマル(純正)のアライメントはスポーツ走行に不向きで、姉妹車:デイトナ675 仕様にしたものの、グリップ不足の症状に常に悩まされていたのです。

そこで、フロントサスペンションは ストローク位置を 25㎜伸ばして、2010年当時に組み込んでいた 1998年型 ホーネット600用純正スプリング( スプリングレート: 0.62 ~ 1.02 Kgf/mm / 変換点 : 69.7 mm )から、一気にスプリングレートを上げる目的で、WP社製 ZZ-R 1100用スプリング ( レート : 0.84 ~ 1.05 Kgf/mm 変換点 : 90.0 mm)へと変更して、前後車高バランスや残ストローク調整を施したのです。 ( これで かなり完璧か ? )

リアサスペンションは、デイトナ675用のスプリングレートが異様に高過ぎ(675 LBS/mm)て、一般道では正しくグリップさせられないレベルだったので、低レート(575 LBS/mm)のスプリングへと変更していたのですが、それでもグリップ感が足らなかったのです。
そこで、今回は、低レートにしたスプリングに合わせて ダンパー内部のシム変更を行ないました。(ますます完璧か?)



【 個人練習での感触は ・・ 】

イベント当日、個人練習の場で走ってみた感触は、

「 正に 最高の気持ち !!」
「 以前のセットよりも、ずっと素性が良さそう! 」

ライディングオフ期間が4年以上あったので、先ずは VTR250 でリハビリテーションを兼ねた練習をしていたのですが、VTRとは較べものにならない程の安定感と安心感なのです。

VTR250 の場合には、攻めたセッティングに振っていた関係もあったのでしょう、路面の小さな石を踏んだだけで不安定な挙動を示していたのが、トラ君の場合には小石の存在を神経質に気にしなくても良く、しかも豊富なトルクでいつもグリップ感が豊富に感じられるのです。

「 高レートのフロントスプリングでもバランスは良い! 」
「 リセットしたリアダンパーのお蔭か、リアのグリップ感が二回り大きくなった! 」(自己満足?)



【 一転、コース走行練習では 】

ところが、個人練習では良かった感触も ショートコースを使った走行練習では、「何か違うぞ ?」& 「フロントのマナーが悪いぞ 」になったのでした。

元々、トラ君はトレール量が少ないので、フロントタイヤの方向安定性が低い特徴(持病)があるので、フロントの車高を為目にセットした上で、最大ストローク近辺に近づかない様に高レートのスプリングに変更したというのに ・・
ブレーキで追い込んだターンをするほど、ターン角度が大きくなるほど、フロントサスペンションが変に上下ストローク(揺れる)する領域が出てくるのです。

「 困った、どうにかしなくては 」

そこで、最大ストローク付近の車高(残ストローク量)を上げてトレール量を稼ぐため、フロントフォークオイルを左右 5㏄ ずつ追加して試走。

「 ちょっと良くなったけど、まだ不安定な挙動が出るな 」

そして、また フロントフォークオイルを 左右 5㏄ ずつ追加したところで タイムトライアル となったのです。



【 タイムトライアルでは ・・ 】

結果から言えば、現状のままでも トラ は十分に速いし、VTRよりも速く走れるだろう。
でも、ターン中の不安定な挙動は消えてなくて、走行ラインをコントロールできず、思う存分には走れない状態でした。

「 完璧なんて、まだまだほど遠く、このままでは使えない、楽しめない 」

帰路はずっと、どうしてあんな挙動になったのか、前から後まで、一つひとつ考えたのでした、



【 解析とリセット作業 】

挙動を解析した結果は、高レートのスプリングへと変更したフロントフォークだったけれど、レート変換点が 90.0 mmなので、丁度 78 mm ストロークさせた位置(残り実効ストローク 20 mm )、つまり ターン中に大きくストロークさせた時点で レートの段付きが生まれ、それが要因となって 不安定な挙動を大きくしてしまったのではという結論に到達しました。

そこで、今度は 高レートへの変換点が早目に来る WP社製 FZR1000 用スプリング ( レート : 0.70 ~ 1.11 Kgf/mm 変換点 : 52.9 mm )へと交換作業も完了 !
これで、初期レートは 交換前よりも低いものの、乗車状態(1G’時)で レート変換点を迎えており、それからのストロークは 1.11 Kgf/mm という高レートだから、最大ストローク付近での挙動は抑えられる筈 !

