二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

小葉紫檀の二胡について。

2012-09-13 10:17:34 | ■工房便り 総合 
「私はコーキの二胡が好き」

今回劉継紅先生にお会いした時に、先生はご自分の二胡についてこのようにおっしゃていました。

中国人の二胡奏者の8割くらいがこういいます。

コーキ、コウキ、紅木と書きます。

小葉紫檀、レッドサンダー、これらはみな同じものですね。

インドではすでに伐採禁止となり、どういうルートで入って来るのか(笑)多少は中国にも入っているらしいのですが、何しろ油分の多い木ですから、今はいったとしても使えるのは30年以上先でしょう。

家具材としても相当高級な方です、多分ブラジリアンローズウッドを上回る金額になります。

銀の2倍位の金額になるでしょう。

中国ではこれらの高級材は重さで金額が決まりますから。

三味線の最高級品でもあります。

三味線に作ったとして多分、300万円を下らないでしょう。(最近では500と言います)

私ではとても手の出ない金額ですが、ある時、ブラジリアンローズを購入した時に、「これ、コウキじゃない?」

「そう、ついでに買う?」

「ついでという金額じゃないでしょう」

「いや、それなら、多少皮が噛んでいるから安くしても良いよ、三味線には使えないから」

とのお言葉、ホントに多少でしたが、思ったよりも安く購入できたので、二胡に作ってみました。

皮が噛んでいる、というのは、要するに木の一番外側の柔らかいところです。

見た目は悪いのですが、ギター作る人なら喜んで買うようなところです。

二胡にももちろん胴を作るなら一番良いところではあります。

まあ、売れるわけでもないから、見た目より音だなと、さっそく作り始めて、なんだかんだと、1年経ちました。

使おうと思っていた皮が、何か気に入らなく何回かやり直したのと、

先日、あり得ないことに、、、、、とても良い蛇皮が手に入ったからでもあります。

出来上がって弾いてみました、私なんかが弾いても良い音がします。

まさに二胡の音色です。

含みがあるのです、音の幅が飛んでもなく広いのです。

但し黒檀系の様な爆音にはなりません。

通常作っているドデカゴンの形態を取ったにもかかわらずです。

ドデカゴンはグループレッスンで目立つから音を小さくして下さいと、よく調整し直しをします。(泣く)

これこそ二胡の音、多分、この音を聞いて、この音に近くなるように、他の木でも近い音にならないかと、みんなが苦労して調整するのは、ここから始まったようでもあります。

しかし、老コウボクにしても、他のどんな木にしてもこの音色は出ません。

近い音に調整すると、なんとなく鼻づまりのような感じになってしまいます。

パンと鳴らないのは近いのですが、音の含みが違います。

あんな声で歌われたら、とてもたまりません。

これは、無理です、そもそも木自体の音色が違うのですから。

でも小葉紫檀の二胡を作って、二胡弾き皆が追いかける音というのが納得できました。

多分売れるものではないので、とうぶんというか、ずーっと光舜堂に置いておきます。

見てくれは悪いのですが、あの甘い音色、ほ、ん、と、甘い音色、是非弾きに来て下さい。



但し、気を付けて下さい、手放せなくなります。




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