妖怪大魔王・コバ法王日記

オートバイを分解して磨き、正確に組み立て独自理論でラインを探り、ストップウォッチと頭脳で感性を磨き、日々の想い語ります

トラ君、 足がつく 。

2019-01-29 22:00:05 | 妖怪ガレージ、奮戦記
前足(前輪) を外したままだったトラ君、冷えて可哀想だったので、3週間超ぶりに、取り付ける。
これで、いつでも自由に、トラ君、外に出掛けられるようになる。


スプリングは WP ZZ-R 1100 用、 イニシャルは低めに 最初は低めに抑えて 9.0 kgf 、スラストベアリング組み込み、これで 最初は 1G’ 時車高を 100 mm にセットして、次に 残ストロークが 45mm 程度になるように オイル量の調整をする。

初期スプリングレートが 0.66 kgf/mm から 0.84 kgf/mm へと 2割以上高くなるけど、交換前の WP バンディット400 用は 1G’ 時以降は 直ぐに 0.91 kgf/mm になっていたので、1 G’ 時、つまり 通常乗車時には 殆ど変わらないか 若干低いレートのストローク範囲もある計算だ。

まだまだ寒いから、走ってもきちんとしたデータは取りにくいけど、喜びが待っているか? 苦しみが待っているか? 楽しみだ。

< あとがき >
・・ そのスプリングを選んだ基準やその根拠、そして プリロードなどの設定を行なった際のデータ等の詳細は、「 フロントスプリング の交換 と セッティング 」 で、後日紹介します。




ミーティングまで2週間、トラはまだ走れない

2019-01-28 00:34:21 | 妖怪ガレージ、奮戦記
年に一度のミーティングが近づくにつれ、何故か? ガレージが遠くなった。

ちょっと悔しい。
本当は、以前通りに、触って、乗って、撮って、書いていたいけど、
小さな法人でも運営責任はあるし、大切にしている唯一無二の存在であれば尚更だ。

・・・と、言い訳をさせて下さい。





魂とお金のバランスシート

2019-01-25 18:42:51 | 夢を追いかけて ・・

幼い頃はほとんど意識せず、
社会に出てから気づく事がある。
若い頃には無くても気にしなかったが、
やがて、お金が無いと信頼されない事に気付く。

でも、それが一番大切なのか ・・・ ?


『 資本主義社会の常識 』

社会に出て暮らし始めると、お金が無いと困る事に気づく。
それは、単に衣食住の費用に窮して困る事だけに限らない。
お金が無い者は信用も無いという認識や常識があるからだ。

収入が多い者は社会的地位の高い者として扱われ、
収入の多い就職先へ入社する為に勉強をするのは当然で、
その常識に乗りきれない者は負け組と言われる。

企業も同じで、資本金、総資産、事業規模の大きさで判断される。
それは入社希望者だけでなく、取引先や銀行、投資家でも同じ基準だ。
資産が無くて調達もできない企業は、誰にも相手をされないのが常識だ。


『 決算報告の度に ・ 』


NPO法人GRAは、公式サイトに掲載の「決算報告書」にも記載の通り、
2001年以降、「借入金」があり、昨年末決算でも残り続けているが、
その点だけに注目した議案が 「総会」に毎年の様に提出されている。

「 イベントを開催して、そこで運営資金を得る必要がある 」
「 信頼を得るためにも、借入金を全て返済が必要だ 」と

それは、“ お金は信用 ” という偏った社会常識からは真っ当に見える。
しかし、年度毎の収益は黒字で、ここ数年は借入金を返済しているから、
銀行や資本家的基準から見れば決して悪い状態ではない筈だ。

しかも 、NPO法人は、収益が第一の目的の一般企業とは違う。
社会貢献活動を行ない、貢献活動が評価されて寄付金が集まり、
それを運営資金にして活動するのが基本と理解しているが ・・・、
「お金は信用の基本」と言われ続けると、揺らいでしまう時もあった。




『 GRA発足の目的は 』

そもそも、GRAを発足させた目的は “ お金 ” ではない。
全国的に競技系イベントを全国で振興・開催していたカワサキ社(川崎重工)が、
1990年末、翌年からの全国的な開催を中止するとの発表をした際、
それまで楽しく参加して生き甲斐にも感じていた僕は、

「 単なる “ お客様 ” で甘え過ぎていたのではないか? 」
「 主催者サイドの事を考えて十分な事をしてきたか? 」

と自問して反省した事がきっかけだった。
オートバイに乗って楽しめる環境があるなら、その環境を守り育てて、
いつまでも続く様にするのは当然な事で義務だと考えて、
それまで行なっていたDMネットワークと知人・友人の協力を仰いで発足させたのだ。