実際、一般道での試走の結果は、今までは小さなギャップの通過時に感じていた不安定な挙動がずっと抑えられて、更に安定感が増した上、1G' 時 からの伸び(リバウンド)側のレートは高くないので、軽快感の高いセットになっています。

「 さあ、これで次こそ、完璧か? 」

更に、後になってから気付いたのは、内部シム変更後の リアダンパー の 外部ダイヤルでの再度の微調整を忘れていました。
従来の 内部セットに合わせた 外部ダイヤルセットでは、やっぱり! 最適なセットではないですよね。

「 怖いほどに、益々完璧か? 」



【 タイムトライアルがあってこそ 】

いつもながら感じる事は、“ タイムトライアル ”の大切さですね。

これは トラ君のような、ディープな 「 セッティング 」の話だけに限らず、「 ライディング 」の確認のためにも “ タイムトライアル ”はとても大切だといつも実感していますし、その様な環境に恵まれている事に感謝しています。

「 ライディング 」で一番大切な技術は、車両と自身の能力の限界を正しく知る事だと思っているからです。
特に、一般道を走行する際に、想定外の状況に遭遇した際に、最もリスクが低くなる回避動作を行なうのにはそれらが欠かせないからです。

ピッチャーはマウンドに立ってこそ真の実力が判るように、ボクサーはリングに入ってこそ足りない技術が判るように、ライダーは安全な環境でタイムトライアル を経験すべきだと思います。

さあ、トラ君もリセットできたし、次のタイムトライアル の 機会が待ちきれないぞ !!





i 君のアドバイスが心に残って ・ ・ ・ ♪

2017-06-23 22:53:40 | オートバイの練習は楽しい
リハビリテーションは進み

暫くオートバイから離れてから、改めてリターンライディングした頃は、この自由練習会はリターン&リハビリテーションにとても効果的でした。
自分のペースで自分の技量に合わせて、疲れ過ぎない様に自由に楽しめました。

それから、参加する度に徐々にリハビリテーションの効果も高まり、以前の様な緻密な車体調整へと気持ちが向くようになりました。
リターン直後は細かなミスが多かった整備勘も、整備を繰り返す度に練度と精度が高まり、以前からのデータ記録帳を開く時間も増えいき、徐々にセッティングという“迷宮”の入口に近づいてきました。

オートバイ自身のバランスを整えるのはもちろん、ライダーとのバランスを整えるセッティング。
これか整ってこそ、もっと高い次元でもっと大きな喜びになるから楽しみです。


■ タイヤの交換

昨年12月中旬に交換したタイヤも摩耗限界(フロントのエッジ:0 分山)になったので、今年発売の新シリーズへと交換しました。

従来の α-13(HR規格)から α-14(HR規格)へと手組み交換したのですが、設計に小さくない変化があるようです。
ビード剛性とサイド(ウォール)剛性が落としてあり、しかも均質で適度なハリと潤い感(?)が保たれていて、2000年代初期の M社製品のよう ???

α-10 時代から α-11、-12 の変化も味わってきたけど、今回の変化が一番大きい? と思えるモノ。
しかも、ZR規格(適応速度レンジが更に高い規格)の α-14 は、別機:トラ に履かせたけど、HR規格とは異なり、ビード剛性を従来より一段階高めるなど設計ポリシーも違っている?
それだけ、対応速度域の低い HR規格には最適設計されているのかも知れない。

これは、実際に走ってみるのが楽しみだし、新しくデータも取り直さなくては! とこの時は思っていたのでした。

しかし、それ以外に心配事も一つ。
脱いだリアタイヤのアブレーション(正常範囲の波立ち摩耗)が、右と左で違う!
右側は正しく路面で仕事をした跡があるのに、左側にはそれが少ない。

右と左での練習内容・頻度は変わらないので、ライディングの左右差があるのか?
それとも 前後タイヤの整列がずれているのか?
とりあえず、“前後妖怪棒”を使って前後整列を整えて、準備を完了しました。


■ アンダーステムブラケットボルトの変更

オートバイの操縦性に影響するボルトと言えば アンダーステムブラケット(俗称:三つ又)の フォーク固定用ボルトで、その締め付けトルク次第で操縦性と安定性に大きく影響するというのが持論。

今までは、“伸び”や“さび”が発生しやすいノーマル仕様のボルトから、「ステンレス」製のボルトへと変更して、それを基にセット出しをしていました。
が、ステンレス特有の“かじり”に悩まされてきたので、今度は「クロメート仕上げ」のスチールボルト に 「グリス塗布」(スレッドコンパウンド塗布)へと変更したのです。

万全を尽くすため、ボルトサイズ:M10 細目(P 1.25)用のタップを手配して、ブラケット側の ボルト穴を正しく整備し直し、ノーマルより 5 ㎜ 長いクロメート仕上げのボルトへと交換して、締め付けトルクは ノーマル指定の 39 Nm(ニュートンメーター) から 36 Nm へと落として様子を見る事にしました。



■ ダンパーセットも確認

もう一つ、言い訳をします。
リハビリテーションの楽しさにまみれて、整備勘の回復に神経を使って、全く セッティングへの注意が不足していたようです。

いえ、フロントフォークの車高調整トストローク調整には注意を向けていたのですが、リアのダンパーのセット確認には注意が向いてなかったのです。
その事に前日までに気づいていたので、リアのダンパー(減衰力)セッティングを、過去のタイヤ α-12 でのセット値へとリセットし直したのですが、タイヤの特性は変化している筈だし、ダンパーの経年変化はしている筈だから、本当ならば 実際に走って確認・調整すべき事だったのです。

結局、ダンパーセッティングだけでなく、タイヤ変更による適正タイヤ空気圧の確認・調整、
そして アンダーブラケット ボルトのトルク確認など、大切な事を当日は全て忘れ、後々後悔するハメになったのです。



■ 走ってみた感じは ・・

イベントが始まり、個人練習をしてみれば、「オートバイはイイ感じ!」

イベント専用新品ブーツの“慣らし”が中々進まないので、バンク角が稼げない。
バンクの度に路面で削り続けたけど、一番好きなバンク角での走行ができない!

