二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

美しい二胡の音を響かせる方法論。全弓一音。

2015-05-26 11:26:25 | ■工房便り 総合 
二胡を始めたころはどうしても弾く、ということで、力んでしまいがちでした。

勿論手の力の脱力と言うのが出来ていないという事もありました。

でもその脱力が難しいですし、どうやったら出来るのかという解説もありません。

と、思っていると、それは間違いだったと気が付きます。

先生はちゃんと教えていたはずなのです。

ただ中国人の先生ですと、上手く説明できなかっただけかもしれませんし。

又、こうやればよいのだというだけだったのかもしれません。

説明を受ける方が、そのように聞いていなかったという事もあります。

以下は私の経験からの話です。

「全弓で一音を弾きなさい」

「弓の手元から先端まで全部使って一音を弾くようにしなさい」という話はたぶん聞いたことがあると思います。

ゆっくりな、一音でしたら問題は無くみなさんできるとおもいます。

速い曲ですと、弓を使う長さが短くなります。

先生方の弓の使う長さと言うのは同じ長さの曲を弾いていても、とても長く弓を使いますよね?

擦弦楽器は、同じ長さの音でも、弓を早く長く使うと大きな音になります。

小さな音にするには、同じ圧力で短く弾きます。

短く弾いてなおかつ大きな音にしようとすると良い響きには鳴りません。

その大きな音を作るはずの、長く弾くというのをなるべく軽く、弓全体を使って弾こうとする時には、

どうしても、弓の毛を弦に当てる力、圧力を少なくしないと素早く長くは弾けません。

これやってみてください。

ものすごく圧力を小さくして、なおかつ音が擦れないぐらいのスピードで全弓を弾く練習と言えますかね。

最初は出来なくとも弓を少しずつ長く使いなるべく軽く使うようにしていくと、出来ます。

事実上は、同じ長さの音を倍のスピードでなどはとても無理でしょうね。

せめて、テンポ60で弾くところを、80くらいでもかなり効果は出ると思うのです。

何の効果かというと、脱力です。

そして弦の振動を小さな毛の圧力でも鳴らせるようになるための、効果です。

弦は、意外と小さな振動でもきちんと弓毛が引っ掛かるととんでもなく良く鳴るのです。

これも実験の内と思ってやってみてくださいな。

いずれにせよ、弓を弾くというのは日常的な手の動きの中にはありません。

それを40歳50歳、中には60歳になって始めようというのですから、

これは時間がかかります。

でも先生の指導をきちっと聞いてとにかくやってみると、時間はかかっても出来ると思うのです。

とにかく曲を弾き始めると、今度は左指の思うようにならなさに、ついつい右手がおろそかになります。

また、先生方はせっかく教えてくれているのかもしれない、右手の動きと言うのを練習するのを怠ります。

右も左もそんなにできるかと!

左手が音程を決めますから、ついそちらに音楽の本質があるように感じてしまいがちですが、

二胡の音色素敵ねと思って始めた、二胡ですからその音色を出すという事にもう一度立ち返って、

と言うより、毎日10分でも良いです、楽器ももたずにでも良いですから、右手の動きと言うのをやってみませんか?

勿論お前にそんなこと言われなくともちゃんとやってる、と思われる方もいるでしょうが、

どんな、スポーツでも、楽器でもプロになっても、基本は大切なのではないでしょうか。

良い音色を響かせてこそ、二胡ですから。






Comment    この記事についてブログを書く
« 美しい二胡の音を響かせる方... | TOP | 5月24日(日)練習のこと... »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | ■工房便り 総合