その時の反省と信念は、今も変わらない。

※参照 [ GRA 誕生のいきさつ ]http://gra-npo.org/policy/explanation/birth.html


『 これから 』

レッスンや練習会などの走行系イベントの開催は年に数回程度に留めて、
“人づくり ” という当初からの目的に向けた活動を更に深めていきたい。
そして、その活動内容と状況をもっと広く発信し続けていく事で、
この活動への注目と理解を広めて、賛同や共感を広げていきたい。

それが発足当初からの目的であるし、真の賛同の輪を築く事が出来れば、
“ 寄付金 ” の輪を広げる事に繋がると期待もしている。
そういう形こそ、NPO や NGO 等の本質的で一般的な形態だからだ。

お金で信頼を得るよりも、目標達成へと向かう事で信頼は得るべきだ。
目標達成できず、お金だけ残っても何の意味も無いのは間違いないから。

※参照 [ GRA 目標は ] http://gra-npo.org/policy/explanation/target.html

* * * * * *

≪ あとがき ≫

イベント主催者の目標や理念を理解せず、参加する権利はあると考える人達。
自身の楽しみの為に、他者へのモラルを守らず、交通ルールを破る人達。
無分別に改造した車両を走らせる人達と、競って改造用品を発売する業界の人達。
新型車売上の為に、宣伝で煽るメーカーと追従する販売店、メディア業界の人達。

それら、権利や収益だけを考える人達が、他者の守られるべき権利を阻害し、
いつまでも、楽しく、安全に、楽しむ環境を育成している人達を挫いています。
そんな状況を少しでも変え、守り育てる人をサポートしたいと考えています。



フロントスプリング交換 と セッティング ( その3 )

2019-01-23 04:07:39 | 妖怪ガレージ、奮戦記

・・ 前回記事 『 花嫁スプリングの性格診断 』の 続編が今回の話 ・・

愛車・トラ君のフロントサスペンション、方向安定性が不足の “ 持病 ” を解決の為に、フロントスプリング交換を検討中だ。
前回までの話は、フロントスプリングはとてもデリケートな設計が必要な為、どの車両メーカーも車種毎に専用設計のスプリングを採用しているほど、とても多くの仕様や性格がある事まで説明をしたところだ。


『 方向安定性が足りないと 』

ライダーなら誰でも、低速走行の時、一度は怖い思いをした事がある筈だ。
行きたい方向とは違う方へオートバイが行こうとしたり、どちらへ行こうとしているか分からなくなったりした事がある筈だ。

そう感じる原因の多くは、フロントタイヤに “ 方向安定性 ” が足りないからだ。


誰もが知っている通り、オートバイにとってフロントタイヤ(前輪)は進行方向を決める大切な役割がある。 もし、フロントタイヤに方向安定性が足りないと、進行方向をはっきりと決められず、ライダーはハンドルを通じて、フロントタイヤの不安感を感じるから怖く感じるのだ。


『 方向安定性を得るために 』

方向安定性とは、フロントタイヤが向いている方向へ進もうとする力であり成分だ。
そして、方向安定性の大きさは何で決まるかと言えば、以下の通りだ。

1. フロントタイヤの外径 ・・・ タイヤの外径が大きい程に安定する
2. フロントタイヤの回転速度 ・・・ 速度が高い程に安定する
3. バンク角 ・・・ 直立している時が一番安定して、バンクさせる程に不安定に
4. トレール量 ・・・ トレール量が大きい程に安定する
その他に、タイヤのエア圧、路面の摩擦係数 なども関係する

ここから、40 ㎞/h以下の低速で バンクさせて走る場合に “ 方向安定性 ” を守るには、 「 トレール量 」が大切だとわかる。


上の図の通り、「 トレール量」は どんなオートバイでも必ずあるものだ。
と言えば、「 だったら問題は無いのでは? 」と思うかも知れないが、それは違う。
「 トレール量 」は大きくなったり小さくなったり、いつも変化しているのだ。
変化は必要な事だけど、そこに悩みの原因があるのだ。


『 トレール量は、常に変化している 』

では、どんな時に「 トレール量」が変化しているかを図で説明しよう。


上の図の通り、フロントサスペンションが伸びた時はトレール量は大きくて、縮めば縮むほどに小さくなる事がわかる。これは現在のほとんどのオートバイが採用しているフロントサスペンション(テレスコピック式)に共通した特性だ。