でも、オートバイの動きは安定していて、グリップ感が高くて良い感じでした。
実際に、ベテランSさんに乗ってみてもらえば、「安定していて怖くなくイイ感じ」とお褒めの言葉をいただいた。

それでは!と、嬉しい言葉をもっと聞きたくて、伸び盛り I 君にも乗ってもらった。
i 君も 「怖くないです」と言ってくれたけど、続いての言葉が気になった。

「 でも、以前の様な感じが、落ち着きの無いような雰囲気が懐かしいデス」( i 君 談)

んん?
そういえば、ベテランSさん、初参加の人の ノーマルVTR に乗った後の言葉、

「 懐かしいですね、鈴鹿サーキットのトレーニング施設で乗った時の感じと同じです」

んんん? 僕の VTR は VTR では ないのかな?



■ ショトコース走行練習にて

午後 2時過ぎからの ショートコース・タイム測定走行練習は順調に始まりました。

「 うん、うん、安定していて 良い感じ! 」

でも、コースに慣れて、更にペースを上げて、コースとオートバイとの対話を高めようとしても、これが一番楽しいし、スキルアップの活力だと言うのに、「 反応が鈍い、口数の少ない、頑固なオートバイ !!」 になったのです。

ターンへ向けてターンインは出来ても、ターン中に べったり無口になる。
無口になるから ターンアウトに向けての アクセルポイントが掴めない。

ターンした途端に無口になるから、ターン部に置く “仮想 ベースサークル(基本円)”が
見えなくなり、ターンの一つひとつが手探り状態になるから、細かな切り替えしや微調整さえやり難くなる。

「 何故なんだ!」と考えて、気づけば良かったのに、そのまま走り続けて、ターンイン中に 左へ簡単にスリップダウン !
そう、あの“左”でした。



■ 帰路にて

イベントは無事に終了して、帰路の高速道路上で一日の走行をシミュレーション。
特に、個人練習で行なった 15 mピッチでの Oの字旋回 と ショートコース走行を。

この時になって、ようやく気付いたのが 大切な「タイヤのエア調整・確認」をしなかった事、アンダーステムブラケットの「フォーク固定用ボルトの締め付けトルク調整・確認」と新タイヤに合わせての「リア・ダンパーの調整・確認」を忘れていた事でした。

恐らく、新タイヤ α-14 に最適なエア値は 従来モデルとは違う筈。
このエア圧変更と 固定用ボルトのトルク値変更と併せて、ターン中に荷重を高めた時に感じた フロント全体の“ ヨレ感 ”は解消できるかも。
そうすれば、ターン中の方向安定性がはっきりと出てきて、ベースサークル(基本円)からのターンアウト(アクセルONによる)もはっきりと見えたかも知れないな ・・・ と。

後悔 & 後悔

i 君の言っていた、「 以前の様な雰囲気も好きです 」のアドバイスもその時に理解できたのです。
オートバイが自らの意思をはっきりと持ち、「 こっちへ行きまっせ!」と言ってくる感じが。



■ 次に向けて

左へターンイン中に転倒したのは、リアタイヤのアブレーションが右と左で差が出ている事と無関係ではないだろう。
実際、ガレージに戻ってから確認すれば、左右のアブレーションの差は依然として出ている。

リアスイングアームのピポット部、ベアリングとカラーの摩耗のチェック、そしてピポットシャフト、ピポット周りのエンジンマウントボルトの分解・再整備 が必要だ。

「最適エア圧」、「最適フォーク固定用ボルト締め付けトルク」の調整・確認以外に、フロントフォーク周りのアライメント変更は必要だろう。

・ 0 G(無荷重)時 フロント車高 : 143 ㎜
・ 1G'(乗車荷重)時 フロント車高 : 100.5 ㎜
・ 残ストローク値(練習走行時) : 49 ㎜
・ 残ストローク値(フルバンプ時):: 45 ㎜(推定)

ガレージにて測定した結果、【 通常ストローク長 】が 94 ㎜ ほどだった。
1G' 時車高はそのままでも、残ストローク値は 2~3 ㎜ は下げる方向性だろう。(きっと ・・!)

さあ、次に向けて、オートバイの一番大切な部品“タイヤ”の性能を発揮させられるようになってみたいものだ、( なるかなぁ ~? なるとイイなぁ~ )


以上が 今回の参加で得た体験で感想文です。