フロントサスペンションが縮むとトレール量が小さくなり、方向安定性も小さくなるから 進行方向が変わりやすくなるのだ。
つまり、コーナリングを開始する際に軽くブレーキング、または開けていたアクセルをOFFにすると、荷重移動によってフロントサスペンションが軽く沈み、トレール量が減るから方向安定性も減り、向き変えがしやすくなるからスムーズにコーナリングを始められるのはこの特性があるからだ。
その上、コーナリングに入ればコーナリング荷重によって沈み込みが増え、更に旋回性が良くなり、コーナリング中にフロントブレーキを掛ければトレール量が小さくなり旋回性がもっと増すのだ。

こんな風に、トレール量が変化するからこそ旋回性が増し、バンクさせてコーナリングをする楽しさが味わえるからこそ、1950年代から普及し始めた「テレスコピック式」のフロントサスペンションが現在でも変わらず採用され続けているのだ。
(※ 四輪車サスペンションが変化・革新し続けているのと異なり、オートバイのその形式が基本的に変化していない理由は、ライダーが舵輪からのフィードバックを直接的に受けられる事と、トレール変化の特性がライダーのコーナリング感覚にフィットしているからだろう )

しかし、トレール量が変化するのは決して良い事ばかりではない。
最初に書いた通り、特に低速走行時に多いけど、オートバイ操作によっては「方向安定性」が足りなくなり、ライダーは怖さを感じたり楽しめなくなる原因に「トレール量」が関係しているのだ。
だから、「 最適トレール量 」や「 最適トレール量変化 」も忘れてはいけないのだ。


※ 次編では『 最適トレール量を確保せよ 』を掲載予定です。乞うご期待 !


* * * * * *

※ 専門的な用語は、『 GRA・用語解説辞典 』に掲載していますので、参照ください
GRA・用語辞典 』( http://gra-npo.org/dictionary/top.html



フロントスプリング交換 と セッティング ( その2 )

2019-01-21 22:29:04 | 妖怪ガレージ、奮戦記

・・・ 前回記事 『 花嫁スプリング選び・その1 』の続編です ・・・

『 花嫁候補の性格診断 』

フロントスプリング(花嫁候補)の選ぶ方法は、人間の場合と同じ(?)「 性格 」と「 体格 」が決め手になるので紹介する。

「 性格 」診断で一番大切にしている事は、柔軟性を示す【 スプリングレート 】だ。
スプリングは、タイヤ(ホイール)と人間(ライダー)の間に立って、タイヤが路面から受け取っている情報を上手にライダーに伝える役割と、オートバイとライダーの重さをタイヤに無理させず伝える役割という、とても重要な働きを任されている。

性格が優しすぎる(スプリングレートが低い)と 外圧が大きいと落ち込んでしまい、気が強過ぎる(スプリングレートが高い)と 逆に細かな事には気が利かないのだ。



『 好みは ツインレート 娘 』

例えば、候補の中から二人(本)を並べて較べると以下の違いがある 。


上が 「 ホンダ純正 VFR400 用 」で 下が「 トライアンフ純正 ディトナ675 用 」だ。
そして、それぞれの【 スプリングレート 】(計算値)は次の通りだ。


上段の 「 ホンダ純正 VFR400 用 」スプリングのスプリングレートは、最初(初期レート:K0)は 0.61 Kgf/mm で、下段の「 トライアンフ純正 デイトナ675 用 」スプリングのスプリングレートは、0.96 Kgf/mm より小さい(低い)ので、荷重が小さい時には優しい性格だ。

そして、荷重(外圧)が大きくなった時には スプリングレートが 0.99 Kgf/mm へと変化( 2次レート:K1 )して、0.96 Kgf/mm のまま変わらない「 デイトナ675 用 」よりも 大きな荷重に耐えられる性格になっているのだ。
この様に、荷重の変化に合わせて スプリングレート が変化するスプリングを “ ツインレート ” スプリングといって、その万能的な性格が評価されてメーカー純正で多く採用されているスプリングだし、僕もこの “ ツインレート ” スプリングが好きだ。

しかし、ツインレートスプリングの難しさはここからだ。
初期レート(K0)2次レート(K1)の値の設定だけではなく、“ 変換 ” といってスプリングが何ミリ縮んだ時にレートが変換するのかを選択するのも加わってくるからだ。
オートバイメーカーはその車種専用にツインレートスプリングを作り、テストコースで確認するノウハウがあるから可能になるが、限られた資材とノウハウでは難しい。これが、サーキットなどレースの現場では “ シングルレート ” スプリングが採用されている理由だけど、僕はレースではないから、最適なスプリングに巡り会う旅を楽しんでいるのだ。

※ 次編では、『 フロントスプリング変更で、何が変わる? 』を届けますので、ご期待ください。

* * * * * *


※ 専門的な用語は、『 GRA・用語解説辞典 』に掲載していますので、参照ください
GRA・用語辞典 』( http://gra-npo.org/dictionary/top.html